弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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日弁連,生殖医療技術の利用に関する法整備を求める会長声明

日本弁護士連合会(日弁連)は。2013年3月13日,「生殖医療技術の利用に関する法整備を求める会長声明」を発表しました.

「本年1月14日、民間団体「OD-NET卵子提供登録支援団体」が、卵子を提供してくれる女性を募集する事業を開始すると発表した。第三者の関わる生殖医療技術の倫理的な是非や生まれてきた子どもの権利保障などの国民的議論がなされず、法的整備もないまま、さらに生殖医療技術利用の事実のみが先行する状況が生じている。

また、近時、AID(非配偶者間人工授精)で出生した当事者が、生殖医療技術に疑問の声を発し始めている。当連合会が、2012年6月29日に開催した「生殖医療技術で生まれた当事者の声を聴く―非配偶者間人工授精で生まれてきた方の気持ち!―」と題するシンポジウムでも、AIDで出生した三人の方が、異口同音に、人生の土台を築いた後に出生の秘密を知り、人生の土台がガラガラと崩れ落ちるような衝撃を受けた、自分の生を肯定できない、仮に子どもの頃に出自を知っていたとしても「人工的に作られた」自分の生を肯定できないと思う、ということを訴えられた(詳しくは、「自由と正義」2012年10月号80頁以下参照。)。さらに、AIDに関する精子提供者の情報が、カルテの保存期間の経過及び医療機関の閉鎖等により、破棄されている例が約3割に上るという報道がある(2012年7月13日読売新聞)。この現状では、仮に将来、子どもの出自を知る権利を保障する法整備がなされたとしても、出自をたどる記録が残されていない状態に陥る例が頻出しかねない。

当連合会は、生殖医療技術の法的規制の在り方について、2000年3月1日「生殖医療技術の利用に対する法的規制に関する提言」を公表し、生殖医療法の制定の必要性を指摘した。2007年1月19日には、「『生殖医療技術の利用に対する法的規制に関する提言』についての補充提言―死後懐胎と代理懐胎(代理母・借り腹)について―」を公表し、改めて法整備の必要性を指摘した。しかし、いまだに立法的解決の目処が立たず、何らの法的規制のないままに、次々と新しい生殖医療技術が生まれ、利用されている現状には、懸念を表明せざるを得ない。

以上の現状から、当連合会は、上記の各提言を踏まえ、国に対して、改めて、生殖医療技術利用についての是非を含めた国民的議論を深め、人間の尊厳を守り、生殖医療技術の乱用を防いで、生まれてくる子どもと利用者の人権を保障するために、公的機関による生殖医療技術の管理などを含めた法的規制を一刻も早く実現すること、及び、現に実施されている第三者の関与する生殖医療に関して、将来、子の出自を知る権利を保障することができるよう、提供者に関する情報や生殖医療技術利用者のカルテ等について保管期間の延長や公的機関における管理を行うなど、情報を保存するための方策を直ちに実施することを強く求める。」


生殖医療技術の進展に,人権(人間の尊厳)の観点からのコントロールが遅れています.
早急に法的整備が必要と思います.


谷直樹

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by medical-law | 2013-03-13 23:50 | 弁護士会

厚生労働省,現行の出生前診断の実態把握のために研究班設置

WSJ「出生前診断の実態調査へ=厚労省が研究班設置」(2013年3月12日)は,次のとおり報じました.

「妊婦の血液検査でダウン症など胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断の臨床研究が学会で認められたことを受け、厚生労働省は12日、現行の出生前診断の実態把握のため研究班を設置すると発表した。国の実態調査は初めて。

 同日記者会見した田村憲久厚労相は「出生前検査の理解度全般を検討する時期に来ていると思うので調査する」と話した。1年をめどに結果をまとめるという。」 


母体血清マーカーや羊水検査などの出生前検査も含めた実態調査を行なうわけです.
検査の意味,リスクが認識されているかも重要でしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2013-03-12 23:19 | 医療

4種混合ワクチンの接種者で死亡例

毎日新聞「4種混合ワクチン:初の死亡例 生後6カ月未満の男児」(2013年03月11日)は,次のとおり報じました. 

 「厚生労働省は11日、4種混合ワクチンの接種者で初の死亡例が、医療機関から寄せられたことを明らかにした。生後6カ月未満の男児で、厚労省は同日の検討会に報告するとともに因果関係を調べている。

 4種混合ワクチンは、従来のジフテリア、百日ぜき、破傷風を防ぐ「3種混合ワクチン」に、小児まひを防ぐ「不活化ポリオワクチン」を混ぜている。昨年11月から定期接種の対象となり、生後3カ月から90カ月までに計4回接種する。

 厚労省によると、報告があったのは今月6日。男児は4種混合に加え、ロタ、小児用肺炎球菌、ヒブの計4種類のワクチンを同時接種していた。詳しい接種日や場所などは調査中としている。

 このほか、検討会には、昨年10月から今月7日までに、ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンで6例の死亡が報告され、うち4例が同時接種だった。両ワクチンの同時接種では、11年春に乳幼児が死亡したとの報告が相次ぎ接種が一時中止になった。しかし、その後の検討会でワクチンの安全性に特段の問題はないとされ、この日の検討会でも「現段階で重大な懸念は認められない」とした。【斎藤広子】」


未だ因果関係があるかどうか不明な段階ですが...

谷直樹

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by medical-law | 2013-03-11 20:35 | 医療事故・医療裁判

子宮頸がん予防ワクチン「サーバリックス」で女子中学生が1年以上通学できないほどの重い副作用

読売新聞「女子中学生、子宮頸がん予防接種で副作用」(2013年3月11日)は,次のとおり報じました.

東京都杉並区が無料で行っている子宮頸(けい)がん予防ワクチンの接種で、区内の女子中学生が2011年10月に接種後、手足のしびれなどの症状が出ていたことがわかった。1年以上通学できないほど重い副作用の症状だったことから、区はワクチン接種が原因として医療費などの費用を支給する。

 生徒の母親によると、生徒は中学1年の時に、子宮頸がん予防ワクチン「サーバリックス」を区内の診療所で接種。直後に、発熱や嘔吐(おうと)のほか、腕、肩、背中のしびれの症状が出て、翌日から10日間入院した。

 退院後も足のしびれで車いすを使う状態が続き、今年1月までほとんど通学できない状態だったという。その後、症状が快方に向かっているため、通学を再開したが、関節痛と頭痛は続いているという。

 厚生労働省によると、同ワクチンは2009年12月から使用が始まった。12年8月末までの間に、失神や発熱など956件の副作用が医療機関から報告されており、死亡例も1件あるという。

 区の担当者は「任意の予防接種とはいえ、区も国も勧めている予防接種で副作用があった。お見舞いを申し上げ、誠心誠意対応したい」としている。」



政府は,子宮頸がん,インフルエンザ菌b型(ヒブ),小児用肺炎球菌の3ワクチン接種を「定期接種」の対象として追加する予防接種法改正案成立をめざしていますが,副作用については,どのように考えているのでしょうか.

【追記】

FNN「厚労省、子宮頸(けい)がんの予防ワクチンめぐり専門家会議」(2013年3月13日)は,次のとおり報じました.

「20代から40代の女性が多く発症し、日本国内で年間およそ2,700人が亡くなっている子宮頸(けい)がん。
国は、患者数の増加を受けて、ヒブ・小児用肺炎球菌とともに、子宮頸がんの3ワクチンを原則無料化とする、定期接種化を4月から実施することにしている。
医療ジャーナリスト・医師の森田 豊氏は「ワクチンでがんが予防できるというのは、医学の歴史を振り返ってみても、非常に画期的なことだと思う」と話した。

こうした中、厚生労働省の専門家会議で11日、子宮頸がんの予防ワクチン「サーバリックス」を2012年までの3年間に接種した延べ684万4,000人のうち、その0.014%にあたる、984人に副作用があったことが報告された。
その副作用の症状は、失神が多いという。
重篤なケースも88件報告され、その中には、死亡例も1件含まれている。

さとう内科循環器科医院・佐藤 荘太郎院長は「多いのは、痛みとか腫れたとか。あとは筋肉痛、リウマチのような症状が出るんですけど、ひどい症状になりますと、脳炎を起こして、脳が腫れたりして、寝たきりになっている例があるんです」と話した。

「スーパーニュース」では、ワクチンの接種後に、娘に副作用の症状が表れたという母親に、話を聞くことができた。
予防接種を受けた娘に重い症状が出た母親は「歩けなくなるとか、自分の名前がわからないとか。数字がわからない、1~10まで数えられないとか、いろんな症状があって」と話した。
2011年10月に当時12歳だった中学生の娘は、杉並区の医療機関で、子宮頸がん予防ワクチン「サーバリックス」を接種した。

予防接種を受けた娘に重い症状が出た母親は「(予防接種をして)針を刺したまでは、何もなかったんですけど、薬液をキューッと入れた途端に、『手がおかしい』ってすぐに言ったんですね。手がだらんとした感じで...」と話した。
娘がワクチンを接種した直後に、手や足にしびれや腫れる症状が出て、その後、全身に症状が広がり、1年3カ月もの長期にわたり、通学できない状況に陥ったという。
予防接種を受けた娘に重い症状が出た母親は「左手が24時間激痛で、足のしびれがひどくて、動けなくなってきたんですね。歩けない」と話した。
その後、娘は8つの病院を転々としたが、診察にあたった医師が、子宮頸がんワクチン自体を知らないなど、原因が、なかなかわからなかったという。

当時、母親が娘の様子をつづっていたブログには「娘は、1÷1の計算もできなくなってしまった。計算障害が治る様子を見せない娘。ずっと脳の中がかすんでいる」などと書かれていた。
娘には、そのほか、夜中に布団の中で突然暴れだしたりするなど、さまざまな症状が出たという。
その後、長期の入院を余儀なくされた中学生の娘に、ようやく子宮頸がんワクチンによる副作用との診断が下り、厚労省にも報告された。

娘は、2013年1月には、かろうじて通学できる状態になったが、今も計算障害などの症状が残っているという。
子宮頸がんワクチンの副作用についてくわしい、そね文子杉並区議会議員は「みんな、さまざまな症状が出ているが、わからなくて、精神科に行きなさいと言われたり。地元では、治療できなくて、お子さんとお母さんだけ引っ越しされたりとか、病院の近くにマンションを借りて、治療をしている方もいるそうです」と話した。

11日、女子中学生の母親は、杉並区の保健所を訪ねた。
実は、母親が相談を始めた当初は、杉並区は補償などについて明言していなかったが、8日の区議会で、医療費などを区として補償することを公表していた。
予防接種を受けた娘に重い症状が出た母親は「杉並独自で考えたもので、溝を埋めるという形で補償するということで。申し訳ないという言葉もいただけましたので、その点は満足しています」と話した。

子宮頸がんの発症を防ぐためのワクチンが、副作用の可能性をともなうという現実。
医療ジャーナリスト・医師の森田 豊氏は「今後、このワクチンがどこまで体を救ってもらえるものなのかということを、慎重に統計学的な見地から見なければいけないと思う」と話した。

FNNの取材に対し、厚労省担当者は「年に3回程度、専門家による検討会を開催して、議論いただいておりますが、これまでのところ、安全性に重大な懸念はなく、特段の措置は必要ないとされています」と話した。

また田村厚労相は、12日朝、「ワクチンというものは、一定の効果に対して、一定の副反応というものが、どうしても出てくる部分でございますから、これからも、そういう副反応のいろんな問題が起こったときに、ちゃんと報告態勢が組めるように、指導していかなければと...」との考えを示した。」


【再追記】

朝日新聞「子宮頸がんワクチン被害、母親らが連絡会 25日に発足」(2013年3月25日)は,次のとおり報じました.

「子宮頸(けい)がんワクチンを接種後に重い副反応が出たとして、全国各地の被害者の母親らが25日、都内で被害者連絡会を立ち上げる。歩行困難になったケースもあるといい、被害の実態を広く訴える考えだ。

 「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」(042・594・1337)。約20人が参加を表明している。事務局長は東京都日野市議(自民)の池田利恵さん、代表には杉並区内の中学生の母親が就く予定。

 池田さんらのもとには、ワクチン「サーバリックス」や「ガーダシル」を接種後に痛みやしびれなどの症状が出て、病因がわからないとの相談が東京のほか富山、愛知、和歌山、山形、長野、長崎などの各県から寄せられている。池田さんは「副反応とは思い至らず苦しんでいる人は多いのではないか。治療法を探し社会的救済を図るとともに、被害の拡大を防ぎたい」としている。」



谷直樹

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by medical-law | 2013-03-11 20:05 | 医療事故・医療裁判

禁煙法の施行がイングランドに住む14歳以下のぜんそくによる緊急入院に及ぼした影響

Christopher Millett氏らは,2007年の禁煙法後の3年間で,14歳以下の小児(14歳以下)のぜんそくによる緊急入院を6,802件減らした(禁煙法施行前年間2.2%の割合で上昇していた緊急入院が,施行直後に8.9%減,その後は年間3.4%減),と報告しました.
日本でも,英国と同様に喫煙を規制すれば,喫煙者を減少させ,ぜんそくによる入院を減らせるはずです.


Hospital admissions for childhood asthma after smoke-free legislation in England.

Millett C, Lee JT, Laverty AA, Glantz SA, Majeed A.

Source
Department of Primary Care and Public Health, School of Public Health, Imperial College London, 3rd Floor, Reynolds Building, St Dunstan's Rd, London, W6 8RP, United Kingdom. c.millett@imperial.ac.uk.

Abstract

OBJECTIVE:

To assess whether the implementation of English smoke-free legislation in July 2007 was associated with a reduction in hospital admissions for childhood asthma.

METHODS:

Interrupted time series study using Hospital Episodes Statistics data from April 2002 to November 2010. Sample consisted of all children (aged ?14 years) having an emergency hospital admission with a principle diagnosis of asthma.

RESULTS:

Before the implementation of the legislation, the admission rate for childhood asthma was increasing by 2.2% per year (adjusted rate ratio 1.02; 95% confidence interval [CI]: 1.02-1.03). After implementation of the legislation, there was a significant immediate change in the admission rate of -8.9% (adjusted rate ratio 0.91; 95% CI: 0.89-0.93) and change in time trend of -3.4% per year (adjusted rate ratio 0.97; 95% CI: 0.96-0.98). This change was equivalent to 6802 fewer hospital admissions in the first 3 years after implementation. There were similar reductions in asthma admission rates among children from different age, gender, and socioeconomic status groups and among those residing in urban and rural locations.

CONCLUSIONS:

These findings confirm those from a small number of previous studies suggesting that the well-documented population health benefits of comprehensive smoke-free legislation appear to extend to reducing hospital admissions for childhood asthma.



谷直樹

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by medical-law | 2013-03-10 01:52 | タバコ

日本産科婦人科学会,日本医師会,日本医学会等5団体が新出生前診断について共同声明

毎日新聞「新型出生前診断:4月にも臨床研究、約20機関が準備」(2013年3月9日)は,次のとおり報じました.

「日本産科婦人科学会(日産婦)は9日、妊婦の血液から高精度で胎児の染色体異常が分かる新型出生前診断について、実施指針を決定した。導入を検討する病院は、日本医学会内に新たに設置した部会で審査を受け、早ければ4月から臨床研究として検査が始まる見通し。約20の医療機関が準備を進めているという。

 検査結果と中絶の関係について、指針は「簡便さを理由に広く普及すると、出生の排除や生命の否定につながりかねない」との懸念を指摘。「十分なカウンセリングのできる施設で限定的に行われるにとどめるべきだ」などとして、染色体異常の診療経験がある産婦人科医と小児科医が常駐することなどを求めた。

 昨年12月に公表された原案は対象妊婦の条件の一つとして「35歳以上」と明記していたが、「目安であって、厳密に記載するのは現実的ではない」として「高齢妊娠」に変更した。

 同日、日本医学会は日産婦と共同で声明を発表。新型出生前診断について「検査には倫理的に考慮されるべき点がある」として、実施はまず臨床研究として慎重に開始すべきだとした。また、全ての医師や医療機関、検査会社に対しても、日産婦が提示した指針を尊重するよう呼びかけた。

 臨床研究を計画している医師らでつくる「NIPTコンソーシアム」によると、昭和大など約20の大学病院などが現在、検査開始の準備を進めており、検査価格は、18万〜21万円程度になる見込み。どの病院で可能かは今後ホームページで公表する方針。【斎藤広子、久野華代】

 ◇具体対応が明記されず
 玉井邦夫・日本ダウン症協会理事長の話 指針は、染色体異常についてカウンセラーが妊婦や家族にどう情報提供するかなど、具体的なことが明記されていない。今後論議してほしい。診断技術が進歩しすれば、近い将来、胎児の染色体異常だけでなく寿命、身体能力まで分かるようになるだろう。自分が望まない子なら妊娠をやめることもできるようになる。ダウン症の子どもを産むかどうかだけの判断に限られる問題ではない。そんな時代につながることを考えてほしい。」



日本テレビ 「新出生前診断 日本産科婦人科学会が指針」(2013年3月9日)は,次のとおり報じました.
   
「妊婦の血液検査だけで、ダウン症など3つの染色体の異常が高い確率でわかる新しい出生前診断について、9日、医師の学会が実施の指針を発表した。検査は、「臨床研究」という限定した形で4月にも始まる見込み。

 日本産科婦人科学会・小西郁夫理事長「本検査には、倫理的に考慮されるべき点のあることから、まず臨床研究として、認定・登録された施設において慎重に開始されるべきである」

 日本産科婦人科学会・落合和徳医師「(意見公募で)検査について『絶対に反対する』『導入すべきでない』という方から、『制限なくやるべきだ』『誰でも受けてもいい』という、非常に幅の広いコメントが寄せられました」

 新しい出生前診断をめぐっては、妊婦の血液検査だけという簡単な方法だけに、体制が整備されない中で検査が広く行われる可能性があるが、障害者に関する情報不足のために安易な中絶が増えると指摘する声もある。

 そこで、9日、日本産科婦人科学会が発表した指針では、新しい出生前診断は、当面は「臨床研究」として対象や実施する医療機関を限定した形で行うこととした。対象となる妊婦は、超音波検査などで胎児の染色体異常の可能性がある場合や、ダウン症の子供を妊娠した経験がある、または高齢妊娠の場合とした。「高齢」が何歳かは明記せず、医療機関の判断で対象を決めるという。

 検査を行う病院は、独立機関による「認定制」とし、染色体異常や障害者の支援体制にも詳しい産婦人科医と小児科医師が常勤であることや、そのどちらかが臨床遺伝専門医の資格を持つこと、遺伝などの説明・相談を妊婦が検査を受ける前後に十分に行うことなどが条件となる。約20か所の病院が申請予定で、4月以降、認定された病院で「臨床研究」として検査が始まる予定。

 民間の会社がビジネスとして同様の検査の仲介を始める動きを受けて、9日に出された日本医学会や日本産科婦人科学会の共同声明では「学会の会員以外の医療機関、仲介会社などにも、指針を尊重するよう呼びかける」と明記したが、拘束力はないのが実情。

 一方、ダウン症の患者や家族で作る日本ダウン症協会の玉井邦夫理事長は「検査の仕組みと同時に、妊婦の相談に乗る遺伝カウンセラーなど、人の育成が重要だ。どういう情報が妊婦に提供されてどういう結果が導き出されたのか、できる限りオープンに議論してほしい」と話している。」



フジテレビ「日本医師会や日本産科婦人科学会などが新出生前診断について指針」(2013年3月9日)は,次のとおり報じました.

「日本医師会や日本産科婦人科学会などは9日、妊婦の血液を使ってダウン症などの染色体異常の有無を判断する新たな出生前診断について、指針を示した。現段階では、「広く一般産婦人科臨床に導入すべきではない」などとしている。

日本産科婦人科学会の小西郁生理事長は「実施はまず、臨床研究として認定・登録された施設において、慎重に開始されるべき」と述べた。

新たな出生前診断は、ダウン症などの染色体異常がないことが99.9%の確率でわかるもの。
9日に示された指針では、専門医による遺伝カウンセリングが適切に行われる態勢が整うまで、「広く一般産婦人科臨床に導入すべきではない」とされた。

また、新しい診断を行う際には、「十分な遺伝カウンセリングの提供が可能な、限られた施設において限定的に行われるにとどめるべき」との考えが示された。

対象となる妊婦は、染色体の異常がある子どもを妊娠したことがある場合や、高齢妊娠などに限定された。
検査を行うことができる施設は、3月中に認定され、4月から臨床研究として、新たな診断が行われる予定となっている。」


会見している方は,全員が男性でした.


【追記】

msn産経 「厚労省が学会指針尊重呼びかけへ 新型出生前診断 遺伝カウンセリングの必要性など」(201年.3月10日)は,次のとおり報じました.

「新型の「出生前診断」について、日本産科婦人科学会(産科学会)が実施指針をまとめたことを受け、厚生労働省が医療機関や妊婦に指針を尊重するよう呼びかける方針であることが9日、分かった。近く文書を出すほか、田村憲久厚労相も会見で説明する。厚労省が新型出生前診断について見解を示すのは初めて。

 指針は、第三者機関の認定を受けた施設で臨床研究として行われることとしたが、新型出生前診断は採血のみで精度の高い診断ができることから、認定外の施設に広がる恐れがある。また、診断の対象となる染色体疾患の子供が生まれる確率は1%以下だが、診断が広まればいたずらに妊婦の不安をあおりかねない。

 そのため、厚労省は妊婦へ正しい知識を伝える「遺伝カウンセリング」の必要性を重視。実施機関にも慎重な対応を促す。」


msn産経「」陽性だとどうなる? 課題は? 現状は? 新型出生前診断Q&A」(2013年3月10日)は,次のとおり伝えています.
 
「新型の出生前診断が限定された医療機関で4月に始まる見通しになった。新型出生前診断の現状、課題をQ&A形式でまとめた。(三宅陽子、道丸摩耶)

 Q 新型出生前診断とはどういうものか

 A 妊婦の血液に含まれる胎児のDNAを解析し、ダウン症など3種類の染色体異常を調べる。タンパク質を検出する母体血清マーカー検査や羊水中の細胞を分析する羊水検査など従来の出生前診断より早い妊娠10週から検査でき、約2週間で結果が出る。陽性だった場合の的中率は80~95%程度、陰性の的中率は99%以上。米シーケノム社が2011年に実用化し、費用は自己負担で約21万円だ。

 Q 1回の検査で染色体の異常が確定できるか

 A 産科学会の指針は、新型診断で陽性と出ても、確定には羊水検査を行う必要があるとしている。ただ、羊水検査は300分の1の確率で流産が起きる可能性があり、指針では事前にそうしたリスクも説明することとしている。

 Q 羊水検査で陽性となるとどうなる

 A 日本では胎児に異常があることを理由とした人工妊娠中絶は認められていない。だが、実際には母体の健康を害するなどという理由で中絶するケースは多く、妊婦の判断に委ねられているのが現状だ。そのため、ダウン症の患者団体などから、「新型診断は、命の選別につながる」という不安の声も出ている。

 Q 認定施設以外ではできないのか

 A 日本には血液を分析する検査会社がない。そのため指針は、日本医学会の部会が認定した施設で、臨床研究として行うことにした。しかし、指針に法的拘束力はなく、罰則もない。2月には民間企業が米国の医療機関での検査の仲介を開始。担当者は「自身の体の状況を知る権利はすべての人にあるはず」と話し、国内の複数医院で採血できるよう提携準備を進めている。提携施設が指針の要件を満たすかは不明だ。

 Q 検査希望者は多いか

 A 新型診断の実施を計画している医療機関への問い合わせは多く、妊婦の関心は高い。ただ、世論は二分している。産科学会が指針決定前に募集したパブリックコメントは200件以上寄せられ、新型診断の対象をもっと広げるよう求める声も、診断そのものに反対する声もあった。

 Q 今後の課題は

 A 技術進歩により、あらゆる疾患が出生前に分かる検査ができる可能性がある。そうなれば、どの疾患なら検査すべきなのか、線引きが難しくなる。また、「命の選別」が進むことも懸念される。中絶を選んだ妊婦は心に大きな傷を抱えるとされ、カウンセリング体制の充実も課題だ。」


母体保護法は,次のとおり定めています.

「第十四条  都道府県の区域を単位として設立された公益社団法人たる医師会の指定する医師(以下「指定医師」という。)は、次の各号の一に該当する者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。
一  妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの 二  暴行若しくは脅迫によつて又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの
2  前項の同意は、配偶者が知れないとき若しくはその意思を表示することができないとき又は妊娠後に配偶者がなくなつたときには本人の同意だけで足りる。」

このように母体保護法は,障害をもった子が産まれる可能性があることを,人工妊娠中絶の事由としていません.
そこで,障害をもった子が産まれる可能性がある場合の人工妊娠中絶について,母体保護法を離れて,親の自己決定権を考慮し,一般的な違法性の判定において違法ではないとされているとして,「ダウン症など3つの染色体の異常が高い場合」に親の自己決定権を考慮し,一般的な違法性の判定において違法ではないとされるのか,という問題があり,違法ではないとした場合,さらにすすんで親は「ダウン症など3つの染色体の異常が高い場合であるか否かを知る権利」があるのか,という問題があります.
人工妊娠中絶が違法とされない場合が広く,この検査を受けられる場合が狭い,というのは,矛盾があります.
リスクが高い妊婦に限ってこの検査を受けられるというシステムは,法的観点から合理的理由を見いだしがたいものではないでしょうか.
このシステムは,リスクが高い妊婦に対しこの検査を受けて陽性であれば人工妊娠中絶を選択するよう無言の圧力をかけることになりはしないか,懸念されます.


谷直樹

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by medical-law | 2013-03-09 22:25 | 医療

道路交通法改正試案が患者・医師の信頼関係を損なうことになるおそれが...

「道路交通法改正試案」は,いろいろと問題の多い案ですが,日本弁護士連合会(日弁連)は,2013年3月6日,「「道路交通法改正試案」に対する意見」を発表しました.
その中でとくに注目したいのは,一定の病気等に該当する者を診断した医師による任意の届出制度です.

免許の拒否事由等とされている一定の病気等に該当する者を的確に把握するための規定の整備」における「イ 一定の病気等に該当する者を診断した医師による任意の届出制度」の項目について,日弁連は,次のとおり,意見を述べています.

改正試案では「一定の病気等に該当する者を診断した医師は,その者が免許を受けていることを知ったときは,公安委員会にその診断の結果を任意に届け出ることができる」こととしているが,この改正には,以下のとおり,重大な問題があると言わざるを得ない。

① 病気に罹患し,医師の治療を受けようとする者は,厳しい守秘義務を課された医師であるからこそ,自らの症状や既往症などを正直に告げ,その医師を信頼して治療に専念できるのである。
しかし,もしも,任意とはいえ,医師により,自らの病気が公安委員会へ通報される可能性があるとすれば,一定の病気に罹患した人が,心身の不調を自覚しながらも医師の診察を受けなかったり,診察を受けても自己の症状を正直に申告しないなどの行動につながる可能性が生じる。その結果,医師は十分な治療行為ができなくなるとともに,一定の病気等に罹患している人が医療から遠ざかり,これらの人がかえって潜在化してしまい,ひいては国民の健康を害する結果となる恐れがある。

② また,医師の職責上,患者との信頼関係は最も重要である。しかし,改正試案にあるような医師による任意の届出制度を定めたとすれば医師は任意」といっても事故が起きた場合に責任を追及される可能性を考慮せざるを得ず,事実上,医師としての守秘義務の放棄を迫られることになり,ひいては患者との信頼関係を構築できない事態が生じかねない。
よって,医師が,任意に患者の情報を通報できる制度を創設することは,一定の病気の影響により引き起こされる交通事故を未然に防止するという理念に沿うどころか,かえって逆行するおそれがあると言わざるを得ない。」


道路交通法改正試案は,患者と医師の信頼関係を損ない,患者が病院に行かず治療が行われなくなる,というマイナス面のほうが大きいと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2013-03-09 11:56 | 弁護士会

熊本県弁護士会,「菊池事件」について検察官による再審請求を求める会長声明

熊本県弁護士会は,2013年3月6日,「「菊池事件」について検察官による再審請求を求める会長声明」を発表しました.

「平成24(2012)年11月7日、いわゆる「菊池事件」について、ハンセン病元患者3団体から、検察官が再審請求することを求める旨の検事総長宛の要請書が、熊本地方検察庁に提出された。

 同事件は、ハンセン病患者とされた藤本松夫氏(被告人)が、自分の病気を熊本県衛生課に通報した村役場職員を逆恨みして殺害した等として、昭和28(1953)年8月29日に死刑判決の宣告を受け、同37(1962)年9月14日に死刑執行された事件である。

 同事件の訴訟手続は、「らい予防法」により一般社会とは隔離されていた国立療養所菊池恵楓園、あるいは、ハンセン病患者のみの受刑者が収容される菊池医療刑務支所に仮設された「特別法廷」において非公開で行われており、かつ、この「特別法廷」内においては、裁判官、検察官、弁護人がいずれも予防衣と呼ばれる白衣を着用し、記録や証拠物等を手袋をした上で火箸等で扱うなど、ハンセン病に対する差別、偏見に満ちた取り扱いがなされた。
さらには、被告人が殺人の公訴事実を一貫して否認しているにもかかわらず、第一審の弁護人は、罪状認否において「現段階では別段申し上げることはない」として争わず、また、検察官提出証拠に全て同意するなど、実質的に「弁護不在」の審理がなされている。

 このような同事件の訴訟手続が、裁判の公開(憲法第82条)、平等・公平な裁判(憲法第37条1項)、適正な刑事手続(憲法第31条)、弁護人による弁護(憲法第34条)を保障した憲法の規定に反し、被告人の裁判を受ける権利等を侵害するものであることは明らかであり、同事件は、本来人権を守るべき責務を負っている裁判官、検察官及び弁護人という法曹三者が、ハンセン病に対する差別・偏見により、自ら取り返しのつかない人権侵害を犯したものと言わざるを得ない。
また、実体的にも、確定判決における証拠関係には多数の重大な問題点が存在し、とりわけ凶器とされた短刀による被害者の創傷形成可能性については重大な疑問があるため、これに関する鑑定等が実施されることにより(新証拠)、実体的再審事由(刑事訴訟法第435条6号)も存在すると認められる。

 憲法違反の訴訟手続によって判決がなされて確定した場合、これを是正すべきは国家の責務であり、かかる観点から刑事訴訟法439条1項は検察官を再審請求者の筆頭に挙げている。
すなわち検察官には、公益の代表者として訴訟手続の過ちを正すことが期待されているのであって、今なお残るハンセン病に対する差別・偏見等から、被告人の遺族による再審請求が困難な同事件においてはなおさらである。

 当会は、同事件の裁判が行われた地の弁護士会として、法曹の責任を痛感するとともに、検察官が同事件について再審請求を行うことにより、憲法違反の手続による裁判を是正すべき責務を果たされることを強く求めるものである。」


全国ハンセン病療養所入所者協議会は,2012 年11月に,検察官による再審請求を求める要請書を熊本地検に提出しましたが,未だに動きがありません.
法律家の責任において,再審が行われ,偏見と差別による不当な判決が正されることを期待いたします.


谷直樹

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by medical-law | 2013-03-08 08:52 | 弁護士会

「ミフェプレックス」「ミフェジン」「息隠」「保諾」を絶対に個人輸入で購入,使用してはいけない

独立行政法人国民生活センターは,2013年3月7日,「経口妊娠中絶薬の安易な個人輸入や使用は危険!」と発表しました.

 「経口妊娠中絶薬は、膣からの出血や重大な感染症等の健康被害を引き起こすおそれがあることから、平成16年に厚生労働省が注意喚起を行い、数量に関係なく、医師の処方または指示書に基づいて必要な手続きを行った場合に限り輸入が可能となるよう、個人輸入が制限されている。また、指定医師以外の者(妊娠中の女子を含む)が堕胎する行為は刑法の堕胎の罪に問われるおそれがある。

 医療機関を受診せずに経口妊娠中絶薬を購入、使用することは、法律に抵触するおそれがあるだけでなく、重篤な健康被害につながるおそれもあることから、被害の未然防止のため、消費者へ注意喚起することとした。

主な事例
【事例】安全に中絶を行えるという携帯サイトを見て経口妊娠中絶薬を購入した。
 携帯のインターネット海外サイト日本語版に、手術ではなく中絶できると書かれていた。妊娠49日以内ならば3日間服用するだけで自然流産の状態で安全に中絶を行える等の記載があった。中絶後ケアの抗生物質と止血剤を含む中絶薬セットを注文し代金を振り込んだ。インターネットの書き込み等に危険性が載っていたので購入を取り消したい。

消費者へのアドバイス
経口妊娠中絶薬とされている「ミフェプレックス」「ミフェジン」「息隠」「保諾」(一般名「ミフェプリストン」)を絶対に個人輸入で購入、使用してはいけない。」



刑法は,次のとおり堕胎の罪を定めています.

「第二百十二条  妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したときは、一年以下の懲役に処する。

第二百十三条  女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、二年以下の懲役に処する。よって女子を死傷させた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

第二百十四条  医師、助産師、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたときは、三月以上五年以下の懲役に処する。よって女子を死傷させたときは、六月以上七年以下の懲役に処する。

第二百十五条  女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の懲役に処する。
2  前項の罪の未遂は、罰する。

第二百十六条  前条の罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。 」



母体保護法14条は,次のとおり指定医師による人工妊娠中絶を認めています.
この方法によるときは,正当業務行為ですから,堕胎罪にはなりません.


「第十四条  都道府県の区域を単位として設立された公益社団法人たる医師会の指定する医師(以下「指定医師」という。)は、次の各号の一に該当する者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。
一  妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの
二  暴行若しくは脅迫によつて又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの
2  前項の同意は、配偶者が知れないとき若しくはその意思を表示することができないとき又は妊娠後に配偶者がなくなつたときには本人の同意だけで足りる。」


以上から,個人輸入の薬剤で堕胎したときは,堕胎罪の構成要件にあたることになり,特別事情が認定されない限り違法性もあり,堕胎罪として処罰される可能性があります.

刑法による処罰をさておいても,個人輸入の経口妊娠中絶薬薬剤で重篤な健康被害が生じるおそれがあります.

谷直樹

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by medical-law | 2013-03-08 07:37 | 医療

日本看護協会,看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン

「看護職の安全と健康が患者の安全と健康を守る」という観点から,公益社団法人日本看護協会は、医療関係の職能団体として初めての「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」をまとめました

「医療界では初めての取り組みであり、画期的なものです。看護職は24 時間365 日、夜勤・交代制勤務を行って患者の健康と生命を守り働いています。一方で、夜勤・交代制勤務と生活の両立の難しさは離職の原因ともなり、過度な負担は心身への影響や医療事故のリスクを高めるという研究結果もあります。

本会は「看護職の安全と健康が、患者の安全と健康を守る」という基本認識の下、看護職が安全で健康に働き続けられる職場づくりを進めるため、現場の実態と労働科学の最新の知見を踏まえて、夜勤・交代制勤務の負担を軽減しリスクマネジメントに役立てるためのガイドラインを作成しました。ガイドラインでは、夜勤・交代制勤務の現状と課題を整理した上で、「組織で取り組む対策の提案」(第4 章)として、勤務編成の基準やマネジメントのポイント、人事労務管理の着眼点などを解説しています。また、一人一人の看護職が生活していく中で「個人で取り組む対策の提案」(第5 章)も紹介しています。

ガイドラインは全国の医療機関などに配布するとともに、全文を本会公式ホームページでご覧いただけます。また、資料を追加した有料頒布版を、5 月末に発売予定です。」


これを機に,看護職の労働環境が改善されることを期待いたします.

谷直樹

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by medical-law | 2013-03-07 23:45 | 医療