弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

<   2012年 08月 ( 59 )   > この月の画像一覧

8月4日シンポジウム「ジェネリック医薬品の正しい知識」

神奈川県医師会、神奈川県薬剤師会、神奈川県主催,神奈川県内科医学会後援の,県民公開講座「ジェネリック医薬品の正しい知識」が,2012年8月4日,神奈川県総合医療会館で開かれました.福井大学医学部附属病院薬剤部教授政田幹夫氏が基調講演を行いました.

神奈川新聞「ジェネリック医薬品シンポ、賛否双方の意見活発/横浜」(2012年8月5日)は次のとおり報じています.

「県保健福祉局の中沢明紀参事監が患者負担の軽減や医療保険財政改善のため、ジェネリック医薬品の普及率30%以上を目指していることを説明。横浜市総合保健医療センターの薬剤師・有山良一診療部課長は「ジェネリック医薬品は安価で使いやすく、安全管理の向上にも役立つ」と述べた。

 一方で、県内科医学会ジェネリック問題対策委員会の医師・北田守委員長は「医療費抑制が主眼に置かれ、安全性が軽視されている。有効性、安全性が確認されたジェネリック医薬品を普及させるべきだ」と現状に疑問を呈した。

 会場からは「賢く使うためのアドバイスを」という質問があり、「医師や薬剤師と話し合うことが大切」という意見が出された。」


ジェネリックは,添加物も異なりますし,使い慣れた先発品と完全に同一で,同じ安全性がある,とは言い切れないところに問題があります.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-08-05 07:27 | 医療

厚生労働省の研究班,群馬・静岡・徳島・香川・愛媛・熊本の6県のがん対策実行計画を不十分と評価

厚生労働省の研究班(代表今井博久氏)は,31の都道府県のがん対策実行計画について,病院間の連携,緩和ケアの充実,検診,禁煙広報活動など44の項目を評価したところ,広島と大阪が「特に優れている」となり,群馬,静岡,徳島,香川,愛媛,熊本は「不十分」という判定結果になったということです.

NHK「6県でがん対策実行計画不十分」(2012年8月4日)ご参照

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-08-04 23:58 | 医療

NPO法人医薬ビジランスセンター,イレッサの毒性・本質的欠陥に関する意見書8通を公表

NPO法人医薬ビジランスセンターのサイトに,浜六郎氏のイレッサの毒性・本質的欠陥に関する意見書8通が掲載されています.ご一読をお奨めいたします.
「『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No159

意見書(8)は,次の5点を指摘しています.

第1に、効果を追求したのと同じ熱心さでイレッサの毒性を警戒しなければならない。

第2に、上記原則にそってEGFR阻害による腫瘍縮小可能性を予測するのと同じ合理的判断をすれば、EGFR阻害で肺虚脱、急性呼吸窮迫症候群、間質性肺炎など致死病変を生じうることは合理的に予測すべきであり可能であった。したがって、EGFR欠損マウスやイヌの肺虚脱死と同様、人の肺虚脱死、急性呼吸窮迫症候群なども含めて多数の死亡例(承認前の段階で30人超)が因果関係ありと合理的に認定できた。

第3に、腫瘍縮小効果があっても延命しない例は多数あり、現に、承認後に実施された試験で延命効果が証明されなかったために、米国でイレッサは2005年に新規患者への使用が中止となり、2012年には承認が取り消された。寿命短縮が証明されている。

第4に、日本で実施されたイレッサの3試験の開始初期では、イレッサ群死亡の3分の2がイレッサの毒性死と推定され、海外の試験も合わせると約3分の1がイレッサの毒性による死亡と推定された。これは市販前の第Ⅱ相までの臨床試験における、イレッサの使用終了30日以内の死亡例123人中の有害事象死34人(28%)よりも多く、治験時の有害事象死亡はもちろん、病勢進行死亡とされた中にもイレッサによる毒性死があったと推定され、間質性肺炎以外にも、肺血栓塞栓症や胸水・心嚢液貯留、出血などもイレッサによる害と考えられる。

第5に、上記のごとく、人の肺虚脱、急性呼吸窮迫症候群、間質性肺炎は、機序、EGFR欠損マウス、毒性試験、臨床試験、ランダム化比較試験などあらゆる結果が因果関係を強く示し、十分に予測可能であり、承認前の試験で観察された有害事象死の大部分が因果関係を合理的に説明できるものであった。したがって,イレッサの初期添付文書は、全く警告がなされていないにも等しいほどの欠陥添付文書であった。

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-08-04 23:11 | 医療

小宮山洋子厚生労働相,薬害肝炎原告団に請求期限延長を約束,ただし議員立法

「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第IX因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」(平成二十年一月十六日法律第二号)は,公布の日から施行されました.
給付金の支給の請求には法律の行の日から起算して五年を経過する日まで,という期間制限があります.

小宮山洋子厚生労働相は,2012年8月3日,薬害肝炎全国原告団・同弁護団との定期協議で,来年1月に迫った同法に基づく給付金の請求期限を延長すべき,と述べました.
なお,小宮山厚生労働相は,議員立法で改正するのが現実的と述べました.

古いカルテが病院の倉庫などに埋もれていて,未請求の被害者がいるのですから,来年1月で請求打ち切りにはできないでしょう.
 
谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-08-03 22:57 | 医療

もやもや病の海外小児患者,直接的血行再建術を受け,無事退院

チューリップテレビ「難病もやもや病 海外小児患者 退院へ」(2012年8月3日)は,次のとおり報じました.

 「脳の血管が細くなる原因不明の難病・『もやもや病』。

 この病気で苦しんでいるデンマークの女の子が富山大学附属病院で手術を受け、3日退院を迎えました。

 海外の『もやもや病』の患者を受け入れ、治療をおこなったのは県内では初めてです。

 デンマーク人の女の子・ヴィクトリアちゃん5歳は、2009年にもやもや病と診断され、専門家として知られる黒田敏医師の治療を受けるため、今年6月、富山大学附属病院に入院しました。

 その後、脳内の血管同士をつなげて血液の流れを増やす手術を2度にわたって受け、結果、症状に改善が見られたことから3日退院を迎えました。

 担当医や看護師に見守られながら退院したヴィクトリアちゃんは「早く母国の友達に会いたい。乗馬や水泳で遊びたい」と話していました。

 ヴィクトリアちゃんはしばらく県内で療養したのちデンマークに帰国するということです。

 この『もやもや病』、アーティストの徳永英明さんも発症したことで知られていますが、どんな病気なのでしょうか。

 もやもや病とは脳の血管が細くなり、血液の流れが悪くなる病気で、なんとか脳に血液を送ろうと無数の血管が網目のように出て、煙のようにモヤモヤして見えることから名前がつきました。

 頭痛やけいれん、脱力発作、脳梗塞などを引き起こすといわれ、厚労省は難治性特定疾患、いわゆる『難病』に認定しています。

 なぜ今回、ヴィクトリアちゃんが富山で治療を受けたかなんですが、この病気、実はアジア人に多く、欧米で発症するのはきわめてまれなんです。

 このため日本での研究が世界をリードしているということなんですね。」


北日本放送「難病のデンマーク女児無事退院」 (2012年8月3日)は,次のとおり報じています.

「脳の病気、「もやもや病」の手術を富山大学附属病院でうけたデンマーク在住の5歳の女の子が、3日無事に退院しました。

 富山大学附属病院が海外から治療の依頼を受けたのは今回が初めてです。

 デンマーク人の女の子「ヴィクトリア」ちゃん(5)は、脳の病気「もやもや病」の手術を受けるため6月25日から富山大学附属病院に入院していましたが、手術後の経過がよく、3日退院となりました。

 「もやもや病」は、脳の太い血管にうまく血液が流れなくなり、頭痛や体のマヒといった症状が出る病気です。

 太い血管の血流を補おうと、異常に発達した細い血管が脳を撮影すると「もや」のように写ることから名づけられました。

 病院側が3日開いた会見によると、ヴィクトリアちゃんはドイツのベルリンで脳に流れる血をふやす手術を受けていましたが、手術後も発作がおさまらず、追加の手術を受けるため富山にきていました。

 およそ200例のもやもや病の執刀経験を持つ黒田敏脳神経外科診療課長は会見で、「手術を追加することでどこまで症状がよくなるか当初少し不安はあったが考えたとおりの経過で安心している」と話しました。

 術後、ヴィクトリアちゃんは頭痛や手足のマヒが減って笑顔が多くなり、活発に動くようになったということです。

 両親、きょうだいと一緒に医師らに見送られたヴィクトリアちゃんは、「デンマークに戻ったら幼稚園で友達と遊んだり、乗馬や水泳をしたい」と話していました。

 ヴィクトリアちゃんはしばらく富山市内で療養を続け、今月下旬にデンマークに戻る予定だということです。

 富山大学附属病院が海外から治療の依頼を受け取り組んだのは今回が初めてです。」 


共同通信「難病の5歳女児、富山大を退院 デンマークから治療で来日」(2012年8月3日)は,次のとおり報じています.

「富山大病院(富山市)の黒田敏医師(脳神経外科)らが、脳の血管が細くなる難病「モヤモヤ病」を患ったデンマークの5歳女児の手術に成功した。3日に退院した女児は「帰ったら、幼稚園で友達と会いたい。大好きな乗馬や水泳をするのが楽しみ」と笑顔を見せた。

 モヤモヤ病は脳の血管が細くなり血流が行き届かず、頭痛や手足の脱力発作を起こす。女児はビクトリアちゃんで、3歳のころに脳梗塞を2度発症し、右半身の脱力発作が現れた。ドイツでの手術後も発作が続いたため、約200回の手術経験がある黒田医師を頼って6月に来日した。」


よかったですね.
デンマークではなく,優れた専門家医師のいる日本の病院で治療したことが,このような良い結果につながったと思います.
患者が少数の難病患者は,それを的確に治療できる医師が少ないので,優れた専門家医師のいる病院を紹介することが重要です.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-08-03 22:08 | 医療

禁煙学会,労働安全衛生法で受動喫煙防止の義務化が見送られる事に対し厳重に抗議する

禁煙学会は,2012年8月3日,以下のとおり,労働安全衛生法で受動喫煙防止の義務化が見送られる事に対し 厳重に抗議しました.

「新聞報道によれば、労働安全衛生法の改正案の目玉であった受動喫煙防止の義務化を自民党厚生労働部会の了承を得るため、見送るということです。
これはいったい何という事でしょうか。

職場の労働環境は、呼吸する空気の安全性がもっとも大切なものである事は論を待ちません。
実際に、約80%の人々が職場の受動喫煙防止を支持していますし、2003年5月に施行された健康増進法でも職場の無煙化の努力義務が施設管理者に課せられています。
日本国も批准したタバコ規制枠組み条約は、2010年2月までに日本政府が法律で屋内完全禁煙にすることを求めていました。

175カ国が批准している今日、ほとんどの国で対応する法律が検討、実施され、職場の無煙化が計られているのが現世界の揺るぎない流れであるのに対し、我が国政府はいったいどこに向おうとしているのでしょうか、
無残な失政と言わざるを得ません。
この無策によって職場の受動喫煙による年間数千名の死者を放置してよいのでしょうか。
この無策によって、それを遙かに超える様々な疾病に苦しむ人々を放置してよいのでしょうか。

この意図的な無策によって、利益を得るのは、タバコを売りまくる事で株価時価総額が4兆4000億円を超えたJTだけです。
日本国民は、この恐ろしいたくらみを決して許しはしません。
日本禁煙学会は、このたくらみを広く世界に訴え続けます。 」


労働安全衛生法で受動喫煙防止の義務化が見送られる事に対し厳重に抗議をする理由」(PDF)

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ
by medical-law | 2012-08-03 21:45 | タバコ

無免許・飲酒運転で有罪となり3か月の医業停止処分を受けた医師が,停止期間中に医業を行い逮捕される

毎日新聞「医師法違反:医師免の停止中に診察 容疑で男を書類送検 府警 /大阪」(2012年8月2日)は,次のとおりです.

「医師免許の停止処分中に医療行為を行ったとして、府警は1日、堺市北区の診療所に勤める整形外科医の男(30)と知人の皮膚科医の女(30)を医師法違反容疑で大阪地検堺支部に書類送検した。男は無免許で飲酒運転した道交法違反罪について有罪判決を受けたため、国は今年3月、3カ月間の医業停止処分を出していた。

 送検容疑は今年4~5月、診療所などで10~80代の女性患者5人に医療行為を行ったとしている。

 生活環境課によると、男は09年から診療所で勤務し、医療業務を監督する「管理医師」として契約していた。医療法は医療機関に管理医師を常駐させることを義務づけており、処分を受けた男は診療所の経営者に事情を説明、元婚約者の女を代役として紹介した。しかし女は医師経験が浅かったため、実際は男が診療所に黙って診察を続けていたという。男は「管理医師が不在になれば、経営者から契約違反で訴えられると思った」と容疑を認めている。【服部陽】」


医師法第32条は,「第7条第2項の規定により医業の停止を命ぜられた者で、当該停止を命ぜられた期間中に、医業を行つたものは、1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と定めています.
この医師は,医業停止をどのように受け止めていたのでしょうか.皮膚科医師のキャリアを知っていたはずですから,そもそも代役として紹介すべきではなかったと思います.
未だ30歳の若さですから,3か月の停止期間中は医業以外の仕事を行っていればよかったのに,と思います.残念な事件です.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ
by medical-law | 2012-08-02 20:56 | 医療

兵庫県予防医学協会,読影票の裏にも受診者名を印字して取り違え再発防止へ

神戸新聞「心電図の結果取り違え 兵庫県予防医学協会」(2012年7月31日)は,次のとおり報じています. 
 
「神戸市などが出資する財団法人「兵庫県予防医学協会」(同市東灘区)が昨年6月に市内の消防署で実施した定期健診で、43歳と58歳の男性署員に対する心電図検査の結果を取り違えていたことが31日、分かった。同協会は今年6月になってミスに気付き、2人と市に謝罪。チェックを担当する臨床検査科の女性職員(39)に口頭で厳重注意した。

 同協会によると、心電図は医師の所見などを書く「読影票」の裏に貼り付けるが、2人の結果が取り違えられ、チェック担当の女性職員が見過ごした。今年6月の定期健診後、ミスが発覚。2人に通知していたのは「正常の範囲内」と「ほぼ正常」だったため、健康管理上の影響はなかったとみられる。取り違えた職員は特定できなかったという。

 ミスを受け、同協会は「取り違えは、誤診や治療の遅れにつながりかねない」として関係職員に注意を促した。再発防止のため、読影票の裏にも受診者名を印字するようコンピュータープログラムを変更し、8月中にも運用を始める。(金井恒幸)」


他県でも,読影票の裏にも受診者名を印字して,取り違えを防止していただきたいと思います.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-08-01 22:21 | 医療

水俣病は,水銀汚染魚を食べて起きた食中毒事件,鹿児島県でも届出

毎日新聞「水俣病:症状訴える出水の女性、「食中毒」で届け出−−県内初 /鹿児島」(2012年8月1日)は,次のとおり報じています.

「医師で岡山大大学院の津田敏秀教授が7月30日、水俣病の症状を訴える出水市の女性(58)について、八代海の魚を食べて起きた食中毒事件として県出水保健所に届け出た。津田教授はこれまでも同様の届け出を熊本県で行っているが、鹿児島県では初めて。

 食品衛生法は食中毒を確認した医師の保健所への届け出と、保健所の調査を義務づけている。

 津田教授は「水俣病は水銀汚染魚を食べて起きた食中毒事件。食品衛生法に基づき汚染魚の漁獲禁止などの手を打てば被害拡大は防げたはず」として、これまでも同様の届け出を熊本県で行っている。しかし、同県では調査は実施されていない。

 県生活衛生課は「水俣病は一般の食中毒という扱いはしていない。国の見解を照会して、対応を決める」と話している。【村尾哲】」


食品衛生法は,「食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もつて国民の健康の保護を図ることを目的とする」(同法1条)法律です.

水銀汚染魚を食べて起きた水俣病は,飲食に起因する衛生上の危害の発生にあたるでしょう.
食中毒事件として,食品衛生法の適用を妨げる合理的事情はないでしょう.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-08-01 19:48 | 人権