弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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兵庫県立加古川医療センター,抗がん剤の点滴漏れ(血管外漏出)事故で謝罪(報道)

毎日新聞「点滴ミス:患者、左乳房切除 加古川医療センター謝罪」(2013年3月30日)は,次のとおり報じました

「県は29日、県立加古川医療センターで昨年12月、加古川市内の60代女性に抗がん剤を投与中、点滴針が外れて抗がん剤が皮下組織に漏れるミスがあったと発表した。女性は左胸に重度の皮膚潰瘍ができ、左乳房を切除した。

 県病院局によると、同センターは乳がん患者だった女性の右乳房切除手術後の昨年12月4日、化学療法のため血管に抗がん剤を投与した。約40分間の投与中、体内に入れたチューブのシリコン部分から点滴針が外れているのに女性看護師が気付かず、抗がん剤がチューブから皮下組織に漏れ出した。女性は左胸の広範囲にわたって皮膚潰瘍ができ、今年1月15日に壊死(えし)した左乳房の切除と皮膚移植の手術を受けた。

 県はミスを認め、患者側に謝罪、損害賠償の話し合いにも応じるという。【桜井由紀治】」


抗がん剤の点滴漏れ(血管外漏出)事故は,人手不足の医療現場では比較的多い事故です.責任なしとは言えないことが多い類型の事故の一つです,

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by medical-law | 2013-03-30 18:28 | 医療事故・医療裁判

薬害オンブズパースン会議,医学研究における不正行為に関する要望書提出

薬害オンブズパースン会議は,2013年2月26日,厚生労働大臣,文部科学大臣,日本医学会会長,日本学術会議会長に対して「医学研究における不正行為に関する要望書」を提出し,医学研究における不正を防止するために,以下の点を要望しました.

「1 調査制度の創設
厚生労働省及び文部科学省は、医学研究における不正行為の有無を公正中立な第三者により調査する制度を創設すること。

2 不正行為に対する処分
(1) 厚生労働省及び文部科学省は、医学研究において不正行為を行った場合 の懲戒処分について指針を示すと共に、所管の各研究機関に対して懲戒処分に関する内規を策定するよう指導すること。
(2) 厚生労働大臣は、医事及び薬事に関する免許を保有する者が医学研究において不正行為を行った場合は、医道審議会に諮問し、不正行為の内容に応じて、戒告、業務停止又は免許取消しのいずれかの行政処分をすること。

3 倫理研修の実施
学会は、医学研究における倫理規範について、学術集会やセミナー等を開催して周知徹底すること。」


詳細は,薬害オンブズパースン会議のサイト

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by medical-law | 2013-03-30 01:51 | 医療

薬害肝炎全国原告団・薬害肝炎全国弁護団,医薬品行政監視・評価第三者組織の法案内容に関する要請書提出

薬害肝炎全国原告団・薬害肝炎全国弁護団は,2013年3月18日,田村憲久厚生労働大臣に,「医薬品行政監視・評価第三者組織の法案内容に関する要請書」を提出しました.

医薬品行政監視・評価第三者組織の法案内容に関する要請書

第1 大臣面談へのお礼
 厚生労働大臣におかれましては、大変ご多忙な中、本年3月18日に私たちとの面談の機会をお作り下さり、ありがとうございました。
 大臣から、第三者組織の設立を国が責任を持って閣法で法案提出するのが筋であるという原告団弁護団の思いはよくわかっており、平成11年閣議決定の問題も含め、大臣としても最大限努力する旨のご発言もいただき、私ども一同、心より期待しております。

 
第2 本要請について
<要請の趣旨>
 医薬品行政監視・評価組織の法案については、別紙「薬害防止に関する第三者監視評 価組織に関する薬事法改正条文案」(寺野案)を内容とされるよう要請します。

<要請の理由>
 第三者組織の法案の内容につきましては、「最終提言」を出された薬害肝炎検証委 員会の寺野座長が、平成23年12月16日の厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会に、別紙のとおり、「薬害防止に関する第三者監視評価組織に関する薬事法改正条文案」を出されています。この寺野座長案は、最終提言の要点を忠実に反映した内容となっており、私たちはこれに全面的に賛成しています。

 3月18日の面談時には、大臣からも、閣法で作る場合の法案内容については、内閣 法制局の審査を受けるという前提ではあるが、最終提言を出した寺野座長案をベースにして最大限努力するとのご発言がありました。

 第三者組織の形だけを作るのではなく、最終提言に示された独立性・専門性・機動性を備えた、薬害防止のために真に実効性のある組織を作ることは、薬害被害者だけでなく、国民すべての願いです。そして、田村厚生労働大臣としてのお考えでもあると思います。そのモデルとなるのは、別紙寺野座長案です。
 これを内容として、速やかに法案作成に着手されるよう、要請します。
 
 薬害肝炎検証委員会の「最終提言」から既に3年近く経過しました。その間、歴代大臣は、第三者組織の設立について、約束を反故にしただけで、自ら取り組む姿勢を示されませんでした。今度こそ、田村大臣のもとで実現に向かうよう、お願い申し上げます。」


谷直樹

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by medical-law | 2013-03-30 01:36 | 医療

吉永小百合さん,国立ハンセン病療養所大島青松園訪問し,詩人塔和子さんと再会

吉永小百合さんは,ドキュメンタリー映画「風の舞~闇を拓く光の詩~」で塔和子さんの詩を朗読しました.映画「北のカナリアたち」の上映会を国立ハンセン病療養所大島青松園で開き,舞台挨拶を行いました.


四国新聞社「吉永小百合さん、大島青松園訪問/主演映画上映」」(2013年3月25日)は,次のとおり報じました.

「女優の吉永小百合さん(68)が24日、香川県高松市庵治町の国立ハンセン病療養所大島青松園であった主演映画の上映会に訪れ、舞台あいさつを行った。一般の参加者約100人に対し、映画の見どころのほか、同園在住の詩人塔和子さんとの出会いや、その詩の素晴らしさを紹介し、「この島の歴史を一人でも多くの人に知っておいてもらいたい」と訴えた。

 吉永さんは2003年、塔さんの半生を描いたドキュメンタリー映画「風の舞」で詩の朗読を担当。09年4月に同園を訪れて入所者と親交を深め、シダレザクラの苗木を贈るなどの交流が続いている。

 この日、上映されたのは北海道の離島を舞台にした「北のカナリアたち」。全国各地で上映会を開く中、塔さんとの再会を望む吉永さんが、主催する東映に働き掛け、同園での上映会が決まった。

 舞台あいさつで吉永さんは、「物語は違うけれど、苦悩する人の胸の内を描いた二つの映画と、二つの島を重ね合わせて考えることがある」と話し、「塔さんの詩に感激している。島の高台にあるモニュメント『風の舞』はぜひ見て帰ってほしい」と力を込めた。

 塔さんや入所者一人一人に声を掛けて回った吉永さん。「生きることに一生懸命になろうという塔さんの思いを、これからも伝えていく」と誓っていた。」



毎日新聞「吉永小百合さん:大島青松園を訪問 主演の「北のカナリアたち」上映会、入所者と再会喜ぶ /香川」(2013年3月26日)は,次のとおり報じました.

「女優の吉永小百合さんが24日、高松市庵治町の国立療養所大島青松園を訪れ、主演映画「北のカナリアたち」(2012年)の特別上映会で舞台あいさつを行った。入所する詩人、塔和子さんらとの再会を望む吉永さんが同園での上映会を望み、上映会が実現した。

 吉永さんは塔さんの詩に感銘を受け、詩をモチーフにした宮崎信恵監督の映画「風の舞」(03年)で、詩の朗読を担当した。その縁で塔さんと文通するなど同園の入所者と交流を続け、09年にも同園を訪れている。
 舞台あいさつで吉永さんは映画撮影時の秘話なども披露し、「きょうは皆さんと会えるのを楽しみにしていました。ゆっくりと楽しんでください」と話した。その後、会場を回って塔さんら入所者に声を掛け、再会を喜んでいた。
 吉永さんは「隔離されて入所した方々の厳しさは計り知れないものがあります。少しでもその思いが分かったらと思い続けています」と語った。【久保聡】」


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by medical-law | 2013-03-29 03:14 | 人権

公益財団法人日本医療機能評価機構,医療事故情報収集等事業第32回報告書

公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故防止事業部は,2013年3月28日,医療事故情報収集等事業第32回報告書(平成24年10月~12月)を公表しました.

今回の個別のテーマは,以下の4点です.
「MRI検査に関連した医療事故」
「血液凝固阻止剤、抗血小板剤投与下(開始、継続、中止、再開等)での観血的医療行為に関連した医療事故」
「脳脊髄液ドレナージ回路を一時的に閉鎖(クランプ)したが、適切に開放されなかった事例」
「院内において加工し使用した医療材料や医療機器に関連した医療事故」


再発・類似事例の発生状況については,「清拭用タオルによる熱傷」(医療安全情報No. 46)と「併用禁忌の薬剤の投与」(医療安全情報No. 61)を取り上げています.
ご一読をお奨めいたします.


谷直樹

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by medical-law | 2013-03-29 02:25 | 医療事故・医療裁判

平成24年12月の衆院選と違憲無効判決

平成24年12月の衆院選について,2高裁判決は,(違憲ではない)違憲状態どまりですが,票の最大格差がら2・43倍に拡大し,格差が2倍超の選挙区も72に増えていましたので,14高裁判決のとおり違憲とみるべきでしょう.

格差是正のための合理的期間を過ぎたかについては,合理的期間内をすぎたとみるのが素直な見方でしょう.
これに対し,公職選挙法には,選挙無効が確定した場合の詳細なやり直し規定がないから,混乱する,という意見もあります.
しかし,対象選挙区の議員のみが失職する,失職前の議決等は有効,と解釈できますから,混乱は最小限に抑えることができます.
民主制の根幹である選挙権の平等を実現するほうが重要です.
このような考慮から,2高裁が違憲無効の判決を下したものと考えられます.

最高裁は,これまで格差是正のための合理的期間の猶予を与えてきましたが,平成24年12月の衆院選については,放置が続いていますので,さすがに合理的期間の猶予を与えることとは難しいでしょう.
最高裁が違憲無効の判決を下すことを期待します.

なお,過去の最高裁判決,これら高裁判決の趣旨からすると,「0増5減」ではなく,根本的に格差が生じる仕組み自体を改めるべきでしょう.

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by medical-law | 2013-03-28 01:36 | 司法

成年被後見人の選挙権剥奪違憲無効判決に国が控訴の方針(報道)

産経新聞「成年被後見人の選挙権剥奪「違憲」 控訴へ、法改正も 政府」(2013年3月26 日)

「成年後見人が付くと選挙権を失うとした公職選挙法の規定を違憲で無効とした14日の東京地裁判決について、政府は25日、控訴する方針を固めた。判決が確定すれば選挙権を有する人が増えることに伴い選挙事務が混乱するとして、政府としてはいったん控訴し、検討するための時間的猶予を得た上で法改正を急ぐ考えだ。政府関係者が25日夜、明らかにした。

 政府は控訴期限の28日までに控訴する方針だが、同時に法改正する意向を説明する調整にも入った。法改正が成立すれば、その時点で控訴を取り下げることを検討している。

 この問題をめぐっては、与党内でも公明党の井上義久幹事長が22日の記者会見で「選挙権という重要な問題に関わるので、法改正も含めて対応すべきだ」と提起。自民党の石破茂幹事長も「法改正すべきだ」と主張していた。」


国は素直に法改正を急ぎ,控訴すべきではないでしょう.
「判決が確定すれば選挙権を有する人が増えることに伴い選挙事務が混乱する」とのことですが,判決は原告・被告間について個別的効力を有するだけですので混乱は生じません.
控訴してもその控訴を取り下げると1審判決が確定します.
混乱をさけるためには法改正を急ぐことが肝要です.


なお,第二東京弁護士会は,2013年3月26日,成年被後見人の選挙権剥奪違憲無効判決についての会長声明を発表し,「国は、本件判決に対して控訴することなく、一日も早く成年被後見人の選挙権を回復するためにも、速やかに法改正に向けた取組を行うべき」と表明しました.


「平成25年3月14日、東京地方裁判所は、成年被後見人の選挙権を剥奪する公職選挙法11条1項1号を違憲無効とし、成年被後見人の選挙権を認める判決を言い渡した。

 当該判決は、選挙権について、憲法15条1項及び3項、43条1項並びに44条ただし書で保障されるとした上、国民から選挙権を奪うのは、それをすることなしには選挙の公正を確保しつつ選挙を行うことが事実上不能ないし著しく困難であると認められる「やむを得ない事由」があるという極めて例外的な場合に限られると判断した。その上で、成年被後見人とされた者が総じて選挙権を行使するに足る能力を欠くわけではないことは明らかであることから、成年被後見人から一律に選挙権を奪うことは「やむを得ない」制限であるということはできず、憲法15条1項等に違反するものであり、無効であると判断したものである。

 当該判決は、諸外国の例も踏まえ、選挙権が民主主義の根幹をなす最も重要な基本的人権であることや、成年後見制度の理念を正確に理解した妥当な判断であり、積極的に評価することができる。これまで、選挙権が制限されるゆえに成年後見制度を利用できなかった障害者も多く、制度利用を阻害する大きな要因の1つとなっていたものであり、成年後見制度の理念である判断能力の不十分な人のノーマライゼーションを実現するためにも、速やかに是正される必要がある。また、2006年に採択された国連障害者の権利に関する条約を我が国で批准するためにも、早急な法改正が望まれるところである。

 当該判決において、成年被後見人の選挙権を一律かつ全面的に制限することの違憲性は明らかとなったのであるから、国は、本件判決に対して控訴することなく、一日も早く成年被後見人の選挙権を回復するためにも、速やかに法改正に向けた取組を行うべきである。」


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by medical-law | 2013-03-27 00:18 | 司法

近畿大学医学部付属病院,中心静脈カテーテル挿入時の事故について合併症の範疇に属すると報告

近畿大学医学部附属病院は,2013 年3 月26 日,「中心静脈カテーテル(CVC)挿入時の事故発生についてのご報告【訂正】」を発表しました.

「近畿大学医学部附属病院におきまして、腹膜癌の患者様へのCVカテーテル挿入時に医療事故が発生いたしましたことをご報告申し上げます。

平成25 年3 月12 日15 時頃、当院入院中の患者様に対し、今後の継続的治療に備え皮下埋め込み型CVカテーテル挿入を施行していた際に、突然患者様の容体が急変いたしました。ただちに救急処置室において気管内挿管を含めた緊急蘇生措置を行いましたが、患者様は治療に反応されず、残念ながら同16 時40 分にご逝去されました。

原因につきましては、当院内部調査委員会において現在、検討中でありますが、同委員会の現時点での見解では、カテーテル挿入操作施行医師は、院内中心静脈カテーテル穿刺認定を受け、多数例の穿刺経験を持つ医師が行っており、院内規定である超音波(エコー)装置を用い、X線透視下に施行しておりました。また、急変後の止血操作、投薬処置も問題点は見出せず、現状では明らかな過誤を指摘することはできず、合併症の範疇に属するとものと判断しております。

今後、さらに委員会において、その原因究明に全力を尽くす旨、患者様のご家族にも了解いただいております。
患者様、ご家族の皆様には深い哀悼の意を表しますとともに、今後、このような事案を予防すべく検討し、さらなる改善を図って行く所存であります。
以上、経過についてご報告申し上げます。」


産経新聞「近大病院で女性患者急死…カテーテル挿入後 大阪府警が捜査」(2013年03月26日)は,次のとおり報じました.

 
「近畿大学医学部付属病院(大阪府阪狭山市)に入院していたがん患者の女性(55)が、30代の男性医師から静脈にカテーテルを挿入する手術を受けた直後に急死したことが26日、分かった。

 病院からの届け出を受けた大阪府警黒山署が業務上過失致死の疑いもあるとみて捜査を始めた。

 捜査関係者と病院によると、女性は昨年2月ごろに腹腔などにがんが見つかり入院。今月12日午後1時半ごろ、点滴を注入するため、医師が右鎖骨下の静脈にカテーテルを挿入したところ動脈を損傷した。

 すぐに止血や投薬処置を行った結果、止血できたとして手術を続行したが、女性が激痛を訴えたため中止。女性はまもなく心肺停止状態に陥り、午後4時40分に死亡が確認された。

 病院側は産経新聞の取材後、動脈損傷による血胸が死因である可能性を示唆しながらも、「患者の急変後の止血や投薬処置に問題点は見いだせず、現状では明らかな過誤を指摘することはできない」とする見解をホームページに掲載した。

 さらに、25日の取材には、動脈損傷が死因だった可能性も否定し、「合併症ではないかと考えており、内部調査委員会で原因究明に全力を尽くしたい」と説明した。」
 

「合併症」は,その手技の際に起きた有害事象をさします.合併症の範疇の中には,過失のある合併症(医療過誤)と過失のない合併症(医療過誤でないもの)があります.
何が起きたのか,事実が解明されていない段階で,過失の有無を判断することはできません.
先走ることなく,まず事実をきちんと解明する必要があるでしょう.


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by medical-law | 2013-03-26 21:07 | 医療事故・医療裁判

全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会発足

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朝日新聞「接種禍に被害者連帯」(2013年3月25日)は,次のとおり報じました. 


「◆「子宮頸がん」連絡会きょう発足

 「子宮頸(けい)がんワクチンの接種に伴い、重い副反応が出たとする被害者や親同士が手をつなぐことになった。25日に発足する「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」(042・594・1337)。中高生ら10代が被害者の大半を占め、事務局長の日野市議、池田利恵さんらのもとには各地から相談が寄せられている。

◇副反応症例、海外情報頼り

 子宮頸がんワクチン「サーバリックス」は3回の接種が必要。三多摩地区の中3生(15)は、母親(44)によると、2011年5月の1回目の接種から1週間ほど後、右足首が痛むようになった。6月に2回目を接種後は激しい痛みが脇腹や背中、ふくらはぎなどあちこちに起きるようになり、体育の授業に出られず登校にも支障が出た。検査を重ねたが異常は見つからず、医師からは「きっかけはワクチンだが因果関係の解明は難しい」などと言われたという。

 11年12月には、現在かかっている小児科医が、サーバリックスがきっかけの「難治性疼痛」と厚生労働省に報告した。現在も、日によって体のあちこちに痛みを訴えている。
 富山県の中3生(15)も、中2だった12年2月に3回目を接種した後に激しい痛みが起きた。手首や股関節、肩や背中など痛みはあちこちに転移。鼻血が出たり吐いたり、髪の毛が抜けたり熱が出たりした。血液検査はすべて正常だが、8月に歩行困難になり、今も1日の大半を寝て過ごしている。

 母親(40)は「インターネットで海外の副反応の症例を見て娘の状態と同じだとわかった時は、震えが止まらなかった。良かれと思って接種したのに、娘に申し訳ない」と涙声。接種した産婦人科医が今月、厚労省に、サーバリックスの副反応として届け出た。

 このほかにも八王子市、練馬区、山形県、三重県、長崎県などから同様の相談が集まっている。

 宮城県で開業している佐藤荘太郎医師は、1年ほど前から海外の副反応の事例を調べている。米国や英国などの事例について、父母や本人の手記を翻訳、ブログで紹介してきた。連絡会に集まる人たちは、こうした海外の症例から副反応と気がついた人が多い。

 佐藤医師は「接種したり接種を推進したりする医師は、こうした実態を知らなすぎる」と指摘する。
(斎藤智子)」


もし,がんがワクチンで予防できるとしたら,画期的なことなのですが,実際はそう簡単な話ではないようです.

国立がん研究センターがん対策情報センターのサイトに「子宮頸がんの予防(ヒトパピローマウイルスと予防ワクチン)」が掲載されています.

「どの程度の確率でHPVが感染するか、あるいはHPV感染が続いた場合、どの程度の確率で、前がん病変や子宮頸がんが発生するかについてはよくわかっていません。子宮頸がんの患者さんの90%以上からHPVが検出されることが知られていますが、HPVに感染した方の多くは、無症状で経過し、発がんすることはまれだと考えられています。」

「このワクチンの効果効能に関連する接種上の注意点として、ワクチンに添付されている説明書には、以下の4点が示されています。

1)HPV16型及び18型以外の癌原性(発がんの原因になる)HPV感染に起因する子宮頸がんおよびその前がん病変に対する予防効果は確認されていません。
2)接種の時点ですでに感染しているHPVを排除したり、すでに発症しているHPV関連の病変の進行を予防する効果は期待できません。
3)接種は定期的な子宮頸がん検診の代わりとなるものではありません。接種に加え、子宮頸がん検診を受診したり、性感染症の予防に注意することが重要です。
4)予防効果がどのくらい持続するかについては、わかっていません。」


つまり,子宮頸がんワクチンの予防効果は確認されていませんし,予防効果がどのくらい持続するか,についても分かっていない,ということなのです.1回ワクチンを打てば生涯HPVに感染しないというものではないのです.
他方,先日の総務省の勧告にもあったように薬剤の副作用情報の報告・収集が不十分で,ワクチン注射の害作用についても,どれくらいの被害があるのか,不明です.

ワクチン注射を受けるか否かを自己決定するためには,ワクチン注射についてのベネフイットとリスクの情報提供が不可欠です.現状は,その情報提供が不足しているように思います.

1回ワクチン注射を受けても生涯HPVに感染しないというものではないので,やはり,早期発見のために子宮頸がん検診を定期的に受診することが重要となるでしょう.


谷直樹

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by medical-law | 2013-03-26 07:57 | 医療事故・医療裁判

名古屋市役所敷地内の屋外喫煙所の煙が向かいの病院へ

b0206085_922168.jpg中日新聞「名古屋市役所敷地内に屋外喫煙所 向かいの病院は懸念」(013年3月25日)は,次のとおり報じました.

4月から所管する全ての施設の建物内を全面禁煙化する名古屋市は25日、市役所敷地内の3カ所に屋外喫煙所を設けると発表した。

 開庁日の午前8時~午後6時に灰皿を置き、屋根や囲いは造らない。庁舎出入り口に近い場所などを選んだという。ただ、東庁舎東側に設置する喫煙所は、片側1車線の道路を挟んだ向かいに「愛知三の丸病院」がある。

 「道路を隔てているとはいえ、デリカシーがない」と病院職員。病院を訪れた名古屋市千種区の主婦小林扇子さん(60)は「喫煙者が集中すると、かなりの臭いになるのでは」と心配する。

 市の担当者は「煙が問題になるなら、再検討したい」と話している。」


本来,敷地内を禁煙とすべきでしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2013-03-26 02:49 | タバコ