弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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日本産科婦人科内視鏡学会、電動モルセレータによる子宮筋腫核出細切除去術のがん拡散リスクについて発表

一般社団法人日本産科婦人科内視鏡学会(理事長吉村泰典氏)は、2014 年 5 月 21 日 、腹腔鏡下の子宮摘出術と子宮筋腫核出術における電動モルセレータの使用についてのご案内をサイトに掲載しました.

「これまで子宮筋腫の手術を受けた患者様及び、これから手術を予定されている患者様へ」では、次のとおり述べています.


「この度米国 FDA より「子宮筋腫がある女性の腹腔鏡下の子宮摘出術または子宮筋腫核出術に電動モルセレータを使用した細切除去術を実施した場合、想定されていなかったがん組織、特に子宮肉腫があった場合に子宮以外の場所にがんをまき散らすリスクがある」とのコメントが提示されました。
日本国内におきましては、子宮筋腫の手術の際にこれらリスクを回避するために術前に病理診断と MRI 診断等を行っております。指摘されているリスクは非常に少ないものと推察されますが、これら術前診断により悪性が 100%除外できるものではありません。過去に手術を受けられてご心配な方は、手術を受けられた医師又は医療機関にご相談ください。
これから手術を予定されておられる患者様におかれましては、各医療施設の状況により予定の変更をお願いする可能性がございます。誠に申し訳ございませんが、ご理解をいただきたくお願い申し上げます。又、手術の方法につきましてもさまざまな選択肢を含め、主治医と十分にご相談をいただきますようお願い申し上げます。」


谷直樹

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by medical-law | 2014-05-22 02:18 | 医療事故・医療裁判

横浜地裁平成26年5月21日判決、自衛隊機の夜間早朝の飛行差し止めと70億円の損害賠償を命じる(報道)

NHK「厚木基地騒音訴訟 夜間飛行差し止め認める」(2014年5月21日)は次のとおり報じました.

「神奈川県の厚木基地の周辺住民が航空機の騒音被害を訴えて国に飛行の差し止めや損害賠償を求めていた第4次厚木基地騒音訴訟で、横浜地方裁判所は騒音被害の違法性を認め、自衛隊機の夜間と早朝の飛行の差し止めを認めるとともに、国におよそ70億円の損害賠償を命じる判決を言い渡しました。
基地の航空機の飛行の差し止めが認められたのは全国で初めてです。

第4次厚木基地騒音訴訟では、基地の周辺住民およそ7000人が在日アメリカ海軍と海上自衛隊の航空機の騒音被害を訴えて、基地を管理する国に対し、損害賠償と夜間などの飛行の差し止めを求めていました。
21日の判決で、横浜地方裁判所の佐村浩之裁判長は「基地周辺の住民が受けている被害は健康または生活環境に関わる重要な利益の侵害であり、当然に受け入れなければならないような軽度の被害であるとはいえない」として騒音被害の違法性を認めました。
そのうえで「特に騒音による睡眠妨害は健康被害に直接結びつく相当深刻な被害と言えるもので、住民による飛行の差し止め請求には理由が認められる」などとして午後10時から午前6時までの間、防衛大臣がやむをえないと認める場合を除き、自衛隊機の飛行の差し止めを認めました。
基地の航空機の飛行の差し止めが認められたのは全国で初めてです。
また、賠償の訴えについても、佐村裁判長は「被害の重大性、違法な状態の継続に加え、基地周辺の環境の保全に関する一般的な責務を国が果たしているとは言い難い」と述べ、これまでで最も多いおよそ70億円の支払いを命じました。
一方、米軍機の飛行差し止めの訴えについては、日本の法律では差し止めの対象にはならないなどとして退けました。
裁判所の前には原告の人たちが集まり、判決の内容が伝えられると、大きな拍手と歓声があがりました。
神奈川県大和市に住む原告の76歳の男性は「これで一歩前進ですが、米軍機については一切触れていないので、うれしさ半分、悲しさ半分です。これからもう一回、立ち上がっていきたい」と話していました。
また、相模原市に住む原告の46歳の女性は「賠償が認められたことに加えて、行政訴訟で、自衛隊機の夜間と早朝の飛行の差し止めが命じられたのはすごくよかったと思います」と話していました。
.

原告弁護団「防衛行政に影響」

今回の判決について、原告の弁護団は「航空機訴訟で差し止めを一部認めたのは、わが国始まって以来のことであり、今後の防衛行政に大きな影響を与えると思います」と話していました。


在日アメリカ海軍司令部は

判決について、神奈川県横須賀市にある在日アメリカ海軍司令部は「判決の内容を詳しく承知していないので、現時点ではコメントを差し控えたい」と話しています。


官房長官「大変に厳しい判決」

菅官房長官は午後の記者会見で、「国の主張について裁判所の理解が得られなかったということで、大変に厳しい判決だと受け止めている。判決文を精査したうえで、関係省庁が調整し、適切に対応していきたい」と述べました。


防衛大臣「受け入れがたい部分も」

小野寺防衛大臣は「国の主張に裁判所の理解が得られず残念だ。自衛隊機の運航の一部差止めなど、防衛省にとって受け入れがたい部分があり、判決内容を慎重に精査し、関係機関との調整のうえ適切に対処したい。防衛省としては、引き続き厚木基地周辺の生活環境の整備などに、いっそう努力していきたい」というコメントを出しました。


訴訟これまでの経緯

厚木基地の航空機の騒音被害を巡っては、昭和51年の最初の提訴以来、これまで3次にわたって裁判が行われてきました。
裁判所は、いずれも騒音被害の違法性を認め、国に周辺住民への損害賠償を命じた判決が確定しています。
しかし、住民たちは第1次の訴訟の判決が確定してから、およそ10年たっても「事態は全く改善されていない」として、平成19年、今回の第4次の訴訟に踏み切りました。
原告の数は、平成18年に、国が住宅の防音工事の費用を助成する区域を20年ぶりに拡大したことなどから、基地がある神奈川県大和市と綾瀬市、それに周辺の東京・町田市など、8つの市で合わせておよそ7000人に上り過去最大の規模となりました。
住民たちは、損害賠償と共に夜間などの飛行の差し止めを強く求めてきました。
第1次と第2次の訴訟で、住民側は、民事訴訟で飛行の差し止めを求めましたが、裁判所は自衛隊機の運航は「公権力の行使」にあたるため民事訴訟には適さず、また、米軍機には「国の支配は及ばない」として訴えを退けてきました。
このため住民側は、自衛隊機の運航や米軍機への滑走路の使用許可は防衛大臣の権限だとして今回初めて行政訴訟でも飛行の差し止めを求め、裁判所がどのような判断を示すのか、注目されていました。


各地の裁判にも影響か

基地周辺の騒音を巡る裁判は全国各地で起こされ、国の責任を認めて賠償を命じる判断が定着していますが、飛行の差し止めが認められたのは初めてです。
基地周辺の騒音を巡っては、今回の厚木基地のほかにも東京都の横田基地、沖縄県の嘉手納基地など各地で裁判が起こされてきました。
これまでの裁判では騒音被害に対して「国が対策をとっていない」として国の責任を認めて賠償を命じる一方で、飛行の差し止めについては「米軍が管理する基地の活動を日本政府が制限することはできない」などとして、認めない判断が定着してきました。
21日の判決で、裁判長は、米軍機の飛行は差し止めの対象にならないと判断しました。
しかし、自衛隊機については、防衛大臣の権限の行使は差し止めの対象になると判断したうえで、基地の騒音は、住民にとって相当深刻な被害だとして、夜間と早朝の飛行を禁じるというこれまでにない踏み込んだ判断を示しました。
差し止めの対象を広げた21日の判決は、基地の騒音を巡って現在も続いている各地の裁判にも影響を与えそうです。


「画期的な判決だ」

判決について、地方行政に詳しい千葉大学名誉教授の新藤宗幸さんは「画期的な判決だ。裁判所はこれまで安全保障や外交、軍事など国家の中枢に関わる問題について判断を避けてきた。今回の判決が司法行政の姿勢が変わるきっかけになってほしい」と話しています。


「司法が国の対応を待てないと判断」

今回の判決について、安全保障が専門で流通経済大学教授の植村秀樹さんは、「各地の裁判で騒音被害の違法性が認められてきたにもかかわらず、国は踏み込んだ対応を取らず問題を放置してきたと言え、飛行差し止めが初めて命じられたことは、国の対応をこれ以上、待つことはできないと司法が判断したといえる」と指摘しています。
そのうえで「日本の安全保障政策は、ともすると住民の生活よりアメリカ軍機の運用を重視する姿勢が強かったが、今回の判決をきっかけに住民への影響を踏まえて基地問題を議論し、安全保障政策を見直していくべきだ」と指摘しています。


「うるささ指数」とは?

今回の裁判では、航空機による騒音被害を評価する国際基準、「うるささ指数」で一定の基準に達した地域の住民が訴えを起こしました。
「うるささ指数」は騒音の大きさや頻度、それに発生する時間帯などから算出し、国は75以上の指数に達した区域を住宅の防音工事の助成対象としています。
厚木基地の周辺では神奈川県の大和市と綾瀬市、相模原市、座間市、藤沢市、海老名市、茅ヶ崎市、それに東京・町田市の8つの市のそれぞれ一部の地域が75以上の指数に達しています。
南関東防衛局によりますと、この区域にはおよそ24万4000世帯が暮らしているということです。」


佐村浩之判事は、司法修習33期の良識あるベテラン判事です.司法の場では、今まで自衛隊への過度の気遣いからか差し止めが認めれられずにきたのですが、ようやく、午後10時から午前6時までの飛行差し止めという常識的かつ画期的な判決がでました.


谷直樹

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by medical-law | 2014-05-22 01:37 | 司法

福井地裁平成26年5月21日判決、関西電力に大飯原発の3号機と4号機を運転再開しないよう命じる(報道)

NHK「大飯原発 運転再開認めない判決」(2014年5月21日)は、次のとおり報じました.

「福井県にある関西電力大飯原子力発電所の3号機と4号機の安全性を巡る裁判で、福井地方裁判所は21日、「原発には極めて高度な安全性や信頼性が求められているのに、確たる証拠のない楽観的な見通しの下に成り立っている」と指摘し、住民側の訴えを認め、関西電力に対し、運転を再開しないよう命じる判決を言い渡しました。
東京電力福島第一原発の事故のあと、原発の運転再開を認めないという判断は初めてで、原発の安全性を巡る議論に影響を与えそうです。

福井県にある大飯原発の3号機と4号機は福島第一原発の事故のあと、おととし運転を再開しましたが、去年9月に定期検査に入り、現在、運転を停止しています。
裁判を起こした周辺住民などは「安全対策が不十分だ」として運転を再開しないよう求め、これに対し、関西電力は「安全上問題はない」と反論していました。
判決で福井地方裁判所の樋口英明裁判長は、はじめに「福島の原発事故では15万人もの住民が避難生活を余儀なくされ、原発には極めて高度な安全性や信頼性が求められている」と述べました。
そのうえで「原発の周辺で起きる地震の揺れを想定した『基準地震動』を上回る揺れがこの10年足らずの間に、全国の原発で5回も観測されていることを重視すべきだ。大飯原発の基準地震動も信頼できない」と指摘し、さらに「地震が起きた時に原子炉を冷却する機能などに欠陥がある。原発の安全性などが確たる証拠のない楽観的な見通しの下に成り立っている」と述べました。
そして「福島第一原発の事故では一時、250キロ圏内の住民の避難が検討されたことがある」などとして、原告のうち、原発から250キロ圏内の住民について訴えを認め、関西電力に対して大飯原発の3号機と4号機を運転再開しないよう命じました。
福島第一原発の事故のあと、原発の運転再開を認めないという判断は初めてです。
最後に樋口裁判長は「電力会社側は原発の運転が電力供給の安定性やコストの低減につながると主張するが、多くの人の生存そのものに関わる権利と電気代の問題を並べて判断することは法的に許されない」と述べ、「豊かな国土と国民が根を下ろして生活していることを取り戻せなくなることが国の財産の喪失だ」と強調しました。
大飯原発を含む全国の原発を巡っては、現在、原子力規制委員会が運転再開の前提となる安全審査を進めているところで、21日の判決は原発の安全性を巡る議論に影響を与えそうです。

全国の原発裁判にも影響か
原子力発電所や原子力施設を対象に運転の停止などを求める訴えは、弁護団によりますと全国でおよそ30件起こされていて、21日の判決は各地の今後の裁判にも影響を与えそうです。
原発の運転停止などを求めた訴えは愛媛県の四国電力伊方原発に対する裁判など、昭和40年代から各地で起こされましたがほとんどが退けられてきました。
このうち石川県の北陸電力志賀原発と福井県の高速増殖炉「もんじゅ」を巡る裁判では、原告の訴えを認める判決も出されましたがこの2件もその後、高等裁判所や最高裁判所で訴えが退けられて確定しました。
しかし3年前の東京電力福島第一原発の事故のあと、原発などに対する裁判や仮処分の申し立てが再び各地で相次いで起こされています。
「脱原発弁護団全国連絡会」によりますと、現在、建設中や建設予定も含めて北海道から九州までの16の原発や原子力施設を対象に運転をしないことや設置を許可しないことなどを求めて合わせておよそ30件の訴えが起きていて、21日の判決は各地の今後の裁判にも影響を与えそうです。
また、原発事故のあと全国の弁護士会でも原発に関するシンポジウムや勉強会が開かれたり、裁判官が審理の進め方などを意見交換する司法研修所の研究会でも、原発訴訟がテーマとして取り上げられるなど関心が高まっていました。

判決のポイント
判決は、全国の原発で行われている地震の想定の根拠について「楽観的な見通しに過ぎない」と厳しく批判しました。

基準地震動について
全国の原発では国の基準に基づいて、電力会社が原発の周辺で起きる可能性のある地震の揺れの強さを想定して「基準地震動」を定めています。
裁判のなかで関西電力は、大飯原発の「基準地震動」を700ガルとしてきました。
しかし、21日の判決では、「この10年足らずの間に『基準地震動』を超える揺れが5回観測されていることを重視すべきだ。地震大国の日本において、大飯原発に基準地震動を超える揺れの地震が来ないというのは、根拠のない楽観的な見通しに過ぎない」と厳しく批判しました。

冷却機能の欠陥
また、原子炉の冷却機能についても「基準地震動より小さな揺れでも原子炉を冷やす電源や給水する機能が同時に失われ、重大な事故が起きるおそれがある」と指摘しました。

放射性物質の閉じ込め
さらに、放射性物質を閉じ込める構造についても「使用済み核燃料プールの設備が堅固なものではないため、設備の破損によって、冷却水や電源が失われた場合、放射性物質を閉じ込められない状態になる」と指摘しました。
そのうえで、これまでの関西電力の対応について「国民の安全よりも、事故はめったにおきないという見通しのもとに行われてきたと言わざるをえない」と強く批判しました。

原告団「満足のいく判決」
判決のあと、「差し止め認める」と書かれた紙を示した原告団の南康人さんは、「今回の判決は満足のいくものだ。今後は、この判決をもとに全国の原発に関しても訴えていきたい」と述べました。
そのうえで、関西電力に対しては「きょうの判決を真摯(しんし)に受け止めてもらい、控訴しないよう訴えていきたい」と話しました。

関西電力「速やかに控訴」
判決について、関西電力は「これまでの主張が裁判所に理解してもらえなかったことについて、誠に遺憾だと考えている。判決文の詳細を確認したうえで、速やかに控訴の手続きを行い、控訴審において、引き続き、安全性を主張していきたい」というコメントを出しました。

「追い風になる」
21日の判決を受けて、関西電力大飯原子力発電所の3号機と4号機の運転中止を求めて京都地方裁判所に訴えを起こしている原告団が記者会見しました。
この中で、原告団の一人で、福島県から京都府に避難している福島敦子さんは、「福島県で起きた原発事故の影響を考えれば、原発の稼働を止めるのは重要で当たり前の判決だ。各地で原発の運転差し止めを求めている裁判の追い風になる」と話しました。
また、弁護団長の出口治男弁護士は「司法が国民の生命を守る役割を果たしてくれた判決だと思う。京都地裁での訴訟も頑張っていきたい」と話しました。

官房長官「政府方針は変わらない」
菅官房長官は午後の記者会見で、福井地方裁判所が大飯原発の3号機と4号機の運転を再開しないよう命じる判決を言い渡したことに関連し、原子力規制委員会で安全が確認された原発は運転再開を決定する政府の方針に変わりはないという考えを示しました。
この中で菅官房長官は、福井地方裁判所が関西電力に対して、大飯原子力発電所の3号機と4号機を運転再開しないよう命じる判決を言い渡したことについて、「国は当事者ではなく、コメントすることは控えたい」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は、記者団が「原子力規制委員会で安全が確認されれば、原発を運転再開する方針に変わりはないのか」と質問したのに対し、「そこはまったく変わらない」と述べ、原子力規制委員会で安全が確認された原発は運転再開を決定する政府の方針に変わりはないという考えを示しました。
そして、菅官房長官は「世界で最も厳しいといわれる安全基準でしっかりと審査していただくなかで、その結果を待つということだ。少しでも恣意的(しい)なものや、政府の意思が入って再稼働させるべきではなく、あくまでも安全を客観的に判断してもらったうえで再稼働することが正しいと思う」と述べました。」


樋口英明判事は、司法修習35期、昭和58年4月任官のベテラン判事です.医療集中部である名古屋地方裁判所民事第4部に在籍していたこともあります.
司法は、原子力行政への過度の配慮で、差し止めに及び腰だったのですが、ようやく国民の生命健康を重視した判決がでました.

谷直樹

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by medical-law | 2014-05-22 01:05 | 脱原発

国立病院機構近畿中央胸部疾患センターが厚生労働省の通達に反し使い捨て器具を洗浄、滅菌して再使用

西日本新聞「使い捨て器具を洗浄再使用 堺の医療機関、肺の手術で」(2014年05月19日)は,次のとおり報じました.

「国立病院機構近畿中央胸部疾患センター(堺市北区)は19日、肺の胸腔鏡手術で3種類の使い捨て器具を洗浄、滅菌して再使用していたと明らかにした。器具に汚れが残っていたのが3月に見つかり、再使用を中止。厚生労働省の通達に沿っておらず不適切と分かったため、現在は完全に再使用をやめている。

 器具を使った手術は、導入された2008年から6年間で約2300件だったが、どのケースで再使用したかは分からないという。手術後、33人が感染症にかかり、うち8人が元の病気の進行や敗血症で亡くなったが、同センターは「感染症になった割合は低く、因果関係はないと考えている」とした。」


長期間不適切な使い回しを行っていたことについて,謝罪もないのでしょうか.
なお,使い捨て器具を使い回ししていた点は注意義務違反(過失)にあたるでしょうが,それと感染との因果関係立証は困難ですので,患者が賠償責任を追及するのは困難です.

弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-05-20 07:41 | 医療

歯科医療機関の66%が日本歯科医学会の指針に反し医療機器を滅菌せず使い回し

読売新聞「歯削る機器 7割使い回し…院内感染懸念」(2014年5月19日)は,次のとおり報じました.

「歯を削る医療機器を滅菌せず使い回している歯科医療機関が約7割に上る可能性のあることが、国立感染症研究所などの研究班の調査でわかった。

 患者がウイルスや細菌に感染する恐れがあり、研究班は患者ごとに清潔な機器と交換するよう呼びかけている。

 調査対象は、歯を削るドリルを取り付けた柄の部分。歯には直接触れないが、治療の際には口に入れるため、唾液や血液が付着しやすい。標準的な院内感染対策を示した日本歯科医学会の指針は、使用後は高温で滅菌した機器と交換するよう定めている。

 調査は、特定の県の歯科医療機関3152施設に対して実施した。2014年1月までに891施設(28%)から回答を得た。

 滅菌した機器に交換しているか聞いたところ、「患者ごとに必ず交換」との回答は34%だった。一方、「交換していない」は17%、「時々交換」は14%、「感染症にかかっている患者の場合は交換」は35%で、計66%で適切に交換しておらず、指針を逸脱していた。

 別の県でも同じ調査を07~13年に4回行い、使い回しは平均71%だった。

 研究班の泉福(せんぷく)英信・国立感染症研究所室長によると、多くの歯科では、人手や費用がかかり、簡単な消毒や洗浄をしただけで繰り返し使っているとみられる。

 厚生労働省によると、歯科での院内感染は原因の特定が難しく、国内で明らかになった例はない。

 感染症に詳しい浜松医療センターの矢野邦夫副院長は「簡単な消毒では、機器を介して患者に感染する恐れのあるウイルスもある。十分な院内感染対策を取ってほしい」と話している。」



院内感染対策をとっているかを,保健所が抜き打ちで調査し,対策を怠っている歯科医療機関に業務停止等のペナルティを課すなどの必要があるかもしれません.
なお,歯科治療で感染したという立証は困難(因果関係立証困難)ですので,患者個人がが民事の損害賠償請求を行うのは困難です.


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by medical-law | 2014-05-20 07:40 | 医療

東京医科歯科大学医学部附属病院、患者の個人情報が含まれたUSBメモリを紛失

東京医科歯科大学は,平成26年5月9日,「個人情報が含まれたUSBメモリの紛失について」をサイトに掲載しました.

「本学医学部附属病院の医師が、患者さん225名の個人情報が含まれている可能性のあるUSBメモリを紛失しました。
 本学においては、個人情報の取扱いに関する規程の遵守及び個人情報の適切な管理に努めて参りましたが、このような事態を招き、患者さんをはじめ関係する皆様方に多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
 なお、この発表では、個人情報保護に配慮した発表とさせていただきますので、ご理解のほどお願いいたします。

1.経緯
 平成26年4月26日(土)午前9時頃、本院の医師が、JR武蔵野線の車内に、自身のカバンを置き忘れ、そのカバンの中に患者情報が入ったUSBメモリが2つ入っていました。直ちにJR及び警察に遺失物の届出を行い、カバンは発見されましたが、USBメモリは現在まだ見つかっていません。

2.紛失した個人情報の内容
 (1)患者の手術症例リスト(215名分)
   ID、患者氏名、年齢、性別等、パスワードで保護されたデータ
 (2)患者の画像データ等(16名分)
   ID、患者氏名(カナ・漢字)、画像データ、生年月日、所見等、パスワードで保護されていないデータ
 (1)、(2)で重複している患者が6名いるため、実人数は225名。

 いずれのデータにも患者さんの住所、電話番号は入っておりません。
 なお、現時点においては、紛失した個人情報の転載や流用の事実は報告されておりません。

3.該当する患者さんへの対応
 関係の皆様には、平成26年5月7日付け文書により謝罪を行いました。

4.再発防止に向けた今後の取り組み
 今回の事態を真摯に受け止め、学生、職員等に対して個人情報保護の重要性を再度徹底し、USBメモリ等のパスワード設定の徹底化を図り、再発防止に努めて参ります。」


2013年3月に,東京医科歯科大学歯学部附属病院で紛失事故がおきています.
全国的にも,病院の個人情報流出事故が続いています.根本的な再発防止対策が必要と思います.

◆ 2011年6月以降報じられた病院での個人電磁情報の紛失事故は以下のとおりです.

2011年 6月
慶應義塾大学病院スポーツ医学総合センター
北海道大学病院

2011年7月
医療法人 柏堤会(財団) 戸塚共立第1病院
藤田保健衛生大学病院
昭和大学歯科病院

2011年8月
筑波メディカルセンター病院

2011年9月
千葉県精神科医療センター
鹿児島大学病院

2011年10月
JA茨城県厚生連茨城西南医療センター病院
独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター
独立行政法人労働者健康福祉機構関東労災病院
大和市立病院

2011年11月
独立行政法人国立病院機構金沢医療センター

2012年1月
医療法人聖愛会
独立行政法人国立病院機構千葉医療センター
独立行政法人国立病院機構宇多野病院
東京女子医科大学附属八千代医療センター

2012年2月
京都府立洛南病院(ただし一時紛失)
岡山大学病院
藤沢市民病院
長崎大学病院

2012年3月
日本赤十字社医療センター
国立大学法人高知大学医学部

2012年4月
ごう在宅クリニック(札幌)
静岡県立病院機構静岡県立総合病院
広島大学病院
福岡大学病院

2012年5月
福岡大学病院

2012年6月
日本大学医学部附属板橋病院

2012年7月
日本大学歯学部付属歯科病院

2012年8月
名古屋大学医学部附属病院
順天堂大学医学部附属順天堂医院
愛知県厚生農業協同組合連合会江南厚生病院

2012年9月
沖縄県立中部病院
福岡歯科大学医科歯科総合病院
大阪リハビリテーション病院

2012年10月
医療法人社団恵仁会セントマーガレット病院
東京医科大学病院
昭和大学病院附属東病院
浜松医科大学医学部付属病院,浜松医療センター

2012年11月
九州大学病院
東京慈恵会医科大学附属柏病院

2013年2月
札幌医科大学附属病院

2013年3月
東京医科歯科大学歯学部附属病院

2013年4月
昭和大学歯科病院

2013年5月
市立岸和田市民病院

2013年7月
順天堂大学医学部附属順天堂医院
東京女子医科大学病院
一般財団法人神奈川県警友会けいゆう病院
埼玉県立がんセンター

2013年8月
さいたまほのかクリニック

2013年9月
新潟県立六日町病院
公益財団法人東京都保健医療公社荏原病院

2013年10月
産業医科大学若松病院

2013年12月
筑波大学附属病院
岐阜大学医学部附属病院(その後発見)
JR東京総合病院

2014年1月
医療法人鉄蕉会亀田総合病院(その後発見)
兵庫医科大学附属病院
湘南藤沢徳洲会病院

2014年3月
公益財団法人がん研究会有明病院
鳥取大学医学部付属病院
大阪大学医学部附属病院

2014年4月
鳥取県立厚生病院
東京医科大学病院
東京医科歯科大学医学部附属病院


弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-05-20 06:46 | コンプライアンス

5月29日(木)17時,院内集会「子宮頸がんワクチン ・ 聞いて下さい!被害者の声」

薬害オンブズパースン会議のサイトに「院内集会「子宮頸がんワクチン ・ 聞いて下さい!被害者の声」の案内が載っていましたので,ご紹介いたします.

「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の安全性を検討している厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同部会は、接種後に発生している広範な疼痛や運動障害の副反応について、接種時の疼痛の刺激や不安が惹起した「心身の反応」であるとする結論をまとめ、それを前提に「接種に当たり注意すべき事項」を検討するなど、HPVワクチンの積極的勧奨再開に向けた検討を進めています。

 しかし、合同部会の審議において、被害者のヒアリングは行われず、被害実態の十分な調査も行われていません。被害実態を徹底的に調査し、その原因を明らかにすることにより、被害の再発を防止できる十分な科学的根拠が得られなければ、積極的勧奨の再開は許されないというべきです。

 薬害オンブズパースン会議は、薬害対策弁護士連絡会と共に、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会が実施している被害者の聴き取り調査に協力しています。その調査を通じて、被害者の少女たちが、全身の激しい疼痛、運動障害(痙攣、不随意運動、脱力等)、高次脳機能障害(記憶力や知能の低下)などの多様な症状に襲われ、効果的な治療法もないままに長期間にわたって苦しめられている実態が見えてきています。このような被害実態をつぶさに見れば、「心身の反応」では到底説明がつかないことは明らかです。

 私たちは、このような被害の実態を多くの方に知って頂くために、院内集会を開催することといたしました。集会では、被害者連絡会の被害実態調査から具体的な被害事例を報告するとともに、被害者がその被害の実情を訴えます。

 また、接種勧奨に用いられた自治体の説明文書の調査から、保護者や本人に十分な情報提供が行われていたのかについて、問題提起します。

 是非ご参加下さいますようお願い致します。

<内 容>
・被害実態調査 事例報告
・被害者からの訴え
・自治体説明文書調査 中間報告

【日時】2014年5月29日(木)17時~
【場所】参議院議員会館講堂(会館入口にて入館証配布)
【主催】全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会
    薬害対策弁護士連絡会
    薬害オンブズパースン会議
    日本消費者連盟
(連絡先)
 ・全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会
   042-594-1337・080-1024-2284(池田)
 ・薬害対策弁護士連絡会(樫の木総合法律事務所内)
   03-5357-1212(関口・牛島)」




弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-05-19 09:04

タバコには,放射性物質ポロニウムが含まれています

国会議員政策秘書小倉正行氏の,Business Journal 「タバコに放射性物質含有、製造企業は事実公表せず、厚労省が検証へ…体内被ばくや発がんも」(2014年5月16日)のご一読をお奨めします.

参議院議員紙智子氏の質問主意書に対する答弁書(12年9月14日)で,政府は,「たばこの煙中に含まれるポロニウムの吸入による喫煙者及び受動喫煙者の健康への影響については、今後、厚生労働省において、たばこに含まれる個々の成分を分析し、医学的知見を踏まえた上で外部有識者の意見も聴きながら検証を行い、その結果を公表していきたい」と検討を約束したことを記憶喚起し,少なくともタバコメーカーのホームページや商品パッケージには、早急に「タバコには、放射性物質ポロニウムが含まれている」と表示することが必要といえよう,と述べています.

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by medical-law | 2014-05-18 11:32

宮崎地判平成26年5月16日、十分な検査をしない抗癌剤投与で医療法人春光会に患者死亡の責任を認める(報道)

西日本新聞「抗がん剤で死亡、病院に賠で償命令 宮崎地裁判決」(2014年05月17日)は、次のとおり報じました.

「宮崎市の女性=当時(70)=が乳がん治療中に死亡したのは、副作用の検査を十分にせず抗がん剤を投与されたことが原因として、夫など遺族が医療法人春光会(宮崎市、宮路重和理事長)を相手取り慰謝料など約8700万円を求めた訴訟で、宮崎地裁は16日、病院側の過失を認め約4900万円の支払いを命じた。

 判決理由で内藤裕之裁判長は「高齢で血糖値の高かった女性は、抗がん剤による副作用が起きる危険性が高かった。十分な検査をしないまま抗がん剤を投与した医師の行為は注意義務違反に該当」と指摘。「医師の行為と死亡には相当の因果関係がある」と判断した。

 判決によると、女性は2011年7月、同法人宮路医院で乳がん摘出手術を受け入院。放射線療法の後、再発防止のために抗がん剤治療を始めたが、10月27日、急性呼吸循環不全で死亡した。」


抗がん剤治療の注意義務違反、死亡との因果関係を肯定した点で、注目すべき判決です.

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by medical-law | 2014-05-17 01:56 | 医療事故・医療裁判

1週間に8裁判期日

医療事件は、裁判より、示談交渉、医療ADRで解決するのが望ましいと考えていますが、相手のあることですので、どうしても裁判にせざるを得ない場合もあります.今週も産科医療事件を1件提訴しました.

私の場合裁判は普通週に3~4期日なのですが、今週は5日間に8つの裁判期日あり、大変でした.5月の大型連休の影響で、裁判期日が今週に多くなったためです.遠方の裁判所の期日、同日同時刻の裁判期日もありましたが、共同受任をしている弁護士と手分けして出頭しました.
民事裁判の期日は通常4週間程度の間隔で指定されますが、医療裁判の期日は専門的知見を要する準備が必要なため6~8週程度の間隔で指定されます.そのため次回期日も同じ週に集中しがちです.


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by medical-law | 2014-05-17 01:25 | 医療事故・医療裁判