弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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『海のふた』

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映画『海のふた』を観たとき,主演の菊池亜希子さんがすてきで,いつか原作を読んでみたいと思っていました.
最近,新幹線の中でよしもとばななさんの原作を読みました.

これは,「一直線でいっぺんにひとつのことしかできない不器用な性格」の女性と「人のことを気にしないところがある」少女の一夏の物語です.
東京の美術の短大を卒業して寂れた海辺の故郷に帰ってきた女性が,かき氷屋を始めますが,映画以上に小説は事件らしいことが起きません.二人の心象と海山の自然とが重なり,癒やされます.
私にもこんな穏やかな夏があったことを思い出しました.
「調子の悪い時期」,「きつくて仕方がない時期」に読むといい本です.

小田急線の本鵠沼駅から,自宅とは反対の海の方向に歩くと,映画のクレジットにあったかき氷屋さんがあります.淡く甘く消えるかき氷を食べたくなりました.


谷直樹

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by medical-law | 2016-12-21 15:50 | 趣味

最高裁平成28年12月1日判決,法定地上権成立を認め原判決破棄

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建物仮差し押さえ後に土地が譲渡された事案で,最高裁平成28年12月1日判決は,福岡地裁直方支部と福岡高裁が認めなかった法定地上権を認めました.

法定地上権は,民法第388条と民事執行法第81条に規定されています.担保権の実行の場合は民法第388条,それ以外は民事執行法第81条によります.
民事執行法第81条は,「土地及びその上にある建物が債務者の所有に属する場合において、その土地又は建物の差押えがあり、その売却により所有者を異にするに至つたときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合においては、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。」としています. 

福岡地裁直方支部と福岡高裁が,形式的に解釈し民事執行法第81条に当てはまらないとしました.
最高裁平成28年12月1日判決は,「地上建物の収去による社会経済上の損失を防止しようとする民事執行法81条の趣旨」から解釈し,「地上建物に仮差押えがされ,その後,当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続における売却により買受人がその所有権を取得した場合において,土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたときは,その後に土地が第三者に譲渡された結果,当該強制競売手続における差押えの時点では土地及び地上建物が同一の所有者に属していなかったとしても,法定地上権が成立するというべきである。」としました.
裁判は,やはり,法の趣旨,具体的妥当性を重視することが大事ではないでしょうか.


「平成27年(受)第477号 損害賠償等,境界確定等請求事件
平成28年12月1日 第一小法廷判決


主 文
1 原判決中,上告人に対し土地明渡し及び平成21年
7月29日以降1箇月5000円の割合による金員
の支払を命じた部分を破棄する。
2 前項の部分につき,本件を福岡高等裁判所に差し戻す。
3 上告人のその余の上告を棄却する。
4 前項に関する上告費用は上告人の負担とする。


理 由
上告代理人河原一雅の上告受理申立て理由(ただし,排除されたものを除く。)について


1 原審が確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。
(1) Aは,平成14年5月23日当時,原判決別紙物件目録1記載(2)の土地(以下「838番6の土地」という。),同目録2記載(1)の土地(以下「838番8の土地」という。)及びこれらの土地上にある同目録2記載(2)の建物(以下「本件建物」という。)を所有していた。
(2) 本件建物及び838番8の土地につき,平成14年5月23日,仮差押えがされた(以下,これを「本件仮差押え」という。)。
(3) Aは,平成19年3月26日,838番6の土地を被上告人に贈与した。
(4) 本件建物及び838番8の土地につき,平成20年2月20日,強制競売手続の開始決定による差押えがされた(以下,この強制競売手続を「本件強制競売手続」という。)。本件強制競売手続は,本件仮差押えが本執行に移行してされたものであった。
上告人は,本件強制競売手続における売却により,本件建物及び838番8の土地を買い受けてその所有権を取得した。
(5) 上告人は,平成21年7月29日から,本件建物,838番8の土地及び838番6の土地を占有している。


2 本件は,838番6の土地の所有者である被上告人が,これを占有する上告人に対し,所有権に基づき,上記土地の一部(原判決主文第2項(3)掲記の部分)の明渡し及び上告人が占有を開始した平成21年7月29日から上記明渡し済みまでの賃料相当損害金の支払を求めるなどしている事案である。本件仮差押えがされた時点で,本件建物とその敷地の一部である838番6の土地が同一の所有者に属していたことによって,本件建物につき法定地上権が成立するか否かが争われている。


3原審は,次のとおり判断して,本件建物につき法定地上権の成立を否定し,被上告人の土地明渡請求を認容し,賃料相当損害金の支払請求を一部認容すべきものとした。
土地上にある建物に仮差押えがされ,その後,当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続における売却により買受人がその所有権を取得した場合において,土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたとしても,その後に土地が第三者に譲渡された結果,当該強制競売手続における差押えの時点では土地及び地上建物が同一の所有者に属していなかったときは,法定地上権が成立すると解することはできない。なぜならば,そのようなときは,土地の譲渡の際に地上建物につき土地の使用権を設定することが可能であるし,また,土地及び地上建物が同一の所有者に属する場合において,差押えがあり,その売却により所有者を異にするに至ったときに法定地上権の成立を認める民事執行法81条の明文に反するからである。


4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は次のとおりである。
(1) 地上建物に仮差押えがされ,その後,当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続における売却により買受人がその所有権を取得した場合において,土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたときは,その後に土地が第三者に譲渡された結果,当該強制競売手続における差押えの時点では土地及び地上建物が同一の所有者に属していなかったとしても,法定地上権が成立するというべきである。その理由は次のとおりである。
民事執行法81条の法定地上権の制度は,土地及び地上建物が同一の所有者に属する場合には,土地の使用権を設定することが法律上不可能であるので,強制競売手続により土地と地上建物の所有者を異にするに至ったときに地上建物の所有者のために地上権が設定されたものとみなすことにより,地上建物の収去を余儀なくされることによる社会経済上の損失を防止しようとするものである。そして,地上建物の仮差押えの時点で土地及び地上建物が同一の所有者に属していた場合も,当該仮差押えの時点では土地の使用権を設定することができず,その後に土地が第三者に譲渡されたときにも地上建物につき土地の使用権が設定されるとは限らないのであって,この場合に当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続により買受人が取得した地上建物につき法定地上権を成立させるものとすることは,地上建物の収去による社会経済上の損失を防止しようとする民事執行法81条の趣旨に沿うものである。また,この場合に地上建物に仮差押えをした債権者は,地上建物の存続を前提に仮差押えをしたものであるから,地上建物につき法定地上権が成立しないとすれば,不測の損害を被ることとなり,相当ではないというべきである。
(2) これを本件についてみると,前記事実関係等によれば,本件強制競売手続は本件仮差押えが本執行に移行してされたものであり,本件仮差押えの時点では本件建物及び838番6の土地の所有権はいずれもAに属していたから,本件強制競売手続により上告人が本件建物の所有権を取得したことによって,本件建物につき法定地上権が成立したというべきである。


5 以上と異なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨はこの趣旨をいうものとして理由があり,原判決中,被上告人の上告人に対する土地明渡請求を認容し,賃料相当損害金の支払請求を一部認容すべきものとした部分は破棄を免れない。そして,成立した法定地上権がその後消滅したか否か等について更に審理を尽くさせるため,上記部分につき本件を原審に差し戻すこととする。
なお,その余の請求に関する上告については,上告受理申立て理由が上告受理の決定において排除されたので,棄却することとする。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 櫻井龍子 裁判官 池上政幸 裁判官 大谷直人 裁判官 小池 裕 裁判官 木澤克之)



谷直樹

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by medical-law | 2016-12-19 03:42 | 司法

チッソ水俣病患者連盟の高倉史朗事務局長インタビュー

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西日本新聞「健康調査で実態把握を 患者連盟の高倉史朗事務局長に聞く 水俣病公式確認60年」(2016年12月18日)にチッソ水俣病患者連盟の高倉史朗事務局長の写真とインタビューが載っていました.

行政の不作為を未認定患者に負わせているのが公式確認60年の状況。徒労感を覚える。」
「60年といえば、本来終わっていなければいけない時期。皮肉にも、終わらない水俣病を再認識する記念日になった。」
「不知火海沿岸住民の健康調査が行われない限り、水俣病は解決しない」
「データを取れば、感覚障害のみの水俣病がどのくらいあるのか分かる。」



国がチッソ(加害企業)を消滅し被害者を表舞台に登場させないことで幕引きとしようとしても,被害者がいる限り闘いは終わりません.裁判は個々の原告の権利侵害に対する賠償を判断するものに過ぎず,裁判で出来ることの限界を感じます.

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by medical-law | 2016-12-18 19:05 | 人権

日本医療機能評価機構医療安全情報No.121経鼻栄養チューブの誤挿入

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公益財団法人日本医療機能評価機構は,2016年12月15日,医療安全情報No.121「経鼻栄養チューブの誤挿入」を発表しました.

「事 例 1
医師は、気管切開している患者に経鼻栄養チューブを挿入後、気泡音を聴取し、チューブが胃内に入ったと判断した。その後、看護師が栄養剤の注入を開始したところ、患者は咳き込み、呼吸苦を訴えた。医師は気管孔から気管支鏡を行い、気管内に経鼻栄養チューブが挿入されていることが分かった。
事 例 2
看護師は経鼻栄養チューブを挿入後、胃内容物を吸引できなかったが、他の看護師と2名で気泡音を聴取し、チューブが胃内に入ったと判断した。看護師は、内服薬を注入する前に、再度、他の看護師と気泡音を聴取した。内服薬を溶かした白湯を注入したところ、咳嗽が出現しSpO2が80%前後に低下した。胸部エックス線撮影を行い、右気管支に経鼻栄養チューブが挿入されていることが分かった。」


経鼻栄養チューブの挿入後胃内容物を確認することが推奨されています.
気泡音の聴取という旧態依然の不確かな方法をとっている施設が未だにあることは問題でしょう.

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by medical-law | 2016-12-17 12:54 | 医療事故・医療裁判

厚労省,平成27年度都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応状況等調査結果

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厚生労働省は、平成28年12月16日,障害者虐待防止法に基づき,平成27年度都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応等に関する状況について調査を実施し,調査結果を発表しました.

<養護者による障害者虐待>
○養護者による障害者虐待の相談・通報件数については、平成26年度とほぼ同じ(4,458件→4,450件)。判断件数については4%減少(1,666件→1,593件)している。
○相談・通報件数に対する虐待の判断件数の割合は、平成26年度とほぼ同じ。
(平成26年度:37%(1,666/4,458)、平成27年度:36%(1,593/4,450))
○ 相談・通報者の種別では、警察が22%(965件)、本人による届出が21%(948件)、施設・事業所の職員が18%(784件)、相談支援専門員が15%(654件)が上位を占める。なお、平成27年度調査から施設・事業所職員と相談支援専門員の選択肢を分けたため、警察の割合が最も多くなった。
○ 虐待行為の類型は、身体的虐待が62%と最も多く、次いで心理的虐待が32%、経済的虐待が26%、放棄・放置が16%、性的虐待が4%の順。
○ 被虐待者の障害種別は、知的障害が50%と最も多く、次いで精神障害が33%、身体障害が25%の順。
○ 虐待の事実が認められた事例での対応策として被虐待者の保護と虐待者からの分離を行った事例は、659人で全体の41%を占め、その割合は、平成26年度とほぼ同じ。
○ 虐待による死亡事例は、3人。(平成26年度も3人)

<障害福祉施設従事者等による障害者虐待>
○ 障害者福祉施設従事者等職員による障害者虐待の相談・通報件数については、平成26年度から24%増加(1,746件→2,160件)。判断件数については9%増加(311件→339件)している。
○ 相談・通報件数に対する虐待の判断件数の割合は、平成26年度とほぼ同じ。

(平成26年度:18%(311/1,746)、平成27年度:16%(339/2,160))
○ 相談・通報者の種別では、本人による届出が23%と最も多い。平成26年度と比べ、相談支援専門員、他の施設・事業所職員、当該施設・事業所職員、当該施設・事業所設置者・管理者からの相談・通報件数が増加している(平成26年度:592件、平成27年度:734件)。
○ 虐待行為の類型は、身体的虐待が58%と最も多く、次いで心理的虐待が41%、性的虐待が14%、経済的虐待が8%、放棄、放置が5%の順。
○ 被虐待者の障害種別は、知的障害が83%と最も多く、次いで身体障害が17%、精神障害が9%の順。
○ 虐待者の職種は、生活支援員が45%、管理者が11%、世話人が8%、指導員が7%、その他従事者が6%の順。
○ 虐待の事実が認められた事例への対応状況として障害者総合支援法等の規定による権限の行使として実施したものは249件であり、平成26年度(235件)と比べ6%増加している。
○ 虐待による死亡事例は、なし。(平成26年度もなし)

<使用者による障害者虐待>
○ 市区町村及び都道府県で受け付けた使用者による障害者虐待に関する相談・通報件数は28%増(平成26年度:664件、平成27年度:848件)。


依然として虐待件数は多く,とくに知的障害者に対するものが83%と大半をしめ,通報件数は増加傾向にあると言えるでしょう.



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by medical-law | 2016-12-17 04:55 | 福祉

HPVワクチン薬害訴訟,第2次全国一斉提訴~原告は119名に

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HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団によると,2016年12月14日,国とグラクソ・スミスクライン社、MSD社を被告に,57名の追加提訴を行い,全国の原告は119名になったとのことです.

第2次全国一斉提訴~原告は119名に」ご参照

提訴行動の写真には,私が知っている信頼できる先生も何人か写っていました.

HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団の連絡先は,
〒102-0084 東京都千代田区二番町12番地13セブネスビル3階
樫の木総合法律事務所内
TEL:03-6268-9550
です.


私自身は,このような集団訴訟に参加する余力はありませんが,応援はしていきたいと思います.

谷直樹

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by medical-law | 2016-12-15 08:23 | 医療事故・医療裁判

美容室脳卒中症候群で英理髪店が9万ポンド賠償

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AFP「散髪で脳卒中に、英理髪店が1300万円の損害賠償」(2016年12月13日)は,次のとおり報じました.

「散髪が原因で脳卒中を発症した英国人男性に理髪店から損害賠償として9万ポンド(約1300万円)が支払われた。」
「医師らは、洗髪の際に首を後ろへ反らせる姿勢によって動脈が圧迫され、その時にできた血栓が脳卒中を引き起こしたと診断。タイラーさんは3か月間の入院を余儀なくされ、退院後は歩行のために杖が必要となったほか、視力低下のため車を運転することもできなくなった。
 タイラーさんの代理人は、2011年の訪店時に理髪店が頭部を適切に保護することを怠ったと主張。そしてこのほど、理髪店側が損害賠償の支払いに応じた。」


「美容室脳卒中症候群」はよく知られています
スタンダールが,サンタ・クローチェ聖堂のジョットのフレスコ画を見上げていた時に,激しい動悸に突然襲われ脳卒中寸前の状態になったことから,「スタンダール症候群」とも言われています.
首を反らせることで,椎骨動脈が圧迫されて,血流が停滞し,微小血栓ができて,その血栓が脳動脈に流れ込むことで発症します.寺院の天井画を見るときも気を付けねばなりません.

美容室脳卒中症候群で賠償が支払われたのは,ニュースです.脳梗塞の原因は複合的ですし,3日後の商談中の発症で洗髪の際の圧迫が原因とよく診断できた,と思います.

ちなみに,日本の理髪店では,美容室と違い,顔を下向きにして洗髪することが多いようです.
顔を上向きにするところでは,頸をソフトに支えるようになっている台が多いように思います.
淡路町の或る理髪店では,洗髪の際に,上向きか下向きか希望を聞かれました.

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by medical-law | 2016-12-14 02:55 | 医療

『モアナと伝説の海』,モアナが冒険の旅に出る理由

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AFP「少女向けのお姫さま番組は「有害」、テレビに求められる変革」(2016年10月26日)によれば,「男女それぞれの固定観念を刷り込むことが、少女らにとって不利益になりかねないという懸念の広がりを背景に、昨今では、子ども向けテレビ番組の制作会社に対して、より冒険心あふれる女性キャラクターを生み出すべきとの要望が強まりつつある。ディズニーに対しては、典型的な『お姫さま像』を執拗(しつよう)に売り込むことにより、幼い少女らの視野を狭め、『体形コンプレックス』問題に拍車を掛ける有害な『お姫さま文化』をあおり立てているのではないかという批判がある。」とのことです.

プリンセスとは,王女またはプリンスの配偶者を意味します.
ディズニープリンセスは,公式には13姫ですが,白雪姫,シンデレラ,オーロラ姫,アリエル,ベル,ジャスミンが中軸6姫です.白雪姫とシンデレラは,うがった見方をすれば,原作の腹黒い性格と策略の代わりに,おっとりした性格と気品が与えられ,ミスコンにでたら優勝か準優勝できそうな美貌とスタイルを武器に成功を手中にしたとみられなくもありません.原作のオーロラ姫は準強姦の被害者にもかかわらず加害者の王様の側室になりますし,下半身を人にしてもらう代償に会話ができなくなったアリエルは王子を得ることができず自死してしまいますが,ディズニーは美しい物語に変換しています.ベルは野獣を蘇生したり人に変えたりできる強い力をもっていますが,その力を用いるのは最終局面です.ジャスミンは怪力でその戦闘力は半端ではありませんが,物語の主人公ではありません.
男の子が冒険の旅にでてお姫様を救出する物語は,男女について保守的な固定観念の刷り込みにつながるとみられ,今後製作が控えられるでしょう.
時代とともに作品の評価が変わることはさけられませんが,ディズニーアニメが有害アニメに指定されることがないよう願います.

ディズニー映画の次作で,モアナが女神テ・フィティの“心”をとり返す冒険の旅に出るのは,このような事情,理由があるからでしょう.
モアナと伝説の海』は、11月23日に全米3875館で封切られ,1880万ドル(約21.7億円)を稼ぎ3週連続全米No.1に輝いたとのことです.
日本公開は,2017年3月10日(金)です.


谷直樹

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by medical-law | 2016-12-13 09:26 | 趣味

日本産婦人科医会,重大事故が相次いでいる愛媛県今治市の産婦人科医師を指導(報道)

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読売新聞「愛媛の診療所、妊産婦の死亡・障害続発…産科医会が初の直接指導」(2016年12月12日)は次のとおり報じました.


「愛媛県今治市の産婦人科診療所で昨年までの3年以内に妊産婦2人の死亡が相次ぎ、日本産婦人科医会が指導に乗り出した。

 妊産婦に重い障害が残った例も含め深刻な事態が続発しており、同医会は11日、役員らが現地を訪れて事情を聞き、改善策としてリスクの高い帝王切開は行わないなどの方針を確認した。同医会が医療機関へ直接指導に踏み切るのは初めて。

 同医会は、開業医を中心とする全国約1万2000人の産婦人科医が加入する専門職団体。厚生労働省によると、日本の妊産婦死亡率は出産10万件に3・8人と極めて低い。同診療所での出産は年間約130件。50歳代の男性医師が一人で診療にあたっていた。特定の診療所で短期間に死亡や重度障害が続発するのは「通常ない深刻な事態」(同医会)で、異例の対応に踏み切った。

 同医会は、問題の可能性があるとの情報が寄せられた出産4件を調査。カルテを調べたところ、2012年に産後に大出血した女性が死亡、3年後の15年には帝王切開を受けた女性が死亡していた。09年には帝王切開後に脳梗塞を起こした女性が半身マヒの重い障害を負ったほか、16年には帝王切開後の女性が出血性ショックで重症となったが、他の病院に搬送され命を取り留めた。女性4人はいずれも当時30歳代。

 この日、松山市で取材に応じた同医会は、過失の有無は不明としたが、出血や血圧の管理、急変時の対応など、診療に不十分な点があったとの見方を示した。また、妊産婦が死亡した場合、詳細を報告するよう医療機関に求めているが、同診療所は1件について簡単な報告をしただけだった。

 指導を受け、同診療所では今後、帝王切開は近隣の病院に任せ、正常 分娩 も来年3月までとする方針。同医会は、同4月にも、改善策が実行されているか実地調査を行う予定だ。同医会の石渡勇・常務理事は「もっと早く情報を把握し対応すべきだった」としている。」



毎日新聞「愛媛・産婦人科医 日本医会が改善指導 3年間で2人死亡」(2016年12月12日)は次のとおり報じました.

「出産直後の女性が死亡するなど複数の重大事案が起きた愛媛県今治市の産婦人科医院を、日本産婦人科医会の幹部らが11日に訪れて調査を実施し、改善を指導した。医会幹部の立ち入り指導は異例といい、石渡勇・医会常務理事は取材に対し「3年間で死亡事案が2件相次いだことは異常。非常に重く受け止めている」と話している。国内で年間約100万件ある分娩(ぶんべん)の前後に女性が死亡する事故は通常40件程度という。

 医会などによると、同産婦人科は50代の男性医師が1人で診療にあたり、年間130~140件ほどのお産を手掛けている。「重大医療事故が相次いでいる」という情報が寄せられたことを受け、医会は今年9月、カルテなどの調査に着手。その結果、2009年以降の8年間で2件の死亡事案を含む4件の重大事故が起きていたことが確認された。

 12年には当時30代の女性が出産後に出血が止まらず、市内の県立総合病院への搬送中に死亡。15年には当時30代の別の女性が帝王切開手術後に腹腔(ふくくう)内で大量出血し死亡した。この他、09年に当時30代の女性が麻酔を伴う帝王切開手術の後、脳梗塞(こうそく)になり、半身にまひが残った。16年も出産後の大量出血で当時30代の女性が一時重症となった例があったという。いずれも、生まれた子は無事だった。

 男性医師はこれら4件のうち、15年に起こった死亡事案の概要を医会に報告したのみで、3件については医会に伝えていなかった。医会は詳しい報告を待つスタンスを取り、評価委員会を開くなどの対応はしていなかった。

 医会は11日の調査後、「症状が重篤になる前に別の対応ができた可能性があり、結果的に判断が遅かったことになる」と指摘。血圧や脈拍数などを正確に測ることや、緊急時には速やかに県立病院に搬送する体制を整えることなどを改善点として示した。

 その上で、今後の方針として、来年3月末までに分娩から撤退することを前提に、その後は同産婦人科では34週前後までの妊婦の検診のみ受け付け、分娩は県立の総合病院でしてもらう「セミオープンシステム」を提案した。

 石渡常務理事は「地域の医師間のコミュニケーションが取れておらず、人手不足を補って助け合うことができていなかったことが残念」としている。男性医師は取材に対し「指摘された内容を重く受け止め、改善していかないといけない。提案については前向きに検討する」と述べた。【黒川優、成松秋穂】」



毎日新聞「<産科重大事故>リピーター医師の根絶困難 是正制度不十分」(2016年12月12日)は次のとおり報じました.

 「愛媛県今治市の産婦人科で出産直後の女性の死亡などの重大事故が相次いでいたことが明らかになった。医療事故を繰り返す「リピーター医師」は、重大な医療事故が多発した1999年ごろから問題視されるようになった。厚生労働省は2007年度から行政処分を受けた医師の再教育を義務付けたが、事故の繰り返しは明るみには出にくく、是正制度は十分とはいえない。

 医療事故に備えて医師や医療機関の多くは保険に加入し、開業医には日本医師会が契約する医師賠償責任保険がある。過去の機関誌によると、73〜95年に患者側から100万円を超える損害賠償を2回以上請求された医師は511人に上る。

 厚労省の審議会は02年、刑事事件にならなくても明らかな注意義務違反があった医療ミスを医業停止などの行政処分対象とする方針を示したが、実際に処分したのはわずか2件。ミスの繰り返しを理由としたのは12年の戒告1件だけだ。

 昨年10月から医療事故調査制度が始まり、従来は特定機能病院などに限られていた死亡事故の報告義務が、全ての死亡事故に拡大された。しかし、事故の繰り返しをチェックしたり、外部が是正を求めたりする仕組みにはなっていない。

 一方、日本産婦人科医会は04年から会員に重大事故の報告義務を課し、調査や改善指導する独自制度を作った。年間100〜600件台の報告があるが、報告するかどうかは医師の判断任せで、同医会に業務停止などを命じる権限もない。リピーター医師の排除は難しいのが現状だ。【清水健二】」



たまたま重大事故が相次いだとは考えにくい頻度です.
産科医・産科医療を守るためには,むしろ,積極的な指導が必要だったと思います.
もっと前に指導改善していたなら,後の事故は起きなかったかもしれません.

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by medical-law | 2016-12-12 15:41 | 医療事故・医療裁判

高知県・高知市病院企業団立高知医療センターで,麻酔剤多量投与のミス,抗菌剤を静脈注射のミスの医療事故

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読売新聞「医療事故2件で一時心肺停止…高知医療センター」(2016年12月11日)は次のとおり報じました.

「高知医療センター(高知市)で7月、入院中の70歳代の男女各1人に対し、誤って麻酔剤を多量に投与したり、抗菌剤の投与方法を間違ったりする医療事故があり、ともに一時心肺停止の状態に陥ったことがわかった。

 病院側は関係者に謝罪したという。

 同医療センターによると、70歳代の男性は、胆管と膵管に内視鏡検査を行うため、麻酔剤を投与。効果が薄いため投与量を増やしたところ、心拍数が低下して一時心肺停止となった。蘇生を行って現在は回復したという。

 一方、70歳代の女性には、肺の治療のため吸引で抗菌剤を投与する方法をとるはずだったが、誤って静脈注射で投与し、一時心肺停止になった。蘇生を行って回復したが、処置する際に肋骨が折れたという。

 同医療センターは「事故をしっかりと検証して情報共有を行い、マニュアルを見直したい。今後は患者の安全管理に一層重点を置き、病院運営を図りたい」としている。」


医療事故のなかでも,薬剤に関するものは多いように思います.
高知新聞によると,「高知医療センターでは、薬剤の投与方法は医師が電子カルテに記入して指示。電子カルテには「吸入」の指示が記入できないシステムになっており、吸入の場合はいったん「注射」と記入し、コメント欄で吸入を指示することが慣例となっていた。看護師は別病棟から異動してきており、この慣例が徹底できていなかった」とのことです.


谷直樹

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by medical-law | 2016-12-11 22:56 | 医療事故・医療裁判