弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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静岡市立清水病院の医療事故,循環器内科医が書類送検されていた(報道)

朝日新聞「心臓手術で死亡、医師書類送検/静岡」(2012年10月11日)は,次のとおり報じています.

「静岡市立清水病院で2008年11月、同市の男性(当時76)が心臓カテーテル手術を受けて死亡した問題で、県警が手術を担当した男性医師を業務上過失致死容疑で書類送検していたことが10日、捜査関係者への取材で分かった。

 捜査関係者によると、医師は「血管を傷つけたことは間違いない」とした上で、「死因になるとは思わなかった」と話しているという。

 死亡した男性は08年10月、下腹部の痛みを訴えて同病院に搬送され、腹膜炎の手術を受けた。入院中の同年11月12日に心筋梗塞(こうそく)を発症。この医師の執刀により、金属の網の筒「ステント」を冠動脈に入れる心臓カテーテル手術を受けた後、病室で容体が悪化して死亡した。病院は翌13日、医師法に基づき、異状死として県警に届けた。

 捜査関係者によると、医師が心臓の右冠動脈内に「ガイドワイヤ」を通した際に動脈を傷つけ、心臓と心膜の間に血液がたまり、拍動を阻害する「心(しん)タンポナーデ」が起きて男性を死亡させた疑いがあると判断したという。今年2月に書類送検した。

 病院が設置した医療事故調査委員会は当時、「常識の範囲を逸脱する手技や対応は存在しなかった」と結論づけている。病院によると、医師は男性の死亡後に退職した。

 この医療事故を巡っては男性の遺族が10年8月、静岡市に慰謝料など約3900万円の損害賠償を求めて静岡地裁に提訴した。市側は同10月の第1回口頭弁論で争う姿勢を示している。(小林太一)」


静岡市立清水病院は,市合併前は「清水市立病院」でした.
静岡市立清水病院から被害をなくす会 」のサイトには,昭和60年2月の研修医による出産時の切開手術ミスのAさんの例からはじまり,子宮がん手術で尿管損傷,後遺障害のRさんの例まで事故例があげられています.上記新聞報道は,Qさんの例です.

【追記】

毎日新聞「市立清水病院の入院患者死亡:業過致死容疑の医師、不起訴に−−地検 /静岡」(2012年10月30日)は,次のとおり報じました.

「08年11月に静岡市清水区の市立清水病院で当時76歳の男性患者が急性心筋梗塞(こうそく)の治療後に死亡した問題で、静岡地検は29日、業務上過失致死容疑で書類送検されていた同病院の男性医師を容疑不十分で不起訴にしたと発表した。

 医師が心臓カテーテル治療を行った際に患者の心臓の血管を傷つけたとされたが、地検は「複数の専門医に検証してもらったが治療が原因とか、血管を傷つけたのが医師の不注意とは言い切れない」と話した。【平塚雄太】」


谷直樹

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by medical-law | 2012-10-11 22:22 | 医療事故・医療裁判

信州大医学部附属病院,止血用のアドレナリン注射薬を局所麻酔薬のリドカインと間違えて注射(報道)

読売新聞「麻酔と誤って止血剤注射…信大付属病院」(2012年10月11日)は,次のとおり報じています.

「信州大医学部付属病院(松本市)は10日、80歳代の男性患者に皮膚の移植手術をする際、局所麻酔で別の止血用薬剤を誤って注射する医療事故があったと発表した。患者は手術中に心拍数や血圧が上昇し、一時意識不明となったが、集中治療室で治療を受け、回復に向かっているという。

 同病院によると、患者は動脈が詰まり、足がただれる重症下肢虚血で今月3日、左足に脇腹の皮膚を移植する手術を受けた。手術前、担当医師が局所麻酔用の薬剤リドカインEを注射するはずが、看護師は生理食塩水で希釈した止血用のアドレナリン注射薬が入った注射器3本(計30ミリ・リットル分)を渡し、医師がそのまま注射した。

 看護師はアドレナリン注射薬を希釈中に医師から「局麻(局所麻酔薬)下さい」と言われ、手元の注射薬を求められたと思って手渡した。お互いに声に出して薬剤名は確認しなかった。別の看護師がアドレナリン注射薬の量が少ないことに気付き、ミスが分かった。

 男性患者は手術後半に心拍数や血圧が上がり、終了後に検査した結果、ストレスなどで心臓の筋肉が動かなくなるたこつぼ型心筋症と診断された。止血剤を注射したことが原因とみられるという。患者は快方に向かっているが、現在も集中治療室で治療を受けている。

 記者会見した天野直二病院長は「二度と繰り返さないよう、速やかな再発防止策を講じたい」と陳謝した。」


中日新聞「手術時に誤注射、患者一時意識不明 信州大病院」(2012年10月11日) は,次のとおり報じています.

「長野県松本市の信州大付属病院は10日、手術中に麻酔薬と間違え、血圧を上げるアドレナリンの希釈液を患者に誤って注射する医療ミスが起きたと発表した。患者は血圧上昇によるストレスで手術中に心筋症を発症し、血圧の急激な上下動から一時意識不明となったが、現在は回復傾向にある。

患者は80代の男性で、足の動脈が硬化して血液が行き渡らなくなる重症下肢虚血を患い入院。3日に脇腹の皮膚を足に移植する手術を受けた。

 手術中、医師が局所麻酔のリドカインを注射しようと注射器を求めた際、看護師が止血用に準備していたアドレナリン希釈液入りの注射器を誤って渡した。すぐ別の看護師が誤注射に気づいたが、この時点では患者の容体に問題がなく、15分程度で終わる予定だったため、あらためて局所麻酔を注射して手術を続行したところ、患者が一時意識不明になるなどした。

 病院側は既に患者と家族に謝罪した。記者会見した天野直二病院長は「注射の受け渡し時に薬剤の確認が徹底されていなかったことが事故の原因。2度と起こらないよう再発防止策を講じたい」と陳謝した。(佐野公彦)」


毎日新聞「医療事故:信大病院が誤注射 80代男性、一時意識不明 快方へ /長野」(2012年10月11日)は,次のとおり報じています.

「松本市の信州大医学部付属病院は10日、皮膚の移植手術で80代の男性患者に局所麻酔薬を注射する際、誤って止血用のアドレナリンを注射したと発表した。注射薬を誤った影響で患者は心臓の動きが悪化する「たこつぼ型心筋症」を発症し一時、意識不明になったが、間もなく回復し、現在は快方に向かっているという。

 病院によると、患者は足の血行が悪くなる「重症下肢虚血」を発症。今月3日、皮膚がただれた左足のアキレスけん周辺に、脇腹の皮膚を移植する外科手術を受けた。執刀前、脇腹に麻酔をかけるため、0・5%に希釈した麻酔薬「リドカインE」計30ミリリットルを注射するはずが、看護師が誤って、止血用に用意した0・01%のアドレナリン希釈液入り注射器を医師に渡した。医師は患者に各10ミリリットルを計3回皮下注射した。

 アドレナリン希釈液の残量が少ないため、別の看護師がミスに気が付いた。その時点で容体に問題はなく、約15分間の短時間の手術だったため、予定通り皮膚を移植した。終了間際、血圧の上昇や心電図に異常が出て容体が悪化。現在も患者は集中治療室で処置しているが、意識は回復し、今週末に一般病棟に移る見込み。病院は3日中に本人と家族に謝罪したという。

 記者会見で天野直二院長は「二度と繰り返さないよう再発防止に努めたい」と陳謝した。【大島英吾】」


「看護師はアドレナリン注射薬を希釈中に医師から「局麻(局所麻酔薬)下さい」と言われ、手元の注射薬を求められたと思って手渡した。お互いに声に出して薬剤名は確認しなかった。」ということが,どうしておきるのでしょうか.看護師も軽率ですが,医師も不注意です.

かつて,医師がオーロバンソーダの静脈注射を指示し,指示を受けた看護師がクロロフォルムを静脈注射した事案で,広島高裁は「(医師は)注射液の指示を受けた看護婦及びその補助者を監督監視し,自己に於いて現実に注射を行う場合と同様の注意をもって,患者の体内に注射する直接の行為はもちろんのこと,その以前における準備行為とも言うべき自己の指示した注射液の正確な確認,性状,薬液の混濁,浮遊物の有無,あるいは分量等,いやしくも注射に関することについては,細大もらさず厳重な検査をなし,もって注射の過誤なきを期すべき業務上の注意義務がある」と判示しました(広島高等裁判所昭和33年3月6日判決高刑特4・696).

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-11 20:35 | 医療事故・医療裁判

公立八女総合病院,未破裂の脳動脈瘤の説明不十分で和解(報道)

読売新聞「脳手術で半身まひ、69歳女性が八女市と和解」(2012年10月10日)は,次のとおり報じています.
 
「福岡県八女市が運営する公立八女総合病院で脳動脈瘤(りゅう)の手術を受けた後、左半身がまひして寝たきりとなった八女市の女性(69)とその夫が、慰謝料など計約3550万円の損害賠償を市側に求めた訴訟は9日、福岡地裁(平田豊裁判長)で和解が成立した。市側は、手術前の説明が不十分だったことを認めて謝罪し、和解金800万円を支払う。

 訴状によると、女性は2006年10月、頭痛を訴え、同病院に搬送され、脳動脈瘤の手術を受けて成功した。その後、別の未破裂の脳動脈瘤が見つかり、同12月に手術を受けた。その後、左半身がまひしたという。

 原告側は、医師から「失敗確率はほとんどない」「手術以外に治療法はない」と説明されたと主張。「別の未破裂の動脈瘤は2~3ミリ程度で、脳外科学会のガイドラインでは、手術を回避して経過観察すべきだとされている」などと訴えていた。」


未破裂の動脈瘤は,手術を実施したほうがよいのか,実施しないほうがよいのか,人により判断が分かれ,手術を希望しない人も少なくありません.未破裂の動脈瘤の手術についての説明義務違反事案は,「説明義務違反と結果との因果関係」が認められやすい類型です.
裁判例も多く,とくに最高裁平成18年10月27日判決(判例時報1951号59頁)がよく知られています.

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-10 23:38 | 医療事故・医療裁判

検察審議会,名南病院事件で院長不起訴不当(報道)

中日新聞「名南病院患者死亡 「院長不起訴は不当」 検察審議決」(2012年10月10日)は,次のとおり報じています.

「入院患者が事故で死亡した可能性があるのに警察に報告しなかったとして、医師法(届け出義務)違反容疑で書類送検され、不起訴となった名古屋市南区の名南病院院長(54)について、名古屋第一検察審査会は4日付で「不起訴は不当」と議決した。

 議決書などによると、大腿(だいたい)骨を骨折し2009年9月に名南病院に入院した女性=当時(81)=は、入院の翌日から人工呼吸器をつけていたが、10月6日に呼吸器の接続部が外れて低酸素脳症になり、8日後に死亡した。

 担当医だった院長は、遺体に異常があると認めたにもかかわらず、24時間以内に警察に届けなかったとして、名古屋・南署が昨年11月に書類送検した。名古屋地検は今年8月14日に不起訴としたため、遺族が検察審査会に不服を申し立てていた。

 議決書は「小康状態を保っていたのに人工呼吸器が外れたことで、10分以上、心肺停止となり、そのまま回復せず死亡した」と指摘。事故による低酸素脳症の影響と考えるのが自然として、「警察への届け出が必要だとまでは考えなかった」という院長の主張は「客観的なデータの裏付けがなく、不合理」と指摘した。

 院長は本紙に「女性が亡くなった原因は医療事故でなく、病状の悪化。不起訴不当の決定は残念で、今後も捜査に協力し、不起訴となることを信じている」とコメントした。」


検察審査会法の不起訴相当の議決は過半数(6人以上)で足りますが,起訴相当の議決には3分の2以上(8人以上)が必要です.不起訴相当にも足りず,起訴相当にも足りないときが,不起訴不当です.
本件も意見が分かれる事案だったわけです.
なお,不起訴不当の場合は,検察が再度不起訴とすることも少なくありません.

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-10 23:07 | 医療事故・医療裁判

東京地裁10月23日(火)11:30 薬害イレッサ「下書き」問題情報公開請求訴訟

薬害イレッサ「下書き」問題情報公開請求訴訟第5回期日

日時:東京地裁10月23日(火)11:30
場所:東京地方裁判所 7階705号法廷


厚労省職員が学会関係者に文案(下書き)を提供するなどして,和解勧告を批判する内容の学会見解を出すよう働きかけた,薬害イレッサ訴訟『下書き』提供問題の裁判です.
詳細は,薬害オンブズパースン会議のサイト

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-10 00:37 | 医療事故・医療裁判

浜松医師会,がん検診の画像再読影(報道)

静岡新聞「がん検診の画像、医師会が再読影 浜松で遠隔システム成果」(2012年10月 9日)は,次のとおり報じています.

浜松医師会(山口智之会長)が、会所属の診療所や病院と医師会をネットで結び、がん検診の画像データを医師会に集約して2次読影を行う「遠隔デジタル検診システム」をメーカーと共同開発し、昨年度から導入して成果を上げている。
 精度が高く、より迅速ながん検診が可能となり、データの一元化、蓄積がもたらす利点に医師らの注目も集まっている。
 浜松市の委託を受けて行っている、住民の肺がんや乳がん、胃がん検診のエックス線や内視鏡の画像データが対象で、医師会では、送られてきたデータを複数の医師がペアで診断する「二重読影」を独自に行っている。滝浪實副会長は「診療所や病院での1次読影と合わせて3人以上の医師の目を通ることになり、がん発見率の向上につながっている」と胸を張る。
 デジタル化により、フィルムを扱う手間が省かれ、作業効率も飛躍的にアップした。肺がん検診を担当する鈴木秀樹理事は「パソコン上で画像、所見、既往症などが一度に見られる上、過去のデータとの比較もワンクリックで可能」と医師の負担の軽減も指摘する。
 胃がん担当医師は、内視鏡画像を通してピロリ菌の感染や萎縮性胃炎など、がんにつながりそうな要素もチェックし、患者に指摘する。こうしたデータの蓄積で、将来的に胃炎患者らががんになる確率も分かり、早期対処に役立てたい考えだ。
 システムは、同医師会に所属する専門医がメーカーに要求を伝えて開発した。乳がん検診担当で、聖隷浜松病院の吉田雅行乳腺科部長は「今後は画像データの質の均一化のため、診療所にフィードバックする必要がある」と、システムの改良にも意欲的だ。」


画像の読影ミスは結構ありますので,このシステムは,医療事故防止のためにとてもよいです.

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-09 20:02 | 医療

初スカイツリー

事務局Hです.
先日,スカイツリーにのぼってきました.

当日券は並ぶとのことだったので,事前に予約していたのですが,予約チケットも早朝か閉館間際しか残っていませんでした.
せっかくだし,東京の夜景が見たかったので,夜にのぼることにしました.

真下から見上げるととても高くて,しゃがんでもカメラには納まりきらないし,あまりの高さに高いのかどうかもよく分からなくなってしまうほどでした.
b0206085_961820.jpg


























いざ展望台に向かうと,エレベーターのドアが開いた瞬間見事な夜景が広がっていて,
まるで地図を上から見ているような,作り物のような風景に圧倒されてしまいました.
光の一つ一つがとても小さく,初めて見るスケールの夜景でした.
タワーにはありがちなお約束のガラスの床も,高すぎてあまり怖さを感じませんでした.

せっかくなので,さらにエレベーターに乗り,特別展望室まで行ってみました.
すると・・・.天気が悪い日でしたので,残念ながら完全に雲の中でした.
写真に撮ってもこんな感じ.自分のシルエットが窓に反射しただけでした.
b0206085_975295.jpg
















平日だったからか,天気が悪かったからか,閉館間際だったからかは分かりませんが,
思ったより混雑していなく,ソファに座りながらゆったりと見ることができました.
次は,晴れた夜の特別展望室も見たいし,昼の東京も景色も見たいなと思います.

谷直樹法律事務所 事務局H

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by medical-law | 2012-10-08 09:08 | 休暇・休日

医療法人北斗会さわ病院,看護師が認知症患者を布団で頭を巻き込む,死亡との因果関係調査(報道)

毎日新聞「認知症患者:病院で窒息死 看護師「布団で巻き込んだ」」(2012年10月4日)は,次のとおり報じています.

「大阪府豊中市の医療法人「北斗会さわ病院」で9月、認知症の入院患者の男性(当時79歳)が死亡しているのが見つかり、男性看護師(33)が病院の調査に、「声を上げたので投薬し、うつぶせにして布団で頭を巻き込んだ」と説明していることが分かった。府警豊中署によると、司法解剖の結果、直接の死因は、食べ物などが気道に入って起こる誤嚥(ごえん)による窒息の疑いだった。同署は業務上過失致死容疑も視野に、布団での巻き込みと誤嚥との因果関係などを慎重に調べている。

 同病院は4日、「死亡との因果関係は不明だが、布団で頭を巻き込んだ行為は不適切だった」として、この男性看護師を解雇した。投薬したのは睡眠導入剤で、この行為は適切だったとしている。

 同署や同病院によると、死亡したのは、無職の田江(たごう)利一郎さん。9月22日午後10時ごろ、この看護師が巡回した際、騒がしくしていた。約40分後に別の看護師が巡回した時、病室のベッドで布団にくるまった状態で死亡しているのが見つかった。外傷はなかった。同病院は同月25日に内部調査委員会を設置していた。

 府医事看護課によると、同病院の診療科目は内科、精神科など。精神科の病床数は455床。」


因果関係の有無はともかく,布団で頭を巻き込むのは患者虐待です.
この看護師は,どこで,どのようにして,騒ぐ患者には布団巻きという対処法(?)を知ったのでしょうか.この看護師に対する病院の選任監督に問題はなかったのでしょうか.

【追記】

共同通信「入院患者殺人容疑で元看護師逮捕 大阪、布団で巻き込む」(2013年2月20日)は次のとおりじました.
 
「大阪府豊中市の医療法人北斗会「さわ病院」で昨年9月、認知症の入院患者が死亡しているのが見つかった事件で、大阪府警は20日、殺人容疑で元看護師××××容疑者(34)=東京都国立市=を逮捕した。

 逮捕容疑は昨年9月22日午後10時ごろ、入院患者の男性=当時(79)=をベッド上でうつぶせにした上、上半身に布団を巻き付けるなどの暴行を加えて放置し、窒息により殺害した疑い。

 豊中署によると、巡回中の別の看護師が死亡しているのを発見、110番していた。死因は食べ物などが気道に入って起こる誤嚥による窒息の可能性がある。」


過失ではなく,殺人の故意があったとすれば,話はだいぶ違ってきます.

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-06 19:54 | 医療事故・医療裁判

すみだ水族館

事務局Hです.

知り合いが建設に関わっていたことと,水族館が大好きなので,ずっと前から行ってみたいと思っていたすみだ水族館に,念願叶って行ってきました.

館内に一歩入ると水族館とは思えないスタイリッシュな空間で,
中はさほど広くもなく,動物の種類も決して多い方ではないのですが,
小さい水槽をいくつも置いていたり,水槽の向こう側に研究室の中が見え,研究員の方が記録を付けているところが見られたりと,今までにない雰囲気の水族館でした.

b0206085_972339.jpg


写真は,チンアナゴとニシキアナゴです.
決して全身を出さずにゆらゆらと水中を漂ってるのですが,
お食事の時間に餌を求めてうっかり全身を出してしまい,慌てて穴を掘って戻ろうとするそそっかしい子もいて,とても微笑ましかったです.

すみだ水族館内では,クロスワードパズルを解いて正解すると景品がもらえる催しをやっていたのですが,
入り口で解答用紙を配られるなり,頭のいい友人が,「答え,普通に考えて○○○じゃない?」と言ってしまったため,
道中は,
「タテの6は,××だよ!」
「さすが!あとちょっとで正解分かるね!正解何かな~.」
などと,白々しい会話を交わしながらのクロスワードパズルでした.
結局ちゃんと正解し,景品をいただいて,大満足のすみだ水族館めぐりでした.

飼育員の方が積極的に客とコミュニケーションをとって,生き物について知ってもらおうとする姿勢を感じました.
また,お食事や,体重測定の様子など,色々と見られるので,小さいお子さんにいいなと思いました.

谷直樹法律事務所 事務局H

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by medical-law | 2012-10-06 09:07 | 趣味

市立奈良病院,インターフェロン療法の副作用による自殺事案,1500万円で和解(報道)

読売新聞「インターフェロン療法後自殺 市立奈良病院側と遺族和解」(2012年10月6日)は,次のとおり報じています.
 
「奈良市の市立奈良病院で、インターフェロン療法によるC型肝炎の治療を受けたあと自殺した市内の男性会社員(当時27歳)の両親が、「うつ症状の副作用に関する説明を怠った」などとして、病院を運営する地域医療振興協会(東京)と主治医に6900万円の損害賠償を求めた訴訟が、地裁(一谷好文裁判長)で和解していたことがわかった。

 和解は昨年12月14日付。協会が両親に1500万円を支払い、協会と主治医が同療法で、こうした副作用に注意して治療に努めることなどが条件。」


医療過誤に基づく損害賠償は,①注意義務違反(過失),②因果関係,③損害の3要件がそろってはじめて認められます.

医師は,インターフェロン療法の副作用(抑うつ症状等)について説明する義務がありますし,副作用に注意して治療に努める義務があります.本件は,おそらく,注意義務違反については認められる事案だったのでしょう.
注意義務違反が認定できても,さらに,医師が副作用(抑うつ症状等)について説明していれば,患者はインターフェロン療法義務を選択しなかった,医師が副作用に注意して治療に努めていたら,自殺の徴候を発見できインターフェロン療法を中止し自殺を防止できた,という因果関係の認定が必要です.
そして,最後に,注意義務違反と相当因果関係のある損害を認定する必要があります.
請求認容判決には,①注意義務違反(過失),②因果関係,③損害の3要件について厳密な証明が必要です.

これに対し,裁判上の和解は,厳密な証明を要せず,或る程度の心証に基づき中間的解決が可能です.
本件において,協会が両親に1500万円を支払い,協会と主治医が今後インターフェロンのこうした副作用に注意して治療に努める,という和解は,裁判所の心証に基づき成立したものと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-06 08:16 | 医療事故・医療裁判