弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

<   2012年 11月 ( 51 )   > この月の画像一覧

徳島大学病院,肝腎機能の異常値を確認しないまま抗がん剤を投与した事案を公表

徳島大学病院は,「消化器・移植外科抗がん剤治療におけるインシデントについて」を発表しました.

「本院消化器・移植外科で抗がん剤治療を受けられていた患者さんが本年7月劇症肝炎による肝不全で亡くなられました。
事実詳細と対応について報告いたしますとともに、ご迷惑をおかけいたしましたことについてお詫び申し上げます。
 
患者さんは60歳代の男性で近医での内視鏡検査で腫瘤を認めたため、本院消化器・移植外科に紹介され消化器系の癌と診断されました。

腹腔鏡を用いた悪性腫瘍切除術を受けられ、退院後外来にて補助化学療法として標準的な抗がん剤内服治療がご本人に説明され同意のうえ開始されました。治療開始前及び第1コース途中の一般末梢血検査、生化学検査では異常はありませんでした。治療の第2コース開始のため受診された際に、予定に基づき一般末梢血検査、生化学検査が行われました。

担当医は一般末梢血検査で血小板の減少は確認しましたが、生化学検査で肝腎機能の異常値が出ていたにもかかわらず、これを確認しないまま抗がん剤を投与し、その後もこの結果が確認されることはありませんでした。

2週間後の受診予定日の朝、患者さんはご自宅で意識障害がある状態で発見され、本院に救急搬送されました。重度の肝腎機能障害があり集中治療を行いましたが、約2週間後、劇症肝炎による肝不全で亡くなられました。

ご家族には上記の経緯を逐一ご説明し、謝罪申し上げております。

本院では再入院の3日後に調査委員会の設置を決定し、計5回の委員会を開催いたしました。関係者に聴き取りを行うと供に、各種関係資料を基に事実関係を検証しました。その結果、当該薬剤としては異例ではありますが、その副作用の可能性が高いと考えました。また、第2コース開始の時点で抗がん剤治療を中止しても劇症化を防ぐことができたかどうかは不明ですが、継続して投与したことが患者さんの予後に影響を与えた可能性は否定できず、本院の責任は重大であると判断いたしました。

現在本院では、調査委員会から提案された改善策を各部署で実施し、その効果を検証しているところです。」


このように,医療事故を調査し公表することは,再発防止のためにとても大事なことだと思います.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-11-22 18:33 | 医療事故・医療裁判

薩摩川内市下甑手打診療所,アルコール依存症の男性患者に頭を殴られた女性と和解(報道)

スポーツ報知「「Dr.コトー」診療所で暴行」(2012年11月21日)は,次のとおり報じました.

 「鹿児島県薩摩川内市の市立下甑手打診療所で、入院中の夫に付き添っていた女性(87)が入院患者から暴行を受けてけがをしたとして、約7300万円の損害賠償を市に求める訴訟を鹿児島地裁に起こし、同市は解決金として2000万円を支払い和解する方針であることが21日、市などへの取材で分かった。

 診療所の瀬戸上健二郎所長は、人気漫画でテレビドラマ化された「Dr.コトー診療所」の主人公のモデル。市は解決金支出について市議会に説明し、12月の本会議で可決されれば和解する。

 訴状などによると、女性は2008年8月、夫と同室でアルコール依存症の男性患者に頭を殴られてけがをし、後遺症もあった。女性は「患者が他人に危害を加えないよう、個室に入院させるなどの措置を取る義務を診療所が怠った」として昨年2月に提訴した。

 市は和解する理由について、取材に「過失を認めることはできないが、女性の障害や年齢などを考慮した」としている。」


診療所には施設内の安全を確保する義務があり,具体的事案で何をどこまで行っていたかが問題です.
本件は「患者が他人に危害を加えないよう,個室に入院させるなどの措置を取る義務」の有無が争われた事案です.和解ですが,同種事案の解決に参考となります.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-11-22 01:06 | 医療事故・医療裁判

岐阜地裁平成24年11月21日判決,中津川市民病院の助産師の過失を認める(報道)

時事通信「中津川市に1億円超賠償命令=出産時医療ミス、女児に障害-岐阜地裁」(2012年11月/21日)は,次のとおり報じました.

「岐阜県中津川市民病院で、女児(5)が仮死状態で生まれ、手足と呼吸器に障害が残ったのは病院の過失が原因として、両親らが同市を相手に計約1億8300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、岐阜地裁であった。鈴木正弘裁判長は「兆候に気付き、迅速に対応していれば後遺障害が残らなかった可能性が高い」として、同市に計約1億2000万円の賠償を命じた。
 判決によると、2007年5月10日、出産直前の女児の心拍数に異常が見られ、低酸素状態の兆候があったのに、病院の助産師は医師に報告せず、母親に装着されていた心拍数を測る装置を取り外した。」


あってはいけないのですが,法律相談ではありがちな事案です.入院時,助産師が分娩監視装置を装着するのですが,記録を見ずにルーティーンで30分で外してしまう,ということもあります.もし分娩監視装置の記録を読む能力がなければ医師を呼ばなければいけません.
本件の助産師は,分娩監視装置の記録を診たのでしょうか.見た上で異常がないと判断したのでしょうか.
判決文がみたいです.

【追記】

毎日新聞「中津川市民病院の医療過誤:市が控訴 /岐阜」(2012年12月5日)は,次のとおり報じました. 

中津川市民病院で07年5月に起きた新生児に対する医療事故を巡る裁判で、病院に注意義務違反があったとして市に約1億2000万円の賠償を命じた先月21日の岐阜地裁の判決を不服として、市は4日、名古屋高裁に控訴した。

 青山節児市長は「家族らには大変お気の毒な状況と思うが、病院長とも相談して控訴を決めた」とコメントした。

 地裁判決によると、07年5月10日、市民病院で胎内にいた女児の心拍数に異常がみられ低酸素状態の可能性があったが、助産婦が継続的な監視や医師への連絡を怠り、女児は仮死状態で産まれた。女児には、意識障害など重い後遺症が残り、現在も寝たきりという。【小林哲夫】」


【再追記】

毎日新聞「中津川市民病院の医療過誤損賠訴訟:控訴審 両親らと和解 市、1億3000万円支払いへ」(2013年07月30日)は,次のとおり報じました.

「中津川市民病院で2007年5月に生まれた女児(6)に重い後遺症が残ったのは助産師が適切な処置をしなかったためだとして、女児と両親が市に損害賠償を求めた訴訟で、同病院は29日、両親らに1億3000万円を支払うことで和解したと発表した。岐阜地裁は昨年11月、賠償金約1億2000万円の支払いを命じ、市側が控訴していた。

 1審判決によると、07年5月の出産時に胎児の心拍数に低下がみられたが、助産師は異常なしと判断し、心拍数の継続的な監視などを怠った結果、胎児は仮死状態で出生。低酸素脳症となり、現在も人工呼吸器を外せず、寝たきりの状態という。

 控訴審で名古屋高裁は先月20日、市に1億3000万円で和解するよう勧告していた。

 記者会見した安藤秀男院長は「医療過誤はなかったと考えているが、早期解決を望む家族の苦労を思うと裁判を続けるのは妥当でないと判断した」と述べた。青山節児市長は「これ以上裁判を続けることは本人、家族にも精神的、身体的負担をかけ、病院にも大きな影響を与えると考え、和解を受け入れることにした」とコメントした。【小林哲夫】」


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-11-21 19:20 | 医療事故・医療裁判

厚労省,平成23(2011)年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況

厚生労働省は,2012年11月20日,平成23年の「医療施設(静態・動態)調査」と「病院報告」の結果(年報)を公表しました.


「Ⅰ医療施設(静態・動態)調査
○医療施設数・病床数
病 院 8,605施設・1,583,073床(前年と比べて65施設の減少、10,281床の減少)
一般診療所 99,547施設・ 129,366床( 同 277施設の減少、7,495床の減少)
歯科診療所 68,156施設・ 100床( 同 228施設の減少、24床の減少) (7頁 表1、15頁 表13)

○「小児科」を標ぼうする一般病院 2,745施設(前年と比べて63施設の減少) (13頁 表11)
「小児科」を標ぼうする一般診療所 19,994施設 (14頁 表12)

○「産婦人科」または「産科」を標ぼうする一般病院 1,395施設(前年と比べて37施設の減少) (13頁 表11)
「産婦人科」または「産科」を標ぼうする一般診療所 3,619施設 (14頁 表12)

○「分娩」を実施した一般病院 1,051施設
「分娩」を実施した一般診療所 1,327施設 (21頁 図4)

Ⅱ 病院報告
○病院の患者数
「1日平均在院患者数」 1,299,322人(前年と比べて1.1%、14,099人の減少)
「1日平均外来患者数」 1,401,669人( 同 0.7%、10,576人の減少) (33頁 表1、34頁 表2)

○病院の平均在院日数 32.0日(前年と比べて0.5日の短縮) (38頁 表4)

○病院の常勤換算従事者数
「医師」 199,499.2人(前年と比べて2.1%、 4,131.1人の増加)
「看護師」 704,626.7人( 同 3.2%、22,022.8人の増加) (29頁 表32)

○病院の人口10万人に対する常勤換算医師数 156.1人
都道府県別で最も多いのは高知県 (221.2人)、次いで徳島県(201.9人)
都道府県別で最も少ないのは埼玉県(108.8人)、次いで千葉県(121.3人) (64頁 統計表18) 」


小児科施設・産婦人科施設の減少の原因が,小児科のいわゆるコンビニ受診と産婦人科の訴訟リスクにあるように言われることもありますが, 少子化の流れもありますし,何より厚労省が小児科と産科を地域の拠点病院に集約する施策を進めている影響も十分考えられます.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-11-21 06:08 | 医療

カルディコット医学博士,子どもや妊婦は高線量地域から速やかに避難すべき,移住費用は国が負担すべき

事故後わずか12ヶ月で,福島県内の18歳以下の子どもの40%以上になんらかの甲状腺異常が見つかっています.

ヘレン・マリー・カルディコットHelen Mary Caldicott 医学博士(Physicians for Social Responsibility(社会的責任を果たす医師団)の創立会長)は,2012年11月19日の東京の記者会見で,これについて極めて稀な数値と指摘し,高線量地域にいる子ども,妊婦,妊娠する可能性のある若い女性は高線量地域から速やかに避難すべき,移住費用は国が負担すべき,と述べました.

OurPlanetTV 「「移住費用は国が負担すべき」カルディコット博士」参照

21日大阪市で記者会見,23日徳島,24日岡山,25日京都で講演会が予定されているとのことです.

木下黄太のブログ「福島第一原発を考えます」参照


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-11-21 05:38 | 脱原発

薬害オンブズパースン会議,Tポイントサービスに関する要望書提出

薬害オンブズパースン会議は,Tカード提示時に会員が購入した商品名等の個人情報がCCCとすべての加盟店に提供される仕組となっていること,特に,医薬品情報(医薬品の購入歴)は、患者のプライバシー権保護という観点からも高度な法的保護を受けることから,問題であり,刑法及び個人情報保護法に抵触し得る,と指摘し,2012年11月20日,Tポイントサービスに関する要望書を提出しました.

「要望の趣旨」は,以下のとおりです.
 
「1 カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下「CCC」)に対して
(1) Tポイントサービスの加盟店として参加している標記医薬品販売業者5社との間の加盟店契約を解消すること、また、以後、医薬品販売業者、薬剤師、その他医療機関とは加盟店契約の締結をしないこと
(2) これまでに取得したTポイントサービス会員の医薬品購入歴情報の全てを直ちに抹消すること
(3) (1)及び(2)の措置をとるまでの間、会員の医薬品購入歴情報を第三者に一切提供しないこと、仮に提供する場合は、会員毎に個別に予め同意を得ること
(4) 個人情報保護法、「個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドライン」(経済産業省)、及び「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」(厚生労働省)に従い、T会員規約及びホームページ上の情報提供システムを改訂し、それらを会員に対して周知させること

2 加盟店(ポイントプログラム参加企業)である医薬品販売業者5社に対して
(1) CCCとの間の加盟店契約を解消し、今後、医薬品販売業者としては、CCCとの間で加盟店契約を締結しないこと
(2) (1)のとおり契約解消をするまでの間、Tカードを提示して医薬品を購入しようとする全ての会員に対し、その都度、T会員規約の存在と内容、当該医薬品の購入によってCCCに送信される個人情報の全てを説明し、同意を得ること

3 経産省・厚労省・消費者庁及び各担当大臣、消費者委員会委員長に対して
(1) CCC及び標記医薬品販売業者5社に対し、個人情報保護法34条に基づき、上記1及び2の措置をとるべき旨を勧告・命令し、指導すること
(2) CCC以外で、CCCと同種のサービスを提供することにより個人情報保護法及び刑法に違反し、又はそのおそれのある企業の存在につき、調査すること」


【追記】

NHK「利用者購入の医薬品データ収集 懸念の声」(2012年11月24日)は,次のとおり報じました.

「買い物によってためたポイントで割引を受けられるポイントカードの運営会社大手が、利用者が購入した医薬品のデータを収集していたことが分かりました。
医薬品のデータからは利用者の病気なども明らかになりかねないため、市民団体が中止を求めるなど、プライバシーの問題を懸念する声が上がっています。

医薬品の購入データを収集していたことが分かったのは、「Tポイント」を運営している「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」で、加盟している5社のドラッグストアの店舗でデータを収集し、販売促進の目的などに利用していたということです。

これに対し、医師や薬害被害者などで作る市民団体は今週、「医薬品のデータからは利用者の病気なども明らかになりかねず、厳格な取り扱いが求められる。十分な説明をしないまま利用するのは問題だ」として、中止を求める要望書を運営会社などに送りました。
これについて、Tポイントを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブの北村和彦取締役は、「規約に基づき、同意を得て情報を提供していただいていると理解しており、データも適切に運用している。個人が分からない形で統計的に処理しており、こうした運用をしていることをしっかり説明していきたい」と話しています。

一方、厚生労働省の医療情報の取り扱いに関する検討会のメンバーで、新潟大学の鈴木正朝教授は、「医薬品の購入に関する情報は、刑法で秘密漏示罪の対象となる可能性があり、一般商品よりも厳格に保護する必要がある。規約の記載による説明だけでは不十分で、消費者がよく理解しないまま情報を提供することは、是正する必要がある」と話しています。

Tポイントは、利用者が個人情報を登録してカードを作成し、加盟する店舗で提示すると買い物の額に応じて割引きに使えるポイントが得られるもので、現在およそ4200万人が利用しています。」



谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-11-20 23:11 | 医療

大阪大学医学部附属病院,B型肝炎キャリアの悪性リンパ腫患者へのリツキシマブ投与で提訴される(報道)

大阪大学医学部附属病院が,悪性リンパ腫患者にリツキシマブを投与し,B型肝炎キャリアである患者が肝不全で死亡した事案で提訴されました.

MSN産経「抗がん剤でB型肝炎悪化、遺族が1億円賠償提訴」(2012年11月19日)は,次のとおり報じています.
 
「大阪大学付属病院(大阪府吹田市)で悪性リンパ腫の治療を受けていた男性(当時70歳)が死亡したのは、抗がん剤「リツキシマブ」の副作用でB型肝炎ウイルスが増えたのに、病院が必要な措置を怠ったためだとして、男性の遺族が19日、同大学に約1億円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。

 訴状によると、男性は悪性リンパ腫と診断されて2009年11月に入院し、リツキシマブの投与を受け、5度目の入院中だった11年11月、肝不全で死亡した。入院直後の血液検査で男性がB型肝炎ウイルスの持続感染者と判明していた。

 遺族側は、10年6月の血液検査でウイルスが増えていたのに、病院はリツキシマブの投与中止や抗ウイルス剤の併用などをせず、注意義務を怠った、と主張。月1回のウイルス検査を求めた厚生労働省の指針も守らなかった、としている。

 リツキシマブについては、同省が06年、投与後にB型肝炎が悪化して死亡した例があると発表し、医療機関などに注意喚起するよう製薬会社を指導していた。

 提訴後、記者会見した男性の長女(42)は「悪性リンパ腫は快方に向かっていた。病院の怠慢で命が失われたようなものだ」と話した。

 同病院は「訴状の確認ができておらず、コメントを差し控える」としている。」


リツキサンの添付文書には,
「B型肝炎ウイルスキャリアの患者で、本剤の治療期間中又は治療終了後に、劇症肝炎又は肝炎の増悪、肝不全による死亡例が報告されている」(「警告」欄),
「B型肝炎ウイルスキャリアの患者で、本剤の投与により、劇症肝炎又は肝炎が増悪することがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合は投与を中止し、直ちに抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎を発症し、死亡に至った症例が報告されている 」 (「重要な基本的注意」欄)
「B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎、肝炎の増悪  (頻度不明 注)) B型肝炎ウイルスによる劇症肝炎又は肝炎の増悪による肝不全があらわれることがあるので、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど患者の状態を十分に観察すること」(「重大な副作用」欄)
と記載されています.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-11-19 23:57 | 医療事故・医療裁判

全国医学部長病院長会議の調査と医師ユニオンの調査

医師の増員,医学部新設問題うぃ考えるうえで,興味深い調査結果が報告されました.
「全国医師ユニオン」の調査によれば,「勤務先の病院で医師不足を感じている人は8割を超えた。」とのことです.
全国医学部長病院長会議の調査は,医学生の学力低下を指摘する内容で,その原因の2番目が「医学部定員の増加」(80校中58校)でした.

◆ 全国医学部長病院長会議の調査

m3.com「医学生の学力低下、定員増と「ゆとり」原因か 全国医学部長病院長会議の調査、留年者数も増加 」(2012年11月16日)は,次のとおり報じています.

「全国医学部長病院長会議は11月15日の記者会見で、「医学生の学力低下問題に関するアンケート調査報告」を公表。大学教員への意識調査の結果、「医学生の学力が低下している」との回答が、2年前の調査の86%(79校中68校)から、今回は94%(80校中75校)に増加したことが明らかになった。

 その根拠として、「授業中の態度(私語や教員の指示に従わないなど)」(80校中47校)、「進級試験の不合格者数の増加」(80校中42校)などが挙がり、その理由として最も多かったのが「ゆとり教育」(80校中65校)。
以下、「医学部定員の増加」(80校中58校)、「若者全体のモチベーションの低下」(80校中44校)、「医学部教員の多忙」(80校中43校)などが続いた。

 また学力低下以外に問題として、「メンタルな問題を抱える学生が増えた」(80校中62校)、「社会的規範(授業中の私語等)を守らない」(80校中50校)などが挙がり、多忙な教員が医学教育以外の面でも対応せざるを得ない実態が浮き彫りになっている。」


吉村博邦氏は,「少子化の進展により、医学部入学の門戸はさらに広がることが予測され、これ以上の大幅な医学部の定員増は、医学生の資質の一層の低下を招く恐れがあり、教員の負担増も懸念される」と述べています.

◆ 全国医師ユニオンの調査

日本経済新聞「勤務医の6割「職場やめたい」 医師の労組調査」(2012年11月18日)は,次のとおり報じています.

「医療機関で働く勤務医の6割が「職場をやめたい」と考えていることが18日、医師らの労働組合「全国医師ユニオン」(東京)の調査で分かった。病気がちだったり、健康に不安を抱えたりする人も半数近くに上り、同ユニオンは「勤務医の長時間労働が改善されていない。医師を増やす必要がある」としている。

 今年6~10月、全国の小児科や救急などを担当する勤務医にアンケート調査を実施、2108人から有効回答を得た。

 最近職場をやめたいと思った頻度は、「いつも」が8%。「時々」が26%、「まれ」が28%で、計62%が「やめたい」と考えていた。健康状態を尋ねたところ、4%が「病気がち」、43%が「健康に不安」と答えた。

 病院に勤務する医師の当直回数は平均で月3.3回で、当直明けの日も「1日勤務」に従事している人は79%を占めた。勤務先の病院で医師不足を感じている人は8割を超えた。」


 当たり前のことですが,質の低下を避けつつ,数を増やすことしか,解決策はないように思います.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-11-18 21:26 | 医療

毎日新聞,記者ノート:菊池事件

毎日新聞地方版の「記者ノート」(2012年11月18日)に菊池事件がとりあげられていました.

「内田博文・神戸学院大法科大学院教授は「遺族は今も続く差別のため再審請求することができないのに、誤判を是正する責任を遺族に押しつけてよいのか」と話した。ハンセン病を理由にずさんな手続きで裁かれ、真実を語る機会も与えられずに死刑になった男性がいたこと。その事実を放置してはならないと思う。【澤本麻里子】」

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-11-18 13:53 | 医療

禁煙法は命を救う

研究者は,ミネソタ州オルムステッド郡で,レストランを禁煙にする前の18か月と,禁煙にした後の18か月とを比較し,心臓発作が33%低下し,心臓突然死が17%低下したことを報告しました.

Smoke-Free Laws Are Saving Lives」(TIME Oct. 30, 2012)参照

For one of the two new studies, published in Archives of Internal Medicine, scientists at Minnesota’s Mayo Clinic analyzed effects of smoke-free laws that were introduced in Olmstead County, MN, over the past ten years. Most of the county’s more than 144,000 residents receive health care from the Mayo Clinic, allowing the researchers to obtain consent to track heart-related health outcomes. In 2002, Olmstead County required restaurants to be smoke-free, and a few years later passed even stricter anti-smoking laws, mandating that all workplaces, including bars, become smoke-free in 2007. When they compared the 18-month period before the restaurant ban to the 18-month period directly afterward, the researchers found a per-capita drop of 33% in the number of heart attacks in the county, and a 17% drop in the number of sudden cardiac deaths. The decline occured at the same time that rates of hypertension, diabetes and other heart-disease risk factors either remained constant or increased, suggesting that the effect was primarily attributable to the more rigid smoke-free laws. The study’s authors also adjusted for the effect of other community anti-smoking efforts, and the drop in heart attacks remained strongly tied to the new policies.

In the second study, published in the journal Circulation, researchers at the University of California, San Fransisco (UCSF) took a different tack. They analyzed the combined the results of 45 previous studies that focused on 33 different smoke-free laws worldwide and their impact on health.



谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-11-18 02:17 | タバコ