弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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医療問題弁護団10月20日の解決事件報告会

10月20日に,医療問題弁護団の解決事件報告会で,私と馬場望先生で担当した事件の判決について話をさせていただきました。その要点は,以下のとおりです.

私は,控訴審から相談を受けたので,調査の時間がなかったのですが,記録を一読して,受任しました.
医療事件に不慣れな弁護士が原審を担当したので,やり残したことが多くありました.
医学文献の記載には根拠があり,根拠となった調査に直接あたることが重要で,その調査が古い場合でも,それ以降の調査がないときは,立証に使える証拠となります。この件でも,調査報告の文献は,有力な証拠でした.
多くの医師から示唆に富む意見をいただいたことは,大変有益でした.
医療側の代理人が辣腕弁護士で,また担当裁判官の心証が厳しい状況が続いていましたが,最後まで粘り強く立証活動を続けたことが,勝訴の原因と思います.



谷直樹

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by medical-law | 2016-10-22 11:10 | 医療事故・医療裁判

上越医療問題弁護団(代表田中淳哉先生)が発足 

上越タウンジャーナル「『上越医療問題弁護団』が発足 新潟県内では初」(2016年10月14日) は,次のとおり報じました.

「医療事故被害者を救済し、よりよい医療環境を作ることを目的とする「上越医療問題弁護団」が、このほど発足した。メンバーは上越市などの弁護士11人。医療事故について集団的に取り組む弁護団体としては新潟県内では初の設立となる。

県外で弁護士有志による医療事故問題に携わる団体の事務局長を務めた経験がある田中淳哉代表(上越中央法律事務所代表)が、地元上越市で事務所を立ち上げた際、「上越地方には医療事故で相談に乗ってもらいたいという人が多いにもかかわらず、担当できる弁護士が足りない」と実感して設立を決意。地元の医療事故は地元の弁護士が救済すべきという思いから、上越市と糸魚川市の若手・中堅弁護士に声を掛け、賛同した10人とともに2014年に設立準備会を立ち上げた。

準備会では医療事件に未経験のメンバーが多いことから、田中代表によるガイダンスなどの勉強会を年10回程度開催。医療事故判例を学んだり、医療問題に取り組む各地の弁護士との交流会に参加するなどして研さんを積み、今年4月に弁護団の正式発足となった。

死亡した原因や、まひなどの機能障害といった後遺症などで医師に説明を求めたが、回答に納得がいかない場合などで幅広く相談を受け付けている。

田中代表は「責任追及や賠償請求が目的でなくていいのでちょっとでもおかしいとか、よく分からないことがあれば気軽に相談してほしい」と話している。

相談予約は025-524-1238。平日午前9時から午後4時30まで受け付ける。相談場所は上越・糸魚川両市のメンバー所属の事務所。」


私は,遠方の依頼も受けていますが,依頼者がご負担する費用(交通費・日当等)の関係で,基本的に,死亡または重度の障害事案しか受任できません.
このように,各地に患者側で医療事件を受ける弁護団ができると,ご紹介できますので,喜ばしいことです.
新潟県知事に医師・弁護士の米山隆一氏が選出されたことですし,中越,下越にも弁護団設立を期待いたします.



谷直樹

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by medical-law | 2016-10-21 01:04 | 医療事故・医療裁判

最高裁平成28年10月18日判決、23条照会報告を受けることは法律上保護される利益ではない

愛知県弁護士会が、日本郵便に、当事者の転居先を照会したところ、守秘義務を理由に回答を拒否されたことから賠償などを求めた裁判の最高裁判決がありました.

原審(名古屋高裁)は「23条照会に対する報告を拒絶する行為は,23条照会をした弁護士会の法律上保護される利益を侵害するものとして当該弁護士会に対する不法行為を構成するというべきである」と判示しました.

これに対し,最高裁は、「弁護士会が23条照会の権限を付与されているのは飽くまで制度の適正な運用を図るためにすぎないのであって,23条照会に対する報告を受けることについて弁護士会が法律上保護される利益を有するものとは解されない。したがって,23条照会に対する報告を拒絶する行為が,23条照会をした弁護士会の法律上保護される利益を侵害するものとして当該弁護士会に対する不法行為を構成することはないというべきである。」と判示しました.
最高裁は「期待権侵害」についても限定的な判断を示していますので.一般に法律上保護される利益(法益)について狭く解釈するのかもしれません.

ただ,最高裁は,「23条照会を受けた公務所又は公私の団体は,正当な理由がない限り,照会された事項について報告をすべきものと解される」とも判示しました.

法律家以外にはわかりにくい判決ですが、私と修習同期で正法会研究室出身の石川先生が次のとおりコメントしています.
愛知県弁護士会の石川恭久弁護士はこの記述について、「照会を受けた団体が回答する義務を負うことを最高裁が認めたもので、一定の意義がある。今まで拒否していた団体に回答してもらえる可能性が高まったし、弁護士会としても要請していきたい」と述べました。(NHK「弁護士会の照会拒否 賠償求められない 最高裁が初判断」(2018年10月18日))


判決文は以下のとおりです.

主 文

1 原判決中上告人敗訴部分を破棄する。
2 前項の部分につき,被上告人の控訴を棄却する。
3 報告義務確認請求に関する部分につき,本件を名古 屋高等裁判所に差し戻す。
4 第1,2項についての控訴費用及び上告費用は被上 告人の負担とする。


理 由


上告代理人二島豊太ほかの上告受理申立て理由第3について


1 本件は,弁護士法23条の2第2項に基づく照会(以下「23条照会」という。)をC株式会社(以下「本件会社」という。)に対してした弁護士会である被上告人が,本件会社を吸収合併した上告人に対し,主位的に,本件会社が23条照会に対する報告を拒絶したことにより被上告人の法律上保護される利益が侵害されたと主張して,不法行為に基づく損害賠償を求め,予備的に,上告人が23条照会に対する報告をする義務を負うことの確認を求める事案である。


2 原審の確定した事実関係の概要は,次のとおりである。
Aは,平成22年2月,Bに対し,株式の購入代金名目で金員を詐取されたと主張して,不法行為に基づく損害賠償を求める訴訟を提起し,同年9月,Bとの間で,BがAに対し損害賠償金を支払うことなどを内容とする訴訟上の和解をした。
Aの代理人弁護士は,Bに対する強制執行の準備のため,平成23年9月,所属弁護士会である被上告人に対し,弁護士法23条の2第1項に基づき,B宛ての郵便物に係る転居届の提出の有無及び転居届記載の新住所(居所)等について本件会社に23条照会をすることを申し出た。
被上告人は,上記の申出を適当と認め,平成23年9月,本件会社に対し,上記の事項について23条照会をしたが,本件会社は,同年10月,これに対する報告を拒絶した。


3 原審は,上記事実関係の下において,被上告人の法律上保護される利益の侵害の有無について次のとおり判断して,被上告人の主位的請求を一部認容した。
23条照会をする権限は,その制度の適正な運用を図るために弁護士会にのみ与えられており,弁護士会は,自己の事務として,個々の弁護士からの申出が制度の趣旨に照らして適切であるか否かについて自律的に判断して上記権限を行使するのである。そして,弁護士会が,23条照会の適切な運用に向けて力を注ぎ,国民の権利の実現を図ってきたことからすれば,23条照会に対する報告を拒絶する行為は,23条照会をした弁護士会の法律上保護される利益を侵害するものとして当該弁護士会に対する不法行為を構成するというべきである。


4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
23条照会の制度は,弁護士が受任している事件を処理するために必要な事実の調査等をすることを容易にするために設けられたものである。そして,23条照会を受けた公務所又は公私の団体は,正当な理由がない限り,照会された事項について報告をすべきものと解されるのであり,23条照会をすることが上記の公務所又は公私の団体の利害に重大な影響を及ぼし得ることなどに鑑み,弁護士法23条の2は,上記制度の適正な運用を図るために,照会権限を弁護士会に付与し,個々の弁護士の申出が上記制度の趣旨に照らして適切であるか否かの判断を当該弁護士会に委ねているものである。そうすると,弁護士会が23条照会の権限を付与されているのは飽くまで制度の適正な運用を図るためにすぎないのであって,23条照会に対する報告を受けることについて弁護士会が法律上保護される利益を有するものとは解されない。
したがって,23条照会に対する報告を拒絶する行為が,23条照会をした弁護士会の法律上保護される利益を侵害するものとして当該弁護士会に対する不法行為を構成することはないというべきである。


5 以上と異なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は理由があり,原判決中上告人敗訴部分は破棄を免れない。そして,以上説示したところによれば,被上告人の主位的請求は理由がなく,これを棄却した第1審判決は正当であるから,上記部分につき,被上告人の控訴を棄却すべきである。被上告人の予備的請求である報告義務確認請求については,更に審理を尽くさせる必要があるから,本件を原審に差し戻すこととする。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。


なお,裁判官岡部喜代子,同木内道祥の各補足意見がある。


裁判官岡部喜代子の補足意見は,次のとおりである。
私は,23条照会に対する報告を受けることについて弁護士会が法律上保護される利益を有するものとは解されないとの法廷意見に賛同するものであるが,23条照会に対する報告義務と郵便法上の守秘義務との関係等について補足して意見を述べる。
23条照会の制度の趣旨は,原審の述べるとおり,弁護士が受任している事件を処理するために必要な事実の調査及び証拠の発見収集を容易にし,事件の適正な解決に資することを目的とするものであり,照会を受けた公務所又は公私の団体は照会を行った弁護士会に対して報告をする公法上の義務を負うものである。ただ,上記の公務所又は公私の団体において報告を拒絶する正当な理由があれば全部又は一部の報告を拒絶することが許される。
転居届に係る情報は,信書の秘密ないし通信の秘密には該当しないものの,郵便法8条2項にいう「郵便物に関して知り得た他人の秘密」に該当し,上告人はこれに関し守秘義務を負っている。この場合,23条照会に対する報告義務の趣旨からすれば上記報告義務に対して郵便法上の守秘義務が常に優先すると解すべき根拠はない。各照会事項について,照会を求める側の利益と秘密を守られる側の利益を比較衡量して報告拒絶が正当であるか否かを判断するべきである。
23条照会に対する報告義務が公法上の義務であることからすれば,その義務違反と民法上の不法行為の成否とは必ずしも一致しないとはいえるが,正当な理由のない報告義務違反により不法行為上保護される利益が侵害されれば不法行為が成立することもあり得るところである。しかし,法廷意見の述べるとおり,弁護士会には法律上保護される利益が存在しないので,仮に正当な理由のない報告拒絶であっても弁護士会に対する不法行為は成立しない。


裁判官木内道祥の補足意見は,次のとおりである。
私は,法廷意見に賛同するものであるが,23条照会に対する報告を受けることについて弁護士会が法律上保護される利益を有するものとは解されないとの点について,補足して意見を述べる。
原審が,照会が実効性を持つ利益の侵害により無形損害が生ずることを認めるのは,23条照会に対する報告義務に実効性を持たせるためであると解される。しかし,不法行為に基づく損害賠償制度は,被害者に生じた現実の損害を金銭的に評価し,加害者にこれを賠償させることにより,被害者が被った不利益を補塡して,不法行為がなかったときの状態に回復させることを目的とするものであり,義務に実効性を持たせることを目的とするものではない。義務に実効性を持たせるために金銭給付を命ずるというのは,強制執行の方法としての間接強制の範疇に属するものであり,損害賠償制度とは異質なものである。
そうすると,弁護士会が23条照会に対する報告を受けられなかったこと自体をもって,不法行為における法律上保護される利益の侵害ということはできないのである。


(裁判長裁判官 木内道祥 裁判官 岡部喜代子 裁判官 大谷剛彦 裁判官大橋正春 裁判官 山崎敏充)




補足意見を読むと,判決根拠がよく理解できます.
請求された賠償金額より,日本郵便が支払った弁護士費用のほうがはるかに多額でしょう(弁護士費用は審級ごとです.).しかも,差し戻し審があります.日本郵便は大変ですね.



谷直樹

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by medical-law | 2016-10-19 01:45 | 司法

第29期竜王戦第1局~疑惑の棋譜をなぞる

天龍寺法堂の天井には,加山又造画伯による「雲龍図」(八方睨みの龍)が描かれています。
今期の竜王戦第1局は,その天龍寺で行われています.

5人の棋士の申立に基づき,日本将棋連盟は,三浦弘行九段を年内出場停止の処分にし,その結果,丸山忠久九段が竜王戦挑戦者になりました.

ところで,今期A級順位戦で,先手の三浦弘行九段は,角換わり戦法で,ぴょんぴょんと桂馬が跳ねて,銀を後退させ,飛車先の歩を交換しました。これはあまり指されない手です.これに対し,後手の渡辺明竜王は,歩を突いて桂馬を取りにいきましたが,三浦弘行九段に馬をつくられ,渡辺明竜王の敗局となりました.これが,いわゆる疑惑の棋譜の1つです.

「日本将棋連盟の決定には個人的には賛成しかねますが,竜王戦は将棋の最高棋戦ですので全力を尽くします。」と述べていた丸山忠久九段は,竜王戦第1局で,敢えてこの順位戦の三浦弘行九段と同じように駒を進めました.渡辺明竜王は,今度は,歩を突いて桂馬を取りにいくのではなく,自陣に角を打って手堅く守りました.これに対し,丸山忠久九段は横歩を取って飛車を切りましたが,これが指しすぎで,一気に形勢不利になりました.ちなみに,将棋ソフト推奨の最善手は,飛車切りではなく,飛車引きの自重です.

将棋ソフトが進歩しプロ棋士と同等あるいはそれ以上になったために,プロ棋士も将棋ソフトを参考に研究するようになりました.
対局中に,将棋ソフトを参照してはならない,という規定はありませんが,これは当然のことで,不文のルールでしょう.自転車競技で電動自転車を使用してはならないのと同様です.

三浦弘行九段は,今夏以降自分の手番のときの離席が多く(相手の手番のときに離席するのが普通です),対局者からスマホによる将棋ソフト使用の疑惑がかけられましたが,その疑惑を裏付ける証拠がどの程度あるのかは分かりません.
この疑惑への対応を誤ると,日本将棋連盟の信用失墜になりかねないでしょう.

なお,三浦弘行九段は,結婚生活について,以前,「ひたすら我慢ですよ。我慢大事。喧嘩しても勝てないし,とにかく我慢です。何事も我慢です」と述べていて,納得し同情しました.
17歳年下の女性と結婚すれば当然そうなることは読めたと思うのですが,棋士でも,盤面以外のことは読めなかったのかもしれません.
この件でも,度重なる離席行動が疑惑を招くことを読めなかったのかもしれません.

ただ,これは,刑事事件ではありませんので,疑わしきは罰せず,というわけにはいきません.
例えば,医療では疑い診断の段階で治療を始める場合もありますし,相次ぐ手術ミスが疑われる医師を手術から外すこともあります.
疑いに合理的な根拠がある場合は,一般に,疑いであっても,疑いの程度に応じた必要な措置がとられます.
「竜王戦を円滑に進めるため」(スポンサーへの配慮?)の処分であるなら,来年からの棋戦復帰は必須でしょう.復帰後の棋戦で実力を示せば,自ずと濡れ衣は晴れるでしょう.三浦弘行九段は,結婚して精神力が鍛えられ,将棋が好調になった,と述べていましたので,災い転じて福となすことを期待します.

八方睨みの龍は,どの角度から見ても龍が自分を見ているように見えます.
見る角度により,龍の表情が変化します.
目の錯覚を利用しものです.
この件も,それぞれの立ち位置によりみえ方が異なりますが,事実は1つです.あるいは,事実は1つでも,それぞれの立ち位置により異なってみえる,というべきなのかもしません.

【追記】


竜王戦第1局2日目は,見所がなく,一方的な展開でした.
68手目渡辺明竜王の5六竜で,14時51分,丸山忠久九段は投了しました.


【再追記】


週刊文春「将棋「スマホ不正」問題を渡辺明竜王が独占告白」で,渡辺竜王は次のとおり書かれています.


A級順位戦の「三浦九段対渡辺竜王」を「一部の棋士がネット中継をもとにリアルタイムでソフトで検証していたところ、驚くほど三浦九段の指し手がソフトと一致したという。それを知らされた渡辺竜王は過去の三浦九段の対局も含めて調べ、指し手の一致、離席のタイミング、感想戦での読み筋などから『間違いなく“クロ”だ』と確信したという。」
「10月7日、渡辺竜王は日本将棋連盟理事の島朗九段(53)に事情を説明。それを受けて10月10日に羽生善治三冠(46)、佐藤天彦名人(28)、将棋連盟会長の谷川浩司九段(54)らトップ棋士7人が集まり“極秘会合”が開かれた。渡辺竜王から説明を受けた出席者たちからは『99.9%やってますね』という意見も出て、“シロ”を主張する棋士はいなかった。」


【再々追記】

元検事総長の但木 敬一先生(森・濱田松本法律事務所客員弁護士)を委員長とする踏査委員会が設置されることになりました.





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by medical-law | 2016-10-16 10:26 | 趣味

和泉市立病院,乳癌の見落としで請求額全額を支払い和解(報道)

毎日放送「『乳がん発見遅れ生存率下がった』 病院側650万円支払い」(2016年10月14日)は,次のとおり報じました.

「乳がんの検査が正しく行われなかったのち右の乳房を全摘出した女性が、治療開始が遅れ生存率が下がったとして病院などを訴えていた裁判で、病院側が650万円の賠償金を支払うなどの条件で和解が成立しました。

 大阪府内の中学校教諭・岡理代さん(49歳)は、おととし、大阪の和泉市立病院の乳がんの検査で、実際には「悪性」にもかかわらず「良性」と誤って診断されました。1か月半後にがんと診断されたときには「ステージ3」になっていて、岡さんは右の乳房を全摘出しました。

 「乳房がなくなったのもショックだが、生存率は最初に発見されていれば『ステージ2』だったので、5年後生存率は90%だった」(岡理代さん)

 岡さんは治療開始が遅れ生存率が下がったとして、病院と主治医ら3人に対し総額650万円の損害賠償を求める裁判を起こしていました。そして、先月30日病院側が請求額を全額支払うとともに乳がんの発見・治療が遅れた事実を厳粛に受け止め、再発防止に努めることを条件に和解が成立しました。病院側はコメントできないとしています。」


この件は,私が担当したものではありません.
請求額が適切なので,請求額どおりの和解が成立したものと思います.
生存率減少の慰謝料という法的構成は,肺がんの見落としの東京地裁平成18年4月26日判決を嚆矢とします.





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by medical-law | 2016-10-14 17:40 | 医療事故・医療裁判

東京高裁部総括判事水野邦夫氏定年退官に伴う玉突き人事

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弁護士任官し,平成20年4月から平成23年4月まで横浜地裁医療集中部で部総括をつとめた東東京高裁部総括判事水野邦夫氏(司法修習第29期)が定年退官となりました.タバコ訴訟は結論請求棄却でしたが,理由中ではしっかりタバコ会社側の問題点を指摘した判決が記憶に残っています.
それに伴う10月8日付の玉突き人事は,次のとおりです.

東京高裁部総括判事に小野洋一氏(第34期)(仙台高裁部総括判事)
仙台高裁部総括判事に小川浩氏(第35期)(秋田地家裁所長)
秋田地家裁所長に窪木稔氏氏(第36期)(静岡地家裁沼津支部長)
静岡地家裁沼津支部長に比佐和枝氏(第37期)(千葉家裁部総括判事)
千葉家裁部総括判事に古閑美津恵氏(第40期)(東京家地裁立川支部判事)
東京家地裁立川支部判事に小池晴彦氏(第42期)(東京高裁判事)

私が現在担当している事件の担当裁判官も異動しました.
小野洋一判事と窪木稔判事(元さいたま地裁医療集中部部総括判事)は,それぞれ適切な訴訟指揮を行っていましたので,その心証が受け継がれることを期待いたします.





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by medical-law | 2016-10-13 12:53 | 司法

里古りて柿の木持たぬ家もなし

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10月12日は芭蕉忌でした

旅に病んで夢は枯野をかけ廻る

は余りに有名な辞世の句ですが,芭蕉は,その年に

里古りて柿の木持たぬ家もなし

をよんでいます.

これも有名な句ですが,柿の木のある古村が思い浮かびます.

芭蕉の弟子向井去来の別荘「落柿舎」は,柿の売買契約締結後引き渡し前に,強風で柿がすべて落ちてしまった,という出来事に由来します.

現行民法は,「特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者の負担に帰する。」と規定していますから,買主の負担になります.

改正民法は,「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。」と定めるので,買主は代金支払を拒むことができます.

江戸時代の法律は知りませんが,向井去来は買主をゆるしてやり落ちた柿の代金を請求しなかったとのことです.






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by medical-law | 2016-10-12 23:57 | 趣味

『3月のライオン』

第18回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した,羽海野チカさんの『3月のライオン』は,高校生プロ棋士桐山零の物語です.
その『3月のライオン』がアニメになって,第1回が10月8日(土)23:00からNHK総合テレビで放映されました.「様々な人間が何かを取り戻していく優しい物語」だけあって,暗いスタートでしたが,今後が楽しみです.

映画は,神木隆之介さんの主演で,2部作が予定されています.

将棋は,いまや人類と機械との対決になっています.
将棋ファンがふえることを期待します.

10月15日(土)午後5時5分より、NHK総合テレビにて再放送されます.





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by medical-law | 2016-10-09 23:34 | 趣味

10月23日第25回中央大学ホームカミングデーに「君の名は。」の新海誠監督登場

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「君の名は。」が大ヒット中の新海誠監督(平成8年文学部卒業)のスペシャルトーク&作品上映会(「言の葉の庭」予定)が中央大学であるそうです.
映画館で「君の名は。」を鑑賞してから来場を、とのことです.

10月23日(日曜)13時30分~15時30分
多摩キャンパス9号館
先着順
中大卒業生でなくてもどなたでも参加可です




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by medical-law | 2016-10-08 01:50 | 日常

東京地裁所長貝阿弥誠氏定年退官に伴う玉突き人事

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以前,東京地裁医療集中部で地味によい判決を残した東京地裁所長貝阿弥誠氏(第30期)が定年退官となりました.
それに伴う10月5日付の玉突き人事は,次のとおりです.
その結果,東京地裁医療集中部で地味によい判決を残した森冨義明氏が,東京地裁交通部からさいたま地家裁部総括判事に異動になりました.残念ながら医療集中部ではありません.裁判官の場合,専門部で蓄積した経験を活かすことは難しいようです.

東京地裁所長に奥田正昭氏(第31期)(東京高裁部総括判事)
東京高裁部総括判事に斉木敏文氏(第35期)(岡山地裁所長)
岡山地裁所長に鬼沢友直氏(第36期)(岡山家裁所長)
岡山家裁所長に志田原信三氏(第38期)(さいたま地家裁部総括判事)
さいたま地家裁部総括判事に森冨義明氏(第40期)(東京地裁部総括判事)


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by medical-law | 2016-10-07 12:50 | 司法