弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

<   2017年 10月 ( 37 )   > この月の画像一覧

東京地裁,調剤ミスで約360万円の支払いを命じる(報道)

共同通信「調剤ミス、薬局に賠償命令 薬に千倍の成分で意識障害」(2017年10月30日)は次のとおり報じました.

「適量の千倍の成分を含む飲み薬を誤って出され、意識障害を起こしたとして、東京都中央区の男性(51)が薬局に約7100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は30日、約360万円の支払いを命じた。

 後藤健裁判長は、薬局の調剤ミスを認め「原告の精神的苦痛は大きい」と指摘した。

 判決によると、男性は2007年3月、のどに違和感を訴え中央区の病院を受診。唾液や胃液の分泌を抑制する「硫酸アトロピン」を含む粉薬を処方された。

 処方箋は、1包当たりの硫酸アトロピンを0・5ミリグラムと指定したが、近くの薬局で薬剤師が単位を取り違え、0・5グラムとして調剤した。」


これは私が担当した事件ではありません.
調剤ミスは示談で解決することが多いので,判決は貴重です.



谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

by medical-law | 2017-10-31 09:06 | 医療事故・医療裁判

『下鴨アンティーク 祖母の恋文』

b0206085_05424005.jpg

『下鴨アンティーク 祖母の恋文』(集英社オレンジ文庫,2016年)は,白川紺子氏の下鴨アンティークシリースの第3作で,4短編が収められています.
何れも,花,着物等の描写が具体的で,季節感が伝わってきます.夏蜜柑のシャーベット,茄子と鶏肉の唐揚げ,ゴーヤと鰹節の和え物,海老ピラフ,手作りドーナツ,最中,錦玉羹,イタリア風のそうめん,ズッキーニのマリネ,レモネード,氷で冷やした玉露,黒水晶のような水羊羹,琥珀糖,進々堂のレーズンと胡桃のパン,ゼリーポンチ,わらび餅,玉子サンドなど食べ物の記述も豊富です.これらは,作者の好物なのでしょう.
鹿乃,鹿乃の兄良鷹,良鷹の友人の慧のキャラが良いです.
謎解きというより,ファンタジーも加味されていますので,空気感にとっぷり浸る作品です.

「金魚が空を飛ぶ頃に」では,<白地金魚柄着物>の謎が解かれます.
季節は,宵山と夏休みを待つ頃です.
「梔子の白い花が宵口の闇にうすぼんやりと浮かびあがっていた。」
梔子は関東にない花です.
鹿乃の服装は,水色の地に白いよろけ縞の夏お召しに,帆船を描いた帯,碇をモチーフにした帯止めです.確かに海です.

「祖母の恋文」では,<十六 芥子色地格子柄帯>の謎が解かれます.
季節はお盆の頃です.
「仏壇の手前に精霊棚をしつらえ,蛍袋の花を飾った。」
蛍袋の花は,関東では赤紫色ですが,関西では白色です.
「錬鉄の門の脇にはあざやかな橙色の凌霄花が垂れ下がり,その手前には競い合うように百日紅が赤紫の花を咲かせている。」
鹿乃の服装は,ミントグリーンの地に,サイダーみたいな大小の水玉を散らした麻の着物に鷗柄の帯です.爽やかで涼しそうです.
送り火のときには,濃紺地の露芝文様の着物に,淡いレモンイエローの帯,きらきらとしたガラスビーズの帯止めに着替えます.夏の夜に合いそうです.

「山滴る」では,<春秋柄羽織>の謎が明かされます.
季節は,夏です.
「花器に凌霄花を生ける。それを古い桂籠に入れて,玄関にある柱に掛けた。」
「夏雪草である。細かな白い花が密生しているのが,ふんわりと草におりた初雪のように美しい。つやのある黒褐色をした古備前の花入に生けるとよく映える。」
黒谷町に出かけたときの鹿乃の服装は,白地にペールブルーの花柄がプリントされたシフォンワンピースというかわいいものです.これを着物のほうが好きと言い切ってしまう春野は相当の王子様です.
鹿乃の普段着は,露草色に白い大柄の矢絣が入った夏お召しに,あざやかな向日葵を描いた帯です.明るくて涼しげです.

真夜中のカンパニュラ」では,幽霊屋敷の謎が解き明かされます.
野々宮家の蹴上の別邸は,風鈴草屋敷と呼ばれています.
「白と青紫の風鈴草だ。小さな釣鐘の形をした,かわいらしい花である。」のですが・・・
季節は,「空はもう秋にさしかっている」頃です.
鹿乃ではなく,真帆の視線で進行します.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

by medical-law | 2017-10-29 06:02 | 趣味

社会福祉法人恩賜財団済生会横浜市東部病院が肝生検後の女児死亡で提訴される(報道)

朝日新聞「肝生検後に11カ月の女児死亡、両親が横浜の病院を提訴」(2017年10月27日)は,次のとおり報じました.

「横浜市鶴見区の横浜市東部病院で2010年、肝臓組織を採取する検査を受けた女児がその後死亡したことをめぐり、両親が26日、「病院の術後管理が不適切だったのが原因」などとして、病院側に約9千万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こした。両親の代理人弁護士が明らかにした。

 訴状によると、当時生後11カ月だった女児が10年9月1日、胸部から針を刺して肝臓組織を採取する検査(肝生検)を受けた後、容体が急変して同2日に死亡した。監察医による解剖の結果、女児の死因は肝生検による失血死とされた。

 両親側は、経験の浅い医師らの施術によって肝臓から出血した過失があったと主張。検査後に手足が冷たくなったり、唇が青白くなったりするなどの異常が現れたにもかかわらず、医師らが適切な対応をとらなかった、などと訴えている。

 横浜市東部病院は取材に対し、「見解は裁判で表明したい」とコメントした。」


報道の件は私が担当したものではありません.
監察医による解剖の結果死因が肝生検による失血死とされたこと等からすると病院に責任がありそうですが,裁判の結果に注目したいと思います.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

by medical-law | 2017-10-28 10:03 | 医療事故・医療裁判

青森市民病院,患者の名前を確認せず血圧降下剤や高血圧治療薬を心不全患者に服用させ死亡させる(報道)

産経新聞「誤投与、80代女性死亡 青森市民病院」(2017年10月27日)は,次のとおり報じました.

「病院によると、女性患者は7月25日に心不全などの症状で入院した。9月24日朝、女性を担当していた20代の女性看護師が、別の患者向けの血圧降下剤や高血圧治療薬を服用させた。投与後すぐに気付き、女性患者はその後、集中治療室で治療を受けたが、10月14日に心不全で死亡した。

 看護師が薬を入れた容器に貼られた患者の名前を確認しなかったことが原因としている。病院は処分を検討する。

 病院は遺族に謝罪した上で、賠償などの協議に応じる方針。遠藤正章院長は記者会見で「遺族に心からおわび申し上げる。病院を挙げて安全な医療体制の構築に努める」と述べた。」


報道の件は,私が担当したものではありません.
マニュアルは確認を求めています.ところがマニュアルを無視する看護師がいます.確認を必ず行わせるためには,研修,教育の徹底が必要でしょう.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

by medical-law | 2017-10-28 09:50 | 医療事故・医療裁判

青山雅幸衆院議員は即刻辞任すべきでしょう

青山雅幸衆院議員は週刊文春でセクハラが報じられました.
立憲民主党は,無期限の党員資格停止処分を決めました.

週刊文春掲載のLINEからすると,青山雅幸衆院議員は即刻辞任すべきでしょう.
元秘書のためにも,立憲民主党のためにも,立憲民主党に投票した有権者のためにも,ご本人のためにも.

患者側弁護士として患者側勝訴の判決を引きだした功績もありますが,信用,信頼は崩れました.
医療事故情報センター理事,静岡県医療事故研究会事務局長,静岡医療訴訟協議会幹事,全国B型肝炎訴訟静岡県弁護団団長,カネボウ美白化粧品被害静岡県弁護団団長,富士ハウス被害者対策弁護団静岡事務局長,吉田町個人情報保護審査会会長,吉田町公文書開示審査会会長も辞めて,いったんリセットしたほうがよいと思います.

今日明日の患者側弁護士の集会で会ったら直接言いますが,集会に来られないときのためにブログに書いておきます.

【追記】
青山弁護士は,本日の患者側弁護士の集会で肺塞栓事件の報告を予定していましたが,欠席のため,その報告はなくなり,本日集会は10時30分から始まりました.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

by medical-law | 2017-10-27 10:41 | コンプライアンス

柿の日~柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺

b0206085_21550566.jpg

今日は柿の日です.

「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」

これは,「法隆寺の茶店に憩ひて」と前書きがあることから,正岡子規氏が明治28年10月26日からの奈良旅行で詠んだ句とされています.

この句は,夏目漱石氏の
「鐘つけば銀杏ちるなり建長寺」
をふまえています.
建長寺の紅葉は11月下旬から見頃になります.


先の句は,奈良市内から法隆寺まで結構距離があり,正岡子規氏の健康状態を考えると,実際に法隆寺に行って柿を食べて詠んだ句ではないという説があり,この説は半分誤りで半分正しいように思います.

奈良観光では、東大寺、春日大社は見るでしょう.そして,奈良市内まできて、斑鳩の法隆寺に行かない手はありません.体調が優れなくても、余命が短いと感じていたら、見たいところは見ておこうと思うでしょう.ですから、正岡子規氏は法隆寺にも行っていると思います.

柿は、林檎のように外で齧りついて食べるものではありません.奈良とは言え,茶店のメニューに柿があるはあまり考えられません.切って皿に盛られたものを食する果物です.法隆寺で柿を食べたとは考え難いです.
「柿くへば」の柿は奈良名産の御所柿と言われています.御所柿の旬は冨有柿の旬より遅く11月下旬頃です.
正岡子規氏が柿を食べたのは東京で、11月下旬か12月上旬でしょう.

夏目漱石氏の句では、鐘の上に積もった銀杏の葉が、鐘を衝いたために落ちる、そのような原因・結果の関係、すなわち事実的因果関係があります.これに対し、柿を食べても食べなくても、時間になれば法隆寺の鐘は鳴ります.
この句は、御所柿を食べると、記憶の中の法隆寺の鐘が鳴る、というものでしょう.マドレーヌを食べると幼いときの記憶が蘇るのと同じです.
正岡子規氏は、好物の御所柿を食べ、御所柿→奈良の名産→奈良旅行→法隆寺の鐘の音、と連想したと思います.

なお、法隆寺の西円堂の梵鐘は,午前8時から午後4時まで2時間ごとに衝かれますが,私の中ではこの句は午後2時のイメージです.

正岡子規氏は果物とくに柿が好物だったそうです.この句を詠んだ翌年9月に亡くなっていますので、翌秋の柿は食べることができませんでした.
秋深き季節に自宅で御所柿を食べ、その味覚・嗅覚の刺激により,約1か月前の秋の晴れた日の午後2時の,法隆寺の紅葉(視覚)、鐘の音(聴覚)を想起した、そのような記憶の再生に、過去が現在に共有される穏やかな日常の幸せを感じます.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

by medical-law | 2017-10-26 05:49 | 日常

最高裁判所裁判官の国民審査の結果

b0206085_21255593.jpg

総務省によれば,最高裁判所裁判官の国民審査の結果(罷免を求める票数とその率)は,次のとおりです.(多い順に並べ替えました.)

小池 裕氏 (1小) 4,688,017  8.56%
木澤克之氏 (1小) 4,395,199  8.02%
菅野博之氏 (2小) 4,394,903  8.02%
大谷直人氏 (1小) 4,358,118  7.96%
山口 厚氏 (1小) 4,348,553  7.94%
戸倉三郎氏 (3小) 4,303,842  7.86%
林 景一氏 (3小) 4,089,702  7.47%

罷免を求める票数が,今回,名簿トップが最も多く,名簿ラストが最も少ない結果になっていますが,2~6位は名簿順ではありませんし,前の審査のときは最多数者が名簿トップではありませんでしたので,名簿順のためとは考えにくいと思います。判決が多いと判断材料が増えることから着任順が影響した可能性はあると言えるかもしれません.

森本学園関係の証拠保全を認めなかった第1小法廷の裁判官について,罷免を求める票数が多かったのは分かる気がします.とくに小池裕裁判官は,裁判長でした.
木澤克之裁判官は,加計学園監事の経歴も影響したのではないでしょうか.
第2小法廷は,逆転無罪判決を書いています.菅野博之裁判官の票数が多いのは,納得できません.(高校の同期生だから言うのではありません.)
選任経過は影響しなかったようです.私は山口厚裁判官に期待しています.
林景一裁判官が罷免を求める票数が少なかったのは,投票価値の平等を重視する良い少数意見を書いているためではないか,と思います.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

by medical-law | 2017-10-25 07:12 | 司法

残念な(不十分な)内容の,「がん対策推進基本計画」の変更が閣議決定

b0206085_21433325.jpg

がん対策基本法(平成18年法律第98号)に基づき策定する「がん対策推進基本計画」の変更が,平成29年10月24日,閣議決定されました.
がんの予防,医療の充実,がんとの共生が3本柱とされました.

「はじめに」では,次のとおり述べられています.

平成19(2007)年度からの10年間の目標である「がんの年齢調整死亡率(75歳未満)の20%減少」については、達成することができなかった。その原因としては、喫煙率やがん検診受診率の目標値が達成できなかったこと等が指摘されている。今後、がんの年齢調整死亡率(75歳未満)を着実に低下させていくためには、がんに罹かかる国民を減らすことが重要であり、予防のための施策を一層充実させていくことが必要である。また、がんに罹った場合にも、早期発見・早期治療につながるがん検診は重要であり、その受診率を向上させていくことが必要である。

また、新たな課題として、がん種、世代、就労等の患者それぞれの状況に応じたがん医療や支援がなされていないこと、がんの罹患をきっかけとした離職者の割合が改善していないことが指摘されており、希少がん、難治性がん、小児がん、AYA(Adolescent and Young Adult)世代(思春期世代と若年成人世代)のがんへの対策が必要であること、ゲノム医療等の新たな治療法等を推進していく必要があること、就労を含めた社会的な問題への対応が必要であること等が明らかとなってきた。

さらに、平成28(2016)年の法の一部改正の結果、法の理念に、「がん患者が尊厳を保持しつつ安心して暮らすことのできる社会の構築を目指し、がん患者が、その置かれている状況に応じ、適切ながん医療のみならず、福祉的支援、教育的支援その他の必要な支援を受けることができるようにするとともに、がん患者に関する国民の理解が深められ、がん患者が円滑な社会生活を営むことができる社会環境の整備が図られること」が追加され、国や地方公共団体は、医療・福祉資源を有効に活用し、国民の視点に立ったがん対策を実施することが求められている。

本基本計画は、このような認識の下、法第10条第7項の規定に基づき、第2期の基本計画の見直しを行うことで、がん対策の推進に関する基本的な計画を明らかにするものであり、その実行期間については、平成29(2017)年度から平成34(2022)年度までの6年程度を一つの目安として定める。

また、本基本計画では、「がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指す。」ことを目標とする。」


受動喫煙による死亡は年間1万5000人と見込まれています.
厚生労働省は,2020年までに飲食店などの受動喫煙をゼロにするという数値目標を基本計画にいれるはずでしたが,いれることができませんでした.当初より後退した基本計画になっています.
「がんに罹かかる国民を減らすことが重要であり、予防のための施策を一層充実させていくことが必要である。」と述べながら,JTと自由民主党の反対によって,予防のために確実に有効な受動喫煙防止の具体的な数値目標を掲げることができなかったことは,とても残念です.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

by medical-law | 2017-10-24 21:52 | 医療

10月28日(土)医療問題弁護団40周年記念シンポジウム『医療現場の今日的課題』

b0206085_01213114.jpg

医療問題弁護団副代表の大森夏織先生から,昨日,電話があり,医療問題弁護団40周年記念シンポジウム「医療現場の今日的課題」に出席するか,聞かれました.
当然予定に入れておりましたので,出席します,と答えました.
医療問題弁護団のサイトには,以下のとおり掲載されています

日時:2017年10月28日(土)13:00~17:00
(開場12:30)
場所:イイノホール 4階 ルームA

私たち医療問題弁護団は、医療被害の救済・医療事故再発防止・患者の権利確立を目的として1977年に結成して以来、40周年を迎えました。
40年前、私たちは「医療に巣くう病根」を4つの視点から分析しました。40年後の現在、私たちが取り組んできた医療被害救済に関する事件活動もふまえ、医療現場に残された現代的課題について、団員の報告やパネルディスカッションを通じて探っていきたいと思います。

[プログラム]
第1部 報告 (13:00~14:30)
医療問題弁護団からの報告
~40年前の「医療に巣くう病根」と、医療現場の現代的課題~

第2部 パネルディスカッション (14:45~17:00 質疑応答含む)
<パネリスト>
豊田郁子氏(患者・家族と医療をつなぐNPO法人架け橋 理事長)
浦松雅史氏(東京医科大学医学部 医療の質・安全管理学分野 専任講師)
隈本邦彦氏(江戸川大学教授)
児玉安司氏(弁護士)
安原幸彦(弁護士 医療問題弁護団代表)
<コーディネーター>
安東宏三(弁護士 医療問題弁護団幹事長)

お問い合わせ先
TEL03-3736-1141
東京南部法律事務所 弁護士 大森夏織


どなたでも事前申し込みなく参加できます.

【追記】

J-CAS「医療弁護団が40周年記念シンポジウム ミスや事故を防ぐ安全策を提言」(2017年11月13日)は,次のとおり報じました.

「患者側弁護士である医療問題弁護団 (安原幸彦代表、団員約 250人) の40周年記念シンポジウムが2017年10月28日、東京・イイノホールで開かれた。

1976年 9月の結成から医師と患者の関係や、医療関係者を取り巻く労働環境などを医療事故の原因と指摘してきたが、今回は40年の活動を「医療現場に残された現代的課題」のタイトルで分析、整理し、 8人の弁護士が発表、続いて患者団体代表、病院側弁護士なども交えたパネルディスカッションが行われた。

交通事故の 4倍の人が医療事故で亡くなっている

報告は多岐にわたった。たとえば、基本になる医師・患者関係については、米国からのインフォームド・コンセントは「説明と同意」という狭い意味にとどまり、今日まで、説明不十分が続いていると指摘した。そのうえ、事実上制限なしの長時間労働が医療現場の労働強化になり、「医療の安全」を脅かしていると分析。医師の 7割が「当直明けの手術で質の低下を感じる」、6 割が「長時間労働が医療ミスを誘引」と考えていることから、診療以外の業務を整理し、主治医制から交代制への転換なども提言した。

チーム医療や交代制では連携が重要だが、医師と看護師・薬剤師などの上下関係、医師と助産婦など業務範囲の重複、医師と技師の分担でミスが生じている。病院内のチェックシステムは進んできたが、医療安全室の権限がまだ弱いこと、事故調査制度などの不備で外部からの目はさらに届きにくい。安全施策に対する保険点数の配分など経済的手当ては不十分なままだ。

弁護団はまた、聖職者、弁護士と並ぶ医師のプロフェッション論を展開し、医療界全体が自己規律を高め、意識改革や相互チェック、さらには違反者への懲戒や再教育が必要とも提言した。

パネルディスカッションでは、元 NHK記者の隈本邦彦・江戸川大学教授が、全国で年間 2万2000人、交通事故の 4倍の人が医療事故で亡くなっていると推計し、患者を救うため国はヒト、モノ、カネをつぎ込むべきなのに、政治、社会の無理解、医療界の対応に問題がある、と鋭く指摘した。

(医療ジャーナリスト・田辺功)」


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

by medical-law | 2017-10-24 01:06 | 医療事故・医療裁判

高額なカルテ開示費用を請求する病院

毎日新聞「カルテ手数料>厚労省が調査 高額徴収に批判」は,次のとおり報じました.

「高額な手数料は開示請求の権利を制限することになりかねず、厚労省は現状を把握し、今後、法令に抵触していないかを調べる。対象は高度な医療技術を提供する「特定機能病院」(85施設)で、10月中にまとめる方針。」

先日も,関西の弁護士から相談があり,厚労省の「診療情報の提供等に関する指針」,日本医師会の「診療情報の提供に関する指針 第2版」を教えました.

これらの指針を無視する病院に対しては,訴訟を考えたほうがよいでしょう.
高額のカルテ開示費用は,カルテ開示請求権を不当に侵害するもので違法ですから,裁判所は適切な判断を下すはずです.
先例となる判決がでれば,その後同様の事案についても対応しやすくなります.


谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!

  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ

by medical-law | 2017-10-23 08:04