弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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厚生労働省の専門家会議,産科医が不足している地域についてリスクに応じて対応

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NHK「産科医不足に対応 新たな周産期医療体制を整備へ」(11月17日)は次のとおり報じました.

「産科医が都市部に集中し、高齢出産などに対応できない地域があることから、厚生労働省は、地域の中に高度な産科医療を提供できる特定の医療機関を整備して、お産のリスクが高い妊婦を集約化するなど、新たな周産期医療の体制を整備していく方針です。

厚生労働省によりますと、全国の産科医は主に都市部に集中しているため、地域によっては、産科医の不足で高齢出産などのリスクの高いお産に対応できない状況だということです。

このため、17日開かれた厚生労働省の専門家会議では、産科医が不足している地域については、特定の医療機関に産科医を集めたうえで、高度な治療ができる設備を整えるなどして、お産のリスクが高い妊婦を集約化することを決めました。

一方、リスクの低いお産については、助産師にも担ってもらい、容体が急変した際には医師が対応できる体制を整えていくとしています。

このほか、出産直後の女性の精神的なケアを行う体制の整備や、災害時に妊婦や赤ちゃんを医療機関などにつなぐコーディネーターの養成にも取り組んでいく方針です。

厚生労働省は、これらの計画を年内にまとめて自治体に示したうえで、再来年4月からスタートする各地の医療計画に盛り込んでもらうことにしています。」


集約化は賛成ですが,ローリスクといえども危険性が低いというだけでつねに安全というわけではなく,助産師にまかせてしまってよいのか,疑問です.
遠隔であって医師がモニターを見てチェックするほうが,よいと思います.
「産科医の地域偏在」は,「産科医の偏在」と「地域の偏在」の2つの問題が重なるところです.
産科医を増やす努力,医師のの地域偏在を是正する努力を諦めてしまっているような提案が残念です.


谷直樹

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by medical-law | 2016-11-17 20:09 | 医療

東福寺通天橋の看楓特別拝観,撮影禁止に

東福寺の通天橋は,言わずと知れた紅葉の名所です.
この時期は人々が押し寄せ,長蛇の列ができ,大変なことになります.
「11月12日~11月30日迄の紅葉期間中は大変混雑致します。通天橋、臥雲橋の橋の上からの携帯電話・スマートフォン・デジタルカメラ等での撮影・自撮棒での撮影は大変危険ですので禁止致します。」とのことです.
通天楓の紅葉は見たいのですが,私は,混雑の中に入る勇気がなく,未だに東福寺の看楓には行ったことがありません.
新緑の季節に,東福寺に参詣したことがあります.
通天橋からの眺めは,絵に描いたような,という言葉がありますが,高低差のある美しい風景でした.あれが紅葉するのですから,圧巻でしょう.
今年は,勇気をだして紅葉を見に行ってみようかな.と思います.
拝観は8時30分からですので,始発の新幹線で行くとちょうどいいです.
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谷直樹

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by medical-law | 2016-11-15 23:48 | 日常

宝塚市立病院,腰椎椎間板ヘルニア手術後の出血による血腫のために障害が残った事案で和解(報道)

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神戸新聞「手術後に障害、1860万円賠償 宝塚市民病院」(2016年11月14日)は次のとおり報じました.

宝塚市立病院(兵庫県宝塚市)は14日、ヘルニアの手術を受けた伊丹市内の20代女性の左脚に障害が残ったとして、損害賠償金1860万円を支払う方針を明らかにした。

 同病院によると、女性は2015年2月、腰椎椎間板ヘルニアの摘出手術を受けた。術後の回診などで異常は見られなかったが、手術から約8時間後、女性が嘔吐(おうと)して左腹の痛みを訴えた。

 診察の結果、背骨近くの動脈から出血しており、兵庫医科大学病院(西宮市)の救命救急センターへ搬送された。

 女性は、出血による血腫が腰の神経を圧迫し、左脚の機能が低下。リハビリに取り組んだが、階段の上り下りが難しくなるなどの障害が残った。宝塚市立病院は「明らかな医療ミスではないが、手術以外に出血の原因は考えられない。後遺障害があり、被害者救済の責任がある」としている。

 女性は示談に合意しており、市は関連議案を市議会12月定例会に提出する。(土井秀人)」


本件は,私が担当したものではありません.
注意義務違反(過失)がどこにあるのか,手術手技なのか,術後管理なのか,子細に検討すると難しい問題があるのかもしれませんが,本来起きてはいけないことで,示談解決は適切と思います.


谷直樹

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by medical-law | 2016-11-14 22:49 | 医療事故・医療裁判

平成27年「国民健康・栄養調査」にみる喫煙の状況

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平成27年11月に実施した「国民健康・栄養調査」の結果が公表されました.

それによると,タバコ喫煙の状況は,次のとおりです.

「現在習慣的に喫煙している者の割合は、18.2%であり、男女別にみると、男性30.1%、女性7.9%である。この10 年間でみると、総数、男女とも有意に減少している。
年齢階級別にみると、その割合は、男性では30 歳代、女性では40 歳代で最も高い。

現在習慣的に喫煙している者のうち、1日に21 本以上吸う者の割合は、10.0%であり、男女別にみると男性12.4%、女性2.0%である。この10 年間でみると、総数、男女ともに有意に減少している。
現在習慣的に喫煙している者のうち、たばこをやめたいと思う者の割合は、27.9%であり、男女別にみると男性26.1%、女性33.6%である。平成19 年以降でみると、男女とも有意な変化はみられなかった。

身近に禁煙治療が受けられる医療機関がある者の割合は、男性34.6%、女性42.9%であり、男性ではすべての年代で、「わからない」が50%を超えている。
たばこをやめたいと思う喫煙者でも、身近に禁煙治療が受けられる医療機関があるかわからない者が男女とも約50%いる。」


喫煙率低下のためには,禁煙治療を受けられる環境を整備し,周知することが必要です.



谷直樹

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by medical-law | 2016-11-14 22:36 | タバコ

11月12日14時から講演会「HPVワクチンーその有効性と必要性への疑問」

講演会「HPVワクチンーその有効性と必要性への疑問」
講師:小松短期大学特任教授(元金沢大学産婦人科講師) 打出 喜義(うちで きよし)氏

日時:2016年11月12日土曜日14時~16時
場所:東京ボランティア・市民活動センター(飯田橋)10階A室
主催:患者の権利オンブズマン東京
参加費無料



谷直樹

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by medical-law | 2016-11-11 09:45 | オンブズマン

名古屋市立大学病院,胸腔鏡手術で大静脈損傷し出血性ショック死亡事案で和解(報道)

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中日新聞「名市大病院で手術ミス、50代女性死亡 遺族に3500万円」(2016年11月8日)は,次のとおり報じました.

「名古屋市立大病院(名古屋市瑞穂区)は8日、2014年6月、肺がんの切除手術でミスがあり、市内の50代の女性が死亡していたと明らかにした。遺族と7日に調停が成立し、病院側が損害賠償として3500万円を支払うことが決まったため公表した。

 病院によると、女性は右肺のがんで胸腔鏡による切除手術を受けた際に大静脈を損傷。大量出血による出血性ショックと多臓器不全で翌日に亡くなった。

 病院は日本医療安全調査機構に事故として報告。第三者を含めた院内調査で死因究明を行い、昨年8月に調査報告書をまとめた。大静脈から脂肪組織などをはがす際に誤って器具の先端で大静脈を傷つけ、出血後の止血にも時間がかかる過失があったと判断した。

 同機構から手術の操作や器具の扱いを慎重にし、止血時間短縮に努めるなど再発防止の提言があった。調停成立を受け病院側は『二度と起こらないよう技術向上と安全管理意識の徹底に努めたい』とコメントした。

 女性の長男は執刀医が同席して説明会があったことなどが調停成立の要因とし『調査や説明がないままだったら釈然としない気持ちを抱き続けたと思います。母の死が無にならないよう再発防止に努めてほしい』とする談話を弁護士を通じて出した。」


この件は私が担当したものではありません.
適正な医療事故調査が早期解決を導いた事案として評価したいと思います.



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by medical-law | 2016-11-08 17:31 | 医療事故・医療裁判

訃報,須藤正彦元最高裁判所裁判官

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須藤正彦元最高裁判所裁判官が11月5日肺炎で逝去されました.謹んでご冥福をお祈りいたします。

1966年中央大学法学部卒業。1970年弁護士登録・奥野彦六法律事務所(現奧野総合法律事務所・外国法共同事業)勤務。1988年東京弁護士会副会長。1992年司法研修所民事弁護教官。2009年最高裁判所裁判官。みなと協和法律事務所所属。

最高裁判所裁判官在任中,補足意見17,反対意見4,意見4,を書いています.
参院選を「違憲状態」とした多数意見に対し,違憲とする反対意見を書いています.

日本法制史で高名な奥野彦六先生の事務所に入所し,奧野善彦先生の4年後輩になるわけです.


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by medical-law | 2016-11-08 13:08 | 司法

東京大学医科学研究所,別の教授のES細胞研究の論文にも不正疑惑(報道)

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東京大学は,9月20日,6研究室が発表した22本の論文に捏造やデータ改ざんなどの疑惑が指摘された問題で,予備調査の結果,調査委員会による本格的な調査に入ると発表していましたが,今回は,それとは別の教授の論文にも不正疑惑があり,調査委員会を設置すると発表しました.

読売新聞「東大新たに論文不正か…細胞研究、調査委設置へ」(2016年 11月5日)は,次のとおり報じました.

「東京大は4日、同大医科学研究所の男性教授らが執筆した科学論文1本の内容に疑義を示す告発が寄せられたとして、調査委員会の設置を決めた。

 1日には、実験データを示す画像に不自然な加工があることなどを理由に、掲載雑誌が論文の撤回を発表している。東大は学外の有識者を交え、原則150日以内に不正の有無を判断する。

 東大は今年9月、医学・生命科学系の別の教授らによる論文計22本についても調査委の設置を決めており、所属研究者による研究不正の疑いへの対応に追われている。

 関係者によると、医科研の論文は2011年に海外の科学誌に掲載されたES細胞(胚性幹細胞)の性質に関する研究で、今年10月までに2度の告発が東大や文部科学省に寄せられた。東大は告発内容を精査した結果、調査委による関係者の聞き取りや資料・実験データの検証が必要と判断した。」




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by medical-law | 2016-11-05 18:35 | 医療

11月5日午後1時30分,患者の権利法をつくる会ら共催「みんなで動こう『医療基本法』IIさらなる集い」

シンポジウム「みんなで動こう『医療基本法』IIさらなる集い」
 
11月5日(土)午後1時30分~4時30分
明治大学駿河台キャンパスリバティータワー地下一階1001教室。
患者の声協議会、H−PAC、患者の権利法をつくる会共催

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谷直樹

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by medical-law | 2016-11-05 09:28 | 医療事故・医療裁判

日本生殖医学会、着床前遺伝子スクリーニング(受精卵検査、PGS)」を行った医師を処分

静岡新聞「着床前に受精卵検査 日本生殖医学会、浜松の専門医を処分」(2016年11月3日)は,次のとおり報じました.

「浜松市中区の不妊治療専門院「アクトタワークリニック」(A院長)が、国内の一般患者対象には認められていない「着床前遺伝子スクリーニング(受精卵検査、PGS)」を行っていたと公表したことについて、日本生殖医学会(苛原稔理事長)は2日、横浜市内で開いた理事会で、同会が認定していたA院長の生殖医療専門医資格を取り消す決定をした。

 理事会後の記者会見で発表した。苛原理事長は、同会の生殖医療専門医資格は日本産科婦人科学会(日産婦)が示す見解の順守が大前提とした上で、同院のPGS実施について「高い倫理観が求められる専門医として、ふさわしくない。生殖医療専門医に対する社会の誤解を招きかねず、厳正に対処せざるを得ない」と、資格取り消しの理由を述べた。A院長は今後、日産婦の見解を順守してPGSを実施しないと述べているという。

 同院が行っていたPGSは、不妊治療における体外受精で、受精卵を子宮に戻す前に染色体異常などを検査する技術。ダウン症などの可能性がある受精卵も選別の対象となるため、日産婦は会告で禁じている。

 同院はことし6月末、希望する30代の女性47人に検査を実施していたと公表した。日産婦はすでに、A院長に対して厳重注意処分を通達しているという。

 PGSは日産婦が流産歴や一定の不妊治療歴のある患者に対して臨床研究の準備を進めている段階。同会が認定する生殖医療専門医は全国に約600人いる。」


PGSを行うことは「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!」と書くこと,タレントにナチスSS風の黒服を着せることと同列ではないでしょうか.



谷直樹

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by medical-law | 2016-11-03 20:12 | 医療