弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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新看護方式PNSでインシデント減少

岩手日報「2人1組で患者担当に手応え 県立宮古病院で発表会」(2014年7月31日)は,次のとおりじました.


「宮古市の県立宮古病院(佐藤元昭院長、293床)は30日、新人看護師の育成や安心・安全な看護の実践を目的とする新看護方式PNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)の導入発表会を開いた。看護師が2人一組のパートナーを組んで業務を行うことで、ミスの減少や患者の満足度向上へ寄与する同システムのメリットなどを説明した。

 発表会は同病院で開かれ、県内の看護学校教員や学生ら約20人が現場を見学した。PNSは福井県の福井大医学部付属病院が開発。宮古病院は昨年10月から導入し、今年1月に全病棟に拡充した。234人の看護師が主に日勤で実践する。

 同病院によると東北地方の病院で本格的に導入したのは初のケース。PNSの導入前は1人の看護師が6人程度の患者を受け持ち、経験により状況判断に差が生じた。導入後は2人の看護師が10人程度の患者を受け持ち、情報共有を図りつつバイタルチェックや点滴などの業務を行っている。

 導入に伴い、適切な処置が行われないと医療事故につながりかねない事例(インシデント)も減少。情報共有の徹底により、ナースコールの減少や超過勤務の軽減などの効果も見られたという。」


1人の看護師が6人の患者を受け持つより,2人の看護師が10人の患者を受け持つほうが安心と思います.
テレビドラマや映画でみる刑事は2人一組で行動しますし,学級には担任と副担任がいますし,パイロットも操縦士と副操縦士がいます.PNSは看護水準の向上にも役立つと思います.


谷直樹

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by medical-law | 2014-07-31 19:25 | 医療事故・医療裁判

C型肝炎治療薬テラビック投与と死亡との因果関係を否定できない死者が15人

NHK「C型肝炎治療薬で副作用 15人死亡」(2014年7月26日)は,次のとおり報じました.

「田辺三菱製薬が販売しているC型肝炎の治療薬を服用した患者の4人に1人に全身の皮膚炎などの重い副作用が起き、2年余りの間に15人が死亡していたことが分かりました。
医師が対象外の患者に薬を処方したケースで重い副作用が起きていて、田辺三菱製薬は「適正に薬を処方するよう情報を提供していきたい」としています。

大阪市に本社がある田辺三菱製薬によりますと、3年前にC型肝炎の治療薬「テラビック」の販売を始め、去年9月までのおよそ2年間に1万1000人余りが服用しましたが、23%に当たる2500人余りに全身の皮膚炎などの重い副作用が起きました。
ことし2月までに合わせて15人が死亡し、いずれも薬の服用との因果関係が否定できないということです。
会社によりますと、処方の対象外とされていた重度の肝硬変などの患者に処方したケースや副作用の兆候を見逃して投薬を続けていたケースで重い副作用が起きていたということです。
「テラビック」はC型肝炎ウイルスの増殖を抑える効果が確認されていますが、治験の段階から重い副作用が高い頻度で起きていたため、処方は肝臓病と皮膚病の専門医がいる医療機関に限定されていました。
さらに、厚生労働省の指示でおととし薬の添付文書が改定され、重い皮膚炎が起きた患者には直ちに専門医の診察を受けさせるよう求めていました。
田辺三菱製薬は「これまでと同様に適正に薬を処方するよう医師や薬剤師に情報を提供していきたい」と話しています。」


テラビックの添付文書に反し,医師が対象外の患者に薬を処方した場合,その医師の過失が推定されます.
問題は,因果関係です.
民事裁判では原告(患者・遺族)に立証責任がありますので,「因果関係が否定できない」では足りず,因果関係が肯定できるところまで立証しなければなりません.

また,田辺三菱製薬については,同社が医師に十分な情報を提供したかも問題になります.同社が死亡者が2年間で15人になるまで死亡の事実を公表しなかった理由は何でしょうか.

谷直樹

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by medical-law | 2014-07-26 18:19 | 医療事故・医療裁判

マタ旅にご注意

新聞「妊婦の旅行「安定期」でも注意」(2014年7月24日)は,次のとおり報じました.

「沖縄の病院 10年まとめ…救急受診300人中、4割

 沖縄本島を旅行中に体調が急変し、現地で救急受診した妊婦が過去10年間に少なくとも約300人おり、11人はそのまま出産していたことが、沖縄県立中部病院(同県うるま市)のまとめでわかった。

 早産の赤ちゃんが半年近く入院したケースもあった。近年、妊娠中の旅行を「マタ旅」(マタニティー=「妊婦の」の英語)と名付けて旅行を勧めるプランが増えているが、一定のリスクがあることが浮き彫りになった。

 同病院は、沖縄県内に2か所ある総合周産期母子医療センターの一つ。調査によると、2004~13年の10年間、観光や妊婦自身の結婚式などで県外から旅行中の妊婦288人を救急患者として受け入れた。このうち約4割は、いわゆる妊娠「安定期」だった。

 受診の結果、74人が入院し、そのまま同病院で11人が出産。3人は妊娠5~6か月の妊婦で死産、残り8人中7人が早産だった。病院に向かうタクシー車内での出産もあった。早産の赤ちゃん全員がNICU(新生児集中治療室)で治療を受け、入院期間は23~151日間だった。

 同病院産科の中沢毅医師は「旅先の出産は経済的・精神的な負担が大きいことや、妊娠中のどの時期でも予期せぬ急変が起こりうることを知ってほしい」と話している。」


安定期というネーミングが誤解をうむのかもしれません.
商業雑誌,旅行業界の戦略に乗せられないようにしたいものです。

TDLに来場した妊婦が救急搬送された報告もあります.
東京近郊にある巨大テーマパークからの産科緊急受診に対する検討」は,「受診患者総数は129人,年齢は中央値 30歳(19~45歳),妊娠歴1回(0~5回),分娩歴1回(0~4回)であった. 来院時期は妊娠4週~産褥期で,12週未満53人(41.1%),12週~21週33人(25.6%),22週~36週39人(30.2%),37週以降2人(1.6%),産褥期2人であった. 診断は,切迫流産61人(47.3%)と一番多く,切迫早産及びその疑い26人(20.2%)と2番目に多かった.入院を要したのは20人(15.5%)で,主な疾患は早産5人,切迫早産4人,流産3人であり,このうち,分娩に至りNICUでの児の管理を要したのは6例あった.また,アンケートによると主治医に旅行の許可をもらって来た妊婦は回答あった34人中14人(41.2%)であった.」と報告しています.

谷直樹

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by medical-law | 2014-07-25 19:08 | 医療

東海大学医学部付属病院,患者100人に放射線誤照射

日本テレビ「患者100人に放射線誤照射 東海大学病院」(2014年7月24日)は,次のとおり報じました.


「神奈川・伊勢原市の東海大学医学部付属病院が、子宮頸(けい)がんなどの女性患者100人に対し、放射線治療を照射位置がずれた状態で行い、このうち7人が放射線の影響で有害な症状を発症した可能性があると発表した。

 東海大学医学部付属病院によると、2007年から去年にかけて、30歳から89歳の子宮頸がんなどの女性患者100人に対し、照射位置が約3センチずれた状態で放射線治療を行っていたという。第三者委員会が調査したところ、このうち有害な症状が出た可能性のある患者が7人いて、70歳と63歳の女性は尿道が狭くなったり、部分的に壊死したりするなどの重症だという。

 照射位置がずれた原因は、担当者の交代や装置の設定ミスという。病院は再発防止を徹底することにしている。」


NHK「がん放射線治療で誤照射 7人健康被害か」(2014年7月24日)は,次のとおり報じました.

「神奈川県伊勢原市にある東海大学医学部付属病院で、がんの放射線治療を行った100人の患者に対し、患部以外の誤った場所に放射線を当てていた医療ミスで、このうち7人の患者に皮膚のえ死などの重い健康被害が起きていた可能性のあることが分かりました。

東海大学医学部付属病院では、去年12月、子宮がんなどの放射線治療を行った100人の患者に対して、患部から3センチずれたところに誤って放射線を当てていた医療ミスが明らかになりました。これを受け、病院側は24日、日本放射線腫瘍学会などが患者への影響や医療ミスの原因をまとめた報告書を公表しました。
それによりますと、今回の医療ミスが原因で100人の患者のうち7人に、皮膚のえ死や排尿障害などの重い健康被害が起きていた可能性があるということです。
7人のうち5人はすでに完治したものの、2人は現在も治療を続けているということです。
また、報告書では、医療ミスの原因について、経験のない放射線技師が担当したことや、前の担当者からの引き継ぎ不足、それに、医療機器メーカーの説明が不十分だったことが重なったとしています。猪口貞樹病院長は「患者の皆さんには丁寧に状況を説明して誠意をもって対応するとともに再発防止に向けて努力していきたい」と話しています。」


以前,虎の門病院,金沢大学医学部付属病院,国立弘前病院(現在の国立病院機構弘前病院),山形大学医学部付属病院,竹田綜合病院,和歌山県立医大病院,岩手医大付属病院等でも同じような誤照射事故がありました.
厚生労働省は,平成16年4月9日医政指発第0409001号「診療用放射線の過剰照射の防止等の徹底について」を発し,注意を喚起していました.
東海大学医学部付属病院では,ダブルチェクが行われていたのでしょうか.

谷直樹

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by medical-law | 2014-07-24 17:49 | 医療事故・医療裁判

疑うものは弁護士を見よ

「他人を弁護するよりも自己を弁護するのは困難である。疑うものは弁護士を見よ。」

これは,芥川龍之介氏の「河童」の一節です.

芥川龍之介氏の姉の二番目の夫が弁護士で,その弁護士は保険金詐欺の容疑をかけられ自殺しました.芥川龍之介氏は,その事後処理にあたり,残った高利の借金を払いました.このことが自己を弁護するのは困難,という言葉になったのでしょう.
自己弁護はどうしても難しいので,弁護士を依頼するのがよいのです.

今日7月24日は,芥川龍之介氏の命日「河童忌」です.


「人生を幸福にする為には、日常の瑣事を愛さなければならぬ。雲の光り、竹の戦、群雀の声、行人の顔、――あらゆる日常の瑣事の中に無上の甘露味を感じなければならぬ。
 人生を幸福にする為には?――しかし瑣事を愛するものは瑣事の為に苦しまなければならぬ。庭前の古池に飛びこんだ蛙は百年の愁を破ったであろう。が、古池を飛び出した蛙は百年の愁を与えたかも知れない。いや、芭蕉の一生は享楽の一生であると共に、誰の目にも受苦の一生である。我我も微妙に楽しむ為には、やはり又微妙に苦しまなければならぬ。
 人生を幸福にする為には、日常の瑣事に苦しまなければならぬ。雲の光り、竹の戦、群雀の声、行人の顔、――あらゆる日常の瑣事の中に堕地獄の苦痛を感じなければならぬ。」
 (「侏儒の言葉」より)


谷直樹

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by medical-law | 2014-07-24 09:20 | 趣味

「病いの語りが医療を変える~患者体験学の創生」でアンドルー・ヘルクスハイマー氏らが講演

msn産経「医療現場に患者の視点を 京都大で国際シンポ」(2014年7月21日)は,つぎのとおり報じました.

「医療の現場に患者の視点を反映させる取り組みを進めようと、京都大で20日、「病いの語りが医療を変える~患者体験学の創生」と題した国際シンポジウムを開催。国内外の研究などが紹介され、集まった約100人の医師や研究者が熱心に耳を傾けた。

 「患者体験学」とは、病気や医療で患者が感じたことを体系的に研究する新しい学問。英国や日本などでは、患者の体験談をデータベース化し、分析する取り組みが進んでいる。

 この日は、患者体験学の第一人者である英国のアンドリュー・ヘルクスハイマー医師らが講演。続いて、英国や日本などでの取り組みが紹介された。このシンポを企画した京都大大学院医学研究科の中山健夫教授(健康情報学)は、「いかに患者主体の医療を実現するかという問題は、世界的に重視されるようになっている。医師や患者、行政機関などが一緒になって議論を進めたい」と話している。」


アンドルー・ヘルクスハイマー氏,スー・ズィーブランド氏,ガブリエル・ルチウス=ホェーネ氏らが講演しました.

アンドルー・ヘルクスハイマー(Andrew Herxheimer)氏は,2014年7月27日(日)13時30分から,東京大学鉄門記念講堂でも講演します.テーマは,「患者不在の医薬品監視-Pharmacovigilance still neglects patients-」です(主催 薬害オンブズパースン会議).

谷直樹

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by medical-law | 2014-07-23 09:33 | 医療

米ジョンズ・ホプキンス病院,婦人科医の患者盗撮で193億円和解

CNN「婦人科医が患者盗撮、8千人と190億円で和解 米病院」(2014年7月22日)は,次のとおり報じました.

「 米ジョンズ・ホプキンス病院の婦人科医が患者を盗撮していたことが発覚し、同病院は21日、1億9000万ドル(約193億円)を支払う内容の和解が成立したと発表した。

患者を盗撮していたのは同病院勤続25年だったニキータ・リービー医師。盗撮の事実を認めて2013年に自殺している。

リービー医師は首にかけていたペン状のカメラで密かに患者を撮影していた疑いが浮上。同僚の通報で問題が発覚し、2013年に解雇された。

警察が自宅を捜索したところ、患者の裸体写真や動画が大量に保存されたサーバーやコンピューターが何台も見つかった。捜査の結果、画像が共有された形跡は見つからなかったと同病院は説明している。

被害に遭った女性は8000人あまりが原告となり、ジョンズ・ホプキンスを相手取って訴えを起こしていた。」


193億円と言っても,8000で割ると,一人あたり237万5000円にすぎません.集団訴訟が容易な米国の訴訟制度が背景にあるのでしょう.
日本でも医師の盗撮事件がありましたが,病院が被害患者に賠償した話はききません.
日本の訴訟制度には,被害者の権利行使を阻む障壁があるように思います.

谷直樹

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by medical-law | 2014-07-22 19:34 | 医療事故・医療裁判

喫煙で肺がん死の事案で,タバコ会社に約2兆3800億円の賠償命令

朝日テレビ「たばこ会社に2.4兆円の賠償「長年の喫煙で夫死亡」(2014年7月21日)は,次のとおり報じました.

「アメリカ・フロリダの裁判所で、長年の喫煙によって夫が肺がんで死亡したとする女性の訴えを認めて、たばこ会社に2兆4000億円の賠償を命じる評決が出されました。

 原告の女性の夫は1996年に36歳で肺がんで死亡しました。女性は、夫は13歳から多い時は一日3箱のたばこを毎日吸っていて、たばこ会社が健康への悪影響を警告しなかったことが原因だと主張していました。18日、裁判所の陪審は、大手たばこ会社「RJレイノルズ・タバコ」に対し、懲罰的賠償約2兆4000億円の支払いを命じました。このほか、遺族への約17億円の損害賠償も認められました。レイノルズ側は「合理性と公平性を欠いた判断だ」として異議を申し立てる方針です。」



読売新聞「夫の肺がん死で妻訴え…米たばこ会社賠償2兆円」(2014年7月21日)は,次のとおり報じました.

 「【ニューヨーク=越前谷知子】ロイター通信など米メディアは18日、米南部フロリダ州の裁判所の陪審団が、米たばこ大手RJレイノルズ・タバコに対し、肺がんで夫を亡くしたと訴えた女性に236億ドル(約2兆3800億円)の懲罰的賠償支払いを認める評決を下したと報じた。

 報道によると、訴えていた女性の夫は、13歳で喫煙を始めて以来、20年以上の間、1日1~3箱のたばこを吸い、1996年に36歳で肺がんで亡くなった。女性はRJレイノルズを相手取り、損害賠償を請求していた。懲罰的賠償のほか、約1700万ドル(約17億1700万円)の損害賠償も認められた。RJレイノルズ側は評決への異議を申し立てるとみられる。」


タバコには依存性がありますので,タバコ依存症にさせ喫煙を続けさせたタバコ会社の責任が重大です.日本では,民事陪審と懲罰的賠償が認められていませんが,喫煙者のタバコ病による死亡についてタバコ会社に責任があることは同様と思います。


谷直樹

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by medical-law | 2014-07-22 09:52 | タバコ

Shel Silverstein(シェル・シルヴァスタイン),The Missing Piece(ぼくを探しに)

完璧なまるでないぼくが,「ぼくには何かが欠けている,それは幸せなことではない」,ぼくにぴったりのかけらを探そう,という有名な絵本です.ぼくは,完璧にぴったりのかけらを見つけ,完璧なまるになるのですが,こんどは「完全だから早く早く転がる」ので,立ち止まることもできす,歌うこともできず,結局もとの自分に戻ってゆっくり転がる,というお話です.自由人シェル・シルヴァスタインは,完全,機能性とはしっくりしません.不器用でもゆっくり転がる,という途を選択したのは,よくわかります.
これは,自分探しというより,欠けているありのままの自分を肯定する物語と受け止めました.その意味で,The Missing Pieceのほうが,邦題よりはるかに的確と思います.欠けているありのままの自分を肯定する心境にいたるまで年月を要するのですが.「アナと雪の女王」にも通じるところがあります.

これには,続編があり,最後にはまるになるのです!

弁護士が増え法律事務所の規模が大きくなってきていますが,規模が大きくなれば事務所経費は増大し,依頼者の負担となります.個人の法律事務所であるからこそ出来る大事なことが,大規模化することで出来なくなる(切り捨てざるをえない)こともあるのではないか,と思います.と言っても,依然として医療過誤法律相談の申し込みは多く,むしろ増加する傾向にありますので,拡大も検討しなければならないのではないか,とも思います.

谷直樹

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by medical-law | 2014-07-19 19:15 | 趣味

医療法人稲門会事件の大阪高裁平成26年7月18日判決

共同通信「育休で昇給なし」は違法 病院の就業規則、大阪高裁」(2014年7月18日)は,次のとおり報じました.

「育休を3カ月以上取ると翌年度に昇給させない就業規則は無効として、京都市の病院に勤務していた元男性看護師(44)が、運営する医療法人「稲門会」に慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は18日、「規則は育休取得の権利を抑制し、育児休業法に反し無効だ」として、約24万円の支払いを命じた。

 昨年9月の一審京都地裁判決は違法とはいえないと判断。昇給とは別に、病院が昇格試験を受けさせなかったことについてのみ「理由がない」として慰謝料15万円の支払いを命じていた。

 同法は、育休取得を理由に、事業主が解雇など不利益な扱いをしてはならないと定めている。」


育児介護休業法10条は,「事業主は,労働者が育児休業申出をし,又は育児休業をしたことを理由として,当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」と規定しています.この年度に昇給させない就業規則は「その他不利益な取扱い」にあたるという判断です.


谷直樹

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by medical-law | 2014-07-19 08:08 | コンプライアンス