弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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「小説 医療裁判―ある野球少年の熱中症事件」

今日16日は,東京では雨でしたが,西日本や東海地方では厳しい暑さとなり,少なくとも117人が熱中症の疑いで病院に運ばれた,と報じられています.
そこで,想起するのが,小林洋二先生の「小説 医療裁判―ある野球少年の熱中症事件」です.
当事務所では,訴訟提起の際に,依頼者の皆様に同書を読んでいただくようにしていますが,医療裁判がよく分かると依頼者の皆様に好評です.

法学書院によると
ストーリーに引き込まれつつ、医療過誤訴訟の流れがわかる!
熱中症で亡くなった息子の病院での治療をめぐり,不信感を抱いた夫婦が法律相談にやってきた。
相談を受けたのは,新人弁護士の各務一朗。先輩弁護士にいろいろと教わりながら,はじめての医療過誤訴訟に挑んでいく。
医療過誤における過失とは? 因果関係とは? そして裁判の行方は?

◎ 医療事故相談から事故調査を始め,裁判受任,法廷戦術,証人尋問,判決と一連の流れのなかで医療過誤訴訟がどのように進んでいくかがわかります。
◎ 一般の方々や大学生,ロースクール生,司法試験受験生,修習生,新人弁護士はもちろん,医師,医療関係の方々にもぜひお勧めしたい1冊です。」

とのことです.

《目次》
新人弁護士各務一朗,初めての医療事故相談
過失論=医療水準論の判例研究会に参加する
医療事故調査を開始する
因果関係論の判例研究会に参加する
事件処理方針を決定する
各務一朗の入院と手術
裁判を受任する
医療過誤訴訟序盤戦─弁論準備手続が進む
尋問特訓から居酒屋談義へ
裁判は佳境へ─集中証拠調べ
医療過誤訴訟終盤戦─鑑定をめぐる攻防
とりあえずのエピローグ─一審判決


谷直樹

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by medical-law | 2013-06-16 23:58 | 医療事故・医療裁判

厚労省,子宮頸がんワクチン積極勧奨を一時中止

NHK「子宮頸がんワクチン 接種呼びかけ中止へ」(2013年6月14日)は,次のとおり報じました.


「子宮頸(けい)がんワクチンについて厚生労働省の専門家会議は、「接種のあと原因不明の体中の痛みを訴えるケースが30例以上報告され、回復していない例もある」などとして、積極的に接種を呼びかけるのを、一時中止すべきだという意見をまとめました。
厚生労働省は、近く全国の自治体に対して積極的に接種を呼びかけるのを中止するよう求めることにしています。

これは14日に開かれた、厚生労働省のワクチンの安全性を検討する専門家会議で決まったものです。
会議では、ことし4月に法律に基づく定期接種に追加され、小学6年生から高校1年生までの女子を対象に接種が行われている子宮頸がんワクチンについて議論が行われました。
この中で、接種したあと体中の痛みを訴えるケースが33例あり、このうち8例は回復していないことが報告され、専門家会議は「接種との因果関係も否定できない」と判断しました。
そのうえで、接種は継続するものの、「体中の痛みを訴えるケースは原因不明のため、国民に注意点を説明することができない」として、積極的に接種を呼びかけるのを、一時中止すべきだという意見をまとめました。

これを受けて厚生労働省は、近く全国の自治体に対して対象者に積極的に接種を呼びかけるのを中止するよう求めることにしています。
国が定期接種の対象としているワクチンについて接種の呼びかけを中止するのは、平成17年の日本脳炎のワクチン以来2回目で、極めて異例です。
厚生労働省によりますと、接種を希望する人に対しては、これまでどおり公費で接種が受けられるほか、副作用の被害が認められた際の救済制度の対象になるということです。

専門家会議の座長で、国際医療福祉大学の桃井眞里子副学長は「臨床試験のときには分からなかった全身の慢性の痛みが二桁程度でていて、未回復のものもあることを重視した結果だ。安全性に問題があるという判断ではなく、国民に対して責任ある対応をするために情報収集を行い、再び積極的な勧奨ができる状態にしていくということだと理解してほしい。がん予防のメリットを選びたい人については接種してもらっても構わない」と話していました。

子宮頸がんワクチンで重い副作用が起きたと訴えている子どもの保護者などで作る連絡会の代表で、東京・杉並区の松藤美香さんは「積極的な勧奨を差し控えるという結論は、接種を受けるかどうかは親の判断に任せてもらえるということで、ありがたい。会議では子どもたちの症状に対する調査も行うとされており、子どもたちが苦しんでいるなかで治療を考えていくという方針は大きな一歩だ」と話していました。」


今回,接種したあと体中の痛みを訴えるケースが33例あり,このうち8例が回復していないことから,積極的勧奨の暫定的中止となったのですが,4月に定期予防接種の対象としたことが適切だったかが問われるでしょう.

子宮頸がんワクチンについて,副作用情報の報告・収集が不十分で,どれくらいの害作用・被害があるのか不明な状況で,積極的勧奨が行われてきました.
2009年の販売開始から2013年3月までに,重篤な副作用報告が「サーバリックス」で301件,「ガーダシル」で56件報告されています.分母となる接種件数が大きなことを考慮しても無視できる数字ではありません.定期予防接種の対象となった今年4月以降は接種件数がふえているでしょうから,副作用被害も多くなっているでしょう.

そもそも,子宮頸がんワクチンは,HPV16型及び18型以外の癌原性(発がんの原因になる)HPV感染に起因する子宮頸がんおよびその前がん病変に対する予防効果は確認されていません.
子宮頸がんワクチンは,接種の時点ですでに感染しているHPVを排除したり、すでに発症しているHPV関連の病変の進行を予防する効果は期待できません。
子宮頸がんワクチンの予防効果がどのくらい持続するかについては、わかっていません.
子宮頸がんワクチン接種を受けた人が,安心して子宮頸がん検診を受けないことになれば,むしろマイナスのほうが大きいと思います.

このような子宮頸がんワクチンの有効性と危険性を考えると,子宮頸がんワクチン接種を勧奨するより,子宮頸がん検診の定期的受診を勧奨するほうが,よりよいのではないでしょうか.


【追記】

薬害オンブズパースン会議は,2013年9月25日,「『子宮頸がんワクチン(ヒトパピローマウイルスワクチン)』に関する要望書」を公表しました.要望の趣旨は次のとおりです.

「1 厚生労働大臣に対する要望
(1)定期接種を中止すること。
(2)任意接種後の副反応被害についても,予防接種法の定める救済制度と同等の補償をすること。

2 厚生労働大臣,各製薬会社及び各学会に対する要望
(1)副反応症例を重点的に調査し,その結果を公表すること。
(2)有効性及び安全性に関する情報を医療機関,医療従事者。」及び接種希望者に分かりやすい方法で提供すること。」


谷直樹

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by medical-law | 2013-06-15 04:54 | 医療

中間利息控除率について考える

1 中間利息控除

将来の損害の賠償については,将来損害を現在の価額に換算して,先に損害賠償金を受け取る仕組みになっています.
将来損害を現在価額に換算するために,運用利益を控除します.
運用利益を控除するには,平均的な市場金利で中間利息を控除することが必要です.

2 民事法定利率

ところで,民法は,金銭消費貸借において,貸主・借主が利率を定めなかった場合の利率(これを民事法定利率と言います)を定めています.
民法は,年5%の民事法定利率を定めています(民法404条).この年5%という利率は,民法制定当時の平均的な市場金利を反映したものだそうです.民法の制定に当たって参考とされたヨーロッパ諸国の一般的な貸付金利や法定利率,我が国の一般的な貸付金利を踏まえ,民法制定当時,金銭は通常の利用方法によれば年5%の利息を生ずべきものと考えられたからだそうです.

3 中間利息控除率イコール民事法定利率

現民法に中間利息控除率を定める条文はありません.
最高裁(三小)平成17年6月14日判決(金谷利廣,濱田邦夫,上田豊三,藤田宙靖)は,中間利息控除率を民事法定利率と同率と解釈しています.
現民法の建前では,民事法定利率イコール平均的な市場金利ですから,平均的な市場金利であるべき中間利息控除率は民事法定利率と等しい,ということになるからです.

年5%は,現在では,平均的な市場金利からかけ離れて,著しく高率です。そのため,過大な中間利息控除によって,平均的な人には絶対に運用不可能な利率で中間控除がなされ,将来損害の賠償金が著しく目減りするという不合理な事態が生じています.この不合理な事態は,中間利息控除率イコール民事法定利率であるからではなく,民事法定利率が平均的な市場金利からかけ離れていることに起因します.

4  「民法(債権関係)の改正に関する中間試案」について

ところで,法定利率が平均的な市場金利からかけ離れているのを正すために,民事法定利率を年3%に引き下げ,さらに一定期間の平均的な市場利率と連動するものにしよう,という民法(債権関係)改正が提案がなされています.適切な改正だと思います.

ただ「損害賠償額の算定に当たって中間利息控除を行う場合には,それに用いる割合は,年[5パーセント]とするものとする」として,中間利息控除率だけは現状通り年5%を維持しようとしています.これは問題です.

中間利息控除率は,上述のとおり運用利益を控除(中間利息を複利計算で控除)するものですから,法体系上平均的な市場金利を反映するはずの民事法定利率と同率であるべきです.
民事法定利率について,平均的な市場金利に近づけるための改正が行われようとしているのに,中間利息控除率だけを年5%と維持とするのは,法体系上整合しませんし,実際上も著しい目減りを放置することになり著しく不合理です.

なお,現民法は,中間利息控除率を定める法文をおいていませんが,この機会に,中間利息控除率について(平均的な市場金利を反映するはずの)民事法定利率と同率とする旨の規定をおくべきと考えます.

また,別な問題になりますが,民法419条1項本文「金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める」についての改正を検討すべきではないしょうか.


民法(債権関係)の改正に関する中間試案」に関する意見募集の締め切りは,2013年6月17日です.


谷直樹

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by medical-law | 2013-06-14 05:10 | 医療事故・医療裁判

京都地判平成25年6月13日,京都第一赤十字病院,麻酔薬による術後の窒息死・見回り不十分(報道)

時事通信「日赤に3750万円賠償命令=医療ミスで74歳死亡-京都地裁」(2013年6月13日)は,次のとおり報じました.

「京都第一赤十字病院(京都市東山区)で首の手術を受けた翌日に死亡した男性=当時(74)=の遺族が、医療ミスがあったとして病院を運営する日本赤十字社を相手に約5150万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁は13日、約3750万円の支払いを命じた。
 橋詰均裁判長は「呼吸障害の副作用がある麻酔薬を使ったのに、手術後に十分な注意を払わなかった」と指摘。男性の死因を、たんが詰まったことによる窒息死と認定した。病院側は男性が手術前から服用していた向精神薬による不整脈と主張していた。
 判決によると、男性は頸椎(けいつい)が異常に増殖して食道などを圧迫する「フォレスター病」と診断され、2007年12月5日に手術を受けた。手術直後に呼吸困難の状態になったが、病院側は夜間の付き添いを希望する家族を帰らせ、十分な見回りをしなかった。
 京都第一赤十字病院総務課の話 判決文を確認しておらず、コメントは差し控える。」


手術直後に呼吸困難の状態になったが、病院側は夜間の付き添いを希望する家族を帰らせ、十分な見回りをしなかったという注意義務違反(過失)だけで,損害賠償責任が認められるわけでではありません.
損害賠償責任が認められるためには,注意義務違反(過失)によって結果(死亡結果)が発生したという因果関係があることも必要です.

後日判例雑誌等に公表される判決文をみないと正確なことは言えませんが,おそらく,病院側が主張する「向精神薬の副作用→不整脈→心停止→死亡」という機序と患者側が主張する「麻酔薬の副作用→呼吸障害→たん詰まり→窒息→死亡」という機序について争われ,裁判所は後者を認定し,注意義務違反(過失)との因果関係があるとされたのでしょう.

なお,モニターを着けていたとれすば,モニターのアラームはどうなっていたか,知りたいところです.

谷直樹

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by medical-law | 2013-06-14 02:19 | 医療事故・医療裁判

医道審議会医道分科会,医師・歯科医師24人の行政処分を答申

読売新聞「医師・歯科医師24人、免許取り消しや医業停止」(2013年6月12日)は,次のとおり報じました.
 
「犯罪などの不正が明らかになった医師・歯科医師について、厚生労働省は12日、計24人の行政処分を決めたと発表した。

 同省は医道審議会医道分科会に計34人の審査を諮問し、その答申を受けて処分内容を決定した。残りの10人は厳重注意とした。処分の発効は26日。

 最も重い医師免許取り消し処分を受けたのは、覚醒剤取締法違反で実刑判決が確定した×××医師。××医師は、2006年にも医業停止3年の処分を受けており、同省では「今回は2回目の処分のため、厳正な対応となった」とする。

 2010年に豊胸手術を受けた女性(当時37歳)を麻酔の投与ミスで死亡させたとして、業務上過失致死罪で罰金100万円の略式命令が確定した××××医師は、医業停止1年6月の処分となった。

 医業停止1年以上の処分を受けた医師・歯科医師は次の通り。(敬称略、カッコ内は事件当時に所属していた医療機関と所在地)

【医師免許取り消し】
×××(所属医療機関なし)

【医業停止3年】
×××(××医院、大阪府大東市)
▽×××(××××耳鼻咽喉科・アレルギー科、兵庫県篠山市)

【医業停止1年6月】
××××(×××××美容形成クリニック、福岡市)

【歯科医業停止1年6月】
×××(×××××病院=岡山市、××××歯科=岡山県倉敷市)
▽××××(××××歯科クリニック、千葉県柏市)」


医療過誤(豊胸手術の際の麻酔投与ミス)で業務上過失致死罪として罰金100万円に処せられた医師が医業停止1年6月の処分となっただけで,医療過誤について行政処分が行われることが少ないことが分かります.

ちなみに,これは,全国展開する有名美容クリニックで,2010年1月に脂肪吸引とその脂肪を胸に注入する豊胸手術を実施する際,麻酔薬を標準の10倍量投与したため,患者が術中に意識不明となりながら,福岡市内の救命救急センターに転送したのは手術の翌日,という事案です.


谷直樹

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by medical-law | 2013-06-13 01:38 | 医療事故・医療裁判

下関市立中央病院の肺炎(通常型間質性肺炎vs感染症による肺炎)診療訴訟,和解(報道)

毎日新聞「下関市立中央病院・医療過誤訴訟:86歳男性患者死亡 原告側と和解」(2013年6月12日)は,次のとおり報じました.

「下関市の男性(当時86歳)が死亡したのは下関市立中央病院(現・市立市民病院)の医師の誤診が原因として遺族が病院に約2688万円の損害賠償を求めた訴訟の和解が11日、山口地裁下関支部(平野望裁判官)で成立した。和解内容は明らかにされていない。

 提訴は2008年11月。訴状によると男性は06年、市立中央病院で肺がんの手術を受け、その後に肺炎を発症。3日間、ステロイド剤の投与を受けた後に死亡した。原告側は「感染症による肺炎だったのに間質性肺炎として薬剤投与され、有効な治療を受ける機会を失った」と主張していた。」


通常型間質性肺炎の治療薬はステロイドですが、感染症による肺炎にステロイドを投与すると肺炎を悪化させます.
患者側は、この事案においてステロイドを投与して肺炎を悪化させたことの具体的な立証が難しいと考え、感染症による肺炎に対する治療を行わなかったという不作為をとらえて主張したのでしょう.なお、この過失の核心は、治療ではなく、「診断」にあるでしょう.感染症による肺炎と診断すればステロイドを投与することはなかったはずですし、抗菌剤による治療が行われたはずですから.

谷直樹

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by medical-law | 2013-06-12 23:54 | 医療事故・医療裁判

産科医療補償制度,補償対象件数が大幅に増える見込

日本医療機能評価機構の産科医療補償制度運営事業のサイトには,次のとおり
「【重要なお知らせ】補償申請の期限は、お子様の満5歳の誕生日までですので、平成21年に生まれたお子様は平成26年の誕生日までとなります。
満5歳の誕生日を過ぎると、補償申請を行うことができません。したがいまして、該当すると考えられるお子様については、それまでに補償申請の手続きをお願いします
。」
「【お問い合わせ先】
産科医療補償制度コールセンター
電話 03-5800-2231 受付時間:午前9時〜午後5時(土日祝除く)」

と掲載されています.


CBニュース「産科補償の対象件数、大幅増の見込み-医療機能評価機構」(2013円6月10日)は,次のとおり報じました.

「日本医療機能評価機構は10日、分娩時に発症した重度脳性まひ児に補償金を支払う「産科医療補償制度」の運営委員会を開き、補償対象件数が今後、大幅に増えるとの見込みを明らかにした。昨年9月ごろに制度の周知を強化してから、問い合わせや申請書類の請求の増加傾向が続いているためで、同機構は「まだ申請されていない事案が相当数、存在している可能性がある」とみている。

 同機構によると、今年3-5月の補償申請に関する問い合わせ件数は564件で、前年同期の約3.7倍。この間の補償申請書類の請求件数は143件で、前年同期の約2.3倍に増えた。
 2009年1月の制度開始から今年5月末までに補償対象に認定されたのは501件で、09年生まれの児に限ると199件。09年生まれの児で、申請書類は請求されているものの審査が完了していない例が113件あるほか、書類の請求件数などの増加傾向が続いていることから、同機構は、補償対象件数がこれから大幅に増えると見込んでいる。

 09年生まれの児が補償を申請できるのは来年に5歳の誕生日を迎えるまでで、同機構は、申請漏れがないよう周知を強化する方針だ。

 この制度では、補償対象と認定された児に一律3000万円を支払う一方、分娩機関が1分娩につき3万円の掛け金を支払っている。これらの金額は、補償対象を年間500-800件と推計して設定された。【高崎慎也】」


剰余が生じるのであれば,補償金額を引き上げるべきと思いますが,補償件数については,もうしばらく様子をみないと分からないようです.

谷直樹

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by medical-law | 2013-06-11 01:14 | 医療事故・医療裁判

平成24年の医事関係訴訟(地裁民事第1審)

最高裁のサイトに,先月,平成24年の医事関係訴訟(地裁民事第1審)に関する統計が掲載されました.

1.医事関係訴訟事件の処理状況及び平均審理期間

2.医事関係訴訟事件の終局区分別既済件数及びその割合

3.地裁民事第一審通常訴訟事件・医事関係訴訟事件の認容率

4.医事関係訴訟事件(地裁)の診療科目別既済件数

平成24年の医事関係訴訟(地裁民事第1審)の新受が793件,既済が844件でした.
訴訟前の示談交渉がまとまらず,医療ADRも応諾してもらえないなどの事情でやむなく訴訟となるのでしょうが,さすがに793件は多いように思います.今後,医療ADRの充実により,医事関係訴訟が減ることを期待します.

平成17年以降,裁判所が新しく受ける件数(新受)より事件が終了する件数(既済)のほうが多い状態が続いています.裁判所に医事関係事件が滞留しているということはもはやないようです.
平成24年の平均審理期間は,24.5月です.

平成24年の医事関係訴訟(地裁民事第1審)の判決は,319件・37.8%と,平成23年(294件・36.7%)より,判決件数・判決率とも上昇しています.
認容率(原告勝訴)率は,22.6%と平成23年(25.4%)より下がっています.
医事関係訴訟は,裁判上の和解で終わることも多いのですが,依然として,原告(患者)側にとって厳しい状況が続いていることが分かります.

谷直樹

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by medical-law | 2013-06-10 07:39 | 医療事故・医療裁判

熊本フォーラム,受動喫煙防止対策を進めるべき

熊本日日新聞 「防ごう!受動喫煙 熊本市で全国禁煙推進研究会」 (2013年06月09日)は,次のとおりじました.

「「第13回全国禁煙推進研究会 2013世界禁煙デー熊本フォーラム」が9日、熊本市中央区の県民交流館パレアで開かれ、医療関係者や市民ら約500人が参加。たばこの煙による健康被害や受動喫煙対策の大切さなどを学んだ。

 厚生労働省や県医師会、市民団体「くまもと禁煙推進フォーラム」などの主催で、県内での開催は初めて。

 厚生労働省健康局の野田博之・たばこ対策専門官は「国内では喫煙で年間約13万人が死亡し、約6800人が受動喫煙で死亡していると推計される」と説明。がん対策推進基本計画では成人喫煙率を2022年度までに12%に下げる目標を掲げ、受動喫煙防止対策にも力を入れていることを紹介した。

 大阪がん循環器予防センターの中村正和予防推進部長は「『分煙』では受動喫煙を完全に防止できない。国際的には『建物内禁煙』が求められている」と指摘。

 産業医科大の大和浩教授は「飲食店の喫煙席のPM2・5(微小粒子状物質)濃度は外出自粛レベルを大きく超えている。働く人への影響も考え、受動喫煙対策を進めるべきだ」と訴えた。(田中祥三)」


時間があれば聞きに行こうと思っていたのですが.仕事が詰まっていて行けませんでした.
とるべき対策は,分煙ではなく,完全禁煙でしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2013-06-10 06:54 | タバコ

B型・C型ウイルス性肝炎による死者数が世界で急増

日本経済新聞「ウイルス性肝炎の死者急増 2010年140万人、WHOが対策」(2013年6月7日)は,次のとおり報じました.

 「【シンガポール=共同】B型、C型のウイルス性肝炎による死者数がアジアを中心に世界で急増し、2010年の死者は当初の予想を超える140万人以上となったことが7日分かった。世界保健機関(WHO)は同日、シンガポールで記者会見し、エイズウイルス(HIV)と同様に肝炎対策に本格的に取り組む方針を明らかにした。

 WHOは、B型、C型のウイルス性肝炎の感染者は症状の出ていない人も含め世界で5億人以上いるとみており、感染防止や治療に向け各国の政府や研究者と連携する横断的組織「世界肝炎ネットワーク」を同日付で設立した。

 米ワシントン大の保健指標評価研究所が昨年12月に公表した調査によると、10年のウイルス性肝炎による死者は約144万人でHIVとほぼ同数。20年前に比べ46%増加し、結核やマラリアの死者数を上回った。

 WHOによる肝炎への組織的な取り組みが始まったのは07年ごろからで、担当者の数はHIVやマラリアに比べ「20~30分の1」(関係者)にすぎないのが現状という。

 日本の厚生労働省によると、日本のウイルス性肝炎の年間死者数は最新の11年のデータでB型が517人、C型が4737人。B型肝炎ワクチンについては、昨年5月に厚労省の専門家会議が定期接種化することを提言したのを受け、検討が進められている。

 B型、C型肝炎のウイルスは主に血液を介して感染する。自覚症状がないまま肝硬変や肝がんに進行するケースもある。〔共同〕」


日本の厚労省も肝炎対策に本腰をいれてほしいです.

谷直樹

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by medical-law | 2013-06-08 02:18 | 医療