弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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サンデー毎日,「鳥インフル」でアベノミクス崩壊

サンデー毎日2013年4月28日号21頁の「鳥インフル」でアベノミクス崩壊「緊急事態宣言」恐怖のシュミレーションに,次の私のコメントが掲載されています.

「医療事件に詳しい谷直樹弁護士は,緊急事態宣言の〝拡大解釈〟を危惧する。
「日弁連は3月25日,声明を発表しました。『具体的な要件を定めているが,その内容は極めて緩やかで,曖昧不明確。過度の人権制限を招く危険性が高い』というもの。インフルエンザを口実に集会の自由をはじめ,さまざまな人権侵害が出る可能性もあります。」


谷直樹

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by medical-law | 2013-04-17 15:28 | 医療

青森県立中央病院,エホバの証人信者の手術を打ち切り患者死亡(報道)

読売新聞「「エホバの証人」信者の家族が輸血拒否…死亡」(2013年4月16日)は,次のとおり報じました.

 「青森県立中央病院(青森市)で2011年4月、宗教団体「エホバの証人」の女性信者(当時65歳)の家族が、女性の信仰上の理由で手術中の輸血を拒否し、途中で打ち切られた手術後に、女性が死亡していたことが分かった。

 病院によると、女性は同月28日昼頃に体調が悪化して入院。急性硬膜下血腫と診断され、手術が必要となった。女性自身は意識不明だったため意思表示はなく、女性の息子が輸血拒否を申し出て、書面を提出したという。

 手術中に出血が止まらなくなり、病院側が説得したが、息子は応じなかった。手術は打ち切られ、女性は同日夜に死亡した。

 教団関係者によると、息子は信者ではなく、女性は輸血拒否の意思表示カードを作成していたという。ただ、病院側は入院時は持っていなかったとしている。」


輸血は拒否しても,血液製剤は拒否していません.血液製剤を使用して手術を続行することはできなかったのでしょうか.


谷直樹

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by medical-law | 2013-04-17 09:19 | 医療事故・医療裁判

市立根室病院,血管内治療により出血し心タンポナーデとなって死亡した事案で和解(報道)

北海道新聞「医療過誤 遺族と根室市和解 市立病院患者死亡、9080万円支払い」(2013年3月27日)は,次のとおり報じました.
 
「【釧路】市立根室病院に入院していた根室市内の男性=当時(54)=が死亡したのは、血流を改善する血管内治療で適切な処置を行わなかったのが原因として、妻ら遺族4人が根室市に約8330万円の損害賠償を求めた訴訟は26日、市が約9080万円を支払うことで釧路地裁で和解が成立した。遺族が提訴したのは2010年で、利息が発生したため和解金が訴額を上回った。」

毎日新聞「根室病院医療過誤訴訟:入院男性死亡、根室市が遺族と和解 9080万円支払いへ」(2013年3月28日)は,次のとおり報じました.


 「根室市の市立根室病院に入院していた同市内の男性(当時54歳)が死亡したのは、医師が心臓冠動脈からの出血治療で適切な処置を行わなかったのが原因として、妻ら遺族4人が同市に約8330万円の損害賠償を求めた訴訟は、市が約9080万円を支払うことで釧路地裁で和解が成立した。和解は26日。

 訴状によると、男性は07年11月16日入院。20日、心臓カテーテル検査で冠動脈に狭(きょう)窄(さく)部位が見つかり、医師(60)がカテーテルを使って血管内治療した際に出血。男性は心臓の周囲に血液がたまって圧迫される「心タンポナーデ」で翌日、転送先の病院で死亡した。

 遺族側は、血管内治療で医師が適切な気圧でのバルーン(風船)拡張を行わず、適切な止血措置を怠ったと主張。同地裁は第三者の医師に鑑定を依頼し、「バルーンサイズの選択ミスで、止血方法にも問題があった」などとして今年2月和解案を提示していた。和解額には遅延損害金が含まれ、請求額を上回った。

 同病院は「医療事故はあってはならないこと。安全管理対策と情報開示を徹底したい」とコメントした。【本間浩昭】」



共同通信「根室市が医療ミス認め和解 遺族に9千万円賠償」(2013年3月27日)は,,次のとおり報じました.
 
「北海道根室市の市立根室病院に入院していた市内の男性が死亡したのは、医師が心臓疾患に適切な治療を行わなかったのが原因として、遺族が根室市に損害賠償を求めた訴訟は27日までに、市が約9080万円を支払うことで釧路地裁(河本晶子(かわもと・あきこ)裁判長)で和解が成立した。地裁が2月に和解案を提示していた。

 訴状によると、2007年11月20日、男性医師は入院中の男性=当時(54)=の心臓カテーテル検査で、冠動脈が狭くなっている部分を発見。バルーン(風船)で血管を広げる治療を行った際に出血した。男性は同21日、心臓の周囲に血液がたまって圧迫される「心タンポナーデ」となり死亡した。

 遺族側は、医師が血管の幅に合わないバルーンで治療したことや、出血後も適切な止血処置を行わなかったと主張。約8330万円の損害賠償を請求していた。損害遅延金が加わり、和解金が請求額を上回った。」

和解金が請求金額を上回るのはよくあることです.


谷直樹

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by medical-law | 2013-04-17 01:50 | 医療事故・医療裁判

和歌山地裁平成25年4月16日判決,脳脊髄液減少症と:労災との因果関係(報道) 

毎日新聞「脳脊髄液減少症:労災との因果関係初認定 和歌山地裁」(2013年04月16日)は,次のとおり報じました.

「脳脊髄(せきずい)液減少症が労災事故によって発症したかを争点とした訴訟の判決で、和歌山地裁(高橋善久裁判長=橋本真一裁判長代読)は16日、2011年に国の研究班が作成した新診断基準などを基に、和歌山県内の元配管工の男性(42)について「髄液漏れの蓋然(がいぜん)性が高い」とした上で、事故との因果関係を認め、男性が求めていた障害補償年金の支給決定(障害等級2級)を国に命じた。患者団体によると、同症を巡る労災訴訟で、国に労災認定の見直しを命じるのは全国初。

 訴訟では、(1)男性の症状と同症の関係(2)同症と労災事故との因果関係−−などが主な争点だった。

 判決では、(1)について、国の研究班作成の新診断基準に沿って、脳内の画像検査などを基に髄液漏れを認定。「同症によって四肢まひを呈した例が確認されていない」との国側の主張には、「報告されていないことのみをもって、因果関係を否定するのは相当ではない」と判断した。(2)については「髄液漏れは外傷により生じ得る上に、労災事故の態様や症状の経過などに照らせば、労災による髄液漏れを認めることができる」と結論付けた。

 判決などによると、男性は02年9月7日、和歌山市内のマンション建設現場で作業中、落下してきたケーブルで首を負傷。頭痛や全身の痛みに悩まされ、徐々に手足が動かなくなり、06年に「労災事故による外傷性の脳脊髄液減少症に伴う四肢まひ」と診断された。一方、和歌山労働基準監督署は同年、「局部に頑固な神経症状を残す障害」(障害等級12級)として労災認定。同症とはしなかった上、四肢まひを認めず、障害補償一時金として月収の5カ月分を支給した。

 男性は09年3月、現状の障害補償給付決定の取り消しと障害等級格上げを求め、和歌山地裁へ提訴していた。【岡村崇】

 原告代理人の冨山信彦弁護士の話 原告の症状と労災事故の因果関係を認めた画期的な判決だ。

 和歌山労働局の本間健司・労災補償課長の話 厚生労働省や法務局など関係機関と協議の上、今後対応していきたい。

◇脳脊髄液減少症◇
脳と脊髄を覆っている硬膜内の隙間(すきま)にある脳脊髄液が何らかの原因で減少し、ひどい頭痛や吐き気などを引き起こす。事故やスポーツなどの他、原因不明で発症するケースもある。国は2007年に研究班を発足。11年に「髄液の漏れ」を画像で判断するなどの新しい診断基準を発表した。治療法には、患者自身の血液を患部付近に注射して脳脊髄液の漏れを止める「ブラッドパッチ」がある。」


この判決の影響は大きいでしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2013-04-17 01:13 | 医療事故・医療裁判

水俣病認定裁判最高裁平成25年4月16日判決,溝口訴訟勝訴確定(報道)

NHK「最高裁 水俣病と認める判決」(2013年4月16日)は,次のとおり報じました.

「水俣病の認定について、最高裁判所は、行政の審査では認められなかった熊本県の女性を水俣病と認定する判決を言い渡しました。
判決は水俣病の認定をこれまでの行政の審査よりも事実上広げる判断で、現在の国の認定基準をより弾力的に運用するよう行政に求めるものとなりました。

この裁判は、国の認定基準に基づく行政の審査で水俣病と認められず、いずれもすでに死亡した熊本県水俣市の女性と、大阪・豊中市の女性の遺族が起こしていました。
熊本の女性に対しては、福岡高等裁判所が独自に症状などを検討して水俣病と認定した一方、大阪の女性に対しては、大阪高等裁判所が行政の裁量をより幅広くとらえて訴えを退け、2審の判断が分かれていました。
最高裁判所第3小法廷の寺田逸郎裁判長は、「国の現在の認定基準には一定の合理性があるが、感覚障害の症状だけでも水俣病は否定できず、『複数の症状』がなくても認定する余地もある」と判断しました。
さらに判決は、「裁判所も証拠に基づいて個別の事情を具体的に検討し、水俣病かどうか判断ができる」と指摘し、司法の独自の判断による救済を認め、熊本の女性を水俣病と認定した判決が確定しました。
また、大阪の女性に対しても、最高裁は水俣病と認めなかった2審を取り消し、大阪高裁で審理をやり直すよう命じました。
判決は、現在の国の認定基準に一定の合理性を認める一方、これまでの行政の審査よりも事実上認定の幅を広げる判断して行政による水俣病の審査をより弾力的に運用するよう求めるものとなりました。

「最高の判決」

判決のあと、原告の溝口秋生さん(81)は、都内で開かれた記者会見で、「判断がくつがえるのではないかとずっと心配していた。最高の判決だが、正直疲れました。母親に『やってきたかいがあったよ』と報告したい。母親も『よかった』と答えてくれると思います。あまりにも多くの人が苦しんで、切り捨てられてきた。国の姿勢は間違っていたと思うし、私にできる範囲で今も苦しんでいる人たちを応援していきたい」と話していました。
また、原告の弁護団の山口紀洋弁護士は、「環境省と熊本県は水俣病ではないと否定したことについて責任を取るべきだ。きょうの判決は、これまでの行政の認定制度の運用を完全に否定しており、もう一度、すべての未認定患者の認定の見直しを要求しなければならない」と話していました。

「救われた」という気持ち

大阪・豊中市の女性は先月亡くなり、長女が16日の判決を法廷で聞きました。
判決のあと、最高裁の前には「希望」と「差戻し」と書かれた紙が掲げられ、支援者から拍手が起きました。
長女はハンカチで涙をふきながら、「救われたという気持ちです。ことばにできません。亡くなった母には水俣病と認定されるまで、もう少し頑張ってくださいと伝えたい」と話していました。
判決内容を精査
今回の判決を受けて環境省の佐藤敏信環境保健部長は、「判決の詳細は把握していませんが、2つの判決については、関係者と協力しつつその内容について精査してまいります」というコメントを出しました。
「行政の考えは覆された」
水俣病問題の裁判に詳しい熊本大学の富樫貞夫名誉教授は、「感覚障害のみの水俣病を最高裁が認めたことで、40年にわたる水俣病とは何かという問題に決着がついた。被害者を認定せず、政治決着や特別措置法などで救済を終わりにしようとした行政の基本的な考えが根底から覆された」と話しています。
各地で国の責任問う裁判
水俣病の認定基準を巡っては、基準で示された複数の症状の組み合わせがない場合、患者と認められたケースはこれまでほとんどなかったため、認定申請を棄却される人たちが相次ぎ、国などの責任を問う裁判が各地で起こされました。
このうち平成16年には、最高裁判所が国などの責任を認め、家族に認定患者がいれば、手足の先の「感覚障害」だけで被害者と認めるなど、国の基準より広い範囲の健康被害を賠償の対象にしました。
この判決を受けて、被害者たちは認定基準は厳しすぎるとして国に見直しを求めましたが、国は「判決は基準そのものを否定したものではない」などとして見直しませんでした。
一方で国は、判決をきっかけに新たに認定を求める人が急増したことなどから、平成21年、国の基準では水俣病と認められない未認定患者を対象とした特別措置法を制定し、一定の症状がある場合に1人210万円の一時金を支払うなどとする救済策を設けました。
救済策の申し込みは去年7月末までで締め切られましたが、国の当初の想定を大きく上回る6万5151人が申請しました。
この救済策では、一時金の支給などを受け入れる場合、患者の認定申請については取り下げる必要があります。
これに対し、被害者団体の一部は、「被害を受けた人を患者と認めない国の救済策は受け入れられない」などと批判していて、今も338人(ことし3月末)が行政に対し、患者の認定を求めています。」


流石,破邪顕正破邪千勝の山口紀洋先生です.合掌

【追記】

毎日新聞「水俣病:裁判11年やっと、溝口さん満面の笑み」(2013年4月16日)は,次のとおり伝えました.

「「素晴らしい判決だ」「望みが出てきた」。熊本県水俣市の溝口秋生(あきお)さん(81)と大阪府豊中市の60代女性が、それぞれ亡き母の水俣病認定を求めた訴訟の16日の最高裁判決。司法は、行政による「非認定」を覆す最終判断を下した。公害の原点といわれる水俣病の救済に新たな道を開くことになるのか。【和田武士、山本将克】

 「よしっ」。午後3時過ぎ、最高裁第3小法廷。裁判長が溝口さんの母チエさん(1977年に77歳で死去)を水俣病と認める主文を告げると、傍聴席の支援者らから歓声が上がり、拍手が湧き起こった。耳の遠い溝口さんの隣に座った女性支援者が顔を近づけて「勝ちましたよ」と伝えて抱きしめると、溝口さんは笑顔を見せた。

 閉廷後、最高裁南門に集まった支援者の前に掛け軸が掲げられた。「勝訴」。書道をたしなむ溝口さんが揮毫(きごう)した力強い2文字。拍手で迎えられた溝口さんは「最高も最高。これ以上のことはありません」。更に「『おふくろ、頑張ってきたよ』って言いたい」と語りつつ、「こんなに長くかかるとは。『裁判をするな』というのと一緒だ」と11年余の裁判闘争の疲れもにじませた。

 福岡高裁で勝訴したが最高裁が2審を見直す際に開く弁論を開いたため、「どう覆されるのか気になって夜も眠れずいらいらしていた」と溝口さん。代理人の山口紀洋(としひろ)弁護士が「今日はぐっすり眠って」と声をかけると再び満面の笑みになった。

 一方、午後4時に同じ小法廷で言い渡された大阪府豊中市の女性(3月に87歳で死去)の判決。女性敗訴の大阪高裁判決を破棄し、審理を差し戻す内容に再び法廷は拍手に包まれた。裁判を引き継いだ長女は裁判官に深々と頭を下げた。

 母の形見の指輪をつけて臨んだ長女。閉廷後に南門で、支援者が「希望」と書いた紙を掲げると「言葉が出ない」と涙をハンカチでぬぐった。女性は04年、未認定患者が国などの責任を問う関西訴訟に加わり04年の最高裁判決で賠償が認められたが、国は77(昭和52)年に定めた認定基準(52年判断条件)を見直さず、未認定のままだ。今後も裁判は続くが、長女は「望みが出てきて良かった」と前向きに受け止め、「母に『もう少し待ってて』と声をかけたい」と早期終結も訴えた。」


【再追記】

毎日新聞「<水俣病>環境省次官、認定基準「変える必要ない」」(2013年4月18日)は,次のとおり報じました.
 

「水俣病と認められなかった熊本県水俣市の女性(故人)を最高裁が初めて水俣病患者と認定したことを受け、環境省の南川秀樹事務次官は18日、記者会見し、「判決で認定基準は否定されておらず、基準を変える必要はない」と述べ、基準を見直さない方針を明らかにした。

 判決は、患者側から「厳しすぎる」と批判されている認定基準の柔軟な運用を求めた。南川次官は熊本、鹿児島、新潟各県の認定審査のあり方について、「複数症状がない人も現に認定した例があり、従来、適切に行われてきたと考えている。より適切な運用のため、新たな指針などが必要かはよく考えたい」と述べた。

 1977(昭和52)年に国が示した認定基準「52年判断条件」は、手足の感覚障害に加え、視野狭さくや運動障害など複数の症状の組み合わせを求めた。

 これに対し、最高裁判決は「感覚障害だけの水俣病が存在しない科学的な実証はない」と指摘。「症状の組み合わせがない場合でも、個別具体的な判断で水俣病と認定できる余地がある」と、行政側に硬直的な運用を改めるよう求めた。

 公害健康被害補償法に基づく認定患者は2975人。棄却は1万6795人に達し、認定率は15%。現在、3県で約300人が認定申請をしている。一方、認定基準に満たないと判断された被害者を対象とする09年の水俣病被害者救済特別措置法の救済策には、6万5151人が申請している。【阿部周一】」


認定基準には科学的な根拠がないこを指摘されたのですから,見直すべきでしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2013-04-16 22:11 | 医療事故・医療裁判

日本産科婦人科学会,産婦人科勤務医の勤務条件改善のための提言

公益社団法人日本産科婦人科学会は,最高裁平成25年2月12日決定を受けて,2013年4月12日,「産婦人科勤務医の勤務条件改善のための提言」を発表しました.

「1.産婦人科医は、分娩取扱施設の大規模化と交代勤務制の導入を推進すること。
2.産婦人科医は、他の診療科の医師および他職種との連携を強化することを通じて、勤務環境の改善に努力し、産婦人科医としての本来業務の遂行に支障のない体制の整備に努力すること。
3.医療機関の責任者は、産婦人科医の労働実態を正確に把握し、医師及び医師以外の職種の職員の増員を行うこと等によってその勤務条件の緩和のために最大限の努力を行うとともに、時間外労働に対して適正な割増賃金を支払う等、適切な処遇を行うこと。
4.国は、医療機関が赤字に陥ることなく適正な時間外割増賃金を支払うことが可能なよう、診療報酬等の対応を適切に行うこと。」


分娩取扱施設の大規模化の必要性は,当職も常々言ってきましたが,安全な医療のためにも是非実現していただきたいと思います.
診療報酬の改定を待たずに,法を遵守して適正な時間外割増賃金を支払うことを先行していただきたい,と思います.


谷直樹

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by medical-law | 2013-04-16 21:39

消費者庁,美容医療サービスを受けるに当たっての確認ポイント

消費者庁は,2013年4月16日,「美容医療サービスを受けるに当たっての確認ポイント
~ 美しくなるはずが、予想外の腫れ・痛みに ~
」を公表しました.

「美容医療サービスの施術には、少なからず身体的な危険性を伴います。 施術の手法や使用する材料等について、医師の裁量によるところが大きい現状にあり、美容医療サービスに関する相談件数は、平成21年度~23年度の3年間で5016件となっています。特に、生命・身体に影響がある危害関連の相談件数は年々増加しています。 今後、美容医療サービスを受けようと思われている方は、次の4つのポイントを必ず確認してください。
Q1.ホームページや広告等の情報をうのみにしていませんか。
Q2.医療機関に行く前に、受けたい施術や医療機関の情報をきちんと確認しましたか。
Q3.施術を決める前に、リスクや施術効果についての説明を求めましたか。
Q4.その施術、本当に必要ですか。」


「生命・身体に影響を与え得る危害トラブルに関する相談件数は、消費者庁創設時以前から年々増加しています。さらに、1か月以上に渡り危害症状が続くケースがみられます。」「施術別にみると、シワ取り、脱毛、しみ取り、脂肪吸引、二重まぶた、豊胸、包茎等が大部分を占めます。そのうち約18%が、危害程度が「1か月以上」となっています。」とのことです.


谷直樹

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by medical-law | 2013-04-16 21:18 | 医療事故・医療裁判

李啓充先生,混合診療解禁なら日本の医療市場も米国化の危機

米タイム誌史上最長の特集記事「Bitter Pill」の内容を,李啓充先生が週刊医学新聞で紹介しています.

MDアンダーソンがんセンターは,仕入れ価格3000ないし3500ドルの抗がん薬を1万3702ドルで患者に請求した,転倒後救急外来を受診した女性は,CT検査代6538ドルをふくめ総額9418ドルの請求を受け,加入していた保険が受診一回当たりの上限が2000ドルのため,7418ドルを自己負担した,などの実例を紹介しています.

医療施設が診療費を自由に決められる米国では,このように診療費が保険給付額を大幅に上回る事態が頻繁に起きています.

李啓充先生は,混合診療解禁なら日本の医療市場も米国化の危機にある,と警告します.

「混合診療解禁論者は,「新規の治療は高くつくので,公的保険ですべてを給付することはできない。高額の新規治療については保険外(自由診療)とし,自己負担にする」と主張するが,米国医療の実態を見る限り,これほど恐ろしい主張もない。例えば,製薬会社が新規の抗がん薬を保険外で患者に提供すると決めた場合,米国と同様,1回の投与に100万円を越えるような,とんでもない高価格をつけることが可能となるからである。

 混合診療の解禁(=自由診療の拡大)は,医療市場を米国化することにほかならず,「命が惜しければ金を出せ」式の,強盗まがいの医療が日本でも横行することが懸念されるのである。」


谷直樹

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by medical-law | 2013-04-15 06:11 | 医療

米研究,受刑者への動機付け面接法と認知行動療法で出所3カ月後の禁煙継続率が6.6倍に

健康百科「受刑者への禁煙プログラム、出所後の継続率は? 米研究」(2013年4月12日)は,次のとおり伝えました.

「米ブラウン大学プライマリーケア・予防センターのJennifer G. Clarke氏らは、受刑者に薬を使わない禁煙プログラムを実践した場合、出所から3カ月後に禁煙を続けている割合が6.6倍だったことを、4月8日発行の米医学誌「JAMA Internal Medicine」(電子版)に発表した。」

「敷地内が全面禁煙で、禁煙プログラムを行っていない、米北東部の大規模な州立刑務所に服役しており、入所前の喫煙本数が1日10本以上、8週以内に刑期を終える予定の18歳以上の男女262人を対象とした。WISEは、本人に抱えている問題を認識させ、治療に立ち向かう動機を持つよう促す「動機付け面接法」と、抱えている問題に対しての考え方を柔軟にして治療に取り組むよう導く「認知行動療法」を行うプログラムだ。

 健康に関連したビデオを視聴するグループ(対照群、125人、平均年齢35.4歳、男性64.8%)と、WISEを行うグループ(WISE群、122人、平均年齢35.7歳、男性65.6%)にランダムに割り付け、両群で週1回のセッションを6週間実施。出所後3週での禁煙継続率などを評価した。 出所後に喫煙する意向がある人の割合は、対照群で49.2%、WISE群で53.3%。入所前の喫煙年数と1日当たりの喫煙本数は、それぞれ19.7年・22.6本、19.1年・20.7本だった。」
 
「出所から3カ月後に尿のコチニン(ニコチンの代謝物)濃度で禁煙しているかどうかを調べたところ、WISE群の禁煙を継続していた人の割合は対照群の6.6倍だった。」


禁煙治療における認知行動療法の有効性の大きさを示す報告です.

谷直樹

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by medical-law | 2013-04-14 20:54 | タバコ

スモークフリーキャラバンの会,広島県知事・愛媛県知事らへ受動喫煙防止条例の制定を求める要望書を提出

中國新聞「受動喫煙の防止へ条例制定を要望 広島県・県議会にキャラバン隊」(2013年4月13日)は,次のとおり報じました.

「医師や市民たちでつくる「スモークフリーキャラバンの会」(東京)と広島県医師会の医師の計10人が12日、広島県庁を訪れ、受動喫煙防止条例の制定を求める要望書を湯崎英彦知事と林正夫県議会議長宛に提出した。

 一行は、県の佐々木昌弘健康福祉局長に面会。2010年度から官公庁や病院に屋内全面禁煙を義務付ける神奈川県条例を説明し、「広島県民の健康を守るため一刻も早い条例制定を」と求める要望書を手渡した。佐々木局長は「受動喫煙、能動喫煙の防止に努めたい」と答えたという。

 県議会では、生活福祉保健委員会の福知基弘委員長に要望した。

 キャラバンの会は11年9月から全国を巡回中。今月中に岡山、島根、鳥取の3県を訪問し、来年2月には山口県に要望する。」



愛媛新聞「受動喫煙防止へ 県へ要望書提出」(2013年 4月13日)は,次のとおり報じました.

「全国の自治体や議会に受動喫煙防止条例の制定を訴えている「スモークフリーキャラバンの会」などの関係者が12日、愛媛県庁を訪れ、中村時広知事宛てに早期の条例制定を求める要望書を提出した。
 要望書によると、受動喫煙で毎年少なくとも6800人が死亡していると指摘、条例を制定して公共施設などは敷地内禁煙とするか、喫煙所を設ける場合でも出入り口から10メートル以上離すよう求めている。」


広島には「たばこと健康・広島フォーラム」があり,愛媛には「タバコフリー愛媛」があります.

広島県医師会のコラム「禁煙コーナー」は,是非ご一読いただきたくお奨めいたします.

また,血圧ドットコムの高血圧Q&A愛媛編には,次のとおり掲載されています.

「喫煙すると、血圧は一時的に上昇し、紙巻きタバコを1本吸った場合、15分以上血圧が高い状態が続くといわれます。そのため、チェーンスモーカーのように常にタバコを吸っていれば、血圧が高いままになっている可能性があります。また、喫煙は動脈硬化の危険因子で、動脈硬化になると血圧は上昇します。英国の研究では男性の場合、喫煙者は非喫煙者に比べて脳卒中に5倍なりやすく、高血圧の喫煙者は正常血圧の非喫煙者に比べて15倍以上高くなることが判明しています。また、喫煙の害は喫煙者のみならず、受動喫煙として周囲の非喫煙者にも及びます。高血圧患者のみならず、健康な人も禁煙しましょう。」(加藤正隆先生)

「禁煙は脳卒中の予防に大変有効です。日本人男女9,000人以上を対象とした研究で、喫煙者(1日21本以上喫煙)が脳卒中により死亡するリスクは非喫煙者に比べて男性で2.17倍、女性では3.91倍高いものの、禁煙した人は男女とも非喫煙者と大きな差がないことが判明しています。また、米国で行われたフラミンガム研究において、5年以上禁煙していれば、脳卒中を発症するリスクは非喫煙者と同程度にまで下がることも分かっています。さらに英国の研究において、高血圧の男性患者で過去に1日20本以上の喫煙歴がある人が脳卒中を発症するリスクは非喫煙の男性高血圧患者に比べて約1.7倍高いものの、喫煙者の半分以下のリスクであることも分かっています。喫煙歴や過去の喫煙本数にかかわりなく、今からでも禁煙することが大切です。」(中野敬先生)



谷直樹

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by medical-law | 2013-04-14 08:07 | タバコ