弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

<   2011年 10月 ( 74 )   > この月の画像一覧

患者の権利オンブズマン,10月15日第1回医療・福祉ユーザーのための市民大学 in 飯塚

NPO法人患者の権利オンブズマンと医療事故防止・患者安全推進学会が,明日10月15日, 飯塚市中央公民館で,「第1回医療・福祉ユーザーのための市民大学 in 飯塚」を開催します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

第1部 住宅ホスピスって、なあに?~人生最後のケアも自分で選択~
 講師  矢津内科消化器科クリニック 院長 矢津剛さん
 患者の尊厳と自己決定権を尊重し、患者が人生の最後まで人間らしく生きていくことを支える「在宅ホスピス」の医療活動について話していただきます。

第2部 患者の権利オンブズマンに寄せられる苦情は、医療の課題を写し出す鏡
 市民相談員・事務局員などのボランティア活動について
 講師  NPO法人患者の権利オンブズマン理事長 池永満さん

日時:2011年10月15日(土)
        14:00~16:00 (受付開始13:30)
会場:飯塚市中央公民館 学習室301号&302号
       (飯塚市飯塚14-67 飯塚コミュニティセンター内)
参加費:500円
主催:NPO法人患者の権利オンブズマン、医療事故防止・患者安全推進学会
申込先:NPO法人患者の権利オンブズマン事務局
  TEL 092-643-7579  FAX 092-643-7578
参加は予約が必要,会場の都合上先着60名
 
毎日新聞「患者の権利オンブズマン:筑豊に相談室開設 医療苦情の解決支援 /福岡」(平成23年10月14日)は,次のとおり報じています.

「医療機関の患者や福祉施設の利用者の苦情相談を受け、解決に向けた支援活動をする福岡市のNPO法人「患者の権利オンブズマン」(理事長・池永満弁護士)が11月、筑豊相談室を開設する。毎月第3水曜の午後に弁護士らが無料で相談(面談)に応じる。15日には飯塚市で、開設に向けた講演会を開く。

 同オンブズマンは99年設立。当事者同士の話し合いを基本としつつ、カルテやレセプト(診療報酬明細書)に基づいたアドバイス、医療機関などとの話し合いに相談員が同行するなどの支援をしている。福岡と北九州のほか、熊本と大分にも相談室を開設している。

 10年度は計198件の相談があり、うち筑豊地区からの相談が9件あった。「福岡市まで出向くのが大変」などの声もあり、患者や家族の利便性を考えて筑豊相談室を新設することにした。相談は専用電話(092・643・7577)での予約が必要。面談場所はその際に案内する。

 開設記念の講演会は15日午後2時、飯塚市飯塚のイイヅカコミュニティセンターで。在宅ホスピスの医療活動をしている矢津剛・矢津内科消化器科クリニック院長が「在宅ホスピスって、なあに?」の演題で講演する。同オンブズマンの活動や相談員ボランティアの募集などについても説明がある。参加費500円。問い合わせは同オンブズマン事務局092・643・7579。【笠井光俊】」


谷直樹
下記バナーのクリックを御願いいたします.クリックは一日一回有効です.7日間のクリック数合計が順位に反映します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2011-10-14 14:15 | オンブズマン

ポリオワクチン問題について

b0206085_9415788.jpg

厚生労働省健康局結核感染症課長は,平成23年10月4日, 各都道府県衛生主管部(局)長宛に,「ポリオワクチンの接種に関する広報について(依頼)」という通知(健感発1004第1号)を発しました.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

通知は,
「厚生労働省では、不活化ポリオワクチンの導入に向けた取り組みを進めていますが、導入までには一定の時間を要することから、ポリオワクチン接種を待つ方が増えるとポリオに対する免疫を持たない人が増え、国内でポリオの流行が起こってしまう危険性があります。
このため、厚生労働省において、別添のとおり普及啓発用のリーフレットと、ポリオに関するQ&Aを作成いたしましたので、ご活用いただき、貴管下市町村等を通じて、住民の皆様への正確な情報提供に努めていただくようお願い申し上げます。」

というものです.

厚労省のサイトには,
「不活化ポリオワクチンが導入されるまで、ポリオワクチンを接種せずに様子をみる人が増えると、免疫をもたない人が増え、国内でポリオの流行が起こってしまう可能性が増加します。ポリオ流行のない社会を保つためには、ワクチンの接種が必要です。
生ポリオワクチンの2次感染を防ぐには、地域内で全ての乳児が一斉に接種を受けるのが、最も安全性の高い方法です。お住まいの市町村がご案内する時期に接種を受けることをおすすめします。」

と掲載されています.

もちろん,生ワクチンはウイルスを弱めただけなので,一定の割合で副作用が生じます.
そのため,輸入の不活化ワクチンを全額自費で受けるか,ワクチン接種自体を見送るという動きになっています.7月までに1万7000人以上の乳幼児が輸入の不活化ワクチンを接種しました.

厚労省の広報は,ワクチン接種自体を見送ることは止めたほうがよいというものですから,全額自費で輸入の不活化ワクチンを受ける人がさらに増えると思います.
今朝の新聞には,ナビタスクリニック立川の久住英二院長の「生ワクチンでまひが起きてからでは遅すぎる。国は緊急避難的にでも海外の不活化ワクチンを公費で接種できるようにすべきだ」とコメントがのっていました.
毎日新聞「ポリオワクチン:輸入急増 副作用恐れ自費で「不活化」」(平成23年10月14日)

親としてはより安全な輸入の不活化ワクチンを使いたいと思うのは当然ですから,海外から不活化ワクチンを一括購入してそれで接種を行うことができればそれが一番よいでしょうが,それが難しいのであれば,せめて輸入の不活化ワクチンへの或る程度の補助くらいは行うべきではないかと思います.

【追記】
毎日新聞「ポリオワクチン:神奈川「不活化」使用へ 集団接種、「生」手控え続出で」(平成23年10月15日)は次のとおり報じています.

「神奈川県は14日、乳幼児が受けるポリオ(小児まひ)の集団予防接種に、海外から輸入した「不活化ワクチン」を全国で初めて使用することを決めた。定期接種に使われている現行の生ワクチンは、ごくまれだが手足にまひなどの副作用が発生しており、予防接種を手控える保護者が増えているためだ。11月にも始め、費用は利用者の負担とする。【斎藤広子、河内敏康】」

できれば費用の一部でも援助があれば受けやすくなりますのでなおよかったと思いますが,より安全な不活化ワクチンへの切り替えは適切な措置だと思います.

厚労省は,生ワクチンを打ってください,と言ったそうです.
副作用救済制度は,単に補償金がでるだけです.
健康被害がより少ない輸入不活化ワクチンのほうを選ぶのが常識でしょう.

谷直樹
下記バナーのクリックを御願いいたします.クリックは一日一回有効です.7日間のクリック数合計が順位に反映します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2011-10-14 09:26 | 医療

訃報

斎藤憐(本名安彦憐)氏が,10月12日,肺炎のため逝去しました。
謹んでお悔やみ申し上げます.

ロングランを続けた伝説のジャズ劇『上海バンスキング』等で知られた,高名な劇作家でした.
吉田日出子さんの「リンゴの木の下」は,とても素敵です.

斎藤憐氏は,私が以前所属していた,千勝法律事務所の所長弁護士山口紀洋(「不思議な弁護士の話」ご参照)の親友でもありました.

谷直樹
下記バナーのクリックを御願いいたします.クリックは一日一回有効です.7日間のクリック数合計が順位に反映します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2011-10-13 20:03 | 日常

秋の歌10曲

b0206085_15351067.jpg

事務局Hです.
谷先生が,「秋の曲には名曲が多い」とおっしゃっていたので,私も選んでみました.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

◆ Perfume「マカロニ」

「見上げた空は高くて だんだん手が冷たいの」という歌詞で始まります.
付き合いたての男女の初々しい気持ちがとても微笑ましく,可愛らしい歌です.
Perfumeはライブに行くくらい好きですが,cupsleなど,中田ヤスタカさんが作る曲はアレンジがすばらしく,大好きです.

◆ L'Arc~en~Ciel「the forth avenue cafe」

日本を代表するバンド,ラルクの昔の曲です.
私の小中学校時代は,このバンドと共にあったと言っても過言ではないくらい,よく聴いていました.最近の曲はさほど・・・という感じですが,
winter fall,虹,HONEY,HEAVEN'S DRIVE,LOVE FLIES,STAY AWAY等有名な曲を何曲も発表していた全盛期はとても格好良く,大好きでした.

◆ GO!GO!7188「初秋」

高校生の頃夢中でコピーしたバンドで,ライブも何度か見る機会がありました.
歌詞との関連性はないのですが,タイトルが秋なので,選びました.

◆ CHATMONCHY「染まるよ」

この曲の歌詞の通り,夜に1人で散歩しながら聴きたくなる曲です.
“大人だから一度くらい煙草を吸ってみたくなって 月明かりに照らされたら悪いことしてるみたいだ”
“あなたの好きな煙草 私より好きな煙草”
という歌詞があるので,谷先生はお好きではないと思います.

◆ GOING STEADY「銀河鉄道の夜」

日本のロックバンド,ゴイステの名曲です.
どちらかというと秋よりは冬の曲なのですが,先輩のバンドが文化祭の後夜祭のステージで演奏していた思い出が強く,私の中では秋の曲という印象です.

◆ 凛として時雨「秋の気配のアルペジオ」

凛として時雨は,普通のバンドより1オクターブ高い声で歌っています.
独特の声と,演奏技術の高さは,聴けば聴くほど病みつきになる「スルメ」のようなバンドです.
ただ,歌詞が聞きとりづらいので,空耳が多いバンドでもあります.

◆ SMAP「オレンジ」

言わずと知れたSMAPの名曲.
秋=夕暮れ=オレンジ,と連想しました.

◆ Spitz「楓」

“さよなら 君の声を 抱いて歩いていく”という切ない歌詞とタイトルから.
卒業シーズンに歌っていた印象があるのですが,改めて聴いてみると,タイトルからも,秋の曲だなぁと思いました.

◆ 嵐「Beautiful day」

二宮和也さん主演のドラマ「流星の絆」のテーマソングでした.
両親を殺害した犯人を捜すストーリーと,“悲しみを分けあって涙の数へらすより 喜びを分かちあえないほうがつらいね”という歌詞がマッチしていました.
来週から,嵐の櫻井翔さんのドラマ「謎解きはディナーのあとで」が始まるので,そちらも楽しみです.

◆ Cocco「焼け野が原」

“ねぇ言って ちゃんと言って 私に聞こえるように大きな声で もう泣かないで良いように”
という歌詞で始まる,あまりにも有名なCoccoさんの名曲です.
“どこまでも行けるような気がしてた でも寒くて とても寒くて歩けない もう歩けないよ”
という歌詞のため,秋や冬のイメージがあるのだと思います.
出演した某音楽番組で,裸足で歌い,歌い終わるとお辞儀を一つして裸足のまま走り去っていった姿がとても印象的でした.

寒くなる季節柄なのでしょうか,どこまでも明るい夏の曲とは違い,別れを歌った曲が多いと思いました.

谷直樹法律事務所
応援のクリックを御願いいたします.クリックがランキング順位に反映します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2011-10-13 14:55 | 趣味

日弁連,障害者自立支援法を確実に廃止し・・・総合的な福祉法の制定を求める決議

b0206085_938229.jpg

日本弁護士連合会は,平成23年10月7日,「障害者自立支援法を確実に廃止し、障がいのある当事者の意見を最大限尊重し、その権利を保障する総合的な福祉法の制定を求める決議」を行いました.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

「「Nothing about us、 without us !」私たち抜きに私たちのことを決めないで!

この言葉をスローガンとして2006年12月13日、「障がいのある人の権利に関する条約」(Convention on the Rights of Persons with Disabilities)(「権利条約」)が国連において採択された。「障がいのある人が個々に必要な支援を得て社会の対等の一員として位置づけられること(インクルージョン)」といった理念が広く浸透し、障がいのある人は、社会の一員としてすべての基本的人権を完全かつ平等に享有し、固有の尊厳を有する権利の主体であると国際的に確認され、同条約採択に至ったものである。

しかしながら、我が国では長らく障がいのある人は「権利の主体」ではなく、「保護の客体」として従属的地位に置かれてきた。我が国の障がいのある人に他の者と平等に生きる権利が保障されるためには、国内法を権利条約の求める水準に改革した上で、同条約を批准することが求められる。

権利条約を批准するため、そして、その条約が実現しようとする障がいのある人の権利が実効的に保障されるためには、障がいのある人の実感と実情に基づく当事者自身の声を最大限尊重して国内法整備が図られるべきである。そのような観点から、政府では、2009年12月から権利条約批准を実現することを目的として障がい者制度の集中的な改革を行う「障がい者制度改革推進本部」、障がいのある人を半数以上の構成員とする「障がい者制度改革推進会議」(「推進会議」)が設置され、当事者の意見を踏まえずに拙速に施行して障がいのある人の尊厳を傷つけた障害者自立支援法の轍を踏まないように55人からなる「総合福祉部会」が設置され、障害者自立支援法廃止後の新たな総合的な法制について精力的な議論がなされ、新しい法律の骨格が提言されてきた。かかる当事者主体の議論の成果を最大限尊重して法案が制定されなければ、真に障がいのある人の権利の主体性が保障されるとはいえず、権利条約の精神が活かされない。しかしながら2010年にこれらの障がいのある当事者の意見を十分に踏まえずに、障がい者自立支援法「改正法」が成立するなどの状況もあり、改革の行く末に危惧を禁じえない状況である。

そのため、当連合会は国に対して、次の事項を強く求めるものである。

1 障害者自立支援法の2013年8月までの確実な廃止

2 同法廃止後に向け、次の(1)から(6)までの事項を満たす、障がいのある人の権利を保障する総合福祉法(新法)の制定・施行
(1) 障がいのある人の「完全参加と平等」の理念の下、障がいのある当事者が多数構成員となっている推進会議及び総合福祉部会が、新しい法律の骨格について提言している意見を、最大限尊重すること。
(2) 権利条約、憲法に基づく障がいのある人の基本的人権を具体的に保障する規定を明確に設けること。
(3) 発達障がい・難病等が法の対象となるよう障がいの範囲を広げることなど制度の谷間を作らないこと。
(4) 障がいのある人の地域での自立生活を実現可能とするための支援を量的にも質的にも保障すること。
(5) 応益負担を撤廃し、障がいゆえの特別な負担を障がいのある当事者に強いないこと
(6) 「支援のない状態」を「自立」と理解する現行の介護保険制度と障がいのある人の権利保障制度とを統合せず、現行の「介護保険優先原則」を廃止すること。


以上、当連合会は、障害者自立支援法を確実に廃止し、障がいのある当事者の意見を最大限尊重し、当連合会の本提言に沿った、障がいのある人の権利を保障する新たな総合福祉法の制定を強く国に対して求め、自らも積極的な役割を果たしていくことをここに決意する。」

谷直樹
下記バナーのクリックを御願いいたします.クリックは一日一回有効です.7日間のクリック数合計が順位に反映します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2011-10-13 01:51 | 弁護士会

立正佼成会付属佼成病院,薬剤の濃度を誤り患者重篤に

b0206085_16205920.jpg

読売新聞「胃検査の薬濃度誤る、80代女性が重篤」(2011年10月12日)は,次のとおり報じています.

「立正佼成会付属佼成病院(東京都中野区)は12日、80歳代の女性に対する胃の内視鏡検査の際、薬剤を誤使用し、女性を重篤な状態に陥らせる医療過誤が起きたと発表した。
 同院や報告を受けた東京都によると、医療過誤が起きたのは9月22日。女性は外来で同院を訪れて検査を受けた。その際、検査に使用する薬剤の濃度が誤っていたため、帰宅後、体調が悪化したという。現在は別の病院に入院し、治療中という。」


毎日新聞「佼成病院:80歳重篤に…酢酸の濃度調整誤り 東京・中野」(2011年10月12日)は,次のとおり報じています.

「東京都中野区の立正佼成会付属佼成病院(神保好夫院長、363床)は12日、先月実施した胃がんの女性患者(80)に対する内視鏡検査で、男性内科医師(34)が病変部分を見やすくするために使う酢酸の濃度調整を誤り、通常の約7~15倍で使用、腸管壊死(えし)などの重篤な状態にさせる医療過誤があったと発表した。病院はミスを認め女性や家族に謝罪し、先月末に経緯を東京都に報告した。

 会見した神保院長らによると、女性は健康診断で早期胃がんが見つかり先月22日、病変の範囲を確かめる内視鏡検査を受診。医師は色素を使う検査法を試したが不鮮明だったため、臨床検査技師らと相談、酢酸原液を薄めて使った。通常1.5~3%の濃度が適切だが、その後の調査で約23%という高濃度だったことが分かった。

 女性が検査直後から強い腹痛を訴えたため、検査技師は高濃度の酢酸が原因ではないかと指摘したが、医師は酢酸の影響を認識しておらず薬を処方し帰宅させた。女性は同日夜、別の病院に救急搬送され、壊死部分の切除手術を2度受けた。現在は集中治療室に入っているという。【佐々木洋、小泉大士】」
 

胃の内視鏡検査の際に使用する薬剤の事故は,内視鏡検査の数が多いので,これまでも結構報告されています.しかし,2003年に舞鶴赤十字病院で酢酸の原液を注入して死亡という事故がありましたが,検査薬の酢酸を誤って7倍以上高い濃度で投与した例は,珍しいのではないでしょうか.
酢酸はがんの部位を白く浮かび上がらせる検査薬として使われますが,この佼成病院ではその検査は行われていなかったそうです.また,内科医は院内にあった酢酸が高濃度だと危険,壊死が生じる,という認識を欠いていたようです.注意義務違反は重大で,結果も重大です.

【追記】
患者は,14日午後にお亡くなりになりました.ご冥福をお祈りいたします.

谷直樹
下記バナーのクリックを御願いいたします.クリックは一日一回有効です.7日間のクリック数合計が順位に反映します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2011-10-12 16:15 | 医療事故・医療裁判

日弁連,患者の権利に関する法律の制定を求める決議

b0206085_10411743.jpg

日弁連は,平成23年10月7日,「患者の権利に関する法律の制定を求める決議」を行いました.

「本年3月11日に発生した東日本大震災は、多くの人の生命を奪い、多くの人を生命の危機にさらし、我々の社会と生活を大きく揺さぶった。この大災害により、我々は、医療が我々の生命、健康、社会を支える最も重要な基盤の一つであることを改めて強く認識した。安全で質の高い医療は、健康で文化的な生活を営み、幸せに生きるために必要不可欠である。

しかし、今日、医療は多くの重要な課題を抱え、患者の権利が十分に保障されていない状況にある。

第一に、医療従事者の不足が、時に安全な医療を受けることを困難にし、地域・時間帯や診療科目などの事情によっては、医療を受けることすらできない事態を招いている。また、昨今の厳しい経済情勢の中、貧困等の経済的理由によって医療を受けること自体ができない患者も増加している。こうした状況を克服し、誰もが安全で質の高い医療を受けられるようにしなければならない。

第二に、インフォームド・コンセント原則が十分に実践され患者の自己決定権が実質的に保障されなければならない。高齢者、障がいのある人、子ども、外国人などが必要な支援を得ることによって、医療を受けるに当たり自らが説明を受けて決定でき、あるいはその意思決定能力に応じて決定に参加できるようにしなければならない。他方で、自ら自己決定権を行使することができない患者について、同意ができないことを理由として、必要な医療を受けられない事態が生じないような制度整備も必要である。

第三に、患者は、可能な限り通常の社会生活に参加し、私生活を営むことを保障されなければならない。成長発達の過程にある子どもの患者、長期間にわたって治療を必要とする患者、あるいは強制入院を始めとする施設収容が行われがちな精神疾患の患者などが受けている様々な制約は、その必要性の有無と制約の程度に関しての合理性を十分に吟味して、可能な限り取り除かれなければならない。

第四に、刑事収容施設の被収容者が安全で質の高い医療を適時に受けられない状態が半ば放置されている深刻な事態は一刻も早く解消されなければならない。

こうした課題の解決には、患者を医療の客体ではなく主体とし、その権利を擁護する視点に立って医療政策が実施され、医療提供体制や医療保険制度などを構築し、整備することが必要であり、そのためには、その大前提として、基本理念となる患者の諸権利が明文法によって確認されなければならない。

さらに、患者の権利について考えるとき、我々は、医療の名の下に患者のあらゆる人権を奪い、その尊厳を踏みにじったハンセン病問題を忘れてはならない。ハンセン病患者は、絶対隔離政策の下で強制的に療養所に収容され、収容後は外出を許されず、十分な治療もないまま劣悪な環境下におかれ、断種、堕胎を強制されるなどの重大な人権侵害を受け、多くの入所者が今なお療養所からの退去もかなわぬまま、相次いで人生の終わりを迎えている。

このような未曽有の人権侵害を二度と起こさないためには、患者の権利を法によって保障しなければならない。今もなお、HIV感染者を始めとする感染症患者や精神疾患を有する患者らに対しても、差別偏見や医学的合理性を欠いた過度の制約が行われがちである。ハンセン病問題は、現在、将来にわたる教訓として、生かし続けなければならない。

「ハンセン病問題に関する検証会議の提言に基づく再発防止検討会報告書」(2009年4月)は、「患者の権利に関する体系」を取りまとめ、患者の権利擁護の観点を中心とした医療関係諸法規の整備と医療の基本法の法制化を求めた。
今年は、国のハンセン病絶対隔離政策を違憲とする判決が下されてから、ちょうど10年になる。

当連合会も、長年にわたり、患者の権利の重要性を訴え、その法制化を求めてきた。患者の権利を明文法によって確認する機は既に熟している。

よって、当連合会は、すべての人に対する以下の権利の保障を中核とした「患者の権利に関する法律」を速やかに制定することを求める。

1 常に人間の尊厳を侵されないこと。
2 安全で質の高い医療を平等に受ける権利を有すること。
3 疾病又は障がいを理由として差別されないこと。
4 インフォームド・コンセント原則が十分に実践され,患者の自己決定権が実質的に保障されること。
5 可能な限り,通常の社会生活に参加し,通常の私生活を営む権利を有すること。
6 国及び地方公共団体は,上記の患者の権利を保障するための施策を実施する責務を負うこと。


以上のとおり決議する。」

谷直樹
下記バナーのクリックを御願いいたします.クリックは一日一回有効です.7日間のクリック数合計が順位に反映します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2011-10-12 10:44 | 医療

ローズマリー・ギブソン氏,病院スタッフによる医療メディエーションの役割には限界がある

b0206085_8405145.jpg

ローズマリー・ギブソン氏の「医療事故において医療メディエーションが担う役割はあるか」(週刊医学界新聞第2939号(2011年8月1日))を改めて読みましたが,大変的確な指摘を行っています.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

近時,医療事故に対する,院内の組織的取り組みが推奨され,病院スタッフによる医療メディエーションへの期待が高まっています.
しかし,そのことにより,当該医師が,医療事故被害者の前から姿を消し,他の人に対応をゆだねてしまう現象がみられます.

ローズマリー・ギブソン氏は,次のとおり述べます.

「医療過誤によって被害を受けた患者および家族は,医師と医療機関に正直な対応を求めています。それによって何が起こったのかを理解し,そしてその事象が被害者の健康や今後にどのような影響を及ぼすのかを理解したいと切に求めていることが,医療機関や研究機関の調査研究によって近年明らかになってきました。」

これは異論のないところでしょう.
さらに,原因究明,その報告,そして再発防止における医師の役割について,次のとおり述べます.

「事故を起こした当該医療者に対しては,その事象について責任ある対応を期待し,原因究明に献身的に義務を果たすこと,そしてその事故原因について情報が得られるたびに,継続的に患者・家族に伝えてほしいと望んでいます。当該医療者が医療システムの改善に責任を持って取り組み,その結果,将来的に他の患者が傷つくことがないようにと願っているのです。これらの議論では,医療が持つ性質上,医師や当該病院の責任者がリーダーシップを取り,ロールモデルとならなければなりません。」

そして,以下の点を指摘します.

◆その場限りの対応で終わらせない
◆明らかになった事実は担当医あるいは責任者が伝える
◆患者・家族は継続的なケアを必要としている
◆医療者自身にもまた,癒しが必要
◆解決を急がず,継続的な会話を


時間をかけて,患者・家族と対話を持ち続け,少しずつ癒されていく関係を構築することを通して,医療者もまた癒されることになる,と述べます.

「WHOの医療安全に関するカリキュラムでは,有害事象発生後における正直さと透明性の担保は患者の視点を大切にしたプロフェッショナリズムの重要性を反映しており,さらに医療安全のために,患者とパートナーシップを組む機会を医療者や病院に提供していると指摘されています。」

谷直樹
下記バナーのクリックを御願いいたします.クリックは一日一回有効です.7日間のクリック数合計が順位に反映します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2011-10-12 08:35 | 医療事故・医療裁判

国立ハンセン病資料館,「たたかいつづけたから、今がある-全療協60年の歩み-」

b0206085_445911.jpg
b0206085_452222.jpg


•会  期:2011年10月1日(土)~12月27日(火)
•開館時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)
•休 館 日:月曜日、祝日の翌日
•会  場:国立ハンセン病資料館
•観 覧 料:無 料

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

読売新聞「ハンセン病療養所入所者組織の歩み 企画展に」(2011年10月11日)は,次のとおり報じています.

「全国の国立ハンセン病療養所の入所者で組織され、入所者の生活や医療の改善を求めて活動を続けてきた「全国ハンセン病療養所入所者協議会」(全療協)。その60年の歩みを写真や映像で振り返る企画展「たたかいつづけたから、今がある」が、東京都東村山市青葉町の国立ハンセン病資料館で開かれている。12月27日まで。

 展示では、1951年の全療協の結成から今日までの活動の歴史を「らい予防法闘争」や「国家賠償請求訴訟」など11のテーマに分け、当時の写真や資料約110点を紹介している。

 患者の強制隔離を定めた「らい予防法」(96年廃止)改正を求めて同市の多磨全生園から国会まで歩いたデモの様子、あまりにも低い日用品購入費用の増額を求めた厚生省(当時)のロビーでの座り込み――。当時の写真からは、入所者が自ら権利を勝ち取るため、絶えず行動してきたことがうかがえる。

 また、同館職員が全療協の幹部らに取材した映像も上映。「療養所内の医師数増員などを求めてデモを計画したところ、厚生省の役人に呼び出され、つかみかからんばかりの論争になった」といった当事者の証言は、今なお鮮明だ。

 今年は全療協結成から60年の節目に当たる。同館では、地域に開かれた施設にするという療養所の将来構想を考えるうえで、「どんな歴史的背景を持った場所なのか市民に知ってもらいたい」と企画したという。

 全療協の多磨支部長で、多磨全生園の入所者自治会長の佐川修さん(80)は「待遇が改善されるまでは、入所者のし尿処理や亡くなった人の火葬まで全て自分たちでやってきた。全療協での闘いがあったからこそ、今日の生活がある」と振り返る。

 同館学芸員の稲葉上道(たかみち)さん(39)は「入所者にとって療養所は強制隔離されたつらい場所だけでなく、自らの努力で住みやすく改善してきた思い入れの深い場所。今後の生活保障はどうなるのか、療養所をどう残すのかなどを考える機会になれば」と話している。

 11月には、全療協の神(こう)美知宏会長や佐川さんらが全療協の歴史などについて語る講演会も予定されている。

 入館無料。月曜、祝日の翌日は休館。問い合わせは、同館((電)042・396・2909)へ。」


谷直樹
下記バナーのクリックを御願いいたします.クリックは一日一回有効です.7日間のクリック数合計が順位に反映します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2011-10-12 04:07 | 医療

タバコ会社は,タバコに放射性物質が含まれることを40年間隠蔽していました

b0206085_1023399.jpg米国のタバコ会社は,タバコに放射性物質ポロニウムー210があることを1959年の段階で既に知っていて,隠蔽していた,という事実が明らかになりました.University of California, Los Angelesの研究者が,27の文献資料から裏付けました.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

「Tobacco companies knew that cigarettes contained a radioactive substance called polonium-210, but hid that knowledge from the public for over four decades, a new study of historical documents revealed.

Scientists from the University of California, Los Angeles, reviewed 27 previously unanalyzed documents and found that tobacco companies knew about the radioactive content of cigarettes as early as 1959. The companies studied the polonium throughout the 1960s, knew that it caused ”cancerous growths” in the lungs of smokers, and even calculated how much radiation a regular smoker would ingest over 20 years. Then, they kept that data secret.

Hrayr Karagueuzian, the study's lead author, said the companies' level of deception surprised him.

”They not only knew of the presence of polonium, but also of its potential to cause cancer,” he said.

Karagueuzian and his team replicated the calculations that tobacco company scientists described in these documents and found that the levels of radiation in cigarettes would account for up to 138 deaths for every 1,000 smokers over a period of 25 years.

The study published online in the journal Nicotine and Tobacco Research.」

また,タバコ会社は,ポロニウムー210を除去するacid washingは,ニコチンラッシュを損なうとのことで,採用されなかったことも明らかになりました.

「Officially, tobacco companies said acid washing would cost too much and might have a negative impact on tobacco farmers and on the environment. But Karagueuzian said the documents his team reviewed revealed another reason why the industry avoided acid washing for tobacco leaves: the process would alter the nicotine in the plants and make it less able to deliver the ”instant nicotine rush” smokers craved.」

ABC 「Tobacco Companies Knew of Radiation in Cigarettes, Covered It Up」ご参照

肺のホットスポットに集まったタバコの中の放射性粒子により,今後25年で死亡する可能性のある人は,喫煙者1000人のうち120~138人とのことです.

日本のタバコ会社の内部文書は,米国のタバコ会社の内部文書とは異なり,公開されていないので,同様の認識だったかはわかりませんが,日本のタバコ会社は米国のタバコ会社と同様の技術レベルにあったことは事実です.

なお,明日10月12日午後2時から東京高裁でタバコ訴訟の期日があります.タバコ訴訟は,明日で,争点整理,時系列表等がほぼ完成になりますので,終結時期もちかいでしょう.

谷直樹
下記バナーのクリックを御願いいたします.クリックは一日一回有効です.7日間のクリック数合計が順位に反映します.

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2011-10-11 09:45 | タバコ