弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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米連邦最高裁,2009年のタバコ外箱の警告表示義務付けは表現の自由を侵害しないとしてタバコ会社敗訴

米連邦最高裁は,タバコ外箱の2分の1に警告表示を義務付け,“light” と“low”の使用を禁止した 2009年の法が表現の自由を侵害しないとして,Reynolds American Inc. (RAI)’s R.J. Reynolds Tobacco Co. and a Lorillard Inc. (LO) subsidiaryの訴えを退けました.
日本でも,タバコの有害性・依存性を警告する表示を義務付けることが可能なはずで,国民の健康のために規制を強めるべきでしょう.

Bloomberg「Tobacco Industry Spurned by Top Court on Package Warnings」(Apr 22, 2013)は,次のとおり報じました.

「The U.S. Supreme Court turned away a tobacco industry challenge to a federal law that requires bigger, graphic health warnings on cigarette packages and imposes new marketing restrictions.

The justices today left intact a lower court ruling that said the 2009 measure didn’t violate the free-speech rights of tobacco companies. The cigarette makers challenging the law included Reynolds American Inc. (RAI)’s R.J. Reynolds Tobacco Co. and a Lorillard Inc. (LO) subsidiary.

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.The law requires that half of the front and back panels of cigarette packages be devoted to warnings. The measure also instructed the Food and Drug Administration to develop color graphics that would become part of the warnings.

In addition, the law sets out rules governing the use of the words “light” and “low” in product descriptions and limits promotional practices including event sponsorships.

The appeal before the high court didn’t directly challenge the nine graphic images selected by the FDA to be placed on cigarette packages and advertisements. Those images included a man expelling cigarette smoke from a hole in his throat, diseased lungs and a cadaver.

A separate federal appeals court blocked the FDA’s proposed images, and the Obama administration chose to come up with a new approach rather than appeal to the Supreme Court.

The case acted on today is American Snuff v. United States, 12-521.」


谷直樹

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by medical-law | 2013-04-24 03:56 | タバコ

「専門医の在り方に関する検討会 報告書」

患者は,自分がかかる医師について,専門医,指導医,認定医であるかを気にしていると思います.しかし,専門医制度を運用する学会が乱立し認定基準が統一されていないため,専門医として有すべき能力についての患者の期待と現実との間にギャップがあります.

厚生労働省は,2013年4月22日,「専門医の在り方に関する検討会 報告書」を公表しました.
この報告書は,専門医を「患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」として考えるべきである,としています.
基本的な考え方として,「専門医制度を持つ学会が乱立して、制度の統一性、専門医の質の担保に懸念を生じる専門医制度も出現するようになった結果、現在の学会主導の専門医制度は患者の受診行動に必ずしも有用な制度になっていないため、質が担保された専門医を学会から独立した中立的な第三者機関で認定する新たな仕組みが必要である。」としています.
基本的な診療領域を専門医制度の基本領域として、この基本領域の専門医を取得した上でサブスペシャルティ領域の専門医を取得するような二段階制の仕組みを基本とすべきである。」としています.

専門医の養成・認定・更新については,
「○ 専門医が、患者から信頼される標準的な医療を提供するために、その認定については、経験症例数等の活動実績を基本的な要件とすることが必要である。このため、専門医の養成プログラムの基準は、どのような専門医を養成するのかという目標を明確にした上で、そのために必要な指導医数や経験症例数等を踏まえて作成することが重要である。

○ 専門医資格の更新についても、専門医の資格取得後も生涯にわたって標準的な医療を提供するという視点から、現在、一部の学会認定の専門医制度において手術経験数や症例数、eラーニングを含めた学習などを要件としていることを踏まえ、専門医としての活動実績を基本的な要件とすべきである。

○ 1人の医師が複数の基本領域の認定・更新を受けることについては、原則として複数の認定・更新を念頭に置いた制度設計は行わないこととしつつ、自助努力により複数領域の認定・更新基準を満たすのであれば、許容することが考えられる。ただし、このことが安易なものとならないよう、各領域の活動実績を要件とする適切な認定・更新基準が必要である。

○ 専門医の認定・更新にあたっては、医の倫理や医療安全、地域医療、医療制度等についても問題意識を持つような医師を育てる視点が重要であり、日本医師会生涯教育制度などを活用することも考えられる。また、各領域の専門性に加えて、卒後2年間の臨床研修で求められている到達目標である、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できる基本的な診療能力(以下「基本診療能力」という。)を維持し、向上させるという視点も必要である。

○ 新たな専門医の仕組みが若い医師や国民に評価され、専門医の取得や更新が促進されるようにすることが必要である。

○ 多様な医師を養成するニーズに応えられるよう、専門医の養成の過程において、例えば、研修の目標や内容を維持した上で、養成プログラムの期間の延長により研究志向の医師を養成する内容を盛り込むことも検討すべきである。また、男女を問わず、出産・育児・介護等と専門医の取得・更新とが両立できるような仕組みとするとともに、養成プログラム・研修施設の基準等についても、キャリア形成に配慮することが望ましい。

○ 新たな専門医の養成は、今後、第三者機関における認定基準等の作成や、各研修施設における養成プログラムの作成を経て、平成29年度を目安に開始することが考えられる。研修期間については、例えば3年間を基本としつつ、各領域の状況に応じ設定されることが望ましい。

としています.

とくに総合診療専門医について「現在、地域の病院や診療所の医師が、かかりつけ医として地域医療を支えている。今後の急速な高齢化等を踏まえると、健康にかかわる問題について適切な初期対応等を行う医師が必要となることから、総合的な診療能力を有する医師の専門性を評価し、新たな専門医の仕組みに位置づけることが適当である。」としています.

ご一読をお奨めいたします.

谷直樹

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by medical-law | 2013-04-24 03:26 | 医療

ワクチン評価に関する小委員会6人中4人がワクチン製造会社から寄付金受領

北陸中日新聞「厚労省ワクチン評価4委員 製薬会社から寄付金」(2013年4月22日) は,次のとおり報じました.

「予防ワクチンの効果について議論する厚生労働省の「ワクチン評価に関する小委員会」(委員長・岡部信彦国立感染症研究所感染症情報センター長=当時)の複数の委員らが、評価対象のワクチンを製造している製薬会社から寄付金などを受け取っていたことが分かった。厚労省などは「金額も公開しており、問題はない」としているが、「利益相反」を指摘する声が上がっている。

 委員である医師らが同省に申告した資料によると、資金を受け取っていたのは6委員のうち4人。提供していたのは、子宮頸(けい)がんワクチンを製造するグラクソ・スミスクラインとMSD(いずれも本社・東京)、同じくインフルエンザ菌b型(ヒブ)の武田薬品工業(同大阪市)、小児用肺炎球菌のファイザー(同東京)など。

 申告は金額について(1)50万円以下(2)50万円超〜500万円以下(3)500万円超−のいずれかにチェックを入れる方式。大半が50万円以下だったが、MSDから岩本愛吉・東大医科学研教授、武田薬品から宮崎千明・福岡市立西部療育センター長が「50万円超〜500万円以下」の資金を受領したとしている。

 小委員会は2010年8月〜11年3月に開かれ、この3ワクチンを含む9ワクチンについて議論した。いずれも「接種促進が望ましい」という結論に至り、同省予防接種部会に報告された。3ワクチンは今月から、予防接種法に基づいて国が接種を勧奨し、全額公費負担となる定期接種扱いになっている。」


東京新聞「寄付金もらって予防ワクチンの審議 「利益相反」の疑い払拭できず」(2013年4月21日)には,次のコメントが掲載されています.

「市民団体「薬害オンブズパースン会議」(東京)事務局長の水口真寿美弁護士は、「公開しているからいい、というわけにはいかない。金銭的なつながりがある以上、判断にバイアスがかかる可能性は常にある。それを踏まえた上でのルールづくりが不可欠だ」と話す。
水口弁護士が求めるのは、より詳しい内容の公開だ。厚労省が定めている大まかな基準ではなく、具体的な金額を明示すべきだとする。「五十万円や五百万円という線引きの基準に客観的な意味はない。(審議参加に制限のない)五十万円以下ならたいした金額ではないと考えているのかもしれないが、庶民の感覚からすれば、数十万円は大金だ」と指摘する。
今回の問題については「実情は企業に頼らないと研究が進まない。お金をもらうこと自体が悪いわけではないが」としつつ、こう指摘する。
「当該のワクチン製造会社から資金を受けながら、委員としてその効果を議論するのはさすがに露骨すぎる。医師はたくさんいる。別の委員を探す努力をしない厚労省の姿勢にも問題がある。」


そのとおりです.同感です.

谷直樹

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by medical-law | 2013-04-23 08:13 | 医療

債権法改正,民事法定利率・遅延損害金と中間利息控除の割合について

債権法改正により,被害者が受け取ることのできる賠償額が減ってしまう,ということになりそうです.
債権法改正中間試案(案)は,民事法定利率をまず3%,その後金利にスライドする変動制に改正しようとしています.その結果,遅延損害金も同様にまず3%そして変動制となり,減額されてしまいます.他方,将来損害を現在価額に引き直すための中間利息控除の割合は,5%を維持するものとしています.
私は,逆に,中間利息控除の割合こそまず3%そして変動制に移行すべきで,遅延損害金については5%を維持すべき,と考えます.

◆ 現行法

現行法では,民事法定利率は年5%と定められています(民法404条). そこで,債務不履行・不法行為に基づく損害賠償金の遅延損害金は,年5%で計算されています(民法419条1項本文「金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める。」).なお,商事法定利率は年6% (商法514条)と定められています.

◆ 最高裁(三小)平成17年6月14日判決

将来損害については,中間利息を控除し現在価額に引き直してて計算します.
損害賠償額の算定における中間利息控除の割合を定める法文はありませんので,裁判所が事実認定のなかで判断しています.

損害賠償額の算定における中間利息控除の割合を年3%とした平成16年7月16日札幌高裁判決(末永進、森邦明、杉浦徳宏)は,最高裁(三小)平成17年6月14日判決(金谷利廣,濱田邦夫,上田豊三,藤田宙靖)により破棄差し戻しとなっています.
上記最高裁判決は,「被害者の将来の逸失益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合は,民事法定利率によらなければならない」としています.

「3 原審は,甲の将来の逸失利益の算定における中間利息の控除割合につき,次のとおり判示して,被上告人らの請求を一部認容した。
 交通事故による逸失利益を現在価額に換算する上で中間利息を控除することが許されるのは,将来にわたる分割払と比べて不足を生じないだけの経済的利益が一般的に肯定されるからにほかならないのであるから,基礎収入を被害者の死亡又は症状固定の時点でのそれに固定した上で逸失利益を現在価額に換算する場合には,中間利息の控除割合は裁判時の実質金利(名目金利と賃金上昇率又は物価上昇率との差)とすべきである。民法404条は,利息を生ずべき債権の利率についての補充規定であり,実質金利とは異なる名目金利を定める規定であるので,これを実質金利の基準とすることの合理性を見いだすことはできない。また,旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)46条5号ほかの倒産法の規定や民事執行法88条2項の規定が弁済期未到来の債権を現在価額に換算するに際して民事法定利率による中間利息の控除を認めていることについては,いずれも利息の定めがなく,かつ,弁済期の到来していない債権を対象としており,弁済期が到来し,かつ,不法行為時から遅延損害金が発生している逸失利益の賠償請求権とは,その対象とする債権の性質を異にしているのであって,中間利息の控除割合についてこれらの規定を類推又はその趣旨を援用する前提を欠くものというべきである。
 我が国の昭和31年から平成14年までの47年間における定期預金(1年物)の金利(税引き後)と賃金上昇率との差がプラスとなった年は16年で,マイナスとなった年は31年であること,そのうちプラス2%を超えたのは3年(最大値はプラス2.3%)であり,マイナス5%を下回った年は16年(最小値はマイナス21.4%)であり,全期間の平均値はマイナス3.32%であり,平成8年から平成14年までの期間の平均値は0.25%であることによれば,甲の将来の逸失利益を現在価額に換算するための中間利息の控除割合としての実質金利は,多くとも年3%を超えることはなく,中間利息の控除割合を年3%とすることが将来における実質金利の変動を考慮しても十分に控え目なものというべきである。

4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
 我が国では実際の金利が近時低い状況にあることや原審のいう実質金利の動向からすれば,被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合は民事法定利率である年5%より引き下げるべきであるとの主張も理解できないではない。

 しかし,民法404条において民事法定利率が年5%と定められたのは,民法の制定に当たって参考とされたヨーロッパ諸国の一般的な貸付金利や法定利率,我が国の一般的な貸付金利を踏まえ,金銭は,通常の利用方法によれば年5%の利息を生ずべきものと考えられたからである。そして,現行法は,将来の請求権を現在価額に換算するに際し,法的安定及び統一的処理が必要とされる場合には,法定利率により中間利息を控除する考え方を採用している。例えば,民事執行法88条2項,破産法99条1項2号(旧破産法(平成16年法律第75号による廃止前のもの)46条5号も同様),民事再生法87条1項1号,2号,会社更生法136条1項1号,2号等は,いずれも将来の請求権を法定利率による中間利息の控除によって現在価額に換算することを規定している。損害賠償額の算定に当たり被害者の将来の逸失利益を現在価額に換算するについても,法的安定及び統一的処理が必要とされるのであるから,民法は,民事法定利率により中間利息を控除することを予定しているものと考えられる。このように考えることによって,事案ごとに,また,裁判官ごとに中間利息の控除割合についての判断が区々に分かれることを防ぎ,被害者相互間の公平の確保,損害額の予測可能性による紛争の予防も図ることができる。

上記の諸点に照らすと,【要旨】損害賠償額の算定に当たり,被害者の将来の逸失益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合は,民事法定利率によらなければならないというべきである。これと異なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由がある。

5 以上のとおりであるから,原判決中上告人の敗訴部分を破棄し,損害額等について更に審理を尽くさせるため,同部分につき,本件を原審に差し戻すことにする。」


◆ 「民法(債権関係)の改正に関する中間試案(案)」

民法(債権関係)の改正に関する中間試案(案)」は,民事法定利率を年3%に引き下げ,年1回日銀の基準貸付利率の変動に応じて0.5%刻みで改定する,他方損害賠償額の算定における中間利息控除の割合は年5%とする,というものです.

4 法定利率(民法第404条関係)
(1) 変動制による法定利率
民法第404条が定める法定利率を次のように改めるものとする。
ア 法改正時の法定利率は年[3パーセント]とするものとする。
イ 上記アの利率は,下記ウで細目を定めるところに従い,年1回に限り,基準貸付利率(日本銀行法第33条第1項第2号の貸付に係る基準となるべき貸付利率をいう。以下同じ。)の変動に応じて[0.5パーセント]の刻みで,改定されるものとする。
ウ 上記アの利率の改定方法の細目は,例えば,次のとおりとするものとする。
(ア) 改定の有無が定まる日(基準日)は,1年のうち一定の日に固定して定めるものとする。
(イ) 法定利率の改定は,基準日における基準貸付利率について,従前の法定利率が定まった日(旧基準日)の基準貸付利率と比べて[0.5パーセント]以上の差が生じている場合に,行われるものとする。
(ウ) 改定後の新たな法定利率は,基準日における基準貸付利率に所要の調整値を加えた後,これに[0.5パーセント]刻みの数値とするための所要の修正を行うことによって定めるものとする。

(注1)上記イの規律を設けない(固定制を維持する)という考え方がある。
(注2)民法の法定利率につき変動制を導入する場合における商事法定利率(商法第514条)の在り方について,その廃止も含めた見直しの検討をする必要がある。
【部会資料50・1頁】

(2) 法定利率の適用の基準時等
ア 利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは,その利率は,利息を支払う義務が生じた最初の時点の法定利率によるものとする。
イ 金銭の給付を内容とする債務の不履行については,その損害賠償の額は,当該債務につき債務者が遅滞の責任を負った最初の時点の法定利率によるものとする。
ウ 債権の存続中に法定利率の改定があった場合に,改定があった時以降の当該債権に適用される利率は,改定後の法定利率とするものとする。

【部会資料50・4頁】

(3) 中間利息控除
損害賠償額の算定に当たって中間利息控除を行う場合には,それに用いる割合は,年[5パーセント]とするものとする。

(注)このような規定を設けないという考え方がある。また,中間利息控除の割合についても前記(1)の変動制の法定利率を適用する旨の規定を設けるという考え方がある。
【部会資料50・6頁】」


◆ 遅延損害金はその趣旨から5%が適切 

そもそも,債務不履行・不法行為に基づく損害賠償金の遅延損害金は,利率を定めない金銭消費貸借の利率(法定金利)とは局面が違います.利率を定めない金銭消費貸借の利率は平均的な市中金利前後でも不都合はないのですが,遅延損害金を平均的な市中金利にすると加害者・保険会社が賠償支払いを遅らせてその資金を運用した方が得になりますので,平均的な市中金利より高く設定する必要があります.遅延損害金については,法定利率を適用しないことも十分合理性があると思います.遅延損害金は,制裁的考慮,政策的考慮(早期の賠償を促す)から,年5%が合理的と思います.遅延損害金を3%に引き下げれば,加害者側が裁判を引き延ばし,生活に困窮する被害者を兵糧攻めにし,低額の和解を迫ることも考えられます.
したがって,法定利率を3%にするなら,同時に現行民法419条を改正し,法定利率と損害賠償金の遅延損害金を別に定めるべきと思います.

◆ 中間利息控除の割合はその趣旨から変動制が適切

また,本来,平成16年7月16日札幌高裁判決が指摘するとおり,逸失利益を現在価額に換算する上で中間利息を控除するのは,将来にわたる分割払と比べて不足を生じないだけの経済的利益が一般的に肯定されるからにほかなりません.基礎収入を被害者の死亡又は症状固定の時点でのそれに固定した上で逸失利益を現在価額に換算する場合には,中間利息の控除割合は裁判時の実質金利(名目金利と賃金上昇率又は物価上昇率との差)とすべきです.
したがって,中間利息控除の割合こそが変動制であってしかるべきです.

◆ 仮に最高裁の考え方に従えば

最高裁(三小)平成17年6月14日判決の考え方は,民事法定利率と中間利息控除の割合を同じにするというものです.
法的安定,統一的処理,被害者相互間の公平の確保,損害額の予測可能性による紛争の予防等の観点から,「被害者の将来の逸失益を現在価額に換算するために控除すべき中間利息の割合は,民事法定利率によらなければならない」という最高裁(三小)平成17年6月14日判決の考え方にも一理あり,その考え方では中間利息控除は民事法定利率と同じ割合でなければならないはずです.民事法定利率が変動制になれば,控除すべき中間利息の割合も変動制でなければならないはずです.

◆ 「民法(債権関係)の改正に関する中間試案(案)」について

債権法改正試案(案)は,制度の趣旨に合致しませんし,統一的に対処するという最高裁の考えにも従っていません.合理的な案とは思えません.

実質的にも,民事法定利率が3%に引き下げられ,遅延損害金もそれにスライドして引き下げられると(現行民法419条を残すとそのようになります.),被害者が受け取る遅延損害金が大幅に減少します.加害者が賠償金の支払いを引き延ばす事態も生じかねません.
他方で,控除すべき中間利息の割合を5%にとどめると,現状の過大な中間利息控除による大幅減額が維持されることになります.バランスを欠き,具体的妥当性を欠いた不合理な改正と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2013-04-22 02:37 | 医療事故・医療裁判

臨床研究中核病院に東北大病院,群大病院,成育医療研究センター,名古屋医療センター,岡大病院を選定

厚生労働省は,2013年4月19日,日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出等を目的に,国際水準の臨床研究,難病等の医師主導治験及び市販後臨床研究等の中心的役割を担う「臨床研究中核病院」として,45機関から5機関を選定した,と発表しました.以下の5機関です.

・ 東北大学病院
・ 群馬大学医学部附属病院
・ 国立成育医療研究センター
・ 国立病院機構 名古屋医療センター
・ 岡山大学病院

平成24年度に選定した5機関(北海道大学病院,千葉大学医学部附属病院,名古屋大学医学部附属病院,京都大学医学部附属病院,九州大学病院)に加え,10機関になります.

谷直樹

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by medical-law | 2013-04-20 04:19 | 医療

八幡浜の救急救命士が例外的な搬送受け入れを要請した病院が例外規定に該当しないと断わり患者死亡(報道)

愛媛新聞「八幡浜で男性死亡 救急受け入れ断られる」(2013年4月18日)は,次のとおり報じました.

「意識レベルが低下し6日に救急搬送された愛媛県八幡浜市内の男性(66)が市立八幡浜総合病院(同市大平)などに計4回受け入れを断られて救急車内で心肺停止状態となり、119番から約1時間後に運び込まれた同病院で、死亡していたことが17日、八幡浜地区消防本部などへの取材で分かった。
 市立病院では深刻な医師不足を理由に2008年から土曜日の2次救急患者の受け入れを中止している。
 消防本部と市立病院の説明では、土曜日の6日午後9時ごろ、「男性が息苦しさを訴えている」と家族から119番。男性は容体が悪化し、最終的に午後10時5分に市立病院に運び込まれた。関係者によると、病院到着から約3時間後に亡くなった。死因は消化管出血。
 6日は消防本部の救急救命士が容体を確認し、例外的な搬送が適当と判断して受け入れを要請。同病院は例外規定に該当しないとしていったん断った。」


例外的な搬送が適当か否かについて,救急救命士の判断と病院の判断が異なった事案ですが,直接患者をみている救急救命士の判断を優先すべきだったか否か,事後検証を行っていただきたいと思います.
根本的解決のためには,医師の偏在解消と医師の増員が必要と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2013-04-18 18:12 | 医療

八重瀬会同仁病院,生体腎移植の提供者が出血多量で死亡(報道)

NHK「生体腎移植 腎臓提供の母親が死亡」(2013年4月18日)は,次のとおり報じました.

「沖縄県浦添市の病院で、今月13日に息子に腎臓を提供するため摘出手術を受けていた65歳の女性が、腎臓周辺からの出血が止まらなくなり、そのまま亡くなっていたことが分かりました。
生体腎移植で臓器の提供者が死亡したのは国内で初めてです。

亡くなったのは、息子に腎臓を提供するため、今月13日に浦添市にある八重瀬会同仁病院で腎臓の摘出手術を受けた、沖縄県内に住む65歳の女性です。
病院などによりますと、腎臓の摘出は内視鏡の一種の腹くう鏡で行われ、手術開始からおよそ3時間半後に出血が止まらなくなり、輸血や血を止める処置を繰り返したものの、女性はそのまま死亡したということです。
右の腎臓を体の外に取り出そうとしたときに、周辺の複数の血管から出血が始まったということで、病院では、腎臓を取り出す際の処置に問題があったとみて調査しています。
摘出された腎臓は待機していた43歳の息子に移植され、順調に機能しているということです。
この病院では、今回を含めこれまで28例の生体腎移植を実施しています。
病院の照屋一夫事務局長は「腎臓の提供者が亡くなってしまい、結果を重く受け止めている。ミスがあった可能性も含め調査を行いたい」と話しています。
日本移植学会によりますと、生体腎移植は国内でこれまで2万例以上行われていますが、臓器の提供者が死亡したのは初めてだということです。
生体肝移植では、平成14年に京都大学附属病院で娘に肝臓の一部を提供した女性が、9か月後に死亡したケースがあります。」


事故調査による事故原因の究明に期待いたします.

【追記】

時事通信「医療ミスと認定せず=生体腎移植初のドナー死亡?沖縄」(2013年7月3日)は,次のとおり報じました.

「今年4月、沖縄県浦添市の医療法人八重瀬会同仁病院で生体腎移植の提供者(ドナー)の女性=当時(65)=が死亡した事故で、外部調査委員会(代表・市田隆文日本移植学会理事)は3日までに、死亡を医療ミスとは認定せず、手術に伴う血管損傷が原因だったとする調査報告書を取りまとめた。同病院が同日、記者会見して公表した。
 国内で2万例以上行われた生体腎移植で、初のドナー死亡例だった。病院側は報告書を受け入れ、生体腎移植を当面、自粛するとした。
 女性は4月13日、腎不全の長男(43)に腎臓を提供するため、腹部に小さな穴を開けてカメラや器具を入れる腹腔鏡手術中、大量出血し死亡した。調査委は、腹部内に手を入れ、腎臓を体外に取り出す経路を確保する際、モニターに映らない状況で指を動かしたため動脈を傷つけ、出血を招いたと判断した。」



共同通信「病院長は移植の手術ミス否定 沖縄、生体腎提供者死亡で」(2013年7月4日)は,次のとおり報じました.

「沖縄県浦添市の八重瀬会同仁病院で生体腎移植の提供者(ドナー)の女性=当時(65)=が死亡した問題で、山内英樹院長が3日、記者会見し、執刀医が指で動脈(血管)を傷つけ大量出血につながったのが死因だとする外部調査委員会の調査結果を公表した。

山内院長は手術ミスではないと説明し、出血後の対応も「迅速だった」と話した。一方「深くおわび申し上げる」とあらためて陳謝、生体腎移植と泌尿器科分野での腹腔鏡下手術を当面、自粛することを明らかにした。

日本移植学会によると、国内での生体腎移植の実施例は約2万件あるが、提供者の死亡は初めてだった。」



NHK「腎移植で死亡 誤って動脈損傷が原因」(2013年7月3日)は,次のとおり報じました.

「ことし4月、沖縄県の病院で息子に腎臓を提供するため手術を受けていた65歳の女性が大量出血を起こし死亡した事故は、医師が誤って動脈を傷つけたことが原因だったとする調査結果を、外部の専門家で作る調査委員会が公表しました。

沖縄県浦添市にある八重瀬会同仁病院では、ことし4月、65歳の女性が息子に腎臓を提供するための手術中に腎臓周辺から大量出血を起こし死亡しました。
これは国内で2万例以上行われている生体腎移植で、臓器の提供者が死亡したことが明らかになった初めてのケースで、外部の専門の医師で作る調査委員会が原因の調査を進めてきました。
その結果、「内視鏡の一種の腹くう鏡に、周囲の血管の位置などが写っていない状態で処置を進めた結果、執刀医が誤って指で血管を傷つけたことが大量出血の原因だった」とする調査結果をまとめ、3日病院側が公表しました。
調査結果について、同仁病院の山内英樹院長は「このような重大な結果を招いたことは、本当に申し訳なく、病院側の道義的な責任は大きいと考えている」と述べ、改めて謝罪しました。
女性が死亡したことを受けて同仁病院では、当分の間、生体腎移植の手術を行わないということです。」


読売新聞「医師の指で動脈に傷、腎移植提供者死亡 病院が報告書」(2013年7月4日)は,次のとおり報じました.

「沖縄県浦添市の医療法人・八重瀬やえせ会同仁病院で4月に行われた生体腎移植で、提供者の女性(当時65歳)が亡くなった問題を巡り、同病院は3日、腎臓を取り出す際、誤った方向に執刀医の指が入り、動脈が傷付いて死亡したとする外部調査委員会の報告書を公表した。山内英樹院長は「事故を起こしたことを深くおわびする。報告書の内容はすべて受け入れる」と陳謝し、当分の間、腎臓移植手術を自粛する考えを示した。

 外部調査委員会のメンバーは市田隆文・日本移植学会ドナー安全対策委員長ら4人。報告書によると、女性の左腎臓を息子(43)に移植するため、4月13日に女性からの摘出手術が行われた。執刀医は腹部に開けた小さな穴からカメラや鉗子かんしなどを入れて行う腹腔鏡ふくくうきょう手術で腹膜などを剥がした後、腎臓摘出のため下腹部の切開部から手を入れた。その際、動脈を損傷し大量出血が起きた。女性は出血による心不全などで死亡したとみられる。

委員会は、腹腔内のカメラに執刀医の手元が映らない「盲目的操作」が行われたと指摘。その上で「そうした操作はできる限り回避することを再認識すべきだ。腹腔鏡手術で問題が生じそうな場合、迅速に開腹手術に切り替える必要がある」などと提言した。」



沖縄タイムズ「動脈切断で大量出血 腎移植手術死調査」(2013年7月4日)は次のとおり報じました.

「浦添市の八重瀬会同仁病院は3日、今年4月に実施した生体腎移植の手術中、提供者(ドナー)の女性=当時(65)=が死亡した事故の調査結果を発表した。死亡原因となった大量出血について、執刀した主治医(56)が腎臓を取り出すルートを作るために腹膜の後ろ側に手を差し込んだ際、内腸骨動脈を切ったことが直接の原因だったと断定した。山内英樹院長(66)はミスとの認識を示さず、「医療事故であり、手術の合併症だ」と主張。親族の男性は「単純なミスならお粗末だし、そうでなくても許せない」と話した。

 同病院は事故後、山内院長を委員長に、日本移植学会が推薦した外部委員4人を含む調査委員会を院内に設置し、事故原因を調べて報告書にまとめた。

 報告書によると、4月13日の手術では、腹腔(ふくくう)鏡を使い、摘出する左の腎臓から血管や尿管をはがす段階まで異変はなかった。その後、下腹部を約8センチ切り開いて主治医が右手を入れ、腎臓を体外へ取り出すルートを確認した後、右手を引き出した際に大量に出血した。

 報告書は「(主治医の)指が誤った方向へ進んだことと、腹腔内カメラの視野に指が確認されるまでのわずかの間の操作で動脈を損傷した」と指摘。下腹部から腎臓までの8~10センチのうち、腹腔鏡のカメラで映せない部分があり、その間に動脈を傷つけたと結論付けた。」



谷直樹

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by medical-law | 2013-04-18 17:55 | 医療事故・医療裁判

厚労省,登録販売者試験における実務経験証明書不正実態調査の取りまとめ結果(中間報告)

厚生労働省は,2013年4月18日,「登録販売者試験における実務経験証明書不正実態調査の取りまとめ結果(中間報告)について」を発表しました.


1 合同会社西友による不正等について

平成20年4月1日から平成24年11月7日までの間に都道府県が実施した登録販売者試験において、合同会社西友が発行した実務経験証明書をもって受験した全ての者を対象として、当該実務経験証明に係る不正の有無を確認した。
20都道府県の登録販売者試験において、不正が行われ、又は不正が疑われる実務経験の証明により登録販売者試験を受験した者がおり、その人数は延べ310人(合格者125人、不合格者57人、未受験者1人、調査中127人)(平成25年3月末日時点)であった。

2 株式会社カメガヤによる不正等について

平成20年4月1日から平成24年11月19日までの間に都道府県が実施した登録販売者試験において、株式会社カメガヤが発行した実務経験証明書をもって受験した全ての者を対象として、当該実務経験証明に係る不正の有無を確認した。
13都道府県の登録販売者試験において、不正が行われ、又は不正が疑われる実務経験の証明により登録販売者試験を受験した者がおり、その人数は延べ485人(合格者136人、不合格者155人、未受験者4人、調査中190人)(平成25年3月末日時点)であった。

3 自主点検結果について

都道府県を通じて、薬局等に対し、過去に発行した登録販売者試験に係る実務経験の証明について改めて確認し、不正等が判明した場合には報告することを依頼した。
31事業者から、過去に発行した登録販売者試験に係る実務経験の証明について、不正の疑いがある旨の報告があり、不正が行われ、又は不正が疑われる実務経験の証明により登録販売者試験を受験した者は、延べ269人(平成25年3月末日時点)であった。

4 再発防止策

平成24年度の登録販売者試験から、受験申請の際に実務経験の証明に関する勤務簿の写し等を添付することとした。平成24年度に、西友又はカメガヤの実務経験の証明をもって、登録販売者試験の受験申請をした者について、実務経験証明の不正等が確認された者は現時点で1名であり、勤務簿の写し等を添付させることで、実務経験の不正証明の防止への効果があったと考えられる。今後も勤務簿の写し等を添付することの運用の徹底を図る。併せて、都道府県等とも協力し、販売制度(名札の着用、情報提供・相談応需等)の遵守徹底を図る。
薬局等の一般用医薬品を販売する事業者におかれては、従事者の勤務状況の チェック体制を改めて整備していただくようお願いする。

5 その他

現在、都道府県等においては、当該報告について、事実確認・調査等を行っているところであり、上記人数はその結果によって変動し得る。
実務経験の証明が不正であることが確認された場合は、試験結果の取消しが行われ、販売従事登録していた者については、販売従事登録の消除の処分がされる。」


登録販売者資格は,平成18 年薬事法改正で新設された一般用医薬品の一部を販売できる資格です.
医薬品の販売において。薬剤師らの指導の下で1年間毎月80時間以上医薬品販売や相談の補助を行った実務経験等を有する者が,都道府県知事の行う試験に合格することで,登録販売者資格が得られます.
ところが,上記の実務経験のない者に実務経験証明を発行するなど不正が相次ぎました.
そこで,上記の厚労省による調査が行われ,勤務簿の写し等を添付させるようになりました.
しかし,勤務簿により勤務していたことはわかりますが,薬剤師等の指導のもとで医薬品販売や相談の補助を行っていたかはわかりません.
そもそも,登録販売者の質の確保が必要と考えれば,登録販売者資格の安売りとも言える現行制度をあらためるべきではないでしょうか.


【追記】

薬害オンブズパースン会議は,2013年4月23日,厚生労働大臣に対し以下の内容の「登録販売者試験受験資格に関する再要望書」を提出しました.

「1 登録販売者受験資格である実務経験に関する証明資料として、従事した業務内容や薬剤師の指導内容を記載した月毎の報告書の提出を義務付けること

2 薬学部卒業者以外の受験者に対しては、登録販売者試験受験資格として、薬学の体系的教育を受けるための集合研修(講義)の履修を求めること

3 資格取得後においても、外部研修の履修を法的に義務付け、資格継続の要件とすること」


谷直樹

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by medical-law | 2013-04-18 17:36 | 医療

ボストン,緊急時に備えた事前準備が犠牲を最小限に

WSJ「ボストン爆発、緊急時に備えた事前準備が犠牲を最小限に」(2013年 4月 17日)は,次のとおり伝えました.

「ボストン・マラソンのゴールライン近くで15日午後に爆弾が起爆されてから5分以内に、ほとんどの犠牲者が約100ヤード(約91メートル)離れた場所にある巨大な医療用テントに運ばれた。患者はテントでボランティア医療スタッフがまず状態を安定させ、その後、救急車で複数の病院に分散搬送され、病院では医師や看護師が総動員で処置にあたった。」

「2年前、ボストン市は、市内各地で爆弾が起爆された場合を想定し、市警、消防隊員、病院、緊急医療サービス要員参加による市を挙げての訓練を実施した。」

「マサチューセッツ総合病院では、アラスデア・コン緊急医療主任によると、最も重傷の患者のうち5人が死からすんでのところで運ばれてきたという。コン氏は、電光石火のごとく搬送が行われていなければ、「彼らは今日生きていなかったはずだ」と話した。

 コン氏は、ボストンの医療技術者が、患者を市内各地の病院に分散させ、1カ所の外傷センターに大勢の重傷患者を集中させなかったことを称賛した。マサチューセッツ総合病院のジョージ・ベルマホス主任外傷外科医は、同病院では用務員から最上層経営幹部に至るまで全員がそのような事態に対する準備が万全で、臨死患者の大量搬送に備えて輸血在庫その他の備品も十分用意されていたと語った。また、病院では人形を使った外傷治療訓練も済ませていたほか、ベルマホス氏を含め戦火にある国々で働いた経験を持つ医師も何人かいるという。

 ボストン市衛生局長のバーバラ・ファラー氏は「昨日の最大のポイントはトリアージ(緊急度の判定)と迅速な搬送だ」と言い、「私の見解では、医療対応は信じられないほど素晴らしかった」と称賛した。」


患者の大量搬送を迅速に行うためには,情報の共有と日頃の準備・訓練が重要と思います.
日本では,黒,赤,黄,緑のトリアージタッグが定められていますが,搬送受け入れ可能な人数の情報が共有されていないとトリアージそのものも困難でしょう.


谷直樹

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by medical-law | 2013-04-18 07:02 | 医療

香川県立中央病院,「親知らず」の隣にある歯を抜く事故(報道)

毎日新聞「県立中央病院:抜く歯誤り手術 事故調開き再発防止策」(2013年04月17日)は,次のとおり報じました.

 「県立中央病院(高松市番町5)の歯科口腔外科で昨年8月、矯正のため歯を抜く手術を受けた患者に対し、医師が誤って隣の歯を抜いていたことが16日、県への取材などで分かった。病院側は患者と家族に謝罪。県の県立病院課は取材に対し、患者の性別や年齢、慰謝料などを支払ったかどうかについて「答えられない」としている。

 同病院の事故発生報告書などによると、患者は歯の矯正を目的に昨年6月、同病院の歯科口腔外科を受診。医師が同8月、上下の「親知らず」計4本を抜歯する手術を行った。その際、医師が勘違いして4本のうち1本について、「親知らず」の隣にある歯を抜いてしまったという。事前の確認作業が不十分だったうえ、誤って抜いた歯が「親知らず」のように見え、抜く予定の歯が歯茎に埋もれた状態だったことなども要因という。

 手術直後に違う歯を抜いた誤りに医師らが気付いて、患者らに謝罪。病院も翌月、院内事故調査委員会を開催して事故を検証し、手術を行う際に確認を徹底するなどの再発防止策をまとめた。【久保聡】」


ときどき違う歯を抜かれたという相談がありますから,決してまれなことではありません..


谷直樹

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by medical-law | 2013-04-17 20:34 | 医療事故・医療裁判