弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

産科医療補償制度の現状

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写真は,新宿御苑です.

11月15日の第42回社会保障審議会医療保険部会に,「産科医療補償制度」の現状が報告されました.それによると,「産科医療補償制度」は,年間800件程度の申請があると見込まれていましたが,実際は94件しかなかったそうです.2009年の支払備金が約262億円となり,保険料引き下げを求める声がでたとのことです.
5歳になるまで申請できるので余剰があるとは断定できませんが,もし余剰があるなら,むしろ補償対象範囲を2009年前の出産に拡大し,また補償金額を引き上げるべきと思います.

◆ 「産科医療補償制度」の目的

「産科医療補償制度」の目的は,次のとおりです.
1)分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児およびその家族の経済的負担を速やかに補償する.
2)原因分析を行い、将来の同種事例の防止に役立つ情報を提供する.
3)これらにより,紛争の防止・早期解決や、産科医療の質の向上を図る.

◆ 補償対象

補償対象は,次のとおりです.
1)産科医療保障制度の加入分娩機関の管理下における分娩であること
2)出生体重が2000g以上かつ在胎週数33週以上で出生したこと
3)身体障害者等級の1級または2級に相当する重度脳性麻痺が発生したこと
4)運営組織が補償の対象として認定したこと

ただし,出生体重・在胎週数の基準を下回る場合でも,在胎週数28週以上の児については,分娩に関連して発症した脳性麻痺に該当するか否かという観点から個別審査が行われます.
なお,先天性要因等の除外基準によって発生した脳性麻痺については,補償対象として認定されません.

申請は,生後6カ月から満5歳になるまでです.
申請は,出産した病院などが行います.
重度脳性麻痺障害が分娩に関連して発症したと思われる場合は,出産した病院に届出た方がよいでしょう.

◆ 原因分析委員会・再発防止委員会

原因分析委員会の報告をもとに,再発防止委員会が分析し,来年4月には再発防止のための中間的な報告書がだされる予定です.


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# by medical-law | 2010-12-03 18:26 | 医療