弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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日弁連,法曹養成制度改革推進室作成の法曹人口の在り方について(検討結果取りまとめ案)に関する会長声明

朝日新聞「司法試験合格者「1500人程度を維持」 政府案」(2015年5月21日)は,次のとおり報じました.

「これまでの政府内での検討と有識者による顧問会議での議論を踏まえ、この日示された政府案は、現在の司法試験の受験者数や合格者数の推移などから、今後の合格者数は「1500人程度の規模を下回ることになりかねない」と指摘。法曹の質と量を保つには「1500人程度は輩出されるよう必要な取り組みを進めるべきだ」としている。」

質の高い法律の専門家は社会にとって不可欠であることについては,争いはないでしょう.
そのために,法科大学院をはじめとする専門家の養成制度の改革に取り組むべきだ,というのも理解できます.
しかし,そのことと,「1500人程度の合格者を確保」ということは,結びつかないのではないか,と思います.
「1500人」という数字は,法科大学院前の合格者数を規準にしているようですが,それ以前は500人位で推移していました(合格率は2%程度でした)ので,1500人という数字が確保目標にならないと思います.

日本弁護士連合会(日弁連)は,2015年5月21日,「法曹養成制度改革推進室作成の法曹人口の在り方について(検討結果取りまとめ案)に関する会長声明」を発表しました.

「新たな制度の下で多くの新規法曹が生まれ様々な分野で活躍する一方、当初の想定と異なる司法試験合格率の低迷と司法修習終了後の新規法曹の厳しい就業状況が続き、法曹養成課程の経済的・時間的負担も相まって、法曹志願者は毎年大幅な減少を続け、法科大学院の入学者数も、2006(平成18)年度に5,784人を数えた以降は毎年減少を続け、本年度は過去最低の2,201人となっている。」

「本取りまとめ案も指摘するように、かかる司法試験合格者数に関する提言は、法曹の質の確保を考慮せずに達成されるべきものでないことは、言うまでもない。」

「法曹養成制度の深刻な状況と、この間の法曹志望者減少の推移を踏まえると、当面の司法試験合格者数について1,500人程度を上回る規模とすることは、現実的な基盤を欠き、現状に対する危機感を欠如したものと言わざるを得ない。また、法曹志望者の減少をもたらした要因を解消する実効的な措置を講ずることなく、ことさらに司法試験合格者の数を追い求めるならば、新規法曹の一部に質の低下をもたらすばかりか、法曹養成制度の意義や機能、ひいては制度に対する社会的な信頼を損なう事態を招来しかねない。

以上を踏まえ、当連合会は、関係各所に対し、より多くの有為な人材が希望をもって法曹を志願する状況が回復されるよう、法曹養成制度を巡る諸課題を克服すべく必要な措置を取るとともに、司法試験合格者数について、すみやかに1,500人とするよう、改めて強く要請するものである。

また、法曹人口を含む法曹養成制度の在り方を検討するにあたっては、社会における法的需要や法曹の活動領域の拡大状況、法曹養成制度の成熟度合いや輩出される法曹の質、わが国社会の司法基盤の整備状況や司法アクセスの改善状況を初めとする諸種の司法制度改革の進捗状況等の検証が不可欠である。

したがって、今後も、関係各機関は、協力してそうした検証を継続し、また法曹人口を含む法曹養成制度の在り方について見直しを含む検討を適時行い、必要な措置を取るべきである。」



「当初の想定と異なる司法試験合格率の低迷と司法修習終了後の新規法曹の厳しい就業状況が続き、法曹養成課程の経済的・時間的負担も相まって、法曹志願者は毎年大幅な減少を続け、法科大学院の入学者数も、2006(平成18)年度に5,784人を数えた以降は毎年減少を続け、本年度は過去最低の2,201人となっている。」ときに,質の高い法律の専門家を1500人確保するというのは,非現実的な目標でしょう.また,毎年1500人の需要があるという根拠は示されていません.
まず,法曹志望者の減少をもたらした要因を解消する実効的な措置を講ずることが先なのではないでしょうか.


谷直樹


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by medical-law | 2015-05-22 04:34 | 弁護士会

電子たばこから発がん性物質とニコチン検出

NHK「電子たばこから発がん性物質やニコチン検出」(2015年5月21日)は,次のとおり報じました.

「厚生労働省の研究班は、国内の路面店で販売されている電子たばこの安全性を確認するため、9種類の吸入器具と103種類の液体を対象に調査を行いました。
それによりますと、電子たばこを30秒間隔で10回吸った場合、4種類の器具から発生した煙から発がん性物質の「ホルムアルデヒド」が検出されました。
このうち2種類の器具の煙からは120マイクログラムと100マイクログラムの「ホルムアルデヒド」が検出され、たばこに含まれる76マイクログラムを上回りました。
また、ニコチンを含む電子たばこの販売が禁止されているにもかかわらず、8種類の液体からは微量のニコチンが検出されました。
研究を行った国立保健医療科学院、欅田尚樹生活環境研究部長は「今回、電子たばこから検出された発がん性物質やニコチンは、通常のたばこに比べると微量なケースが多いが、健康被害につながるリスクがあるかどうか検証する必要がある。使用する際の電圧や吸入する間隔などによっても、発がん性物質の濃度は変化するので詳しく研究していく必要がある」と指摘しています。」

「国立がん研究センターの望月友美子たばこ政策研究部長は「日本でも電子たばこが広がっているとみられるが、規制が追いついていないので、無法地帯と言える状況だ。今はインターネットなどで海外からも簡単に入手できる以上、安全性をチェックするためにも何らかの規制を検討していく必要がある」と指摘しています。」


ニコチンが含まれていないとして販売されていた電子タバコにニコチンが含まれていたのは問題でしょう.また,120マイクログラムと100マイクログラムのホルムアルデヒドが検出されたのも問題でしょう.
電子タバコ規制法が必要と思います.
なお,タバコについてもタバコ規制法が必要と思います.

谷直樹


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by medical-law | 2015-05-22 04:05 | タバコ

鳥取県立中央病院,抗がん剤による大腸穿孔についての説明義務違反を認め70万円支払(報道)

毎日新聞 「県立中央病院:患者へ副作用説明せず 70万円損害賠償 /鳥取」(2015年5月20日)は,次のとおり報じました.

「鳥取市の県立中央病院(日野理彦院長)は19日、2014年に鳥取市の男性患者に抗がん剤を投与した際、大腸に穴が開く可能性がある副作用を説明していなかったとして70万円の損害賠償金を支払うと発表した。男性は抗がん剤治療を受けた後、腸に穴が開いたことによる腹膜炎が起きたという。」

上記には抗癌剤名について具体的に書かれていませんので,また私が担当した事案ではありませんので,推測になりますが,例えばベバシズマブ(アバスチン)による消化管穿孔はよく知られています.アバスチンの添付文書には「消化管穿孔があらわれ、死亡に至る例が報告されている。本剤の投与中に、消化管穿孔と診断された場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行い、以降、本剤を再投与しないこと」と警告されています.
アバスチンの添付文書には消化管穿孔の頻度が0.9%と記載されています.
0.9%でも重大な副作用は説明義務の対象になると考えられます.


谷直樹


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by medical-law | 2015-05-21 04:58 | 医療事故・医療裁判

医師が診断結果に関する意見書を適切に作成しないとして患者が法務局に人権救済を申立て(報道)

毎日新聞「人権救済:「県立中央病院、医師の対応不誠実」 兵庫の男性が申し立て /鳥取」(2015年5月11日)は次のとおり報じました.
 
「県立中央病院(鳥取市)の医師が、患者の求めにもかかわらず診断結果に関する意見書を適切に作成しないのは人権侵害に当たるとして、京都府内のJR西日本の関連会社に勤める兵庫県新温泉町の男性(54)が11日、鳥取地方法務局に人権救済を申し立てた。
 申立書などによると、男性は2014年6〜12月、同病院の医師から複数回、ストレス障害と診断された。男性は職場の上司によ... 」


 医師が診断結果についての意見書を作成するにあたっては,その医師自身の判断,裁量がありますので,医師が適切に作成しないことを裁判で立証するのは一般的にはかなり難しいと思います.
 これに対し,法務局では,人権侵害の疑いのある場合,救済手続を開始し,調査を行った場合,調査結果に基づき人権侵害が認められるかどうかを判断します(認められないという結果になることもありますが)ので,本人で人権救済申立てができます.また,裁判では損害賠償請求となりますが,法務局の救済手続きでは,人権侵害が認められた場合,援助,調整,説示・勧告,要請等の方法をとることができます.


谷直樹


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by medical-law | 2015-05-21 04:19 | 人権

東北の2件の提訴報道に接して

盛岡地裁と仙台地裁への提訴報道に接しました.

毎日新聞「訴訟:中央病院で死亡、県に賠償求める 遺族が提訴 /岩手」(2015年5月20日)は次のとおり報じました.

「県立中央病院(盛岡市上田1)に入院していた盛岡市の女性(当時89歳)が亡くなったのは、病院側が適切な対応をしていなかったためとして、女性の遺族3人が県に慰謝料など計880万円の損害賠償を求める訴訟を、盛岡地裁に起こした。提訴は4月5日付。
 訴状などによると、女性は心臓の筋肉が肥大して血管を圧迫する「肥大型心筋症」などを発症して、2013年4月に同病院に入院... 」


肥大型心筋症の89歳の女性患者の遺族が提訴した訴訟です.
報道で知る限りですが,請求金額等を考えると盛岡に医療ADRがあれば提訴前に解決できた可能性があった事案ではないか,と思いました.

河北新報「「拘束解除で呼吸器外れる」遺族が塩釜の病院提訴」(2015年5月12日)は次のとおり報じました.

「坂総合病院(塩釜市)に入院中だった宮城県利府町の男性=当時(75)=が遷延性意識障害(植物状態)になり死亡したのは、病院が男性の身体拘束を解いたために呼吸器を外してしまったからだとして、遺族3人が11日、病院を運営する宮城厚生協会(多賀城市)に2000万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。
 訴えによると、男性は昨年2月上旬、靴擦れによって左足親指が壊死(えし)したため入院。治療中に感染症にかかって呼吸器が必要となったが、呼吸器が外れ、約4カ月間の植物状態を経てことし2月、心拍低下などで死亡した。
 男性の両手には当初、拘束用ミトンが付けられていたが、病院が拘束を解除。男性が自分で呼吸器を外したとみられる。
 遺族側は「病院は当時、『いつまでも拘束するのはかわいそうだった』と説明したが、生命維持に必要な呼吸器は厳格に管理すべきだ」と主張している。」


 これも報道で知る限りですが,拘束を解除した時点で患者が自分で呼吸器を外してしまうことを標準的な医師が予見できたか否かがポイントとなると思います.

【追記】

河北新報「拘束解除と死亡無関係」病院側が反論」(2015年6月19日)は,次のとおり報じました.

「坂総合病院(塩釜市)に入院中だった宮城県利府町の男性=当時(75)=が死亡したのは、病院が男性の身体拘束を解いたために酸素チューブを外したことが原因だとして、遺族3人が病院を運営する宮城厚生協会(多賀城市)に約2010万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が18日、仙台地裁であった。協会は請求の棄却を求めた。
 協会側は「身体拘束は必要な範囲で実施していた。男性は当時、自発呼吸をしており、酸素チューブが外れたことが命に関わる状態につながったとは言えない」と反論した。
 訴えによると、男性は昨年2月上旬、左足親指の壊死(えし)のため入院。入院中、呼吸器が外れ、約4カ月間の遷延性意識障害(植物状態)を経てことし2月、心拍低下などで死亡した。
 遺族側は「病院は男性の身体拘束を解くべきではなかった」と主張している。」


 そもそもの機序,因果関係についても争いがあるのですね.病院は,死亡の原因を何と主張しているのでしょうか.

谷直樹


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by medical-law | 2015-05-21 04:10 | 医療事故・医療裁判

神戸地裁平成27年5月19日判決,肺の影を認識しながら精密検査を勧めなかった明海病院に約4千万円の賠償命令

神戸新聞「肺がんの可能性指摘せず 病院側に賠償命令」(2015年5月19日)は,次の通りじました.

 「兵庫県明石市藤江の明海病院で、医師が肺がんの可能性を指摘せず、手遅れになったとして、2012年に亡くなった男性=当時(68)=の遺族が、病院を運営する医療法人社団弘成会に約5千万円の損害賠償を求めた訴訟で、神戸地裁は19日、医師の過失を認定し、約4千万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は05年12月、同病院での健康診断で肺に影が見つかり、11年4月まで経過観察を受けた。同年9月、他の病院で肺がんと診断され、12年6月に死亡した。

 西井和徒裁判長は「医師は肺がんの可能性を認識していたのに男性に説明せず、精密検査も勧めなかった」と指摘。「がんの進行速度は遅かったと考えられ、手術で完全に取り切れば根治できた。いたずらに経過観察を行い、早期の治療を受ける機会を失った」とした。」


本件は,私が担当した事件ではありませんが,肺癌の進行速度が遅かったと認定し,過失と死亡との間の因果関係を認めた点が注目されます.
肺癌は,非小細胞癌はもちろん,小細胞癌でも初期であれば手術適応があり,抗癌剤治療の進歩もあり,過失がなければ治療を行って死亡結果を回避できた高度の蓋然性があったと認定できる事案も結構あります.
また,健康診断で肺に影が見つかったら,当然「要精密検査」でしょう.それなのに,明海病院の医師が患者に説明せず精密検査も勧めなかったのは,どうしてなのでしょうか.肺がんの可能性はあるがおそらく肺癌ではないだろうと思ったのでしょうか.
診断のための標準的な検査を実施しないでいると,このように医療過誤として責任を問われることがあります.


谷直樹


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by medical-law | 2015-05-19 20:38 | 医療事故・医療裁判

「裁判所職員定員法の一部を改正する法律」参議院で可決  

裁判所職員定員法という2条だけの法律があります.

「第一条  下級裁判所の裁判官の員数は、次の表のとおりとする。
 区分     員数
 高等裁判所長官       八人
 判事        一、九二一人
 判事補       一、〇〇〇人
 簡易裁判所判事     八〇六人
第二条  裁判官以外の裁判所の職員(執行官、非常勤職員、二箇月以内の期間を定めて雇用される者及び休職者を除く。)の員数は、二万千九百九十人とする。」


この裁判所職員定員法は毎年改正されてきました.

今年も「裁判所職員定員法の一部を改正する法律」が審議されています.2015 年5月15日、参議院で賛成票164、反対票71で可決されました

「裁判所職員定員法(昭和二十六年法律第五十三号)の一部を次のように改正する。
第一条の表中「一、九二一人」を「一、九五三人」に改める。
第二条中「二万千九百九十人」を「二万千九百五十四人」に改める。
   附 則
この法律は、平成二十七年四月一日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日から施行する。」

つまり、判事の員数を32人増加し、裁判官以外の裁判所の職員の員数を36人減少するという内容です.
差し引きマイナス4名です.
提出理由は、「下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るため、判事の員数を増加するとともに、裁判所の事務を合理化し及び効率化することに伴い、裁判官以外の裁判所の職員の員数を減少する必要がある。」というものです.

政府は本年度から毎年2%以上5年間で10%以上の定員削減を行うとのことですので、また反対は民主党・新緑風会と日本共産党だけですから(「生活の党と山本太郎となかまたち」は山本太郎氏が反対、他2名が賛成)、次年度以降も裁判所の職員削減はすすむでしょう.
それが、司法サービスの質の低下に結びつかなければよいのですが...


谷直樹


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by medical-law | 2015-05-18 19:59 | 司法

「エリック・サティとその時代展」,2015年7月8日から

今日は、エリック・アルフレッド・レスリ・サティ(Erik Alfred Leslie Satie)氏の誕生日です.
カフェ『黒猫』で、コクトー、ピカソとも交流があった作曲家です.

3つのジムノペディ、グノシエンヌ1番から6番、梨の形をした3つの小品、犬のためのぶよぶよとした前奏曲、官僚的なソナチネ、気むずかしい気取り屋の3つの高雅なワルツ、家具の音楽等、斬新な曲は、印象派に影響をあたえました.
アルド・チッコリーニ、パスカル・ロジェなどの名演奏があります.
そうえば、映画「鬼火」にもジムノペディが効果的に使われていました.

エリック・サティとその時代展」が、2015年7月8日から同年8月30日までBunkamuraザ・ミュージアムで開かれます.楽しみです.


谷直樹


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by medical-law | 2015-05-17 08:16 | 趣味

広島地裁平成27年5月12日判決,小児の低血糖見落とし事案で中国中央病院に4968万円の賠償命令(報道)

読売新聞「低血糖見落とし女児に障害、4968万賠償命令」(2015年5月13日)は,次のとおり報じました.

「生後6か月の時に低血糖を見落とされ、治療が遅れて後遺障害が生じたとして、少女(13)と母親が中国中央病院(広島県福山市)を運営する公立学校共済組合(本部・東京)を相手取り、6700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が12日、広島地裁であった。

 龍見昇裁判長は「医師が注意義務に違反した」として、組合に4968万円の支払いを命じた。

 判決によると、少女は2002年2月、けいれんの疑いなどで病院を計4回受診。医師はてんかんの可能性を考え、脳波検査を実施した。3月末の血液検査で低血糖症と診断されて治療を受けたが、06年に重度の知的障害と認定された。

 龍見裁判長は「けいれんの原因がてんかん以外による可能性を疑った上で、医師は血液検査を実施し、全身疾患の有無を識別する注意義務を負う」と認定。ただ、病院側の注意義務違反が障害のすべての原因とまではいえない、とした。」


本件は,私が担当した事件ではありませんが,小児科医にとっては,検査・診断の教訓となるものと思います.

小児のけいれんの原因としては,てんかん,熱性けいれんが最も多いのはたしかですが,小児科医は,てんかん,熱性けいれんと決めつけずに,鑑別診断を行うことが必要です.小児の低血糖症はまれな疾患ではなく,頻度は結構ありますので,きちんとした手順にしたがって問診,検査を行えば,容易に鑑別できたと思います.低血糖症は,脳が必要とする糖分が不足するため放置すると脳に障害が残ることがある疾患ですので,除外診断が必要だったはずです.

小児の医療過誤事件を取り扱って常々感じることは,その小児科医が自分の専門領域に引き寄せて症状を解釈したために,検査,診断,治療が遅れてしまうケースが意外に多いことです.標準的な問診手順,検査手順を践むことが重要と思います.


谷直樹


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by medical-law | 2015-05-14 02:20 | 医療事故・医療裁判

Natalie Portman To Play Supreme Court Justice Ruth Bader Ginsburg In ‘On The Basis Of Sex’

Time「Natalie Portman Will Play Ruth Bader Ginsburg in On The Basis Of Sex
(May 9, 2015)は,次のとおり伝えました.

Natalie Portman will play Supreme Court Justice Ruth Bader Ginsburg in On the Basis of Sex, EW has confirmed. Deadline.com was first to report the news.The film will follow Ginsburg’s life as she fights for equality in her career as the second (and first Jewish) female justice. Marielle Heller (The Diary of a Teenage Girl) is in negotiations to direct, with a script being written by Daniel Stiepleman.

Ruth Bader Ginsburg最高裁判事はTime誌の「世界で最も影響力のある100人の人物」にも選ばれていました.
Ruth Bader Ginsburg最高裁判事をNatalie Portmanさんが演じる映画は楽しみです.


谷直樹


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by medical-law | 2015-05-13 04:53 | 趣味