弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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12月7日「医療過誤原告の会」第23回総会記念 シンポジウム

「医療過誤原告の会」第23回総会記念 シンポジウムが,来週12月7日に開催されます.

「医療過誤原告の会」第23回総会記念 シンポジウム
医療事故を風化させず、医療安全の向上を願って

日 時 2014 年12 月7 日(日)13:00~16:30
会 場 東京・上野
   TKP 上野ビジネスセンター

   ( JR 上野駅 徒歩3分 )台東区上野2-18-7 共同ビル2F
参加費 無 料 受 付 当日受付(事前申し込み不要)

1.医療事故被害報告(敬称略)
  富永 恵子 (福岡 医療事故被害者本人)
  高倉 若代 (新潟 医療事故被害者家族)
  城戸内 昭浩 (神奈川 医療事故被害者遺族)

2.講演・弁士(敬称略)
 ・三木 保(東京医科大学主任教授・医療安全管理者)
   「手作りの医療安全」~医療事故を風化させないために~
 ・露木静夫(健和会理事長代理・柳原リハビリテーション病院 院長)
   「個人からシステムへ・医療事故の視点転換の取り組み」

3.シンポジウム 「医療事故を風化させず、医療安全の向上を願って」
 シンポジスト 三木 保 ( 同上 )
  露木 静夫 ( 同上 )
  富永 恵子 ( 同上 )
  永井 裕之 (患者の視点で医療安全を考える連絡協議会代表)
  永井 国生 ( 医療過誤原告の会・役員 )
 コーディネーター 宮脇 正和 ( 医療過誤原告の会・会長 )

主催 医療過誤原告の会
共催 患者の視点で医療安全を考える連絡協議会



谷直樹

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by medical-law | 2014-11-29 23:57 | 医療事故・医療裁判

福岡大学病院,主治医が電子カルテに記された食道がん診断結果を確認せず6年放置

朝日新聞「食道がん診断結果見落とし、治療せず 福岡大学病院」(2014年11月28日)は次のとおり報じました.,

「福岡大学病院(福岡市・田村和夫病院長)で喉頭(こうとう)がんを治療中の70代の男性患者に食道がんが見つかっていたにもかかわらず、主治医が診断結果を確認しないまま結果的に4年余り放置していたことが分かった。同病院が28日に発表した。この患者が今年6月、食道の違和感を訴えたため、当時の診断結果の見落としが発覚。患者は現在、同病院で通院治療中という。

 病院によると、患者は2010年2月から喉頭がんの治療を開始した。その際、主治医とは別の医師らが内視鏡検査や病理検査を実施し、食道がんを新たに見つけた。しかし、主治医は電子カルテに記された診断結果を確認せず、食道がんの治療は行わなかったという。

 同病院は、医療チーム内の連携にも問題があったとして、再発防止策として複数の医療者によるチェック体制を整えたとしている。」


大学病院は,専門家医師がその専門分野について研究・教育・診療するところなので,横の連携は弱くなりがちなの,主治医は,喉頭がん以外には関心がなく,検査結果を確認しなかったのでしょう.
患者が大学病院の連携ミスから我が身を守るためには,積極的に聞く,見る,言うしかなさそうですね.

谷直樹

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by medical-law | 2014-11-28 21:58 | 医療事故・医療裁判

臨床研究に係る制度の在り方に関する報告書(案)

昨日の「第9回臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会」で臨床研究に係る制度の在り方に関する報告書(案)がとりまめられましたが,規制としてはきわめて不十分な内容です.

ミクス「厚労省・臨床研究在り方検 最終報告書を了承 “広告目的”“適応外”の臨床研究法規制へ」(2014年11月27日)は,次のとおり報じました.

「ノバルティスファーマの降圧薬・ディオバン(一般名:バルサルタン)をめぐる臨床研究不正を受け、厚労省の「臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大学経済学部教授)は11月26日、未承認・適応外の医薬品・医療機器を用いた研究や広告目的の臨床研究についてICH-GCPの遵守を求めた最終報告書を了承した。来年の通常国会にも法案を提出し、法制化する。また、一連の臨床研究不正では、誤ったデータが広告を通じて医療界に広まり、治療方針の決定に影響を与えたことから、医療従事者による“広告監視モニター制度”の構築など、新たな広告審査の枠組みづくりを進めることも求めた。

◎臨床研究の信頼回復へ ICH-GCP遵守で国際水準の臨床研究実施を

最終報告書では、一連の臨床研究不正が起きたことによる日本の臨床研究の信頼回復の重要性を強調し、「我が国においても、5年後・10年後の将来を見越した上で、国際水準の臨床研究が実施できるような制度づくりが必要」とした。その上で、現状の臨床指針に基づく指導では不十分と指摘。研究者等による自助努力の重要性も指摘した上で、議論を重ねた結果、法制化が必要との結論に至ったとした。

臨床研究の実施に際しては、臨床研究の質の確保、被験者保護の観点から、ICH-GCPの遵守を求めた。モニタリング・監査が有用とした上で、これまで製薬企業が治験実施時に実施した手法では、費用面の負担増を懸念。「実施する研究のリスク等に応じ、適切な方法、頻度を検討すべき」とした。法規制の対象は、被験者に対するリスクと研究結果が治療方針に与える影響をみた社会的リスクを勘案し、▽未承認または、適応外の医薬品・医療機器を用いた臨床研究、▽医薬品・医療機器等の広告に用いられることが想定される臨床研究––とした。

被験者保護の観点からは、臨床審査委員会の重要性を強調。問題事案が発生した際の“歯止め”となるためにも、「研究デザインや統計解析などの科学的妥当性についても十分審査できる能力を有することが必要」とし、委員構成や審査内容などの要件設定を求めた。研究開始段階だけでなく、研究の途中段階での関与も促した。ただし、こうしたスキルのある人材に限りがあることから、「将来的には、地域や専門領域等に応じた倫理審査委員会の集約化を図っていくことが必要」であることも明記した。そのほか、有害事象発生時の速やかな対応や、臨床研究に関する情報公開も求めた。

製薬企業に対しては、資金提供などのさらなる利益相反(COI)の透明性確保を求めた。労務提供についても、「業界による行動指針等の策定が必要」と指摘。イノベーションの推進には産学連携が不可欠であることから、COIの適切な管理、公表により、国民の理解を深めることが必要であることも明記した。

一方、不適正事案へのペナルティーについては、研究者が属す研究機関や学会に対し、「厳しい姿勢で臨むよう、自主的な取り組みが求められる」とした上で、「行政当局は関係者に対して必要な調査を行うとともに、必要な措置を講じさせる等の権限を確保すべき」とした。ただし、直ちに法律に基づく罰則を課すのではなく、行政指導や改善命令等による是正を促した上で、なお改善が図られない場合に適用することを原則とした。

◎広告審査新たな枠組み導入へ 医療従事者による監視モニター制度も

一連の臨床研究不正で広告が薬事法66条の虚偽・誇大広告の禁止に抵触したことについても報告書では触れ、広告の審査に際しては、製薬企業、業界団体が透明性を確保した審査組織で審査を行うことを求めた。また、広告違反の端緒を幅広く把握するため、医療従事者による広告監視モニター制度を含めた新たな枠組みの導入の検討も示唆された。行政機関は、監視・指導体制の強化を図る。

報告書では、「一旦失った信頼を回復することは容易ではなく、制度を整備しても研究の現場が変わらなければ、その意味は乏しい」と指摘。日本の臨床研究が信頼を取り戻すために、「製薬企業等の産業界や行政等を含めた臨床研究にかかわる全てのものがそれぞれの果たす役割に真摯に取り組む必要がある」と強調した。」


谷直樹

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by medical-law | 2014-11-27 06:32 | コンプライアンス

医療事故調査制度の施行に係る検討会第2回会議

産経新聞「「医療事故調」第2回検討会、届け出のあり方で意見対立」(2014年11月26日)は,次のとおり報じました.

「来年10月から始まる「医療事故調査制度」で26日、運用指針を協議する厚生労働省の検討会(座長・山本和彦一橋大学大学院教授)が開かれた。2回目の検討会では「予期せぬ死亡」があった際、病院から民間の第三者機関への届け出のあり方などが議論されたが、意見が対立した。

 この中で委員からは「事故内容は調査後に異なる場合があるため、届け出の項目や事故内容は最低限にすべき」との意見が出る一方、「当初の認識など分かる範囲で事故内容も明らかにすべき」といった反論が出された。届け出の期限についても、患者の死亡から24時間以内~1カ月と意見に大きな隔たりがあった。

 次回会合では、意見集約に至っていない届け出対象となる患者の死亡例の範囲や、第三者機関が行う調査結果の記載事項、遺族への説明のあり方などについて集中的に議論する。

 検討会は医療関係者や弁護士、医療事故被害者の遺族らが委員に就任している。」


「第2回医療事故調査制度の施行に係る検討会 資料」はコチラ

医療事故調査・支援センターへの報告事項
宮澤潤氏,加藤良夫氏,河野龍太郎氏 堺常雄氏,髙宮眞樹氏  医療事故の内容も
小田原良治氏,大磯義一郎氏,松原謙二氏  医療機関名,日時、患者情報など最低限に

報告はいつまでに
加藤良夫氏,永井裕之氏,河野龍太郎氏  速やかに(24時間内程度)
小田原良治氏  一か月

調査報告書に再発防止策を書くか否か
加藤良夫氏,河野龍太郎氏,堺常雄氏,鈴木雄介氏 積極意見
小田原良治氏 消極意見

医療事故調査・支援センターは1つか2つか
土生栄二氏 1つ
松原謙二氏 2つ

以上のように意見は分かれました.

谷直樹

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by medical-law | 2014-11-26 22:35 | 医療事故・医療裁判

日本でもEUと同じくウテメリン錠を使用中止に!

EUが、ウテメリンの重篤な副作用を確認し、ウテメリン錠の承認を取り消し、ウテメリン注について厳しい使用制限を設けてから、1年以上たちますが、日本の対応は遅れています.
(ウテメリンの成分は、塩酸リトドリンです.)

dot「早産治療薬「日本でも使用中止を」専門家が警告」(2014年11月21日)は、週刊朝日2014年11月28日号より抜粋し、次のとおり、専門家の発言を伝えています.

「名古屋大学名誉教授(産婦人科)の水谷栄彦医師は、こう説明する。

「塩酸リトドリンは、β2刺激薬という薬の一種で、本来は喘息の薬です。喘息では、収縮した気管支を拡張するためにβ2刺激薬を使用していますが、β2刺激薬の中で、その作用が比較的子宮だけに限られるという名目で厚労省が早産治療薬として認めたのが、塩酸リトドリンなのです」

 水谷医師は、今回のEUの措置を受けて、日本でも使用を中止すべきだと主張する。

「私自身は患者さんに塩酸リトドリンを使っていませんが、名古屋大学教授時代、私の教え子である産婦人科の医局員たちが塩酸リトドリンを使うのを黙認してきてしまいました。その反省も込めて、今からでも、この危険な薬の使用中止を呼びかけたいのです」

 EUでは、これまで承認されていたものが昨年取り消されたという状況だが、そもそも米国では承認されていない。米国では、塩酸リトドリンと同じβ2刺激薬「テルブタリン」で、胎児の心筋壊死(心臓の筋肉が死んでしまうこと)が報告されており、テルブタリンの早産への使用を最長72時間までに制限している。

 早産治療薬は、国によって承認されている薬が異なり、日本では塩酸リトドリンと硫酸マグネシウムの2種類のみ。この硫酸マグネシウムも塩酸リトドリンよりも強い心臓毒性などの副作用があることが知られている。

 ある大学の薬理学教授はこう話す。

「世界中で使われている薬理学の教科書には、子宮の収縮を抑制する方法として、6種類の薬があると書いてありますが、どれが優れているという順位づけは確立されていません。つまり、早産治療薬として、効果があって副作用も少ない薬と科学的根拠を示された薬はなく、各国でその選択や位置づけは異なっているようです」

 早産治療には、ベストな薬がないといえる。にもかかわらず、「ほかに選択肢がないから」「保険適用になっているから」という理由で、塩酸リトドリンは多くの産科で第一選択薬として使用されている。日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会が作成している「産婦人科診療ガイドライン‐産科編」にも切迫早産の治療法として記載されている。

 日本早産予防研究会代表で日本医科大学多摩永山病院女性診療科・産科の中井章人医師は、塩酸リトドリンの位置づけについてこう話す。

「切迫早産に対する緊急処置としては有効なので、この薬がないと産科医は困ります。ただし、子宮収縮抑制薬であって、予防薬ではありません。最後の切り札という位置づけで、安易に投与するべきものではないでしょう。そのため、本来はおなかの張りの強い人に入院して点滴で投与するものであって、外来で予防的に内服薬を長期間処方するのは好ましくありません」


谷直樹

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by medical-law | 2014-11-22 01:36 | 医療

医療安全情報No.96 インスリン注入器の取り違え

公益財団法人日本医療機能評価機構は、2014年11月17日、「医療安全情報No.96 インスリン注入器の取り違え」を発表しました.

「インスリン注入器の患者名の記載が不十分、または氏名の記載がなかったため、別の患者の注入器と取り違えた事例が報告されています。

事例 1
患者Aにヒューマログ注カート3単位を皮下注射する指示が出ていた。看護師Xは注射伝票で指示を確認後、インスリン注入器を確認したところ、患者Aの氏名が書かれたキャップの本体にヒューマログミックス50注カートのカートリッジが付いていた。指示とは違うインスリンであったため、指示受けをした看護師Yに「これで大丈夫?」とインスリン注入器を見せた。看護師Yはキャップに書かれた氏名を見て「大丈夫」と答え、看護師Xは患者Aにヒューマログミックス50注カートを皮下注射した。複数の患者のインスリン注入器をまとめて保管していた際に、患者Aと患者Bのインスリン注入器のキャップが入れ替わっていた。

事例 2
夜、患者Aに翌朝からノボラピッド注フレックスペンを注射する指示があり、夜勤看護師Xは薬局より受領した。未使用の注入器は伝票と一緒に輪ゴムで止めて保管することになっており、氏名のシールを注入器に貼付せずそのまま保管した。患者Bのノボラピッド注フレックスペンは、インスリン注入器に患者名のシールを貼付せず、患者Bの薬袋に入れて保管していた。
当日の朝、看護師Xは血糖値の測定後、患者氏名のないノボラピッド注フレックスペンを患者Aのものと思い込み、使用した。その後、日勤看護師Yが、患者Aのノボラピッド注フレックスペンが使用された形跡がないことに気づき、誤って患者Bの製剤を使用したことが分かった。

事例が発生した医療機関の取り組み
・キャップをはずしても患者名がわかるよう、インスリン注入器の本体に、患者の氏名を記載する。
・投与前に、患者氏名、患者のインスリン注入器、注射指示書を必ず確認する。」


注入器の本体に氏名を書かないと入れ替わってしまうことが起き得ます.
他の施設でも起こり得るミスです.

谷直樹

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by medical-law | 2014-11-22 01:04 | 医療事故・医療裁判

高島市民病院、大腸の一部摘出手術後の管理ミスを認め5353万7574円で和解(報道)

産経新聞「「術後、大腸が破け腹膜炎起こしていたのに気付けず」滋賀・高島市民病院、医療ミス5千万円支払い」(2014年11月20日)は、次のとおり報じました. 

「滋賀県高島市は20日、高島市民病院で今年3月、50代の男性が手術後に死亡し、遺族に対し約5300万円の賠償金を支払い裁判外の和解をすることで合意したと発表した。病院は「術後に大腸が破けて腹膜炎を起こしていたのに気付けず、適切な処置を取らなかった」としている。

 病院によると、男性は2月に大腸の一部の摘出手術を受け、人工肛門を使用。経過が良好だったため3月14日、人工肛門を閉鎖する手術を受けたが、翌15日深夜から容体が悪化し、同25日に敗血症で死亡した。

 男性は15日昼から腹部が張った状態だったが、担当医師は腸閉塞と判断し、投薬などを続けていたという。

 病院は「術後管理のマニュアルを強化し、再発防止に努める」としている。」


毎日新聞「医療過誤:高島市民病院、5353万円で和解 男性患者死亡」(2014年11月21日)は、次のとおり報じました. 

 「高島市は20日、市民病院で手術を受けた市内の50代の男性が、術後の容体悪化を病院側が過小評価したため11日後に死亡したと発表した。今月、遺族側に賠償金5353万7574円を支払うことで和解が成立したとして、12月議会に和解議案を提案する。

 市と病院によると、男性は慢性消化管出血源病巣があり今年2月27日、結腸切除と臨時の人工肛門手術を受けた。更に3月14日...」


大腸の一部を切除する手術のあとに、医師が術後の症状について判断を誤り、患者が敗血症となり亡くなるという類型の医療事故は時々あります.

たとえば、鳥取県立厚生病院で,2011年4月1日に大腸がんの手術をうけた患者(72歳,男性)の容態が悪化したのに、医師が感染性腸炎と誤診したことから,治療が遅れ,腹膜炎から敗血症を起こして死亡し、た事案では、1800万円の裁判上の和解が成立しています.「鳥取県立厚生病院,直腸がんの手術後,腹膜炎から敗血症を起こして死亡した事案で遺族と和解」参照
他院での事故報道を教訓として、類似の事故を防止してほしいと思います.
なお、70歳代と50歳代では、逸失利益の計算が異なりますので、和解金額に影響したものと思われます.

谷直樹

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by medical-law | 2014-11-22 00:35 | 医療事故・医療裁判

タバコ喫煙により慢性的な背中の痛みのリスクは3倍高まる

ノースウェスタン大学の Bogdan Petre氏らの研究によると,タバコ喫煙により慢性的な背中の痛みのリスクが3倍高まるとのことです.

Smoking is a Pain in the Back
Smokers with new back pain less likely to recover, likely to develop chronic pain


If you want to avoid chronic back pain, put out the cigarette. A new Northwestern Medicine® study has found that smokers are three times more likely than nonsmokers to develop chronic back pain, and dropping the habit may cut your chances of developing this often debilitating condition.

“Smoking affects the brain,” said Bogdan Petre, lead author of the study and a technical scientist at Northwestern University Feinberg School of Medicine. “We found that it affects the way the brain responds to back pain and seems to make individuals less resilient to an episode of pain.”

This is the first evidence to link smoking and chronic pain with the part of the brain associated with addiction and reward. The study was published online in the journal Human Brain Mapping.

The results come from a longitudinal observational study of 160 adults with new cases of back pain. At five different times throughout the course of a year they were given MRI brain scans and were asked to rate the intensity of their back pain and fill out a questionnaire which asked about smoking status and other health issues. Thirty-five healthy control participants and 32 participants with chronic back pain were similarly monitored.

Scientists analyzed MRI activity between two brain areas (nucleus accumbens and medial prefrontal cortex, NAc-mPFC), which are involved in addictive behavior, and motivated learning. This circuitry is critical in development of chronic pain, the scientists found.

These two regions of the brain “talk” to one another and scientists discovered that the strength of that connection helps determine who will become a chronic pain patient. By showing how a part of the brain involved in motivated learning allows tobacco addiction to interface with pain chronification, the findings hint at a potentially more general link between addiction and pain.

“That circuit was very strong and active in the brain’s of smokers,” Petre said. “But we saw a dramatic drop in this circuit's activity in smokers who -- of their own will -- quit smoking during the study, so when they stopped smoking, their vulnerably to chronic pain also decreased.”

Medication, such as anti-inflammatory drugs, did help study participants manage pain, but it didn’t change the activity of the brain circuitry. In the future, behavioral interventions, such as smoking cessation programs, could be used to manipulate brain mechanisms as an effective strategy for chronic pain prevention and relief.


タバコが脳の回路に作用するからなのですね.

谷直樹

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by medical-law | 2014-11-21 09:19 | タバコ

仙台市内の元院長の産婦人科医師が準強制わいせつの疑いで逮捕される(報道)

NHK「診察中にわいせつか 医師逮捕」(2014年11月20日)は,次のとおり報じました.

「仙台市内の病院に勤務していた75歳の医師が、おととし診療中に患者の女性の下半身をさわるなどしたとして準強制わいせつの疑いで警察に逮捕されました。
医師は容疑を否認しているということです。
逮捕されたのは名取市増田の医師で日本産科婦人科学会の専門医、××××容疑者(75)です。

××医師はおととし10月ごろ当時勤務していた仙台市若林区内の病院で、産婦人科の診察に訪れた30代の女性の患者の下半身を触るなどしたとして、準強制わいせつの疑いが持たれています。
警察によりますと、××医師は調べに対し「診察の中で触れることもあるが下心を持って触ることは絶対にない」と供述し、容疑を否認しています。

警察は、××医師に不必要に体を触られたと話す女性がほかにもいることから余罪についても調べることにしています。」


下心がなかったとのことですが,そこが問題なのではありません.
この産婦人科医(FNNは元院長と報じています)に性的意図(わいせつ傾向)があったか否かは問題ではありません.
性的意図(わいせつ傾向)を故意を超えた要件とするという考え方(最高裁昭和45年1月29日判決)は,刑法学の現在の多数説ではありません.

刑法学の現在の多数説では、患者の同意を得て,外形的に医学上必要な治療を行った場合は,仮に医師に性的意図(わいせつ傾向)があったとしても準強制わいせつ罪にはあたらない,と一般に考えられています.
刑法学の現在の多数説では,本件の産婦人科医が外形上医学的に必要な程度以上に(すなわち,不必要に)触わったか否かが問題なのです.通常の診療を行っていれば,産婦人科医が外形上医学的に必要な程度以上に触わったという立証は不可能です.

古い最高裁昭和45年1月29日判決の考え方からは,客観的な行為より性的意図(わいせつ傾向)の自白が重視されることになりがちです.
証拠隠滅,逃亡のおそれがないと考えられる本件において逮捕の必要があったのか,疑問です.自白を強要するための逮捕という疑いすら感じられます.


谷直樹

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by medical-law | 2014-11-20 20:48 | 医療事故・医療裁判

沼津市立病院,看護師がカリウム製剤を希釈せずに静脈に注射した事案で死亡との因果関係を認め謝罪(報道)

時事通信「希釈せず投薬、88歳患者死亡=看護師が静脈注射-沼津市立病院」(2014年11月20日)は,次のとおり報じました.
 
「静岡県の沼津市立病院で10月、男性看護師(28)が薬剤を希釈せずに投与し、入院中の女性患者=当時(88)=が死亡する医療事故があったことが20日分かった。同日開かれた市議会民生病院委員会に、病院側が報告した。
 同病院によると、事故は10月3日に発生。主治医は患者のカリウム不足を補うため、薬剤「カリウム製剤」の濃度を薄めて点滴投与するよう指示したが、男性看護師は希釈せずに誤って静脈に直接注射してしまったという。患者は直後に死亡した。
 男性看護師は「危険な薬剤という認識はあったが、次の作業に気を取られていた」と話しているという。
 同病院は、外部委員を含む医療事故調査委員会を設置。投与法のミスによって患者が死亡した可能性が高いと判断し、遺族に謝罪した。」


以前から,カリウム製剤について同様の事故が起きています.投薬ミスが死亡に直結しますので,慎重に取り扱っていただきたく,実効的な再発防止策がとられることを期待します.

谷直樹

【追記】

中日新聞「投薬ミスで女性死亡 沼津市立病院の看護師が原液注入」(2014年11月21日)は,次のとおり報じました.

「沼津市立病院(後藤信昭院長)は二十日、腸炎で入院した女性患者(88)に、男性看護師(28)が薬剤を希釈せずに誤って投与したために死亡したと、市議会民生病院委員会に報告した。通報を受けた沼津署は、業務上過失致死容疑を視野に女性患者が死亡した経緯などを調べている。

 病院によると、女性は八月二十五日に入院。利尿剤の使用に伴い血液中のカリウムが不足していたため、医師が十月三日、看護師にカリウムを調整する「カリウム製剤」を点滴で薄めて投与するよう書面で指示した。しかし、看護師は原液をそのまま注入し、女性は投与の直後に死亡した。

 病院によると、カリウム製剤は薄めて使わなければならない危険性の高い薬。看護師は危険性を承知していたが、「次の仕事のことで頭がいっぱいだった」と話しているという。

 病院は事故後、外部の医師や弁護士らでつくる事故調査委員会を設置し、今月になって当時の記録などから投与ミスと死亡の因果関係を認める判断をした。

 再発防止策として、病院は現行のカリウム製剤を全て廃棄するなどした。後藤院長は「病院として重大な責任を感じている。再発防止に努めたい」と話した。

 病院によると、沼津署は十月に通報を受けた後、病院のモニターなどの提出を受けている。」



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by medical-law | 2014-11-20 20:15 | 医療事故・医療裁判