弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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『治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会報告書』

厚生労働省は,2012年8月8日,「治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会」の報告書を取りまとめ,そのサイトに公表しました.

「治療と職業生活の両立等の支援に関する検討会報告書」は,「「治療と職業生活の両立」とは、病気を抱えながらも、働く意欲・能力のある労働者が、仕事を理由として治療機会を逃すことなく、また、治療の必要性を理由として職業生活の継続を妨げられることなく、適切な治療を受けながら、生き生きと就労を続けられることである。」」としています.

報告書「3 支援のあり方」は,次のとおり,指摘します.

「3 支援の在り方
(1)関係者が取るべき対応、連携の在り方
○ 上記の基盤整備のために、関係者が連携を図りながら、以下のような取組を進めていくことが必要である。

<企業(人事労務担当者)>
まずは、健康診断の実施、産業医の選任をはじめとする労働安全衛生法上の措置を徹底することにより、労働者の疾病の早期発見・早期治療や重症化防止に努めること。また、職場における疾病に対する理解を高め、治療と職業生活の両立に理解のある職場風土を形成するために、産業医・産業保健スタッフ、地域産業保健センターや地域の保健機関等を活用しながら、労働者及び管理監督者の教育に努めること。

早期の職場復帰及び復帰後の治療と職業生活の両立を促進するため、時間単位の有給休暇制度や短時間勤務制度等を導入すると同時に、個々の事案に応じた対応ができるよう、柔軟な雇用管理の取組を進めること。

<産業医・産業保健スタッフ>
労働者の健康確保のため、人事労務担当者と協力し、治療開始の促しや治療中断に対するアプローチなど確実な定期健康診断後のフォローアップを行うこと。
また、労働者の職場復帰や復帰後の治療と職業生活との両立に関しても、専門的知識の蓄積を図るとともに、有する知識、ノウハウ等を活かし、積極的に医療機関と連携を図りながら、人事労務担当者の役割を補助すること。
特に、保健師は、産業医以上に労働者への身近な相談相手としての立場を活かし、積極的に労働者本人と接触し、産業医や人事労務担当者、医療機関との連携を図ること。
治療と職業生活の両立に関する相談に十分に対応できる機関がないことから、地域の保健機関と並んで、労働者及び管理監督者にとって身近な相談窓口としての役割を一層果たすこと。

<医療機関>
医療資源が限られている中でさまざまな困難はあるものの、保健師や看護師等の就労に関する制度等の知識の向上や、ピアサポートグループの活用を図ること等により、職場復帰や復帰後の治療と職業生活との両立に関する相談体制を整備するよう努めること。
患者の就業状況を把握した上で、治療方針の決定に際し、可能な範囲で仕事を休まずに治療を受けられるよう配慮すること。
企業の行う職場復帰の判断に役立つよう、主治医は、患者の就業状況を考慮した上で、職場復帰が可能な程度まで回復しているかどうかに関する診断を行うこと。

<労働者>
健康診断の受診の機会等を通じて、日頃から、疾病の予防、早期発見及び重症化防止に努めること。
労働者自らが積極的な情報収集を行い、また、労働者の職場復帰や復職後の治療と職業生活の両立を促進するための企業と医療機関の情報共有・連携に協力すること。

(2)行政の役割
○ 関係者の取組を促進するため、行政の役割として、どのようなことが考えられるか。
まずは、「治療と職業生活の両立」について、社会的な認識を向上させる必要がある。
また、問題の大きさを正確に把握するため、支援を要する労働者の規模や具体的なニーズ、関係者の取組状況(企業や医療機関内の相談対応窓口の整備、教育研修・情報提供の有無等)等について、実態把握を行う必要がある。
○ さらに、各関係者に対しては、今後、以下のような取組を行うことが望まれる。

<企業(人事労務担当者)向け>
治療と職業生活の両立を支援するために、企業がどう取り組むべきかを示したガイドラインやマニュアル等を作成し、周知・徹底を図ること。
個別事案も含めた、企業の人事担当者等からの相談に対する支援体制を整備すること。また、相談支援体制の整備とあわせて、企業の人事担当者等が相談できる機関が分かるよう周知を図ること
先行的に取組を進めている企業について、事例の収集・発信や表彰制度を設けるなど、企業の自発的な取組の促進を図ること。

<産業医・産業保健スタッフ向け>
メンタルヘルスに関する復職支援の手引きを参考に、疾病全般を対象とした両立支援のためのガイドラインを作成すること等により、両立支援に取り組む産業保健スタッフを支援すること。
産業保健推進センターを活用して、治療と職業生活の両立の支援に関する研修を実施し、両立支援に理解のある産業医・産業保健スタッフを育成すること。

<医療機関向け>
治療と職業生活の両立を支援するために、医療機関がどう取り組むべきかを示したガイドラインやマニュアル等を作成し、周知・徹底を図ること。
がん診療連携拠点病院・肝疾患診療連携拠点病院の相談支援センター等の相談窓口について、患者からの就労に関する相談に対する支援体制を強化すること。
医療機関が企業の産業医・産業保健スタッフに対して、両立支援を目的とした患者情報の提供を行うことにインセンティブが働くよう検討すること。
労災病院においては、引き続き、治療と職業生活の両立を図るモデル医療や、就労形態や職場環境が疾病の発症や治療、予防に及ぼす影響等に関する研究・開発、普及に取り組むこと。

<労働者向け>
相談支援体制の整備とあわせて、労働者が相談できる機関が分かるよう周知を図ること。
さらに、こうした取組とあわせて、患者の立場に立って、企業と医療機関を結びつける仕組みや、地方自治体が行う地域保健と企業の行う職域保健の連携強化についても検討することが望ましい。

(3)留意すべき事項
○ 上記のような取組・連携を進めていくにあたっては、関係者が問題意識を共有し、一体となって進めていくことが望ましいが、個々の企業、医療機関や労働者の雇用形態の違いにも留意する必要がある。例えば、中小企業の場合、大企業と比較すると、長期にわたって休職中の労働者を支援することに対する経済的負担が大きいことや、人事労務担当者や産業医・産業保健スタッフの体制も十分でないことが挙げられる。
医療機関についても、個々の医療機関間の違いは大きく、一律な取組を求めることは現実的ではない場合がある。
取組が遅れがちな非正規雇用者については、雇用管理の改善のための取組を進める中で、両立支援についても配慮することが重要である。

○ また、関係者が情報共有・連携を進めるにあたっては、個人のプライバシー保護に留意する必要がある。

○ さらに、病気を理由として職を失った労働者に対する再就職支援の問題についても、今後、取組を進める必要がある。」


「4 おわりに」で,「○ 「治療と職業生活の両立等の支援」は、行政として、既存の仕組み・施策を活用しながら、今後対策を重視しなければいけない課題であるが、この課題の解決には、縦割り行政を排除し、一元的な取組を進める必要がある。
本検討会が、この問題と支援の必要性について、広く国民一般が認識する契機となり、今後、行政の一元的な取組のもと、関係者の取組がより一層進むことを期待する。」
と結んでいます.

報告書(PDF:327KB)
報告書概要(PDF:121KB)
参考資料集(PDF:732KB)

この厚生労働省の検討会報告書に基づき,治療と職業生活の両立が実際の政策として実現されることを期待いたします.

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-08 20:29 | 医療

堀康司先生のHPが新しくなりました

名古屋の堀康司先生(愛知県弁護士会所属)のホームページが新しくなりました。
堀康司先生は,私と同じく司法修習49期で,私と同じく医療過誤事件(含む薬害事件)の患者さんの代理人という仕事に専従しています.
愛知県・岐阜県・三重県・静岡県西部及びその周辺の方は,私ではなく,堀康司先生へ御相談をお願いいたします.

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-08 06:31 | 医療事故・医療裁判

シアトル小児病院,「猫どっぷりプロジェクト」

シアトル小児病院は,骨髄移植手術を受けた16歳の女性入院患者のために,フェイスブックで呼びかけ3000枚の猫の写真を集め,猫のゴロゴロ喉を鳴らす音を付けてスライドショーを作成し,患者にプレゼントしました.CNNでその動画が見られます

CNN「3000匹の「猫」、がん患者を激励 米シアトル小児病院」(2012年8月7日)は,次のとおり伝えています.

「病院によれば、がん患者が免疫力の低下のために何カ月も病室から出られないことは珍しくないという。「猫どっぷりプロジェクト」を初体験した患者は「世界から切り離されて、言いようのない孤立感を感じる時もある。そんな時にこういう猫の写真を見ると元気になれる。ありがとう、ありがとう」とブログにコメントしている。」

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-08 06:05 | 動物

黒地蔵縁日

8月10日は覚園寺(かくおんじ)の黒地蔵縁日です.
黒地蔵は,自ら地獄の獄卒となり,焚いた火の煤で,黒くなったと伝えられています.
覚園寺は,鎌倉でも奥まった谷戸にあり,古い鎌倉の雰囲気を残しています.

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-08 05:51 | 日常

日弁連パンフレット「今、ニッポンの生活保護制度はどうなっているの?」

日本弁護士連合会(日弁連)は,2012年8月6日,パンフレット「今、ニッポンの生活保護制度はどうなっているの?」を,そのサイトに掲載しました.

以下,質問と回答の冒頭を抜粋紹介いたします.

生活保護利用者が過去最高になったと聞きますが?
人数は最高になりましたが、利用率は減っています。

それでも生活保護の利用率は高いのではないですか?
日本の生活保護利用率は、先進諸外国とくらべると極めて低い数字にとどまっています。むしろ、数百万人が保護から漏れています。

不正受給が年々増えていると聞きますが?
不正受給の割合は保護費全体の0.4%程度で大きな変化はありません。しかも、その中には、悪質とはいえないケースも含まれています。

お金持ちの家族が生活保護を受けているのは「不正受給」ではないのですか。家族が扶養できるかどうかは徹底して調べるべきでは?
「不正受給」ではありません。また、徹底調査が行きすぎると、本当に生活保護を必要とする人が利用できなくなってしまいます。

働けるのに働かないで生活保護を受けている人が増えていると聞きますが?
そうとはいえません。働いても生活費が足りない人、そもそも働けない人の利用も増えています。仕事がない人もいます。

生活保護基準が最低賃金や年金より高いのはおかしくないですか?
最低賃金や年金が低すぎることが問題です。

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-07 21:43 | 弁護士会

『綾瀬はるか戦争を聞く』

私は坂本弁護士事件以来TBSを見ないのですが,母が見ていたので『綾瀬はるか戦争を聞く』特別企画」をつい見てしまいました.
原爆で亡くなった衛生兵の許嫁だった老女(原爆投下当時は17歳)から,綾瀬はるかさんがお話を聞く,という場面でした.
綾瀬はるかさんは広島市出身なのでこのシリーズに起用されたと思いますが,聞き役として本当に適任でした.母の贔屓の女優は綾瀬さんと木村さんなのですが,たしかに清楚で品がよくかざらず誠実で感じのよい人です.

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-07 00:54 | 日常

抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会,抗がん剤の副作用による被害を救済する制度創設を否定

NHK「抗がん剤副作用 救済制度創設見送りへ」(2012年8月6日)は,次のとおり報じています.

「抗がん剤の副作用による被害を救済する制度の創設について、厚生労働省の検討会は、がん患者の場合、症状の悪化が薬の副作用によるものかどうか判断するのが難しいなどとして、制度の創設を見送ることになりました。

救済制度の創設は、肺がんの治療薬「イレッサ」の副作用を巡る裁判で、国が去年、裁判所の和解勧告を拒否した際、当時の細川厚生労働大臣が検討を表明し、専門家や患者会などによる検討会を作って議論を行ってきました。

6日にまとまった報告書では、抗がん剤について、必ずしも完全に治すことを目的としておらず、特に重いがん患者の場合、高い頻度で副作用が起きることを前提に使われているとして、救済の対象範囲を決めるのは難しいと指摘しました。

そのうえで、がん患者の場合、複数の治療を受けている場合が多く、症状の悪化が薬の副作用によるものかどうか判断するのが難しいほか、救済制度が導入された場合に、資金を負担する製薬会社が薬の開発や販売に消極的になる可能性もあるとして、現時点では救済制度の創設は難しいと結論づけました。

イレッサ薬害被害者の会の近澤昭雄代表は、「制度を作れない理由を挙げる形で議論が進み残念だ。患者が安心して医療が受けられるよう、今後も前向きに議論を続けてもらいたい」と話しています。」


この結論で本当によいのでしょうか?

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-06 21:48 | 医療

草津楽泉園とみちのくの子どもをつなぐ会,草津楽泉園サマーキャンプ

東京新聞「福島の子ら人権の尊さ学ぶ 草津町でキャンプ ハンセン病回復者と交流」(2012年8月6日)は,次のとおり報じています.

「草津町の国立ハンセン病療養所「栗生楽泉園」で、福島県の小中学生を招いたサマーキャンプが開かれており、回復者と交流している。参加者は罪のない多数の犠牲者を出した懲罰施設「重監房」の跡などを回り、人権の尊さを学んでいる。

 同園によると、子どもの団体が泊まるこのような企画は初めて。同園の自治会、高崎健康福祉大、鳥取大、埼玉大、県内外の支援者らによる「草津楽泉園とみちのくの子どもをつなぐ会」が昨年末から準備を進めた。

 回復者と交流のある鳥取大の卒業生が、支援する福島県の小中学生に放射性物質の心配がない豊かな自然環境で夏を過ごしてもらおうとしたのがきっかけだ。同県白河市、福島市の小学四年~中学二年の女子十人が参加している。

 一行は三日に到着し、レクリエーションを開催。回復者の藤田三四郎さん(86)は病気について解説し、「私たちは皆さんと同じように風評被害を受けている。若い皆さんと会い、つらかった過去を思い出す一方、明るい希望を与えられた」とあいさつ。谺(こだま)雄二さん(80)は「子どものころから病気の正しい知識を身に付けてほしい」と語った。

 福島市の中学二年、鈴木由萌果(ゆめか)さん(14)は「思ったよりも明るい感じの場所。病気は感染しないこと、治ったのに差別があることが分かった」と実感を込めた。

 参加者は四日、スタンプラリー形式で園内を回り、重監房跡のほか、差別のために引き取り手のない無縁仏が眠る「納骨堂」なども見学し、回復者四人に聞き取りもした。五、六両日はハイキングなどを楽しみ、七日に帰宅する予定。 (菅原洋)」


上毛新聞「福島の子どもと野反湖ハイク 栗生楽泉園拠点に活動 」(2012年8月6日) は,次のとおり報じています.

「福島第1原発事故で被災した福島県の小中学生が5日、中之条町入山の野反湖でハイキングを楽しんだ。草津町の国立ハンセン病療養所栗生楽泉園の入園者自治会などで作る「草津楽泉園とみちのくの子どもをつなぐ会」が企画した催しで、7日まで同園を拠点にさまざまな活動を行う。

 子どもたちに外で思い切り遊んでもらうのが目的。3日から4泊5日の日程で、福島市と白河市の小学4年から中学2年までの10人が参加している。高崎健康福祉大や鳥取大、埼玉大の学生も参加し、交流する。

 5日は同園で昼の弁当を作り、ハイキングを行う野反湖へ向かった。子どもたちは、地元の山本茂さん(74)らの案内を受けながら、弁天山に登り、野反湖を眺めながら昼食。標高約1500メートルの澄んだ空気の中、湖畔を一生懸命歩いた後、スイカ割りやバーベキュー、花火などを楽しんだ。

 参加した子どもたちは「ハイキングは疲れたけど楽しかった。野反湖がとてもきれいだった」と笑顔で話した。6日には草津町内を観光するほか草津白根山に登り、7日に帰省する。」


楽しく,ためになる,企画ですね.

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-06 21:05 | 人権

高知新聞社説,「【受動喫煙対策】強い推進姿勢こそ重要だ」

高知新聞社説「【受動喫煙対策】強い推進姿勢こそ重要だ」(2012年8月5日)は,次のとおり論じています.

 
「受動喫煙の健康被害は明らかなのに、防止対策を減速させるのか。

 全ての事業者に職場の全面禁煙か分煙を義務付ける「労働安全衛生法改正案」について、民主党は「努力義務」に後退させる修正案を取りまとめた。全面禁煙、分煙の前段階として飲食店に義務付けていた換気設備の導入なども削除した。

 法案成立には、飲食店やたばこ関連産業に配慮し、義務規定を断念する必要があると判断したという。政府が国会に提出中の改正案は事実上、骨抜きになる形だ。

 日本は世界保健機関の「たばこ規制枠組み条約」を批准しており、世界的にも飲食店などでの喫煙を法律で禁止する国が増えている。政府も2010年、新成長戦略の一環として20年までに受動喫煙の職場をゼロにする目標を掲げたはずだ。

 全面禁煙や分煙を行う事業所は増えているが、12年の調査で70%にとどまっている。これまでの経緯や現状を踏まえれば、与党の姿勢は及び腰とみられても仕方がないだろう。
 国に先んじて、自治体が条例で公共的な施設での禁煙や分煙を義務化する動きもすでにある。
 神奈川県は10年4月、罰則を設けてスタートさせたが、業界の反発から小規模飲食店やパチンコ店は規制の対象外となった。対策を取った飲食店では「女性や家族連れが増えた」「客の回転率が上がった」と評価の一方、喫煙者の客が多い店には、分煙のコスト負担や、「客足が遠のく」ことへの懸念が根強いようだ。

 確かに、経営面に与える影響には十分に配慮する必要がある。民主党の修正案は、受動喫煙の防止に取り組む事業者には「国が必要な援助をする」との規定を盛り込んでいる。喫煙室の設置費用に対する助成や専門家による助言を想定しているという。
 ならば、そうした支援で対策を促しながら、業種や規模によって段階的に義務化の対象を広げることもできよう。政府や与党が着実に対策を進める姿勢を示し、防止策の必要性を周知することこそが重要ではないか。

 たばこを吸わない人には副流煙の健康被害はもちろん、臭い自体が鼻持ちならない存在だ。喫煙者の多くも周りに気兼ねすることなく一服を楽しめる方がいいだろう。双方にとって、快適な環境づくりを進めたい。」


労働安全衛生法改正案の後退は,受動喫煙被害を軽視するもので,明らかに不合理です.

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-06 00:34 | タバコ

妊婦の栄養不足が子どもの成人病リスクになる?

NHK「妊婦の栄養と子どもの病気の関係研究」(2012年8月4日)は,次のとおり報じています.

「妊娠中の母親の栄養不足が、将来、生まれた子どもの生活習慣病の発症にどう影響するか研究を行う組織が発足し、妊婦への栄養教育などに取り組むことを確認しました。

4日は、研究会の初会合が開かれ、産婦人科や小児科の医師、それに栄養学をはじめさまざまな分野の研究者、およそ80人が出席しました。
国内で生まれた赤ちゃんの平均体重は年々減少していて、海外では「妊娠中の母親の栄養状態が悪く、低体重で生まれた赤ちゃんは、将来、生活習慣病になるリスクが高まる」という研究報告が出ています。
会合では、赤ちゃんの発育調査を分析した結果、母親が痩せていることや妊娠中の体重増加が少ないことなどが、赤ちゃんが軽い体重で生まれる要因になっていることが指摘されました。
そして、国内でも母親の栄養と子どもの成長や病気との関係について、長期的な調査が始まっていることが報告されました。
参加した医師や研究者は、今後、研究データを集めて、将来の子どもの生活習慣病への影響を分析するとともに、妊娠期を中心に栄養教育を行うなど取り組みを進めることにしています。
研究会の福岡秀興代表幹事は「日本では若い女性の痩せ願望が根強いが、子どもや孫まで、3世代にわたる健康に影響が及ぶことを多くの人に理解してほしい」と話しています。」


妊婦のダイエットにより,胎児に栄養が不足しがちな状態が続くと,胎児は,栄養を効率的に取り選れ確保しようとすることで,太りやすい体質になり,将来,成人病になる傾向がある,という話を聞きます.科学的に解明し,適切な対策をとっていただきたいです.

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-05 07:50 | 医療