弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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神戸市立医療センター中央市民病院,HBV陽性を陰性と勘違いし抗がん剤治療で悪性リンパ腫患者死亡(報道)

中日新聞「検査怠り、肝炎で男性患者死亡 神戸、医師が勘違い」(2013年10月9日)は,次のとおり報じました.

「神戸市民病院機構は9日、市立医療センター中央市民病院で、B型肝炎ウイルスに感染していた60代の男性に抗がん剤を投与した際に、医師が必要な血液検査を怠り、男性が劇症肝炎を発症して死亡したと発表した。

感染者が抗がん剤などの化学療法を受けると、免疫力が低下してB型肝炎ウイルスが再活性化し、肝炎を発症する恐れがある。

このため、厚労省のガイドラインは、化学療法と並行した血液検査など適切な処置を定めている。

同機構によると、男性は悪性リンパ腫の治療で入院。治療前のB型肝炎ウイルス検査で陽性だったが、担当医師が陰性と勘違いし、その後の血液検査を怠ったという。」


悪性リンパ腫の治療成績は,リツキサン(一般名:リツキシマブ)登場で向上し,ゼヴァリン(一般名:イブリツモマブチウキセタン),トレアキシン(一般名:ベンダムスチン)が登場して,さらに向上しました.

本ブログ「大阪大学医学部附属病院,B型肝炎キャリアの悪性リンパ腫患者へのリツキシマブ投与で提訴される(報道)」にも書きましたが,リツキサン(一般名:リツキシマブ)がB型肝炎ウイルスを活性化させることから,治療前のB型肝炎ウイルス検査は必須とされています.

医師がどうして「陽性」を「陰性」と勘違いしたのかわかりませんが,これは重大なミスと言えるでしょう.
ただ,勘違いは起こり得ることですから,本件を単にその医師のミスとしてすませるのではなく,病院にチェックするシステムがなかったことを問題とし,再発防止策を検討していただきたく思います.

谷直樹

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by medical-law | 2013-10-10 00:25 | 医療事故・医療裁判

大分地裁平成25年9月30日判決,手術を止血用具のない刑務所診察室で行った事案,賠償命じる(報道)

読売新聞「刑務所での手術ミスで後遺症、国に賠償命令」(2013年10月1日)は,次のとおり報じました.

「大分刑務所(大分市)での手術ミスで後遺症が残ったとして、受刑者の男性(31)が国に355万円の損害賠償を求めた訴訟で、大分地裁(宮武康裁判長)は30日、刑務所の医師の過失を認め、国に100万円の支払いを命じた。

判決によると、男性は2007年11月、刑務所の診察室で、医師から下半身の腫瘤しゅりゅうの切除手術を受けた。その後、患部が内出血し、皮膚に炎症が起きるなどした。宮武裁判長は「止血のための電気メスを準備するなどの注意義務を怠ったうえ、血管を損傷させたことに気付かないまま縫合し、皮下出血を生じさせた」と医師の過失を認定し、今後の治療費や慰謝料を認めた。」


大分放送「受刑者の手術ミス賠償訴訟で国に支払い命令」(2013年9月30日)は,次のとおり報じました.

「2007年大分刑務所の受刑者が刑務所内で受けた腫瘍の摘出手術で後遺症が残ったとして国に対し損害賠償を求めた裁判で、大分地裁は国に100万円の支払いを言い渡しました。この裁判は大分刑務所に服役している31歳の男性受刑者が2007年、当時の医務課長に腫瘍の摘出手術を受けた後、尿道などに後遺症が起きたとして国に対し355万円の損害賠償を求めたものです。きょうの判決で大分地裁の宮武康裁判長は「手術の際、止血用具を準備するなどの注意義務があるが医師が怠った」として医師側の過失を認め国に100万円の支払いを命じました。判決を受けて大分刑務所の杉本令二所長は「判決内容を精査し適切に対応してまいりたい」とコメントしています。」

止血用具を準備せずに手術を行ったとすれば,控訴の余地はないでしょう.
そもそも,腫瘍の摘出手術を刑務所の診察室で行うこと自体問題でしょう.


谷直樹

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by medical-law | 2013-10-09 23:35 | 医療事故・医療裁判

日本OTC医薬品協会、OTC医薬品等の承認の可否の審査を行う委員から日本医師会・日本薬剤師会を外すよう要望

日本OTC医薬品協会は、2013年10月7日、厚生労働大臣に、「一般用医薬品(対外診断薬を含む。)のスイッチ承認審査の迅速実施について(緊急要望)」をだしました.

「日本OTC医薬品協会では、スイッチ化の促進に向けて提言を行ってきたが、スイッチOTC、特に生活習慣病分野の承認審査が、一部の利害関係者の発言により不当に妨げられていることに対し、以下の緊急提言を行う。

1.薬事法に基づくスイッチOTCの承認審査については、早急かつ全面的に業務を進めて頂きたい。
なお、スイッチを行っても、当該医療用医薬品は薬価リストから除かれることはないので、医療の場で支障をきたすことはない。

2.厚生労働大臣の諮問機関である薬事・食品衛生審議会において、利害関係者からの強硬な発言等により、昨年末以降、長期にわたり、不当に承認審査手続きが停滞している。 その様なことが再発しないよう以下の措置を検討して頂きたい。
(ア) OTC医薬品等の承認の可否を審査する委員から、医師会や薬剤師会等の利害関係者を外すこと。 審議会での審査に、利害関係者が入つていることは、欧米先進国では見られないことである。
(イ) 上記措置を講じた上で、わが国においてもスイッチOTCの承認に当って、日本医師会、日本薬剤師会を含め、生活者や供給事業者等の広範な利害関係者の参加を得て、公開の場での論議を進める米国FDA等で実施している公開討論会(Public hearing)を採用するといった改善策を講じること。

3.生活習慣病領域のスイッチOTCの活用では定期的な健診とアドバイスが必要であると考える。スイッチOTCを購入し活用する生活者は、国が勧める健康診断や特定健診等の機会を活用し、医療専門家のアドバイスを得ることを励行させる取組みを、国として進めて頂きたい。」


しかし、日本医師会・日本薬剤師会が権益のためにスイッチ承認審査を遅らせている、という見方は、いかがなものでしょうか.
薬剤消費者の安全性を考慮すると、安易にスイッチOTCをすすめるべきではない、と考えますし、日本医師会・日本薬剤師会は、国民の健康を守る立場から発言していると思います.

日本医師会の日本経済新聞に対する抗議文も紹介します.

日医ニュース第1250号(平成25年10月5日)の「日刊紙記事に対して,抗議文を送付」は、次のとおり伝えています.

「日医は,このほど,日経新聞の九月十五日付の紙面に掲載された記事「規制岩盤を崩す 会わないとダメですか 対面信仰医療・教育しばる」に対して,石川広己広報担当常任理事名で抗議文を作成し,日経新聞社社長宛てに発出した.

 抗議文では,まず,同記事について,医療行為に対する事実誤認に基づく重大な間違いがあり,医学的に根拠のない情報を意図的に流布して国民の健康を危うくする煽動的記事と断じざるを得ないと指摘.特に,以下の三点の記述(一)「対面信仰 医療・教育しばる」「対面イコール安心」,(二)「生活習慣病ならネットで医師が診断し,ネットで薬も届ければいい.阻むのは『医療行為は対面でないと危ない』と唱える医師や厚労省だ」,(三)「ネット販売がどんどん広がると医師や薬剤師の仕事が減りかねない『安全』を盾に既得権益を守る姿に映る」─を問題視し,強く抗議している.
 (一)については,医療行為においては対面での診療なくして適切な診断を下すことは出来ず,既に認められている遠隔診断においても,最終的に「診断」を行うのは,患者と日常接している医師であるとして,対面診断の重要性を強調.経済界では,対面営業を廃止し,ネット販売に特化している業者もあるが,その理由はあくまでも事務コストの削減という経済的視点からであり,医療行為を商取引の手続きと同列に論じることは重大な間違いであるとした.
 (二)に対しても,生活習慣病は,さまざまな症状が複合して命に関わる症状を来すこともあり,このような医学的に根拠のない報道は,国民の健康を危うくするばかりでなく,地域医療の現場で生活習慣病の予防と治療に取り組んでいる医師の努力を冒涜するものであると批判.また,(三)に関しても,「医薬品のネット販売が野放図に行われれば,国民の命と健康が危険に晒される恐れがあること」「わが国では不幸な薬害被害が繰り返されてきたこと」を挙げ,政府による適切な規制は必要だとするとともに,あたかも医師と薬剤師が「既得権益」なるものを振りかざして,悪い生業を営んでいるかのような記述は根拠のない言い掛かりと断じた.
 その上で,日医は,誤った記事が独り歩きすることにより,結果として医療に関わる国の適切な規制が壊れることになることを危惧しているとして,日経新聞社に対し,再びこのような記事を掲載することのないよう強く求めている.」


日本医師会の主張は、きわめてまっとうな意見である、と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2013-10-09 02:05 | 医療

スイッチ直後品目等の検討・検証に関する専門家会合,28品目について報告書まとめる

毎日新聞「市販薬ネット販売:販売者に高いハードル 厚労省検討会」(2013年10月8日)は、次のとおり報じました. 

「一般用医薬品(市販薬)のインターネット販売を巡り、副作用リスクの高い医薬品の取り扱いを議論してきた厚生労働省の有識者検討会は8日、健康被害を防ぐため、販売者に購入者の状態を慎重に確認することを求める報告書をまとめた。使用者以外への販売を認めないなど新たな規制も提言。店舗での対面販売でも同様の扱いを求めている。ネット販売の可否に言及はしなかったが、高いハードルを課す内容となった。

 対象の医薬品は現在28品目。現在はネット販売が事実上解禁状態になっている。厚労省は、報告書を踏まえて政府内でネット販売の是非を最終判断する。

 検討会は、医師の処方箋がいる医療用から市販薬に転用されて4年以内の医薬品について、製薬会社による市販後の副作用調査や国のリスク評価が終了しておらず、多量に服用したりした場合に健康被害が出る恐れがあると判断。薬剤師が購入者と双方向で臨機応変にやり取りして状態を把握し、2回目以降の販売時は副作用をチェックする必要があるとした。

 さらに、大量購入を防ぐため個数制限を設け、使用者以外の代理人への販売や常備薬としての購入は禁止するよう提言。劇薬指定の医薬品についても、市販直後の医薬品と同様の扱いを求めた。

 座長を務めた五十嵐隆・日本小児科学会長は検討会終了後、「現状のネット販売では(市販直後などの医薬品の取り扱いで)不安なところがある」と話した。【桐野耕一】」


概要.pdf
◯とりまとめ.pdf

スイッチ直後品目等の検討・検証に関する専門家会合がとりまとめた「スイッチ直後品目等の特性及び販売時の留意点について」は、次のとおりです.

1.はじめに

一般用医薬品のインターネット販売に関し、日本再興戦略(平成25 年6月14 日閣議決定)において、「『スイッチ直後品目』及び『劇薬指定品目』については、他の一般用医薬品とはその性質が異なるため、医療用に準じた形での慎重な販売や使用を促すための仕組みについて、その成分、用法、用量、副作用の発現状況等の観点から、医学・薬学等それぞれの分野の専門家による所要の検討を行う。秋頃までに結論を得て、所要の制度的な措置を講じる。」こととされた。
これを受けて、「スイッチ直後品目」及び「劇薬指定品目」の医学・薬学的観点からの特性と販売時の留意点について検討するため、本年8月に本専門家会合が設置され、これまで議論を行ってきた。
今般、これまでの議論を踏まえて、「スイッチ直後品目」及び「劇薬指定品目」の医学・薬学的観点からの特性や販売時の留意点などについて、取りまとめを行った。

2.スイッチ直後品目等の特性

(1)スイッチ直後品目の特性

スイッチ直後品目は、医療用医薬品から一般用医薬品に転用(スイッチ)された直後の医薬品、すなわち、医療従事者による厳格な管理から外された直後で、かつ一般用として専門家の関与が大きく減少し、広く様々な状態の下で使用されうる医薬品であるため、以下の原因により、新たな健康被害・有害事象が発現するおそれがある。
また、そのリスクも不明な状況であり、必要なリスク低減方策も採られていない。
このため、本来の一般用医薬品とは別の医療用に準じたカテゴリーのものとして認識すべきものである。
・ 使用者の変化、適用から外れた状態での使用
・ 連用や本来受診すべき状態の放置
・ 多量や頻回の使用、乱用
・ 服用中の他の医薬品や健康食品等との相互作用
・ 副作用の兆候の見逃し

(2)劇薬指定品目の特性

劇薬指定品目は、ストリキニーネ、ホルマリンなど、非常に毒性の強い成分であり、薬事法上も、安全な取扱いをすることについて不安があると認められる者には、販売してはならないこととされている。

3.スイッチ直後品目等の販売時の留意点

(1)スイッチ直後品目の販売時の留意点

スイッチ直後品目については、新たな健康被害・有害事象が発現するおそれがあることや、一般用医薬品としてのリスクが不明な状況にあることを踏まえ、販売時には、以下の点に留意することが必要である。

① 以下の必要性を踏まえ、薬剤師と購入者の双方向での柔軟かつ臨機応変なやりとりを通じて、使用者の状態を慎重に確認するとともに、適切な指導と指導内容の確実な理解の確認を行った上で販売するなど、医療用に準じた最大限の情報収集と、個々人の状態を踏まえた最適な情報提供を可能とする体制を確保した上で、丁寧かつ慎重な販売が求められる。

・ 服用している医薬品や健康食品等との相互作用、副作用の兆候等も含め、薬剤師が使用者の状態を的確に把握することが必要である。特に、使用者は自らの症状の程度や状態について、正しく判断・申告できないおそれがあるため、薬剤師が知識・経験を持って直接判断することが必要である。また、2回目以降の販売時には、効果と副作用等のチェックも必要である。

・ 薬剤師から使用者に対して、スイッチ直後品目は、一般用医薬品としてのリスクが不明であり、新たな健康被害・有害事象が発現するおそれがあることを含め、当該医薬品の特性や使用方法、個々の使用者の状態に応じた注意事項等を伝達・指導するとともに、購入者の反応や対応等によりこの伝達・指導事項を確実に理解したことを薬剤師が確認した上で販売することが必要である。

② 広く大量に購入できるような形や簡便に購入できる形での流通は避けるべきである。

③ 副作用等があった際に、販売した薬剤師が責任をもって即座に対応できることが必要である。

また、今後、医療用医薬品から一般用医薬品にスイッチするものの中には、より効果が高く、副作用が強いなどリスクの高い医薬品も含まれることが想定されるところであり、上記の考え方は、今後ますます重要になってくるものである。

(2)劇薬指定品目の販売時の留意点

劇薬指定品目は、非常に毒性の強い成分であり、現行制度上も、安全な取扱いをすることについて不安があると認められる者には販売してはならないこととされていることを踏まえ、販売時には、上記(1)と同様の事項について留意が必要であるほか、購入希望者の挙動も十分観察・確認した上で販売することが必要である。

(3)代理人や症状が発症していない者への販売

上記(1)(2)のような留意点や、スイッチ直後品目等は基本的には、購入者自身が短期的な治療効果を得られるために販売されているものであると考えられることを踏まえると、使用者以外への代理人への販売や、症状が出ていない時点での常備薬としての購入は認めるべきではない。このため、このような購入希望があった際には、使用者の状態に応じて、医療機関への受診を促すなり、類似効能を持つ別の一般用医薬品を勧めることが適当である。

(4)まとめ

上記の(1)から(3)までを踏まえると、

① スイッチ直後品目については、今後医療用医薬品から一般用医薬品に転用されるものも含め、少なくとも、一般用医薬品としてのリスクが不明の期間、すなわちスイッチ直後の期間中は経過観察の期間として、これまでの販売方法ではなく、上記の(1)及び(3)の内容を確実に担保した上で販売することが適当である。

② 劇薬指定品目については、上記(2)及び(3)の内容を確実に担保した上で販売することが適当である。

4.終わりに

本専門家会合が検討の対象としたスイッチ直後品目等を含め、一般用医薬品の販売については、本年1月の最高裁判所の判決以来、具体的な販売ルールが曖昧な状況が続いており、国民の安全が確保されていない状況にある。
厚生労働省において、新たなルールを早急に策定するとともに制度的な対応を図ることを望むものであるが、スイッチ直後品目等については、本専門家会合の取りまとめを踏まえ、国民の安全を確実に確保できるものとするよう強く望むものである。
なお、一般用医薬品の販売については、安全性の確保を第一に考えることが必要不可欠であるが、国民がより安心して当該一般用医薬品を購入できるようにするという観点から、できる限り早くリスクの特定を行い、そのリスクの低減方策を検討するなど、一般用医薬品としてのリスクが不明な期間を可能な範囲で短縮することも検討してしかるべきものとの見解で、各構成員が一致したことを申し添える。
また、本専門家会合では、医療用医薬品についても議論が及び、医療用医薬品については、その効能・効果において人体に対する作用が著しく、重篤な副作用が生じるおそれがあることから、現行通り、医療従事者の直接的な関与の下で、スイッチ直後品目や劇薬指定品目以上に慎重に取り扱うことが求められるとの見解で、各構成員が一致したことを申し添える。」


2913年6月の閣議決定で、市販薬のネット販売を全面解禁することを決定されましたが、厚労省は、リスクが特に高いとされる28品目について検討を行ってきました.
その結果、やはり、リスクに配慮し、ネット販売に限らず慎重な取り扱いを求めることになりました.
当然の結論でしょう.

谷直樹

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by medical-law | 2013-10-09 00:17 | 医療

伝説の判事吉田久と彼を支えた家族の物語、『気骨の判決』

昭和17年4月の衆議院議員選挙では、政府非推薦の候補者は妨害工作をうけ落選しました.
昭和20年3月1日の大審院判決は、この衆議院選挙を無効としました.
その大審院第三民事部の裁判長が、伝説の判事吉田久氏です.

NHKの記者で2002年から2006年まで司法クラブに所属していた清永聡(きよながさとし)さんが「気骨の判決 -東條英機と闘った裁判官-」(新潮新書)を書いたことで、吉田久氏の生涯が知られるようになりました.、

劇団俳優座が、『気骨の判決』を2013年11月15日(金)から同年同月24日(日)まで、紀伊國屋ホールで公演します.

竹内一郎氏作、川口啓史氏演出です.

「太平洋戦争中の昭和17年、東條英機総理大臣の下、国政に全体的に賛成する議会を作るべく総選挙が行われた。政府への批判は非国民とされ露骨な選挙妨害が相次ぎ、各地から選挙無効の訴えが大審院に持ち込まれた。他の民事部が原告敗訴の判決を出す中、正義を求め続けた男がいた…大審院第三民事部部長(裁判長)吉田久。政府の圧力に屈することなく、真実を見つめたひとりの裁判官と彼を支えた家族の物語。」


谷直樹

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by medical-law | 2013-10-08 02:19 | 司法

日本小児整形外科学会、先天性股関節脱臼の早期診断へ実態調査

売新聞「赤ちゃん股関節脱臼、診断遅れ増加?実態調査へ」(2013年10月7日)は、次のとおり報じました.

「赤ちゃんの時に脚の付け根の関節が外れる「先天性股関節脱臼」で、診断が遅れて治りにくくなった患者が目立つとして、日本小児整形外科学会は実態調査に乗り出した。

 早期診断を徹底するため、専門家が作成した統一のチェックリストを3か月健診で導入するよう呼びかけている。

 先天性股関節脱臼は女の子に多い。生まれつき関節がはずれやすく、出生時には異常は見られなくても、その後に脱臼するケースが大半だ。

 脚を締め付けずにおむつをしたり、脚をM字に開いて正面から抱いたりするなど、日常的な工夫で脱臼を回避できる。啓発の効果や少子化で、患者数は数十年前の10分の1(1000人中1~3人)まで激減した。

 しかし、同学会によると、患者減少で知識のある医師や保健師が減ったため、0歳児の定期健診で見つからず、歩き始めてようやく異常に気づく例が報告されるようになった。生後3か月程度で治療すれば治りが早いが、1歳過ぎてからでは関節が外れたまま成長が進み、治りにくくなる」


日本小児整形外科学会のサイトの公開資料には
[乳児股関節健診の再構築にむけて]
■乳児股関節健診推奨項目
■先天性股関節脱臼予防パンフレット
が載っています.

「仰向けで寝ている時は; M字型開脚を基本に自由な運動を

抱っこは;正面抱き 「コアラ抱っこ」をしましょう

向き癖がある場合は; 反対側の脚の姿勢に注意しましょう」


と呼びかけています.


谷直樹

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by medical-law | 2013-10-08 00:31 | 医療

フェルナンデス大統領,慢性慢性硬膜下血腫で1か月の休養

アルゼンチン第56代大統領で弁護士のクリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル氏が,慢性硬膜下血腫のため1か月の休養をとると報じられました.

CNN「アルゼンチン大統領、脳内出血で1カ月休養へ」(2013年10月7日)は,次のとおり報じました.

「「アルゼンチンのフェルナンデス大統領(60)が5日、ブエノスアイレスの病院で硬膜下血腫と診断され、1カ月間の休養を言い渡された。

フェルナンデス大統領の報道官は同日、大統領が一切の活動を休止すると発表した。今月27日の議会選を前に、選挙戦の支援活動からも退くことになる。同国の憲法は大統領不在の場合に副大統領が任務を代行すると定めているが、今回これが適用されるかどうかは明らかでない。

硬膜下血腫は高齢者が頭部に外傷を負った後などに、脳の表面に血液がたまって起きる。フェルナンデス大統領は今年8月に頭を打つけがをした。直後の検査では異常なしとの結果が出ていた。

大統領は昨年1月に甲状腺がんと診断されて切除手術を受けたが、直後にがんでなかったことが判明し、診断は取り消された。」


高齢の男性は頭部外傷のあと慢性硬膜下血腫のリスクがあると言われていますが,60歳の高齢とは言えない女性でも慢性硬膜下血腫が起きるのですね.
頭部外傷には十分気をつけなければいけません.

谷直樹

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by medical-law | 2013-10-07 14:30 | 医療

医療問題弁護団,2013年10月12日美容医療ホットライン

医療問題弁護団(医弁)は,2013年10月12日に,美容医療ホットラインを行います

2013年10月12日(土) 午前9時15分~午後5時

電話番号:03-6869-9825 / 03-6869-9826


美容医療ホットライン実施要領は,次のとおりです.


「1 趣旨及び目的
医療問題弁護団では、美容医療の施術による健康被害の実態を把握するとともに、被害の救済を行うことを目的として、健康被害を受けた被害者を対象とする美容医療ホットラインを実施し、電話相談を行ないます。

2 美容医療ホットラインで対象とする相談事項
美容医療ホットラインにおいては、美容医療及びエステサロンの施術により受けた健康被害に関する相談を対象とします。インプラント(歯科)やレーシック(眼科)等、美容医療以外の分野に関する法律相談は、美容医療ホットラインの対象外となります。
なお、6に記載しますとおり、美容医療ホットライン対象外の分野に関する相談については、医療問題弁護団が常時実施している法律相談で受け付けています。

3 美容医療ホットライン実施日時及び電話番号
平成25年10月12日(土) 午前9時15分~午後5時
電話番号03-6869-9825、03-6869-9826
※ 美容医療ホットライン実施日時以外は、上記電話番号は使用できませんのでご注意ください。

4 美容医療ホットライン実施の流れ
① 美容医療ホットラインでは、医療問題弁護団に所属する弁護士が、被害に遭われた方からの相談を電話にてお受けし、治療の経緯や被害状況等をお聞きした上で、適宜アドバイスを行ないます。

② 弁護士が面談による相談を行なうことが適当であると判断し、かつ、相談者が希望する場合には、後日、弁護士2名による面談相談を行ないます。

③ 面談相談を実施後、弁護士は相談案件について協力医に意見をお聞きし、その上で相手方クリニックに対して法的責任を追及できる可能性があると判断した場合には、相談者とその後の進め方について協議します。
相談者が調査や示談交渉等を希望する場合には、弁護士との間で委任契約を締結した上で、法的責任追及の可否に関する調査や示談交渉に進みます。


5 費用等
美容医療ホットラインでの電話相談は無料です。但し、通話に要する電話料金は相談者にご負担いただきます。
弁護士との面談相談を行う場合には、相談料として3150円(消費税込み)をご負担いいただきます。
調査や示談交渉等についての委任契約を締結する際の手数料や報酬等の金額は、事案の内容を勘案の上で、弁護士と相談者の協議により決めさせていただきます。

6 その他
医療問題弁護団は、医療被害に関する法律相談を常時実施しています。
美容医療ホットラインの対象外分野についての相談や、ホットライン終了後に美容医療に関する相談を希望される場合は、医療問題弁護団事務局(03-5698-8544)までお問い合わせ下さい。
なお、医療問題弁護団で常時実施している法律相談を行なう場合には、相談料として1万0500円(消費税込み)をお支払いいただきます。」


谷直樹

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by medical-law | 2013-10-06 13:40 | 医療事故・医療裁判

田辺三菱製薬とその子会社に対する薬事法違反に係る行政処分の繰り返しが示すもの

厚生労働大臣は,田辺三菱製薬株式会社に対し,改善命令を下しました.
厚生労働大臣は,田辺三菱製薬株式会社の子会社であるバイファ(薬害エイズを引き起こした旧ミドリ十字が1996年に設立した会社)に対し,医薬品製造業の業務停止(2013年10月2日から同年10月31日まで)と改善命令を下しました.

これは,株式会社バイファの人血清アルブミン製剤「メドウェイ注5%」「メドウェイ注25%」に,申請していない成分がひそかに添加されていた薬事法違反についての処分です.

なお,「メドウェイ注5%」「メドウェイ注25%」は,データ改ざんがあり,2009年3月に回収されています.その後,製造されていません.

田辺三菱製薬とバイファは,メドウェイのデータ改ざん問題で,2010年4月に業務停止処分(田辺三菱は25日間,バイファは30日間)及び業務改善命令を受けました.
田辺三菱製薬とバイファの社内調査チームは,メドウェイのデータ改ざん問題について,社内調査を行いました.
その後,社内調査チームが発表していない,申請していない成分が添加されていた事実(薬事法違反)が内部告発により明らかになり,今回の処分につながりました.

今回のことは,社内調査には限界があり,第三者機関による調査が必要なことを示している,と思います.


谷直樹

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by medical-law | 2013-10-05 07:12 | コンプライアンス

日本製薬工業協会,ノバルティス ファーマ株式会社を会員資格停止に

日本製薬工業協会は,2013年10月3日,会員会社であるノバルティス ファーマ株式会社の高血圧症治療薬の臨床研究に係る事案について,コンプライアンス委員会の審議に基づき,「本会の目的に反する会員の行為があった場合等」に該当するとして,会員資格停止の措置をとったことを発表しました.


9月30日に厚生労働省大臣直轄の「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」が中間報告書を発表したことを受けて,10月3日,スイス本社ノバルティスファーマ社長,同チーフ・コマーシャル・オフィサー,ノバルティスファーマ株式会社 代表取締役社長,ノバルティスホールディングジャパン株式会社 代表取締役社長が記者会見を行いました.

ノバルティス ファーマのサイトに掲載されている,会見要旨は,以下のとおりです.

このたびは、日本で行われた医師主導臨床研究につきまして、患者様とそのご家族、医療関係者の皆様をはじめ、多くの方々に多大なご心配とご迷惑をおかけしたこと、また、臨床研究の信頼性を著しく損なうとともに、日本社会の不利益につながる事態を引き起こしてしまったことについて、ノバルティス グループを代表して、心よりお詫びいたします。

私どもは高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会の報告書において受けたご指摘を厳粛に受け止め、十分反省し、本事案の解決に向けて会社として真摯に取り組んで参ることを表明し、引き続き当局の調査への全面的な協力を通じて、真相解明に協力していきたいと考えております。また、このようなことを繰り返さないよう再発防止に取り組んで参ります。

再発防止策の一環として、ノバルティスのグローバル本社でチーフ・コマーシャル・オフィサーであるエリック・コルヌート(Eric Cornut)を日本のノバルティスの会長に任命しました。コルヌートは、ノバルティス本社による日本のノバルティスに対するガバナンスの強化に努めます。また、ノバルティス ファーマ株式会社に再発防止委員会を設置します。この委員会はノバルティスの役員と社外の専門家により構成され、再発防止について助言します。さらに、日本におけるノバルティスの最高経営責任者である石川と二之宮の両社長は、利益相反の状態を見過ごしてきたことを反省する意味で、今回の事案が解決するまで30%の減俸処分となります。今後は新設される再発防止委員会の助言を得ながら企業倫理ならびにコンプライアンスの向上に向けて全力を尽くして参ります。

今後も、厚生労働省の調査に全面的に協力してまいります。産学連携の重要性を認識し、研究の信頼回復のために、厚生労働省の指導も受けながら弊社が出来ることに前向きに貢献していきたいと考えています。

ノバルティスは2007年以来、日本の患者様に15件の新規化合物の新薬と16件の適用拡大による新薬をお届けして参りました。弊社はこれからも日本の社会、日本の患者さんに新薬を届けることに全力で取り組んで参ります。」


この会見要旨を読んで,同社の誠意を感じられたでしょうか.

朝日新聞「ノバルティス社長、逃げの答えに終始 論文不正会見」(2013年10月3日)は「高血圧治療薬ディオバン(一般名・バルサルタン)の臨床研究に関する論文のデータが不正に操作されていた問題で、ノバルティスファーマ・スイス本社のデビッド・エプスタイン社長らが3日、都内で記者会見を開いた。米科学誌など内外メディアの報道陣の質問に答えたが、不正を防げなかった具体的な過程は説明せず、逃げの答えに終始した。」と報じました.

具体的な事実経過の説明と具体的な対策のない会見では,事態を収拾することはできないでしょう.
ディオバン問題については,未だに事実が明らかになっていません.


谷直樹

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by medical-law | 2013-10-05 03:31 | コンプライアンス