弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

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名古屋市が全国市長会予防接種事故賠償補償保険で子宮頸がんワクチン後の3級相当の障害を補償

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朝日新聞「子宮頸がんワクチン後に身体障害、名古屋市が初の補償」(2017年2月28日)は次のとおり報じました.

 「名古屋市は、子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に体の障害を訴えた女性1人について、2160万円を支払うことを決めた。2016年度補正予算案に補償費を計上し、開会中の2月市議会に提出した。

 この女性は10~11年度、市の助成を受け任意の予防接種を3回受け、予防接種法に定める身体障害3級相当の障害が残ったという。このほか数人が補償を求めているという。

 市が加入する全国市長会予防接種事故賠償補償保険制度を利用する。予防接種と健康被害との因果関係が認められた場合、国や製薬会社の過失の有無に関わらず金銭的な補償をする制度。名古屋市がこの制度を使って救済するのは初めて。市によると、広島市、宮崎市に同様の支給例があるという。」


ということは,ワクチン接種と障害との間に因果関係があるということなのですね.
名古屋市のサイトには,「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業による予防接種の健康被害救済について」と「名古屋市の加入する保険による救済制度」が掲載されています.
全国市長会予防接種事故賠償補償保険は,死亡保障保険金4,220万円,障害補償保険金障害等級1級 4,220万円,障害等級2級2,809万8千円, 障害等級3級2,145万1千円です.
一般的に,市の事業による予防接種については,市が加入している全国市長会予防接種事故賠償補償保険(市予防接種事故災害補償規程)が使えます.独立行政法人医薬品医療機器総合機構による救済制度と併せて給付を受けることができます.

谷直樹

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by medical-law | 2017-03-04 13:00 | 医療

八尾市が仲介した預かり保育中のうつ伏せ寝窒息事故,4000万円で和解(報道)

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時事通信「乳児死亡、4000万円で和解=八尾市の預かり事業—大阪地裁」(2017年3月3日)は,次のとおり報じました.
 
「大阪府八尾市が仲介した預け先で当時5カ月の長女が心肺停止となりその後死亡したのは、うつぶせ寝が原因として、大阪府に住む両親が同市と預かった女性などに損害賠償を求めた訴訟は3日、大阪地裁(三木素子裁判長)で和解が成立した。女性が両親に和解金計4000万円を支払う内容で、女性は遺影に向かって謝罪したという。
 和解条項で八尾市は「今後、預かり保育中の子供の事故防止に努める」とされた。金銭支払い義務は盛り込まれなかったが、実際の和解金支払いは、市が契約していた保険会社が行うとみられる。」


報道の件は,私が担当したものではありません.
0歳児の死亡事故は,逸失利益,死亡慰謝料,葬儀関係費用等で約4000万円ですので,勝訴判決とほぼ同じ金額での和解と考えてよいとおもいます.


谷直樹

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by medical-law | 2017-03-04 09:56 | 司法

東京大学分子細胞生物学研究所元教授グループによる論文不正問題で元教授ら5人処分

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東京大学は,3月3日,東京大分子細胞生物学研究所元教授のグループによる論文不正問題で,元教授ら5人の処分を発表しました.多数の論文に捏造,改竄があった件で,隠蔽工作を図った元教授,元助教授,元准教授,元特任講師が懲戒解雇相当,元助教が諭旨解雇相当とされました.

「東京大学は、「東京大学分子細胞生物学研究所・旧加藤研究室における論文不正に関する調査報告(第一次)」(平成26年8月1日公表)および「東京大学分子細胞生物学研究所・旧加藤研究室における論文不正に関する調査報告(最終)」(平成26年12月26日公表)の裁定に関連し、当該関係者が本学在職中に行った不正行為について、仮に在職者であったとする場合に懲戒事由に該当する不正行為であったのかを調査した結果、東京大学教職員就業規則(平成16年4月1日東大規則第11号)第39条に規定する懲戒処分に相当するものと判断し、2月17日付けで、下記の通り懲戒処分相当を決定し通知した。」


論文不正は広く深い問題です.他の研究室についてもそのようなことがないよう願いたいものです.


谷直樹

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by medical-law | 2017-03-04 05:11 | コンプライアンス

日本弁護士連合会の臨時総会,依頼者見舞金制度創設を可決

b0206085_0554137.jpg本来は,基本的人権を擁護し,社会正義を実現することを使命とし,常に、深い教養の保持と高い品性の陶冶に努め,法令及び法律事務に精通しなければならないのが弁護士です.公益活動は,弁護士の本来の仕事です.世のため人のために働くのが弁護士です.

ところが,成年後見人として管理する高齢者の財産を横領する弁護士が後を絶ちません.
弁護士は,簡単な試験に受かり,短い司法修習を終え,とても簡単な二回試験に受かり,弁護士会に登録すれば,誰でもできる職業です.弁護士になるのは簡単ですが,弁護士として生きていくには,弁護士になったあとの努力と研鑽がとても重要です.
つまり,弁護士は,規範意識が鈍磨した人でも簡単になれる職業で,努力と研鑽を積まないと信頼と成果を得ることができず,経営がたちゆかない職業です.金儲けに走ることと経営基盤を安定させることは全く別の話です.
後見人弁護士による横領を確実に防止するには,今のところ弁護士を後見人に選任しない以外ありませんが,実際には成年後見人の5人に1人は弁護士です.
一般の人にとって,弁護士が成年後見人を務めることによる不安感は,相当に大きいようです.

日本弁護士連合会(日弁連)は,今日,臨時総会を開き、依頼者見舞金制度を創設する議案を,賛成9848,反対2699,棄権88で可決しました.
2017年4月1日以降に発生した横領行為から,成年後見制度などで弁護士に財産を横領された被害者に対して、1人あたり500万円を上限(同一弁護士の被害者が複数いる場合は合計2000万円を上限)として見舞金が支払われます.司法書士会の後追いです.
私の払う弁護士会費の一部が,見舞金の原資となるわけです.
しかし,これで弁護士が成年後見人を務めることによる不安感が一掃されるわけではありません.
信頼回復のためには根本的な対策が必要でしょう.依頼者見舞金制度創設は横領後の緊急避難的救済措置にすぎません.横領自体を防止するための制度の創設が不可欠です.


なお,中川素充先生らが、『弁護士 転ばぬ先の経営失敗談』等で知られる北周士先生へ委任した委任状3通が書き換えられた問題について,東京弁護士会は事務員のミス(白紙委任状のなかに紛れ込んだ)と説明しています.
この説明,信じるか信じないかはあなた次第・・・


谷直樹

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by medical-law | 2017-03-03 20:54 | 弁護士会

美容外科クリニックで豊胸手術を受けて死亡した女性の死因,司法解剖で特定できず(報道)

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メーテレ「美容外科手術で女性死亡 医師「手術に問題なかった」(2017年3月1日)は,次のとおり報じました.

「名古屋市中村区の美容外科医院で手術を受けていて死亡した女性について、担当した医師は警察に対し「手術に問題はなかった」という趣旨の説明をしていることがわかりました。

警察によりますと、先月27日、中村区名駅の「東海美容外科クリニック」で、32歳の女性が豊胸手術を受けていたところ意識を失い、その後死亡しました。手術を担当した男性医師は警察に対し「手術自体に問題はなかった」という趣旨の説明をしているということです。警察は遺体の司法解剖をしましたが、死因は特定できませんでした。今後病理検査を行い、アレルギー症状があったかなどについても調べる方針です。」


報道の件は私が担当したものではありません.
司法解剖を行っても死因は除外できても特定できないことがあります.
出血死でないとすると,麻酔薬による呼吸停止等が疑われ,術中のバイタルがどのようなものだったかが問題になるでしょう.


谷直樹

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by medical-law | 2017-03-02 08:48 | 医療事故・医療裁判