弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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甲府市立甲府病院,耳への使用が禁忌のヒビテン・グルコネート液を使用し示談2件

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朝日新聞「甲府の病院で医療ミス、2人と和解」(2017年2月21日)は,つぎのとおり報じました.


「甲府市立甲府病院で副作用の恐れがある消毒液「ヒビテン」を耳の手術に使い、難聴が悪化する医療ミスが2件あったことが20日、分かった。市は県内の70代男性と50代女性の患者と和解し、今月10日に和解金計850万円を支払った。


 厚生労働省によると、ヒビテンは1985年までに有効性より副作用の危険性が高いと指摘され、薬の添付文書で聴神経などへの直接使用について「難聴や神経障害を来すことがある」として「禁忌」と明示している。」



山梨日日新聞「耳の手術で禁止の消毒液使用 市立甲府病院」(2017年2月22日)によると,、11年6月、耳鼻咽喉科で鼓膜の穴をふさぐ手術の際、「液が透明で視認しやすい」ことなどから消毒液を「ヒビテン・グルコネート液」に変更されたとのことです.院内の医師らで構成する事故調査委員会が昨年3月、「ヒビテン・グルコネート液」の使用が原因と結論付けた,とのことです.


上記報道の件は,私が担当したものではありません.
ヒビテン・グルコネート液を耳に使用する耳鼻科医がいることに,驚きます.
病院は,当初感染症によるものでhないか,と言い,事故調査報告があっってからも約1年間公表してこなかったわけです.


谷直樹

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by medical-law | 2017-02-27 18:11 | 医療事故・医療裁判

ヨハネス・フェルメール「手紙を書く女」

美の巨人たち』の「手紙を書く女」の回を見ました

朽木ゆり子さんの『フェルメール全点踏破の旅』では,「手紙を書く女」は展示のタイミングとあわず,見られなかったようです.
番組は,「真珠の耳飾りの少女」(ハーグのマウリッツハイス美術館所蔵)に魅せられた女性がフェルメール全点踏破の旅に挑み最後に「手紙を書く女」(ワシントンのナショナル・ギャラリー・オブ・アート所蔵)を見るというドラマ仕立てで進行しました.「手紙を書く女」は,児童文学の傑作『フェルメールの暗号』でも知られていますね.

フェルメール・ブルーが有名ですが,「手紙を書く女」は黄色のガウンが印象的です.
ところが,黄色が使われたのは一部だけであとは茶色だったとのことでした.
ちなみに,モデルは,妻のカタリーナ・ボルネスのようです.

ルーヴル美術館では,2月22日~5月22日(火曜日を除く毎日午前9時~午後6時,水曜日と金曜日は午後9時45分まで),「フェルメール展」が開催されています.
今なら,世界中を旅することなく,ルーヴル美術館に行くだけで,フェルメールの主要作品を見ることができます.
私は,仕事が詰まっているので難しいですが.

Vermeer and the Masters of Genre Paintingご参照
Organized by:Blaise Ducos, Department of Paintings, Musée du Louvre, Paris, Adriaan E. Waiboer, National Gallery of Ireland, Dublin, and Arthur K. Wheelock Jr., National Gallery of Art, Washington.



谷直樹

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by medical-law | 2017-02-26 18:39 | 趣味

横浜地判平成29年2月23日,同意していない目的で検査をした国立病院構横浜医療センターに慰謝料命じる

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神奈川新聞「同意なしで検査、病院に賠償命令 横浜地裁判決」(2017年2月24日)は,次のとおり報じました.

「国立病院機構横浜医療センター(横浜市戸塚区)に検査入院した同区の女性(70)が、不必要な心臓カテーテル検査を強いられたとして、同機構などに156万円の損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁(石橋俊一裁判長)は23日、女性側の主張を一部認めて30万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決によると、女性は別の医療機関で動脈瘤(りゅう)の疑いと診断され、2015年12月に同センターに検査入院した。2日後に動脈瘤がないと判明したが、センター側は狭心症の疑いを理由に心臓カテーテル検査を実施した。

 判決は、女性が事前に同意した同検査は動脈瘤に対するものと指摘。狭心症の疑いのために同検査が必要であることを再度説明しなかったセンター側の対応を、「同意なく検査を行った不法行為」と認定した。

 その上で同検査のリスクなどを踏まえ、「狭心症の確定診断のためだけでは女性が検査に同意しなかった可能性は高い」として、検査費用の返還や慰謝料として30万円の支払いを命じた。」



これは私が担当した事件ではありません.
広く「症状の原因を調べるための検査」に同意した事案では,原因を知るために検査を行うことができるのですが,この報道の事案は「動脈瘤を疑っての検査」に同意しただけで,動脈瘤が否定された以上,同意のない検査ということのようです.
心臓カテーテル検査にもリスクがありますので,検査目的を患者に説明し,同意があった場合のみ検査できる,というのは当然のことでしょう.


谷直樹

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by medical-law | 2017-02-25 09:05 | 医療事故・医療裁判

冤罪を晴らす神様

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八百万(やおよろず)の神様の中には,冤罪を晴らす神様もいます.
それは,菅原道真公です.

北野天満宮では,毎月25日がご縁日ですが,菅原道真公の祥月命日である今日は,上七軒の芸妓さんたちによる野点(梅花祭野点大茶湯)が行われます.

亀戸天神社では,菜種御供 (なたねごく)が行われます.

梅も満開です.

東風吹かば 匂いおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな.

名張事件,袴田事件,マルヨ無線事件,大崎事件,日野町事件,松橋事件,福井女子中学生殺人事件,姫路郵便局強盗事件,小石川事件等冤罪事件は数多くあります.


谷直樹

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by medical-law | 2017-02-25 07:34 | 司法

村上春樹さんの『騎士団長殺し』

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待望の『騎士団長殺し』を買ってきました.装画はチカツタケオさん,装幀は高橋千裕さんです.『ノルウェイの森』は眼に鮮やかなクリスマスカラーでしたが,これは,第一部が薄青,第二部が古代紫です.
バブルの開始の987年が小説『ノルウェイの森』と映画『トップガン』とアルバム『ナッシング・ライク・ザ・サン』(Englishman in New York ,Fragile等)で記憶される年であったように,2017年は,村上春樹さんの『騎士団長殺し』が出版された年として記憶されるかもしれません.


谷直樹

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by medical-law | 2017-02-24 20:47 | 趣味

厚労省,埼玉メディカルクリニックに再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づく緊急命令

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厚労省は,平成29年2月20日,「再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づく緊急命令について」を発表しました.

厚労省は,平成29年2月17日,「埼玉メディカルクリニック」(埼玉県所沢市)に,再生医療等の安全性の確保等に関する法律第24条第2項に基づく立入検査を行ったところ,同法第4条1項違反が確認され,保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると判断したため,2月20日付けで同法第22条に基づき,再生医療等の提供の一時停止を命じました,とのことです.


【確認された法律違反】
「埼玉メディカルクリニック」
・第一種再生医療等提供計画を提出せず、アンチエイジング等の目的で他人の臍帯血を用いた第一種再生医療等を提供していたこと(法第4条第1項違反)」


第4条は以下のとおりです.
「第四条  再生医療等を提供しようとする病院又は診療所(医療法第五条第一項 に規定する医師又は歯科医師の住所を含む。第三号を除き、以下同じ。)の管理者(同項 に規定する医師又は歯科医師を含む。以下この章及び次章において同じ。)は、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、第一種再生医療等、第二種再生医療等及び第三種再生医療等のそれぞれにつき厚生労働省令で定める再生医療等の区分ごとに、次に掲げる事項(第二号に掲げる再生医療等が第三種再生医療等である場合にあっては、第三号に掲げる事項を除く。)を記載した再生医療等の提供に関する計画(以下「再生医療等提供計画」という。)を厚生労働大臣に提出しなければならない。
一  当該病院又は診療所の名称及び住所並びに当該管理者の氏名
二  提供しようとする再生医療等及びその内容
三  前号に掲げる再生医療等について当該病院又は診療所の有する人員及び構造設備その他の施設
四  第二号に掲げる再生医療等に用いる細胞の入手の方法並びに当該再生医療等に用いる特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法(特定細胞加工物の製造を委託する場合にあっては、委託先の名称及び委託の内容)
五  前二号に掲げるもののほか、第二号に掲げる再生医療等に用いる再生医療等技術の安全性の確保等に関する措置
六  第二号に掲げる再生医療等に用いる細胞を提供する者及び当該再生医療等(研究として行われる場合その他の厚生労働省令で定める場合に係るものに限る。)を受ける者に対する健康被害の補償の方法
七  第二号に掲げる再生医療等について第二十六条第一項各号に掲げる業務を行う認定再生医療等委員会(同条第五項第二号に規定する認定再生医療等委員会をいう。以下この章において同じ。)の名称及び委員の構成
八  その他厚生労働省令で定める事項
2  再生医療等を提供しようとする病院又は診療所の管理者は、前項の規定により再生医療等提供計画を提出しようとするときは、当該再生医療等提供計画が再生医療等提供基準に適合しているかどうかについて、あらかじめ、当該再生医療等提供計画に記載される認定再生医療等委員会の意見を聴かなければならない。
3  第一項の再生医療等提供計画には、次に掲げる書類を添付しなければならない。
一  再生医療等提供計画に記載された認定再生医療等委員会が述べた第二十六条第一項第一号の意見の内容を記載した書類
二  その他厚生労働省令で定める書類」




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by medical-law | 2017-02-23 08:06 | 医療

日弁連,旧優生保護法下において実施された優生手術及び人工妊娠中絶に対する補償等を求める意見書

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日本弁護士連合会(日弁連)は,2017年2月16日,「旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶に対する補償等の適切な措置を求める意見書」を発表しました.長文ですが,ご一読をお奨めいたします.


「第1 意見の趣旨
1 国は,旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶が,対象者の自己決定権及びリプロダクティブ・ヘルス/ライツを侵害し,遺伝性疾患,ハンセン病,精神障がい等を理由とする差別であったことを認め,被害者に対する謝罪,補償等の適切な措置を速やかに実施すべきである。
2 国は,旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶に関連する資料を保全し,これら優生手術及び人工妊娠中絶に関する実態調査を速やかに行うべきである」


そして。次のとおり結んでいます.

「旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶の被害者は合計8万3963人にも及び,これらの被害者に対しては,ハンセン病を理由とする被害者に対してのみ,その隔離政策と差別全般に対する謝罪と補償がなされたものの,それ以外には,今日に至るまで謝罪や補償がなされることなく放置されている。

「旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶は,対象者の自己決定権(憲法13条)及びリプロダクティブ・ヘルス/ライツを侵害し,かつ,平等原則(憲法14条1項)に違反する。

日本政府は,実施当時,旧優生保護法に基づき適法に行われた手術は補償の対象とはならない旨の見解を示しているが,法が憲法に違反していれば,法としての効力を有しないのであるから,実施当時適法であったとの主張が論拠を失うことは言うまでもない。

よって,これらの優生手術及び人工妊娠中絶が国家的な人口政策を目的としてなされたこと及びその被害が極めて重大であることに鑑みれば,その被害を放置することは許されず,

国は,被害者に対する謝罪,補償等の適切な措置を実施すべきである。

また,被害者に対する謝罪,補償等の適切な措置を実施するに当たっては,その前提として,優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶に関連する資料を保全し,これらに関する十分な実態調査を行うことが必要である。優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶は,1949年から実施されており,同年から現在までに68年もの年月が経過している。そのため,現時点においてすでに重要な資料の一部が失われている可能性があり,今後さらに,年月の経過とともに関連する資料が散逸する危険性がある。これら優生手術及び人工妊娠中絶の関連資料が失われれば,実態調査が難航するとともに,被害者が被害を
受けたことを立証することも困難となるおそれがある。よって,国は,早急に関連資料の保全を行った上で,優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶の実態調査を実施すべきである。

この適切な措置及び調査は国際機関からの要請でもある。そして,旧優生保護法の制定当初に優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶を実施された被害者が,すでに相当に高齢になっていることをも考慮して,被害回復のための適切な措置及び調査は可能な限り速やかに実施されるべきである。 」



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by medical-law | 2017-02-22 18:56 | 弁護士会

東京地裁,ハンセン病の非入所者遺族と国が和解

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朝日新聞「ハンセン病の非入所者遺族が国と和解」(2017年2月20日)は,次の通とおり報じました.

「ハンセン病患者の隔離政策をめぐり、療養所に入らなかった「非入所者」の元患者3人の遺族4人が国に損害賠償を求めた訴訟で、4人全員の和解が成立したと代理人弁護士が20日、明らかにした。

 和解したのは、愛知、福島、沖縄の各県に住む非入所者の息子や母親ら4人。遺族側代理人によると、国が隔離政策による人権侵害について謝罪し、遺族1人あたり350万~500万円を支払う内容。非入所者の遺族と国が和解したのは初めてという。

 元患者で非入所者の賠償をめぐっては、2002年に国と基本合意が成立。だが、非入所者の遺族については言及されてこなかった。今回の和解で、遺族も基本合意の水準に沿って、元患者の賠償金を相続できることが認められた。」


これは,私が担当した事件ではありません.
非入所者も人権を侵害されてきましたので,基本合意の水準で東京地裁で和解が成立したことの意義は大きいと思います.


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by medical-law | 2017-02-20 23:06 | 人権

麻酔科医の犯罪

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特定の病院に所属していない非常勤の麻酔医が,2月3日,手術中に自分の腕に注射しているところを看護師が目撃し,院長が通報し,警察官が駆けつけた際,麻酔科医はもうろうとした状態で,バッグからはフェンタニルを含む液体を入れた注射器が見つかったと報じられています.

TBS 「手術中に麻酔薬抜き取った疑い、医師逮捕」(2017年2月20日)は,次のとおり報じました.

「「容疑を認めたうえで「20回くらい自分に投与した」「ストレス解消のためだった」などと話しているということです。」

麻酔科医が麻薬を自己使用した事件は過去にも何度も報道されており,死亡事故も複数報道されています.
外科医がチームで手術を行うのとは対照的に,麻酔科医は手術室で1人孤独に仕事をこなします.とくに容疑者はフリーの麻酔科医でしたのでいっそう孤独だったのでしょう.麻酔科医のストレス度を調べ,早期に対処する仕組みが必要でしょう. 


谷直樹

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by medical-law | 2017-02-20 20:31 | 医療

Health Press,超一流?東大病院でズサン管理の死亡事故~担当弁護士が語る<危険な病院>の見分け方

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先日取材を受けたところ,Health Pressに,「超一流?東大病院でズサン管理の死亡事故~担当弁護士が語る<危険な病院>の見分け方」が載りました.ご一読いただきたくお願いします.
http://healthpress.jp/2017/02/post-2817.html


東京大学医学部附属病院薬剤取り違え事故についてはコチラ
http://medicallaw.jp/toudaitoritigae.html


谷直樹

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by medical-law | 2017-02-19 13:33 | 医療事故・医療裁判