弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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国立ハンセン病療養所栗生楽泉園自治会,園内に外来入院できる病床設置を要望へ

毎日新聞「ハンセン病:療養所の栗生楽泉園自治会、外来入院を国に要望へ 来年度、市民開放目指す /群馬」(2012年6月6日)は,次のとおり報じています.

「国立ハンセン病療養所「栗生楽泉園(くりうらくせんえん)」(草津町草津)の自治会は5日までに、園内に外来入院できる病床設置を厚生労働省に求めることを決めた。一般市民も同園の医師の診療を受けられるようにするのが狙いで、来年度の実現を目指す。今後、住民ニーズの調査や吾妻郡医師会との調整を経て具体的な計画を作り、同省に提出する。【奥山はるな】

 外来入院できる病床の設置は、同園自治会が02年に草津町などと共同して打ち出した「将来構想」の一環。ハンセン病への偏見や差別を懸念し、町内の2470世帯に「園での診療や入院に抵抗はないか」などと同年にアンケートを実施。1606件の回答が寄せられ、7割以上が「抵抗はない」「抵抗はあるが改善すればよい」と答えている。

 同園内には、132人(11年10月現在)が入所しており、医務室に週数回来る医師が、内科、外科など7科をそれぞれ担当し、診察、治療を行っている。アンケートでは、人口7069人の同町内になく、園内にある眼科や耳鼻科の利用を希望する声が多かった。」


偏見を乗り越え,是非実現していただきたく思います.

谷直樹
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by medical-law | 2012-06-06 19:31 | 医療

薬害イレッサ,西日本訴訟原告団も上告

キャリアブレイン「イレッサ訴訟、西日本原告団も上告- 「誰の責任か明確にする」と中島弁護団長 」(2012年6月5日)は,次のとおり報じました.

「肺がん治療薬「イレッサ」の副作用をめぐる訴訟で、西日本訴訟原告団は5日、アストラゼネカ社の過失を認めた一審判決から一転し、原告の訴えを全面的に棄却した大阪高裁の判決を不服として、最高裁に上告した。

原告らは同日、厚生労働省内で記者会見を開き、西日本弁護団の中島晃団長は、「多数の死者が出ているにもかかわらず、企業や国の責任が否定されることになれば、国民の生命や安全は守れない。多数の被害を出したのは誰の責任かを明確にし、薬害イレッサを全面解決するために最後まで戦い抜く」と強調した。

 また、全国薬害被害者団体連絡協議会の花井十伍代表世話人は、「(医薬品と副作用の)因果関係の強弱は存在すると思うが、判決はそれを過剰に重視している」と述べ、医薬品のリスクなどに対する予防原則から逸脱するものと批判した。

 さらに、「イレッサは広範なプロモーションが行われており、患者はそれらの情報を基に優れた安全な新薬という印象を持っていたのは明らか」と指摘。その上で、「専門家ではない国民が情報を見るので、いろいろな形で規制を掛けていく必要がある」と強調し、宣伝や広告の在り方についても、最高裁でしっかりと検証するよう求めた。」


薬害イレッサ訴訟統一原告団・弁護団は,2012年6月5日 上告に際し,次の声明を発表しました.

「本日,薬害イレッサ西日本訴訟原告団は,5月25日に大阪高等裁判所第6民事部(渡邉安一裁判長)が言い渡した国と企業の責任を否定する極めて不当な判決に対し,最高裁判所に上告及び上告受理申立てを行った。

大阪高裁判決の判断は,薬事法上,承認前に集積された副作用報告症例に関して,医薬品との「因果関係が否定できない」ものを副作用と扱い,これに基づき添付文書による警告等を行うことが求められているにもかかわらず,各副作用症例について「因果関係の濃淡」を問題とし,結果的に因果関係が濃厚と言える状態に至らなければ,安全対策をとる義務が発生しないというに等しい。
これは,昨年11月に言い渡された東京高裁判決とその内容において軌を一にするものであり,東京高裁判決同様に極めて不当な判断と言わなければならない。

過去の多くの薬害事件は,企業と国が予防原則に基づいて,安全対策をとることの必要性を示しており,薬事法や添付文書の記載要領も,このような考え方に立って改訂されてきたのである。大阪高等裁判所の判決は,この幾多の薬害事件によって積み上げられてきた到達点を根底から覆えさんとするものであり,本判決を前提とすれば,およそ薬害を防止することなどできない。

不法行為法,製造物責任法の解釈を誤り,薬害事件に関する多くの裁判例や筑豊じん肺最高裁判決,関西水俣病最高裁判決を初めとするこれまでの国賠訴訟の判例とも真っ向から反する違法・不当な判決である。

また,本判決は,肺がん治療医であれば,初版添付文書で十分に間質性肺炎の致死的危険性を理解しえたとするなど,ソリブジン薬害事件の教訓を没却し,現場の医師に責任を転嫁する点においても極めて不当である。
何より,この判決理由では,承認から半年で180人もの間質性肺炎による死亡者を出し,添付文書の改訂と警告により,被害が減少したことを全く説明できない。

本判決は,将来の医薬品の安全対策,薬事行政に禍根を残し,司法に対する国民の信頼を失わせるものであり,断じて確定させることはできない。

私たちは,薬害イレッサ事件の全面解決まで闘い抜く所存である」


生存原告の清水英喜さんは,次の談話を発表しました.

「本日,私たち薬害イレッサ訴訟西日本原告団は,先月25日に言い渡された大阪高裁判決に対して上告及び上告受理の申立を行いました。

大阪高裁判決は,国とアストラゼネカ社の責任を否定し,わたしたち薬害イレッサの被害者を切り捨てる不当判決でした。

わたしたちは,この国から薬害を根絶するために,断じてこのような不当な判決を確定させることはできません。

東京,大阪の両高等裁判所では,私たちの主張は認められませんでしたが,司法の最高機関である最高裁判所においては,必ずや私たち被害者の声が届き,不当な両高裁判決が見直され,正しい結論を導いていただけるものと信じております。

わたしたちは,薬害イレッサ事件が全面解決する日まで最後まで戦い抜きます。皆様のご支援をよろしくお願い致します。」


これで最高裁の真価が問われることになります.

谷直樹
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by medical-law | 2012-06-06 00:44 | 医療事故・医療裁判

豊橋市民病院,愛知県弁護士会の医療ADRで手術ミス事案について和解(報道)

東海日日新聞「手術ミス約2000万円で和解」(2012年6月5日)は次のとおり報じています.

 「豊橋市は4日、市民病院(同市青竹町)で手の手術を受けた女性(50)の右手の指の一部に後遺症が出たのは手術ミスが原因だったとして、患者側に賠償金約2000万円を支払うことで和解したと発表した。

 同病院によると女性は、両手のひらの神経と靭(じん)帯が接触して指にしびれや痛みが出る症状を発症し、2010年1月に同病院整形外科を受診。手のひらを切開し神経を圧迫している靭帯を切除する手法で同年3月に左手、6月に右手の手術を受けた。

 その際、執刀した男性医師(当時29)が誤って右手の神経の一部を損傷。再手術で傷つけた部分をできるだけ縫合したが、親指と人差し指が曲がりにくくなる後遺症が残った。感覚が鈍り、ボタンをかけづらくなるなど日常生活にも支障を来し、障害者手帳を取得した。

 市は昨年夏、手術ミスで障害を負わせたことを認め、女性に謝罪。女性は同病院に損害賠償を求め、代理人の弁護士を通じて協議した。愛知県弁護士会の専門機関に仲裁を申し立てた結果、同病院が女性に賠償金1980万円を支払うことで和解が成立した。

 男性医師は当時、研修医2年間を含め同病院5年目で、同様の手術経験はあった。院内での調査に対し、男性医師は「靭帯を切る感覚はあったが、神経を傷つけたとの認識はなかった」と話しているという。
 同病院の取り決めでは、手術でペアを組む医師のうち1人は専門医の資格を持つことが定められているが、今回、男性医師ともう1人の医師はともに専門医資格を持っていなかった。

 医療事故を受け、同病院は再発防止のため、手術の際に必ず1人は専門医を入れるルールを徹底することを決めた。

 同病院の杉浦康夫事務局長は「医療安全は病院の責務。事故はあってはならないことで、患者さんに申し訳ない」と陳謝。その上で「改めて全職員で意識を新たにし、日々の医療に取り組んでいきたい」と述べた。(中嶋真吾)」


愛知県弁護士会の医療ADRで和解が成立したことは注目されます.

ただ,今の段階では,一般に,責任を認めている事案について,賠償額を決めるに際し,医療ADRが利用される傾向があるようにみうけられます.
この点,東京3弁護士会の医療ADRでは,必ずしもそうではなく,当事者間の話し合いによる医事紛争の解決をめざし,もっと広い利用がなされているように思います.東京3弁護士会の運用は,双方当事者が同席した話し合いが中心になります.

ともあれ,医療ADRは,あっせん人と双方当事者の話し合い解決へ向けた理解が必要ですが,医事紛争の解決方法として有用と思います.

谷直樹
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by medical-law | 2012-06-05 05:37 | 医療事故・医療裁判

長崎大学病院・名古屋市立大学病院・信州大学医学部附属病院・川内市医師会立市民病院で患者個人情報を紛失

◆ 長崎大学病院,また患者個人情報紛失,三菱重工業株式会社長崎造船所病院でも患者個人情報紛失

msn産経「長崎大病院でまた患者情報紛失 872人分」(2012年6月4日)は,次のとおり報じています.
 
「長崎大病院(長崎市)は4日、退職した40代の男性医師が、患者872人分の個人情報を記録したUSBメモリーを紛失したと発表した。漏えいや不正使用は確認されていない。

 病院によると、医師は研究のため、平成5年4月~21年1月に受診した患者の氏名や病名などをUSBメモリーに記録していた。4月15日に紛失に気づき、5月7日に病院に報告した。

 医師は11年から長崎大病院に勤務。20年6月に別の病院に移ったが、その後も研究のため患者のカルテなどを閲覧する権限を得ていた。

 長崎大病院では5月2日にも、40代の女性医師が患者103人分の個人情報の入った外付けハードディスクを紛失していたことが明らかになっていた。病院は「今後は退職した医師にも指導を重ね、再発防止を徹底したい」としている。」


朝日新聞「患者情報872人分持ち出し、紛失 長崎大病院の元医師」(2012年6月4日)によれば,「退職後も長崎大病院で研究を続けているため患者情報を閲覧する権限はあったが、許可なく持ち出すことは禁じられていた。」とのことです.

長崎新聞「患者情報入りのUSBを紛失」(2012年6月5日)は,次のとおり報じています.

「長崎大学病院(長崎市坂本1丁目、河野茂院長)に勤務していた40歳代の男性医師が、同病院などで受診した患者の個人情報計896人分が入ったUSBメモリーを紛失していたことが4日、分かった。現時点で情報漏えいによる被害は確認されていないという。

 紛失したのは、同大学病院の872人分(1993年4月~2009年1月)と三菱長崎病院(同市飽の浦町、長部雅之院長)の24人分の氏名や疾患名などを記録したUSBメモリー1個。

 同日会見した長崎大学病院によると、医師はUSBメモリーを実家の鍵と共に持ち歩いており、4月15日に実家に帰った際に紛失に気付いた。自宅マンションなどを捜したが見つからず、23日に警察や利用していた交通機関に届け出て、5月7日に同病院に紛失の事実を報告した。

 医師は99年5月から長崎大学病院に勤務。08年6月に退職したが、その後も研究のため同病院を訪れ、患者のカルテを見ることができた。一方、昨年秋ごろまで勤務していた三菱長崎病院では、パソコンを無断で持ち込み、患者のデータを入力していたという。両病院とも患者に対して文書などで説明し謝罪。三菱長崎病院も6月4日、ホームページで事実関係を公表した。

 長崎大学病院では昨年12月にも女性医師が患者の個人情報が入ったハードディスクを紛失している。安岡彰病院長特別補佐は「度重なる個人情報の紛失が発生したことを厳粛に受け止め、退職者などについても指導を強化する」と謝罪。三菱長崎病院の担当者は「私用パソコンの持ち込みやデータの院外への持ち出しなどについて確認を徹底する」としている。」


◆ 名古屋市立大学病院,患者個人情報紛失

読売新聞「名古屋市立大病院で患者情報入ったメモリー紛失」(2012年5月23日)は,次のとおり報じています.

 「名古屋市立大病院(名古屋市瑞穂区)は23日、内科の患者計582人分の名前や病名などが記録されたUSBメモリーを紛失したと発表した。

 同日までに、情報が悪用された形跡はないという。

 病院によると、メモリーには2011年度の内科の入院患者189人分の病名、入退院日など、外来患者393人分の病名、生年月日、内服薬の種類などが記録されていた。

 同年度に内科の病棟医長だった男性医師(44)が自宅などで作業をするため、メモリーを小銭入れに入れて持ち歩いていたが、今月21日に小銭入れからなくなっていることに気づいた。

 同病院では個人データを持ち出す際にはパスワードを設定することにしているが、医師は外来患者分にパスワードを設定していなかった。同病院は「該当の患者に電話と手紙で謝罪し、再発防止を図る」としている。」


◆ 信州大学医学部附属病院,患者個人情報紛失

毎日新聞「個人情報:患者8人の患部画像、顔写真入りSDカード紛失??信大病院 /長野」(2012年5月23日)は,次のとおり報じています.

松本市旭の信州大医学部付属病院は22日、皮膚科の患者8人の患部の画像データが入ったSDメモリーカード1枚を紛失したと発表した。カードには8人のうち3人の顔が写っていた。患者の氏名など個人情報は記録されていない。今のところ、悪用された情報はないという。

 病院によると、9日午後2時ごろ、院内の撮影室で、皮膚科の医師が患者の患部をデジタルカメラで撮影しようとしたところ、データが満杯になり、SDカードを交換。取り出したカードをそのまま室内のかごに放置し、同日午後4時ごろ、紛失に気が付いた。紛失したカードには患者8人の各5枚程度の患部の画像を保存していた。撮影室は施錠していなかった。

 病院は22日、患者に電話や文書で謝罪した上、松本署に遺失物届を出した。本郷一博・副病院長は記者会見で「セキュリティー機能があるカメラを使うなど再発防止策を検討したい」と陳謝した。【大島英吾】」

◆ 川内市医師会立市民病院,患者個人情報紛失

川内市医師会立市民病院の職員が,川薩地区脳卒中連携パスを使用している患者908名(院外の患者個人情報を含む)の氏名,性別,年齢,住所,電話番号,発症日,病名,転院日,転院先,担当者名(医師,看護師,MSW,薬剤師,栄養士,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士),患者の状態(治療内容,障害の程度など)などの個人情報をバックアップ用にUSBメモリに保存し,担当者の机の施錠されていない引き出しに保管していましたが,本年1月初旬に紛失しました.担当者は,3月初旬に担当部署長に報告し,4月18日に病院長に報告がありました.

川内市医師会立市民病院は,再発防止のために
「(1)個人情報保護に関する規定を見直し,患者様の個人情報をUSBメモリに保存することを禁止しました。
(2)上記に加え,さらにセキュリティを強化するため,院内のすべてのパソコンについて,登録されたUSBメモリ以外以外は一切使用できなくすい仕組みを導入することを決め,発注および導入準備中です。この仕組みはUSBメモリを開く際もパスワードを入力しなければ開くことができないもので,診療科あるいは部門の所属長のみ病院から貸与し,施錠できる場所に保管・管理するよう周知徹底いたします。
(3)当院に勤務する全職員には入職時に「個人情報保護に関する誓約書」を提出させていますが,今回の件を受け,改めて誓約書の提出を求めることをいたしました。」
とのことです。(「患者様の個人情報が記録されたUSBメモリの紛失について(お詫び)」ご参照)

◆ 有識者会議,医師には罰則を免除する方向で検討

2012年5月24日に社会保障分野サブワーキンググループ」と「医療機関等における個人情報保護のあり方に関する検討会」の合同の有識者会議に,厚労省は,個人情報漏えいについての罰則を現行の個人情報保護法などの規定より強化することを提案しました.医師には罰則を免除する方向で検討されています.

◆ 感想

医療法人社団善仁会小山記念病院の職員が,twitterに,患者として来院したプロサッカー選手のことを書き込んだように,故意の個人情報流出もありますが,過失による個人情報流出が大半ですから,個人に対する罰則強化より,USBメモリーにコピーする際,強制的に暗号化するシステムを導入するほうが有用と思います.

ちなみに,報道によると,昨年6月以降,個人電磁情報の紛失事故は,以下の施設で起きています.

2011年 6月
慶應義塾大学病院スポーツ医学総合センター
北海道大学病院

2011年7月
医療法人 柏堤会(財団) 戸塚共立第1病院
藤田保健衛生大学病院
昭和大学歯科病院

2011年8月
筑波メディカルセンター病院

2011年9月
千葉県精神科医療センター
鹿児島大学病院

2011年10月
JA茨城県厚生連茨城西南医療センター病院
独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院
大和市立病院

2011年11月
独立行政法人国立病院機構金沢医療センター

2012年1月
医療法人聖愛会
独立行政法人国立病院機構千葉医療センター
独立行政法人国立病院機構宇多野病院
東京女子医科大学附属八千代医療センター
川内市医師会立市民病院

2012年2月
京都府立洛南病院(ただし一時紛失)
岡山大学病院
藤沢市民病院
長崎大学病院

2012年3月
日本赤十字社医療センター

2012年4月
ごう在宅クリニック(札幌)
静岡県立病院機構静岡県立総合病院
広島大学病院
福岡大学病院
長崎大学病院
三菱重工業株式会社長崎造船所病院

2012年5月
信州大学医学部附属病院
名古屋市立大学病院

谷直樹
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by medical-law | 2012-06-05 04:59 | 医療

夏支度

b0206085_10285592.jpg事務局Hです.

最近気温が上がったので,そろそろ夏支度をと思い,衣替えをしてみました.
コート等をロフトに上げ,ロフトから去年の夏の服を下ろし・・・と何度もはしごを上り下りするなかなかの重労働なのですが,
一枚一枚服を畳み直しながら,なんでこんなの買ったんだろう?と訝しんだり,買った時の思い出に浸る時間はなかなか楽しいものです.

ただ,去年に比べて痩せたので,
去年の夏に買ったボトムスが総じてぶかぶかで,着てみるとなんだか不格好です.

新しく買い換えるか,ゆったりファッションと割り切って履くか・・・.

特に,去年ゆったり感重視で買ったパンツは,なんだかモンペのようで,とても事務所には履いて行かれないものになってしまいました.

もちろん痩せたことは嬉しいのですが,去年買ったばかりの服を新たに買い換えるのももったいないですし,
よく耳にする,「一番の節約は体型維持」という言葉を,身をもって体感したひとときでした.

谷直樹法律事務所 事務局H
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by medical-law | 2012-06-04 09:33 | 日常

薬害イレッサ,全日本民主医療機関連合会(民医連)の抗議声明

全日本民主医療機関連合会(民医連)は,2012年5月29日,「【声明】薬害イレッサ西日本訴訟 大阪高裁の不当判決に抗議する」を発表しました.以下の内容です.

「5月25日大阪高等裁判所は、薬害イレッサ西日本訴訟の控訴審にて、東京高裁の判決に続いて、国とアストラゼネカ社の責任を否定する極めて不当な判決を出した。

 判決内容では、承認前に19例の間質性肺炎の副作用報告があり、11例の因果関係を否定できない死亡報告があった事を認めている。 しかし、副作用報告の因果関係には強弱があり、それを一律同等に危険性評価はできないとし、被告である国の安全性確保義務責任、アストラゼネカ社の製造物責任は問われないと断定したのである。

 これは、東京高裁の判決と同様に、これまでの医薬品を安全かつ有効に使用する医療現場の取り組みや薬事行政を否定し、過去の薬害、公害の歴史から導きだされた予防原則をも否定する内容である。

 今回の判決は、800名以上の貴い命を奪ったイレッサ副作用被害の国と製薬企業の責任を免罪すると同時に、医師、薬剤師をはじめ医療現場、そして被害にあった患者とその家族に、その責任を矮小化、転嫁するもので断じて許しがたい。

 全日本民医連は改めてがん患者の人権軽視にもつながる今回の判決に対し、満身の怒りを込めて抗議するものである。

 引き続き、薬害被害者に寄り添い、薬害イレッサ事件が全面解決されるまで奮闘する決意である。」


大阪高裁判決には,これからも各団体から抗議声明がだされるでしょう.

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by medical-law | 2012-06-03 13:17 | 医療事故・医療裁判

薬害イレッサ,全国保険医団体連合会(保団連)の抗議声明

全国保険医団体連合会(保団連)は,2012年5月28日,「イレッサ訴訟 大阪高裁判決について」を発表し,大阪高裁平成24年5月25日判決に強く抗議する,と述べました.

「判決は、昨年11月の東京高裁判決と同様に、国と企業が負うべき責任を医療現場に転嫁し、薬害裁判を通じて確立されてきた、国と企業が予防原則に基づいて安全対策を確保することの必要性を否定するもので、強く抗議する。

同時に、既に850人近くが間質性肺炎で死亡している薬害イレッサ問題の早期全面解決が求められている。政府は、薬害被害者救済、がん医療体制の整備、抗がん剤による副作用を対象とする救済制度の創設など、薬害根絶に向けた対策に全力で取り組むべきである。」


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by medical-law | 2012-06-03 13:03 | 医療事故・医療裁判

薬害イレッサ,信濃毎日新聞,徳島新聞,山陽新聞社説

アストラゼネカ社は,大阪高裁平成24年5月25日判決を受けて「弊社はイレッサ発売時および発売後を通して、医師に対しそのリスクおよび有用性について 適時・適切に情報提供を行ってまいりました。このたび、司法の場においてもこのことが認められました。弊社は医師および進行非小細胞肺がん患者さん、とくに標準化学療法が奏効しなくなった患者さんに、イレッサという治療選択肢を提供してきたことに誇りを持っています。」と述べました(プレスリリース).

適時・適切に情報提供を行ったのであれば,添付文書改訂前のあの多数の死亡は,医師の不注意とでも言いたいのでしょうか?
イレッサは本当に「誇り」なのでしょうか?

◆ 信濃毎日新聞社説

信濃毎日新聞社説「副作用被害 防止と救済の手だてを」(2012年6月3日)は,次のとおり述べています.

「イレッサは副作用が少ない「夢の新薬」とされていた。効果を期待して飲み、多くの患者が命を落とした。にもかかわらず、救済が図られないのは納得しにくい。国や企業には、司法判断とは別に解決策を検討してもらいたい。

 加えて、国は薬事行政の見直しを進める必要がある。イレッサ訴訟をきっかけに始まっているものの、はかどっていない。

 課題の一つは、被害防止に向けた情報の伝え方だ。厚生労働省の検討部会は1月にまとめた報告書で、企業に対して添付文書の届け出を義務付けるよう提言した。

 これを受けた薬事法改正はめどが立っていない。厚労省は改正案を今国会に出す方針だった。多くの法案の審議が滞る中で難しい面があるにしても、早く国会で議論し、適切に改める必要がある。

 もう一つは、抗がん剤の副作用被害に対する救済制度だ。重い副作用が出ることを前提に使われる例の多い抗がん剤は、今ある制度の対象になっていない。新たな仕組みが求められる。」


◆ 徳島新聞社説

徳島新聞社説「イレッサ訴訟 薬禍防ぐ手を尽くせ」(2012年5月29日)は,次のとおり述べています.

「承認当初は、亡くなる患者が相次いだものの、国の指導で添付文書を改定して「警告」欄を追加すると死亡例が減った。この事実をどう見たのか。

 東京高裁判決に続き、高裁レベルで原告敗訴の判断が重なった格好だが、遺族らの落胆は大きい。地裁と高裁の判断が分かれたことについて疑問を抱く人も多かろう。

 原告側は上告する方針で、上告中の東京訴訟と合わせ、判断は最高裁に委ねられる。注目したい。

 イレッサは現在も年間8千~9千人が服用している。判決も「延命効果があり、患者に治療の選択肢を与える」と有用性を認めた。しかし、薬の効用と副作用は背中合わせであり、危険情報を適切かつ迅速に医療現場に伝えなければならない。専門知識のない患者に理解しやすい内容かどうかのチェックも必要だ。

 添付文書について遺族らは、新薬販売や新たな副作用情報を書き加える前には、国の承認審査を法律で義務付けるべきだと訴えている。抗がん剤による副作用の救済制度も検討する必要があるだろう。」


◆ 山陽新聞社説

山陽新聞社説「イレッサ判決 薬事行政の改革進めよ」(2012年5月28日)は次のとおり述べています.
 
「過去には国の責任まで認めた東京地裁判決もあり、司法判断は3通りに分かれている。国や業者の責任をどう問うかは極めて難しい判断といえよう。二審で勝訴したとはいえ、製薬会社は医療現場に丁寧に情報を伝える努力を怠ってはならない。

 気になるのは、訴訟を機に始まった薬事行政改革の成り行きである。厚生労働省の検討部会は1月、薬の添付文書の届け出を義務化するよう提言し、国は内容を監督する立場であると明文化するよう求めた。だが、これを受けた薬事法改正案が国会に提出されるめどは立たない。抗がん剤による副作用の救済制度創設については厚労省の検討会が昨年12月、事実上「不可能」との見解を示している。

 有効な新薬をいち早く取り入れつつ、薬害をどう防ぐかは重い課題だ。有効な手だてと被害救済策を患者の立場に立って模索していかねばならない。」


いずれの社説も,(1)添付文書届け出の義務付け化,(2)抗がん剤の副作用被害に対する救済制度の創設が必要,とiいう見解を述べています.

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by medical-law | 2012-06-03 12:43 | 医療事故・医療裁判

BMJ掲載論文,アクトスを2年以上服用すると,膀胱がんの発症リスクが倍に上昇する

b0206085_10295838.jpgロイター「カナダ研究者、武田「アクトス」のがん発症リスクに関する論文発表」(2012年 6月 1日)は,次のとおり報じています.

「英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル電子版は31日、ピオグリタゾンを含有する武田薬品工業(4502.T: 株価, ニュース, レポート)の糖尿病治療薬「アクトス」に関するカナダの研究者らによる論文を掲載した。
論文は、アクトスの服用によって膀胱(ぼうこう)がんが発症する絶対リスクはなお低いものの、アクトスを2年以上服用すると、がんの発症リスクが倍に上昇すると指摘している。

論文は、1988─2009年に新たに糖尿病治療を受けた英国の患者11万5000人余りの記録を分析し、リスクを数量化している。

分析では、2年もしくはそれ以上にわたってアクトスが投与された場合、複数年で10万人当たり88件、2万8000ミリグラム(mg)以上を服用した患者では137件の追加的症例が見られたことが分かった。

アクトスと膀胱がんの関連性に対する懸念は昨年、欧米の監督当局がリスクについて警告したことで注目を集め、同薬の売り上げに影響を与えた。

武田は論文について、2型糖尿病治療におけるピオグリタゾンを含有する製剤の有用性に自信を持っており、これまでと同様、ピオグリタゾンを含む全ての自社製品に関する安全性と忍容性の評価を継続するとともに、患者の安全性を最優先に考え、適切に対応していく、とのコメントを発表した。」


The use of pioglitazone and the risk of bladder cancer in people with type 2 diabetes: nested case-control study」のAbstractは,以下のとおりです.

Objective To determine if the use of pioglitazone is associated with an increased risk of incident bladder cancer in people with type 2 diabetes.

Design Retrospective cohort study using a nested case-control analysis.

Setting Over 600 general practices in the United Kingdom contributing to the general practice research database.

Participants The cohort consisted of people with type 2 diabetes who were newly treated with oral hypoglycaemic agents between 1 January 1988 and 31 December 2009. All incident cases of bladder cancer occurring during follow-up were identified and matched to up to 20 controls on year of birth, year of cohort entry, sex, and duration of follow-up. Exposure was defined as ever use of pioglitazone, along with measures of duration and cumulative dosage.

Main outcome measure Risk of incident bladder cancer associated with use of pioglitazone.

Results The cohort included 115 727 new users of oral hypoglycaemic agents, with 470 patients diagnosed as having bladder cancer during follow-up (rate 89.4 per 100 000 person years). The 376 cases of bladder cancer that were diagnosed beyond one year of follow-up were matched to 6699 controls. Overall, ever use of pioglitazone was associated with an increased rate of bladder cancer (rate ratio 1.83, 95% confidence interval 1.10 to 3.05). The rate increased as a function of duration of use, with the highest rate observed in patients exposed for more than 24 months (1.99, 1.14 to 3.45) and in those with a cumulative dosage greater than 28 000 mg (2.54, 1.05 to 6.14).

Conclusion The use of pioglitazone is associated with an increased risk of incident bladder cancer among people with type 2 diabetes.

なお,MTProは,「ピオグリタゾンによる膀胱がんリスク認められず 英・21万例のコホート研究」との見出しで,「2型糖尿病患者への長期投与により膀胱がんリスクが増加するとされたピオグリタゾン。しかし,同薬のベネフィットがリスクを上回る患者がいると判断した欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)は,昨年(2011年)7月に欧州での使用継続を決定した(関連記事)。その欧州から,約21万例の2型糖尿病患者を対象にした英コホート研究の成績が報告された(Br J Clin Pharmacol2012年5月11日オンライン版)。Ninewells病院・医科大学薬学部のLi Wei氏らによると,ピオグリタゾン投与患者と他の糖尿病治療薬投与患者の間に膀胱がん増加の有意な差は認められなかったという。」と伝えています.

Pioglitazone and bladder cancer: A propensity score matched cohort study.」のAbstractは,以下のとおりです.

AIM: To examine whether exposure to pioglitazone use is associated with increased incidence of bladder cancer in patients with type 2 diabetes mellitus.

METHODS: A cohort study was done in the General Practice Research Database (GPRD) between 2001 and 2010. 207,714 patients aged ≥40 years with type 2 diabetes were studied (23,548 exposed to pioglitazone and 184,166 exposed to other antidiabetic medications but not pioglitazone). The association between pioglitazone and risk of bladder cancer was assessed by a Cox regression model. A propensity score matched analysis was done in a group of patients without missing baseline characteristics data.

RESULTS: 66 and 803 new cases of bladder cancer occurred in the pioglitazone and other group respectively (rates of 80.2 (95%CI 60.8-99.5) and 81.8 (95%CI 76.2-87.5) per 100,000 person-years respectively). Pioglitazone did not increase the risk of bladder cancer significantly compared with other antidiabetic drugs treatment group, (adjusted hazard ratio (HR), 1.16, 95%CI 0.83-1.62). In a matched propensity score analysis in which both groups had similar baseline characteristics (17,249 patients in each group), the adjusted HR was 1.22 (95% CI 0.80-1.84).

CONCLUSIONS: The results suggest that pioglitazone may not be significantly associated with an increased risk of bladder cancer in patients with type 2 diabetes.

アクトスの膀胱がん発症リスクは,十分明確と思います.
問題は,アクトスの服用によって膀胱がんが発症する絶対リスクはなお低いものの,アクトスを2年以上服用するとがんの発症リスクが倍に上昇すること(危険性)をどのように評価するか,です.本来,患者の安全性を最優先に考えると長期使用を避けることにつながるでしょう.

また,アクトスで忘れてはならないのは,心毒性(心不全リスク)の問題です.心毒性(心不全リスク)を評価すれば,使用を控える方向になるのではないでしょうか.

谷直樹
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by medical-law | 2012-06-02 01:43 | 医療

宮崎大学医学部附属病院,「臨床倫理コンサルテーションチーム」を設置

NHKニュース「延命治療で助言へ医療倫理チーム」(2012年6月1日)は,次のとおり報じています.

「回復する見込みのない患者の延命治療について、宮崎大学医学部附属病院は、医療倫理の研究者による専門チームを設置し、1日から現場の医師に助言を行っていくことになりました。

回復する見込みのない患者の延命治療を巡っては、厚生労働省が治療を中止したり、変更したりする際には、患者本人の意思決定を基本にすることなどとした指針をまとめています。
しかし、指針では、終末期の定義やどのような容体の場合に治療を中止してよいかなど具体的に定めておらず、延命治療の中止の在り方が各地の病院で問題になっています。
こうしたなか、宮崎市の宮崎大学医学部附属病院は、延命治療の方針を検討し、現場の医師や看護師に助言を行う「臨床倫理コンサルテーションチーム」を1日付けで設置しました。
チームはこの病院にいる医療倫理が専門の教授3人以上で組織されていて、「救急患者の余命が1週間程度で家族からの申し出もあった場合に初めて治療の中止を検討する」といった独自の基準を作成し、法律上の問題もないか検討したうえで中止などの助言を行うということです。
医療倫理に詳しい日本生命倫理学会の大林雅之会長は「現場の医師たちが倫理的な問題を抱えたときに直ちにサポートする仕組みは日本の病院では非常に珍しい。こうした取り組みが広がることを期待したい」と話しています。」


これは,板井孝壱郎先生のお力でしょう.

谷直樹
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by medical-law | 2012-06-02 01:25 | 医療