弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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弘前市立病院,看護師ら3人が余ったインフルエンザワクチンを自宅に持ち帰り自分の子どもに接種(報道)

読売新聞「無断でワクチン持ち帰り接種」(2012年11月17日)は,次のとおり報じています.

「弘前市立病院(東野博院長)は16日、看護師、准看護師計3人が、患者に接種した後に余ったインフルエンザワクチンを無断で自宅に持ち帰り、自分の子供に接種していたと発表した。

 発表によると、40歳代の看護師は7日、患者に接種したインフルエンザワクチンの残りが入った容器と未使用の注射器を持ち帰り、自分の子供に0・25ミリ・リットルを接種。30歳代と40歳代の准看護師2人も8日と14日に同様の行為をした。3人は同じ外来の部署で勤務していた。14日に容器を持ち帰る准看護師を別の看護師が目撃し、3人の行為が発覚した。3人は「廃棄するのがもったいなかった」と話している。ワクチンを接種した3人の子供に健康被害はないという。

 記者会見した東野院長は「医師の指示なく接種を行った3人の行為は、保健師助産師看護師法違反の可能性が強い」としている。国や県などと相談して、処分や再発防止策などを決める。」


廃棄するものであっても,廃棄するまでは無主物ではありません.
少なくとも,未使用の注射器を持ち帰ち帰った行為は窃盗罪になります.

保健師助産師看護師法三十七条は,「保健師、助産師、看護師又は准看護師は、主治の医師又は歯科医師の指示があつた場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をしその他医師又は歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない。ただし、臨時応急の手当をし、又は助産師がへその緒を切り、浣腸を施しその他助産師の業務に当然に付随する行為をする場合は、この限りでない。」と定めています.
ワクチンの注射は,医療行為で,医師の指示がなければ,看護師又は准看護師は他人にワクチンの注射を行えない,と解すべきでしょう.

本件は,財産的損害が軽微で,健康被害が生じていませんので,厳しい処分は不要と思いますが,公私混同を厳に慎むよう鈍麻した規範意識を回復し再発がないよう指導する必要はあると思います.

【追記】

毎日新聞「弘前市立病院:ワクチン不正使用 40代看護師も下剤持ち出す /青森」(2012年12月1日) は,次のとおり報じました.

「弘前市立病院の看護師らが接種後のインフルエンザワクチンを持ち帰り不正使用した問題で、同病院は30日、全職員336人に調査し、別の40代女性看護師が08年夏ごろ、廃棄すべき下剤を持ち出したとの自己申告1件があったと発表した。

 退院や死亡で不要になった錠剤と座薬を2回持ち出し、自分で使ったという。同病院は調査結果を県などに報告し、厚生労働省などの指導を待って処分を検討する。【松山彦蔵】」


谷直樹

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by medical-law | 2012-11-17 09:31 | 医療

薬害オンブズパースン会議,「西友の登録販売者試験不正受験問題に関する緊急要望書」

登録販売者資格は,平成18 年薬事法改正で新設された一般用医薬品の一部を販売できる資格です.
医薬品の販売において。薬剤師らの指導の下で1年間毎月80時間以上医薬品販売や相談の補助を行った実務経験等を有する者が,都道府県知事の行う試験に合格することで,登録販売者資格が得られます.
ところが,上記の実務経験のない者に実務経験証明を発行するなど不正が相次ぎました.
そして,西友が従業員に業務内容や従事時間を偽った実務経験証明書を従業員282人に発行していたことが発覚し,企業イメージを下げることになりました.このうち200人が19都道府県の試験で合格したとのことです.しかも,不正は,平成20年から続いていた疑いが報じられています.
ただ,これは,西友に限ったことではないかもしれません.

薬害オンブズパースン会議は,2012年11月14日,厚生労働大臣宛に,「西友の登録販売者試験不正受験問題に関する緊急要望書」を提出しました.

要望の趣旨は,以下のとおりです.

「1 登録販売者試験の受験要件である実務経験に関する証明資料として、従事した業務内容や薬剤師の指導内容を記載した月毎の報告書を提出させるよう制度改正をすること

2 登録販売者試験の不正受験が行われた場合の法的制裁として、(1)不正受験者に対する将来5年間の受験資格停止、(2)不正な実務経験(見込)証明を行った医薬品販売業者に対する将来5年間の実務経験証明禁止を内容とする制度改正をすること

3 各都道府県に対し、速やかに、(1)過去の実務経験証明に西友と同様の不正が存在したか、(2)医薬品販売業者の実務経験証明の実態がいかなるものかについて調査を実施し、今年度中にその調査結果を公表するよう指導すること」


谷直樹

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by medical-law | 2012-11-17 08:04 | 医療

日弁連,「女性及び女児に対するあらゆる形態の暴力の撤廃及び予防について」(国連女性の地位委員会提出)

日本弁護士連合会(日弁連)は,2012年11月15日,「国連女性の地位委員会(CSW)」(2013年3月に開催される)に,「Eliminating and preventing all forms of violence against women and girls 」(「女性及び女児に対するあらゆる形態の暴力の撤廃及び予防について」)と題する文書を提出しました。

「日本弁護士連合会は,国連経済社会理事会との協議資格を取得している組織である。

女性に対する暴力は,歴史的に不平等な男女の力関係の表れであり,男性の女性に対する支配・差別を容認し,女性の地位向上を妨げてきた。女性に対する暴力は,個々の女性の自由及び基本的人権の享受を妨げ,女性一般の地位を押しとどめ,平等,開発及び平和という国際社会共通の目標の達成を阻む障害である。

家庭内における暴力や性的虐待,職場・教育機関その他の場所におけるセクシュアル・ハラスメント,女性の人身取引や強制売春など,女性のライフサイクルに現れる全ての身体的・性的暴力及び心理的暴力は廃絶されるべきであり,国際社会はその対策を講じ,努力を続けてきたが,いまだ不十分であり,女性の自由・権利の保護・促進は十分に図られていない。

日本においても,政府は一定の努力をしているものの,いまだ多くの女性に対する暴力問題が存在し,性犯罪,セクシュアル・ハラスメント,DV,子どもに対する虐待及び性的虐待,人身取引等が多発している。2010年の児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反の検察庁新規受理人員は2090人にものぼり,年々増加している。また,都道府県労働局雇用均等室に寄せられた男女雇用機会均等法に関連する相談内容のうち「セクシュアル・ハラスメント」は過半数を占めており,年間1万件を超えている。

このような日本の状況と,長らく制度的・社会的な男尊女卑がまかり通ってきた日本の歴史的背景とは無関係ではない。現行憲法で男女平等がうたわれて65年以上が経ってもなお,いまだその影響を払拭できずにいる。

例えば,強姦罪や強制わいせつ罪の構成要件である「暴行・脅迫」が「相手方の抗拒を著しく困難ならしめるもの」と極めて狭く解釈されているため,被害者に必死の抵抗が認められない場合,加害者に対する迎合的な態度が認められる場合,上下関係など心理的強制を利用したセクシュアル・ハラスメントの場合には,立件が困難であること,強姦神話の存在,セクシュアル・ハラスメント,性暴力事案の賠償金が極めて低いことなど,人権の最後の砦である司法においてさえ,根強いジェンダーバイアスが存在していることは明らかである。

2010年において,強姦罪での執行猶予率は59.0%であり,強盗罪の17.9%に比して著しく高くなっている。

また,雇用における男女格差・差別や,女性議員が少なく,政治意思決定の場面に女性の意思を反映することが出来ないという社会構造的な問題も,女性に対する暴力を廃絶できない大きな原因の一つである。しかも,男女差別が一部男性を巻き込んだ雇用形態による格差に形を変えたため,かえって男女差別が見えにくくなり,差別を助長している面さえある。したがって,女性に対する暴力を廃絶するには,男女間における雇用格差の解消,女性議員の増加も急務である。

日本では,国連人権諸条約機関及びUPR等から,従軍慰安婦問題についての懸念・勧告を受けながら,いまだ解決が図られず,さらなる政府の対応が必要な状況である。従軍慰安婦問題が未解決であることは女性に対する暴力や外国人女性に対する暴力問題を軽視するものである。

また,沖縄においては,これまでも駐留米軍兵士による強姦事件等,女性が被害に遭う事件が多くあり,最近でも,2012年10月16日に女性に対する集団強姦致傷事件が発生しており,早急な対応が求められている。
我が国において,女性が平和のうちに安心して生活できるよう,政府の積極的かつ真摯な対応が求められるところであり,国連を始め国内外を問わず,全ての男女が連帯・連携しながら,女性に対する暴力撤廃のために努力すべきである。」


Eliminating and preventing all forms of violence against women and girls (To CSW57)Japanese

Japan Federation of Bar Associations
November 14, 2012.



Japan Federation of Bar Associations is a non-governmental organization in special consultative status to the UN Economic and Social Council.


Violence against women is a manifestation of the historically unfair power relationship that has existed between men and women. It permits control and discrimination by men against women and obstructs improvement in the status of women. Violence against women impedes each individual woman’s enjoyment of her freedom and her basic human rights. It holds down the general status of women and acts as an obstacle preventing women from realizing goals shared by international society such as equality, development and peace.
All physical as well as sexual and psychological violence against women and girls affecting their cycles of life, such as domestic violence , sexual abuse, sexual harassment occurring at the workplace, education institution or other places as well as human trafficking and forced prostitution, should be eliminated. International society has devised solutions against these kinds of violence and made continual efforts but these are still inadequate and the freedom and rights of women and girls are not adequately fostered and protected.


Even in Japan where the government has made certain efforts, the main problems of violence against women still exist, and sexual crimes, sexual harassment, domestic violence, child abuse and sexual abuse of children as well as trafficking in persons etc. occur frequently. In 2010 up to 2090 people were pointed out to the public prosecutors offices for violations of the Act on Punishment of Activities Relating to Child Prostitution and Child Pornography, and the Protection of Children, and this number increases annually. “Sexual harassment” comprises the majority of consultations concerning the Equal Employment Opportunity for Man and Women Act convened by the regional employment equality consultation bureaus, with more than 10,000 cases being heard annually.
These current conditions in Japan are not unrelated to Japan’s historical background that for so long has let systematic and social male domination of women go by. Before the World War II as women were routinely deemed inferior to men, the former Civil Code denied the legal capacity of women under the system of patriarchy, and women were denied suffrage. Although the Constitution stipulates gender equality since its enactment in 1946 and the Civil Code was also revised, our society has not yet gotten rid of the influence of historically formed male domination.

An example would be the extremely narrow interpretation of the legal elements comprising the crimes of rape and forced indecency “violent and threatening” that require “remarkable compromise of the other party’s resistance”. It is therefore difficult to establish a case when it is not accepted that the victim puts up frantic resistance, when it is held that the victim had an ingratiating attitude or in such cases when for example a senior relationship is used as psychological force for sexual harassment. This, and things like the existence of myths about rape and the extremely low compensation payouts for cases of sexual harassment and sexual violence, make it clear that even in the judiciary, which is supposed to be the last bastion of protection for human rights, gender bias is deeply rooted. In 2010, a suspended sentence was given in 59.0% of rape crime cases which is extremely high, compared with 17.9% of robbery crime cases.

Further, the social structures such as disparity and discrimination between men and women in the workplace, a lack of women executives and a failure to reflect women’s thinking in political decision-making venues also serve as a significant source that obstructs eliminating violence against women. Because discrimination between men and women has changed form into a kind of disparity caused by employment formats that includes a number of men, not only has it become difficult to spot discrimination, but this change has in some respects come to help foster it. Accordingly, in order to eliminate violence against women there is an urgent need to eliminate discrimination against women in the workplace and to increase the number of female political representatives.


In Japan, even while subject to expressions of concern and admonitions concerning ”Japanese military comfort women” problem from United Nations human rights treaty organizations and the Universal Periodic Review etc., the problem has still not been resolved and further action by politicians is required. The fact that ”Japanese military comfort women” problem has not been resolved means that violence against women and the problem of violence against foreign women are viewed lightly.
Moreover, in Okinawa there have been many cases in which women and girls became victims, for example those cases of rape etc. committed by US military personnel stationed there. Just recently, on October 16, 2012 there was a case in which a woman was subjected to a gang rape which shows that there is an urgent need for action.


In order for women to live in peace and safety in Japan, a proactive, sincere response from the government is required. We must strive to eliminate violence against women and girls, with all men and women standing together in solidarity from Japan and abroad including the United Nations.


谷直樹

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by medical-law | 2012-11-17 06:19

大阪高裁平成24年11月15日判決(山本病院事件),業務上過失致死罪で禁錮2年4月(報道)

山本病院事件は,当時の理事長兼院長医師が,複数の詐欺事件,複数の業務上過失致死事件に問われた事件です.
当時の理事長兼院長医師の被告人が,「肝臓がんということにして手術をしようや。もうかるで」と,他の医師を誘い,肝臓がんではない男性(当時51歳)を肝臓がんということにして,2006年6月,2人で手術を行い,男性が死亡したという事案で,大阪高裁は控訴を棄却し,一審どおり禁錮2年4月としました.

朝日新聞「奈良・大和郡山の手術患者死亡、二審も実刑 大阪高裁」(2012年11月15日)は,次のとおり報じています.

「奈良県大和郡山市の山本病院で起きた手術患者の死亡事故で、業務上過失致死罪に問われた運営法人「雄山(ゆうざん)会」(破産)元理事長で執刀医の××××被告(55)の控訴審判決が15日、大阪高裁であった。的場純男裁判長は「十分な人員態勢で手術する注意義務を怠り、医療への信頼を傷つけた」と判断。禁錮2年4カ月(求刑禁錮3年)の一審判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。

 判決によると、××被告は2006年6月、男性患者(当時51)の肝腫瘍(しゅよう)の治療で、手術がいらない肝血管腫を肝臓がんと誤診。大量出血の危険性があるのに専門医を立ち会わせずに手術し、患者を死亡させた。

 弁護側は「手術と死亡の因果関係はない」と主張したが、的場裁判長は主張を裏付ける具体的な証拠がないとして退けた。」


医療界には,医師を業務上過失致死罪に問うことについて強硬な反対意見もありますが,(もちろん何でも刑事事件にするということになれば問題ですが)本件のような事案についてまで刑事責任を問えないということになると,きわめて理不尽なことになると思います.

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-16 04:51 | 医療事故・医療裁判

厚労省,医道審議会の答申を受け,医師,歯科医師44人を処分

厚生労働省は,2012年11月14日,医道審議会の答申を受けて,医師・歯科医師44人の行政処分を発表しました.2012年3月5日のときは,38人でしたので,若干増えています.免許の取り消しは5人(前回6人)、1カ月~3年の業務停止は36人(前回30人)、戒告は3人(前回2人),厳重注意1は6人でした.

毎日新聞「厚労省:医師ら44人を行政処分…5人の免許取り消し」(2012年11月14日)
は,次のとおり報じました.

「厚生労働省は14日、刑事事件で有罪判決が確定するなどした医師と歯科医師計44人の行政処分を発表した。処分の発効は11月28日。

 14日の厚労省医道審議会分科会に60人が諮問され、免許の取り消しが5人、1カ月〜3年の医業停止36人、戒告3人だった。残る16人は行政指導に当たる厳重注意など。

 奈良県で06年に起きた母子3人放火殺人事件を題材にした単行本を巡る供述調書漏えい事件で、秘密漏示罪で懲役4月、執行猶予3年の判決が確定した××××医師(54)は医業停止1年の処分を受けた。【江刺正嘉】

 ◇医業停止1年以上の処分者は次の通り。
(当時の所属医療機関の所在地、医療機関名、氏名、年齢、処分理由。敬称・呼称略)

《免許取り消し》
勤務先医療機関なし、××××(32)覚せい剤取締法違反
▽長崎市、××××××医歯薬学総合研究科、××××(40)強制わいせつ致傷
▽秋田県能代市、××××総合病院、××××(27)強制わいせつなど
▽千葉県市川市、×××××××××歯科、××××(43)強制わいせつ
▽横浜市、××歯科医院、××××(65)詐欺など

《医業停止3年》
勤務先医療機関なし、××××(54)覚せい剤取締法違反
▽東京都渋谷区、××××××××××デンタルクリニック、××××(47)大麻取締法違反など
▽勤務先医療機関なし、×××××(38)大麻取締法違反
▽神奈川県三浦市、××××病院など、×××(34)傷害など
▽東京都杉並区、××××クリニック、××××(49)詐欺

《医業停止2年》
山梨県中央市、×××××××付属病院、××××(40)大麻取締法違反
▽福島県郡山市、××××、×××(48)危険運転致傷

《医業停止1年6カ月》
京都市、×××××××付属病院、×××(40)大麻取締法違反

《医業停止1年3カ月》
京都府木津川市、×××歯科、××××(50)偽計業務妨害など

《医業停止1年》
京都市、×××××××付属病院、××××(35)傷害
▽横浜市、××××歯科クリニック、×××××(40)傷害
▽福岡市、×××××歯科、××××(34)自動車運転過失致傷など
▽岡山市、××病院、××××(59)自動車運転過失致傷など
▽東京都新宿区、××・×××××クリニック新宿、××××(36)所得税法違反
▽京都市、×××病院、××××(54)秘密漏示」



谷直樹

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by medical-law | 2012-11-15 01:23 | 医療

九州大学病院,患者138名の個人情報が含まれた個人所有のUSBメモリを紛失

九州大学のサイトに,「個人情報が含まれたUSBメモリの紛失について」が掲載されています.


「1.経緯
 11月1日(木)20時40分頃,医学系学府博士課程の大学院生が,九州大学病院前の道路を徒歩で帰宅していたところ,バイクに乗った二人組に,患者さんの個人情報が含まれたUSBメモリを入れていたショルダーバックをひったくられました。ひったくりの直後に警察へ通報し,被害届・盗難届を提出しましたが,現時点においてUSBメモリは発見できておりません。
 なお,紛失したUSBメモリにパスワードは設定しておりませんでした。

2.紛失した個人情報の内容
 紛失したUSBメモリには,当該学生が学会発表のために九州大学病院のメディカル・インフォメーションセンターに抽出を依頼したプログラフ(免疫抑制剤)内服中の患者さん(138名)のデータが入っていました。当該データの内容は,氏名,患者番号,性別,生年月日,プログラフの内服量,処方医の氏名,入院外来の別の情報でした。
 なお,現時点においては,紛失した個人情報の転載や流用の事実は報告されておりません。」

「再発防止に向けた今後の取り組み」については,「本学では,これまで個人情報保護の適切な管理に取り組んでまいりましたが,このような事態を招いたことを深く反省し,学生,職員等に対して個人情報保護の重要性を再度徹底し,再発防止に努めてまいります。」というだけです.

アメリカでは,個人情報の紛失事故は高額の民事賠償責任を生じます.
USBメモリへコピーするときに自動的に暗号化するソフトを導入するなど,具体的な再発防止策が必要と思います.

◆ 昨年6月以降の個人電磁情報の紛失事故

2011年 6月
慶應義塾大学病院スポーツ医学総合センター
北海道大学病院

2011年7月
医療法人 柏堤会(財団) 戸塚共立第1病院
藤田保健衛生大学病院
昭和大学歯科病院

2011年8月
筑波メディカルセンター病院

2011年9月
千葉県精神科医療センター
鹿児島大学病院

2011年10月
JA茨城県厚生連茨城西南医療センター病院
独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院
大和市立病院

2011年11月
独立行政法人国立病院機構金沢医療センター

2012年1月
医療法人聖愛会
独立行政法人国立病院機構千葉医療センター
独立行政法人国立病院機構宇多野病院
東京女子医科大学附属八千代医療センター

2012年2月
京都府立洛南病院(ただし一時紛失)
岡山大学病院
藤沢市民病院
長崎大学病院

2012年3月
日本赤十字社医療センター

2012年4月
ごう在宅クリニック(札幌)
静岡県立病院機構静岡県立総合病院
広島大学病院
福岡大学病院

2012年5月
福岡大学病院

2012年7月
日本大学歯学部付属歯科病院

2012年8月
名古屋大学医学部附属病院

2012年9月
沖縄県立中部病院
福岡歯科大学医科歯科総合病院

2012年10月
医療法人社団恵仁会セントマーガレット病院
東京医科大学病院
昭和大学病院附属東病院

2012年11月
九州大学病院

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by medical-law | 2012-11-15 00:48 | 医療

社会医療法人将道会総合南東北病院,筋弛緩剤紛失・盗難両面で捜査(報道)

河北新報「岩沼の病院、筋弛緩剤なくなる 紛失・盗難両面で捜査」(2012年11月14日)は次のとおり報じています.
 
「宮城県岩沼市の総合南東北病院で、全身麻酔などの際に使われる筋弛緩(しかん)剤がなくなっていたことが13日、分かった。病院は岩沼署に被害届を出し、同署が盗難と紛失の両面で捜査している。
 同署によると、病院が12日午後、「保管していた筋弛緩剤が盗まれた」と届け出た。なくなったのは「エスラックス50ミリグラム」の瓶(5ミリリットル入り)2本。10月27日朝、病院2階の手術室に常時15本保管していたエスラックスが13本しかないことに、点検した薬剤師らが気付いた。
 病院によると、エスラックスは手提げ金庫に入れ、手術室内の保冷庫で保管していた。前日の点検では15本あり、手術で使われた形跡もないという。手術室は夜間に施錠されるが、日中は外から出入りが可能。保冷庫に鍵はなく、手提げ金庫に鍵はあったが、当時は施錠されていなかった。
 薬事法はエスラックスなどの毒薬は他の薬品と区別し、鍵を掛けて保管するよう義務付けている。仙台市内の医療関係者によると、エスラックス30ミリグラムを体重50キロの人に一度に投与すると呼吸困難に陥り、死亡するという。」


宮城県の病院でも,筋弛緩剤について紛失・盗難がおきました.
筋弛緩剤紛失については紛失事故が後記のとおり報じられていますが,他院での紛失事故を知ったときに,あらためて自院の管理について点検しないのでしょうか.

◆ 過去の報道事例

佐賀大学医学部付属病院で平成22年12月(但し公表は平成23年6月)に1本
独立行政法人国立病院機構名古屋医療センターで平成23年1月に10本
独立行政法人国立病院機構千葉医療センターで平成23年9月に1本
愛知厚生連海南病院で平成23年9月に1本
有田市立病院で平成23年9月に10本
浜松医療センターで平成23年9月に1本
NTT東日本札幌病院で平成23年12月に2本
社会福祉法人恩賜財団済生会熊本病院で平成23年12月に3本
市立室蘭総合病院で平成24年3月に1本
地方独立行政法人福岡市立病院機構福岡市立こども病院・感染症センターで平成24年7月に1本
公益財団法人田附興風会医学研究所北野病院で平成24年7月に5本
熊本大学医学部附属病院で平成24年7月に1本
公立南丹病院で平成24年10月に1本
尾道市公立みつぎ総合病院で平成24年10月に4本
社会医療法人将道会総合南東北病院で平成24年11月に2本


谷直樹

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by medical-law | 2012-11-15 00:19 | 医療

日弁連,「患者の権利に関する法律大綱案の提言」

CBニュース「患者の権利法「医師との対立軸ではない」」(2012年11月14日)が,ようやく報じてくれました.

「日本弁護士連合会(日弁連)は10月、厚生労働省に「患者の権利に関する法律大綱案の提言」を提出した。この大綱案は、患者の自己決定権やインフォームド・コンセントなどを通じて、患者が診療についての説明を受ける権利などを規定し、安全な医療を平等に受けられる環境につなげようとするものだ。現在、厚労省の検討会で議論されている医療事故調査制度で、事故を調査する第三者機関の在り方にも言及している。」

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患者の権利に関する法律大綱案の提言

「患者の権利に関する法律大綱案の提言」全文

Ⅰはじめに

当連合会は,2011年10月,第54回人権擁護大会において,「患者の権利に関する法律の制定を求める決議」を満場一致で採択した。同決議は,医療が抱える多くの重要な課題の解決には,患者を医療の客体ではなく主体とし,その権利を擁護する視点に立って医療政策が実施され,医療提供体制や医療保険制度などを構築し,整備することが必要であり,そのためには,大前提として,基本理念となる患者の諸権利が明文法によって確認されなければならないとして,「患者の権利に関する法律」を速やかに制定することを求めるものである。この提言は,同決議を受けて,同法制定への一助として,その大綱案を提言するものである。

Ⅱ 提言の理由

第1 患者の権利が十分に保障されていない現状


医療は我々の生命,健康,社会を支える最も重要な基盤の一つであり,安全で質の高い医療は,健康で文化的な生活を営み,幸せに生きるために必要不可欠である。ところが,このように,我々にとって必要不可欠な医療が,今日,多くの課題を抱え,患者の権利が十分に保障されていない現状にある。

1 不十分な医療提供体制により医療を受けることが困難となっている現状

近時,勤務医を中心とした医師や看護師らの不足,診療科の休止,医療機関の閉鎖,救急患者を受け入れる医療機関が容易に見つからないなど,地域や,診療科目,時間帯によっては,医療を受けることが困難な事態が生じている。

厚生労働省の調査によれば,2008年末に,医療施設などで診療に従事している医師は,約27万5000人,人口1000人当たり2.15人であるが,主に先進国が加盟する経済協力開発機構(OECD)の2007年~2008年の統計では,これが平均3.1人であり,我が国は,全30か国中27位である。

また,勤務医の労働環境は劣悪であり,厚生労働省の「医師需給に係る医師の勤務状況調査」(2006年3月27日現在の調査状況)によれば,病院等の医療機関の勤務医の1週間当たりの勤務時間は,平均で63.3時間に及んでいる。

これは,同省が定めている「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準」(2001年12月12日付け基発第1063号)に照らせば,過労死が極めて生じやすい状況と評価される。

さらに,当直を担当して,そのまま次の日も連続して勤務に就くことも頻繁に生じており,疲労が蓄積し注意力の低下が懸念される医師が,患者に対して診察や治療を行わざるを得ない状況になっている。
人の生命・健康に直結する診療行為を行う医師らがかような状況にあることは,極めて深刻な問題である。
しかも,かような過酷な労働条件のため,子育てをしなければならない世代の医師,特に女性医師が現場を去るという事態も生じ,近年の女性医師の増加の中,医師不足に拍車をかけている。

さらに,医師が大都市に集中して,周辺地域やへき地の医師不足が深刻である。
2010年に厚生労働省が実施した必要医師数実態調査によれば,特に,岩手,青森,山梨,島根,大分などに医師不足が指摘され,診療科目別にみると,リハビリテーション科,救急科,産科などが医師不足の程度が大きいとされている。

また,医療の高度化や高齢化から,看護師など看護職員の需要は高まるばかりであり,2010年の厚生労働省の第7次看護職員受給見通しに関する検討会は,2011年には,看護職員は,5万6000人が不足する見通しであるとしている。

現在でも看護師不足から,病床の減少や病棟閉鎖をする医療機関もみられる。3交代制の病院での1か月の夜勤回数は平均8.5回であることなどにみられるような厳しい労働条件下で離職率が高く,また,結婚や出産で離職後,復職しない有資格者が多いのが現状である。

このような不十分な医療提供体制が,医療を受ける患者の権利を脅かしており,医師・看護師等の不足や偏在の解消,その労働環境の改善を図るための施策が不可欠である。

2 経済的理由により医療を受けることが困難となっている現状

昨今の厳しい経済情勢の中,2010年の厚生労働省の国民健康保険実態調査によれば,市町村の国民健康保険に加入している2114万世帯のうち,21%に当たる436万世帯が保険料を滞納している。1年以上保険料を滞納すると保険証は発行されなくなり,代わりに被保険者資格証明書が交付されることになるが,同証明書では,窓口で一旦医療費全額を支払わなければならず,そのため,多くの貧困者が受診を抑制せざるを得ない状況に陥っている。
生活保護受給者を受け入れない医療機関(特に産科)もある。

さらに,医療の進歩に伴って,長期に高額な医療費を必要とする患者も増加しているが,国の高額療養費制度の患者負担額は月8万円余であるため,必要な医療を受けられない患者も増えている。

また,外国人については,一定の在留資格を有しない限り生活保護は受給できず,また,3か月以上の在留期間を許可された者以外は国民健康保険に加入することができない。在留資格のない外国人については,健康保険に加入することが解釈により認められていない。このように,在留資格の有無や種類によって,一部の外国人は,緊急医療も含め,入院助産等の一部の例外を除き,医療を受けるための社会保障体制から実質的に排除されている。さらに,その結果として,健康保険のない外国人の診療を嫌がる医療機関が多く,受診時点で支払能力が確認できないと診療を始めない,あるいは,本人の手持ち現金の範囲内でしか治療をしないといったことから,重大な疾患が見逃される危険にさらされている。

3 インフォームド・コンセントの原則に関わる現状

これまでの取組の結果,インフォームド・コンセントの原則は,広く医療現場に受け入れられている現状にある。ところが,必ずしもその理解が十分ではなく,医療現場で混乱も生じている。多忙な医師は説明に十分な時間がとれず,セカンド・オピニオンを受ける機会は必ずしも十分に保障されていない。難治性疾患の告知を受ける患者をサポートする体制も脆弱である。

加えて,高齢者,障がいのある人,子どもなど,医師の説明を理解し,意思決定するために援助を必要とする患者について,十分な援助がないために,患者自身の自己決定が軽視され,人としての尊厳が侵されやすい危険を有している。

外国人の患者には,病状を医師らに伝えたり,また,医師らからの説明を正しく理解するために必要な通訳などの整備が十分でない現状がある。

さらに,自己決定権が行使できない患者に対する医療行為について,誰に説明し,誰から同意を得るのかについて,十分な法整備がなく,家族がいない例などで同意を得られないことを理由に,必要な医療行為を差し控えるという現状も報告されている。

4 通常の社会生活・私生活を維持する権利が保障されていない現状

患者であっても,可能な限り,通常の社会生活・私生活を継続することができることが大切である。

特に,子どもの場合には,学習し,また遊ぶということで人格を発展させる重要な時期であるにもかかわらず,入院中の子どもに対してはそのような視点が十分ではなく,24時間患者としてのみ生活することを事実上強いている現状がある。

また,外来通院しながら長期にわたり治療を必要とする患者では,従前どおり就労を継続できることが重要であるが,それが十分に保障されず,そのために収入が減少し,治療の継続を困難にしている現状もある。

さらに,精神疾患を有する患者も,病識がなく自己や他人を傷つける危険があるとして,過去にも過大な身体拘束や自己決定権の侵害がなされてきた。
しかし一律に精神疾患を有する患者をそのような枠の中に固定して理解することはできず,特に医療の必要性や拘束の必要性がないにもかかわらず,長期間収容する「社会的入院」は,今なお我が国が解決すべき課題である。

5 刑事収容施設・入国管理収容施設に拘禁されている患者の権利が保障されていない現状

刑事収容施設等では,過剰収容状態や医師確保を始めとする医療提供体制が十分に整備されていない状態などから,疾患を有する被疑者・被告人,受刑者,少年保護施設に収容保護されている少年,入国管理収容施設の被収容者は,社会と同等の水準の医療を受けられていない現状がある。

当連合会及び各弁護士会が,これまで再三にわたり,人権侵害を認め,警告・勧告を行っているが,なお十分な改善は認められない。しかも「改善更生」の妨げになるとしてカルテの開示を拒否され,自分の現在の健康状態や疾病,治療内容を知ることさえ許されていない。

6 小括

以上のような課題の解決には,患者を医療の客体ではなく,医療の主体として,その権利を擁護する視点に立って医療政策が実施され,医療提供体制や医療保険制度などの医療保障制度が構築,整備されることが必要である。
その大前提として,その基本理念となる患者の諸権利が明文法によって,確認されなければならない。

なお,患者の諸権利を明文法によって確認するにあたり,患者の義務・責務についても明記すべきかどうかが問題となりうるが,患者の義務・責務の内容は,患者の権利の内在的制約として認識しうるものであること,また,患者の義務・責務を規定することにより,かえって患者の権利が制約されるおそれがあることを踏まえれば,慎重であるべきと考える。
・・・」


谷直樹

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by medical-law | 2012-11-14 06:43 | 弁護士会

厚生労働省研究班報告,事故調査には院外の専門家の派遣が必要と指摘

毎日新聞「医療事故:3割の病院で重大事故 厚労省調査」(2012年11月11日)は,次のとおり報じています.

全国の病院の約3割が、患者が死亡したり、重い後遺症が残ったりする重大な医療事故を3年以内に経験したことが、厚生労働省研究班の調査で分かった。しかし、原因を究明する組織に外部の人材が参加したのは半数以下だった。研究班は「原因究明には、中立性の確保が欠かせない。調査に必要な人材を病院側に紹介する支援体制づくりが求められる」と指摘する。アンケートは昨年9月に、3890病院を対象に実施、1261病院(32.4%)から回答があった。

 3年以内に重大事故を経験した病院は32.9%。規模別にみると、300床以上で63.6%▽100〜299床29.4%▽99床以下で11.9%だった。規模が大きいほど割合が高いのは、患者10+件が多く、高度な医療を行う機会が多いためとみられる。

 ほぼすべての病院が原因究明に取り組んだが、うち、法律家など外部の専門家の支援を受けたのは47.7%だった。原因究明で困ったことでは▽院内に事故調査の専門家がいない▽当事者以外に、事故に関連した医療分野の専門家がいない▽院外の専門家の支援を得ることが困難−−の順に多かった。【八田浩輔】」


院内の事故調査委員会の限界が浮き彫りになったと思います.
厚生労働省研究班の報告は,第三者の院外の専門家が必要で,院外の専門家の派遣体制が必要,と指摘しています.
そもそも,中立公正な事故調査のためには,院外の中立的な第三者専門家によるもの(院外の事故調査委員会)が不可欠と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-11 11:22 | 医療事故・医療裁判

練馬区の歯科診療所の元医院長の歯科医師が業務上横領の容疑で逮捕される(報道)

MSN産経「「手取り収入が15万円…」 歯科医師逮捕 診療報酬100万円着服容疑」(2012年11月9日) は,次のとおり報じています.
 
「診療報酬約100万円を着服したとして、警視庁光が丘署は、業務上横領の疑いで、東京都板橋区南常盤台、歯科医師、××××容疑者(58)を逮捕した。同署によると、「手取り収入が15万円ほどしかなく、家族への仕送りや生活費のためだった」などと容疑を認めている。

 逮捕容疑は、練馬区の歯科診療所で医院長として勤務していた昨年8~9月、計2回にわたり、60代の女性患者に行ったインプラント治療の診療報酬計約100万円を着服したとしている。歯科助手に指示して治療したことをカルテに記載させなかったという。

 内部調査で不正が判明し、診療所が同年12月、光が丘署に告訴していた。

 ××容疑者は平成17年にも、当時開業していた医院で診療報酬の不正請求を行ったとして、厚生労働省から医業停止1カ月の行政処分を受けていた。」


歯科診療所の医院長なので,窃盗の容疑ではなく,業務上横領の容疑となります.
類似の事件が医師でも報道されています.

MSN産経「守山市民病院 副院長が不正会計12回 滋賀」(2012年11月1日)は,次のとおり報じました.

 「■親族診察、カルテに記載せず

 守山市民病院(同市守山)は31日、副院長(58)が親族の男性患者(78)を診察した際に、診療内容をカルテに記載せず、診療報酬を算定しない不正な会計処理を12回繰り返していたと発表した。請求漏れとなった診療報酬は約60万円に上るという。

 同病院によると、副院長は請求漏れを認めたうえで、「診療報酬に対しての認識が甘かったのと、事務部門への請求指示に不備があった」としたが、「親族に便宜を図ったわけではない」と話しているという。

 診療報酬は通常、診察した医師がカルテに診療内容を記載して算定。患者が負担割合に応じた診察料金を支払い、病院側が残りを保険請求する。

 同病院によると、この男性患者は酸素ボンベを利用した在宅療法を受けていた。副院長は昨年2月から今年8月までに12回にわたり、男性患者にボンベの使用法を指導するなどの診察を行った際、カルテに診察内容を記載せず、診療報酬を算定しなかった。

 このため、男性患者は約28万円分の診察料金の支払いを免れるとともに、病院側は約32万円分の保険請求ができなかった。ほかの医師もこの男性患者を診察していたが、副院長が診察したケースでだけ請求漏れがあった。」


つまり,インプラント治療の診療報酬計約100万円を請求し着服した疑いで58歳の歯科医師は逮捕されましたが,親族に診察料金を請求しなかった58歳の医師は逮捕されませんでした.

なお,歯科医師が診察内容をカルテに記載しなかったことは,歯科医師法23条違反となり50万円以下の罰金に処せられます(歯科医師法31条の2 1号).
医師が診察内容をカルテに記載しなかったことは,医師法24条違反となり50万円以下の罰金に処せられます(医師法33条の2 1号).
もちろん,検察がそれぞれ歯科医師法23条違反,医師法24条違反を立件する気があれば,ですが.

谷直樹

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by medical-law | 2012-11-11 01:41 | 医療