弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

福島地裁郡山支部平成27年3月6日判決,1歳児のうつぶせ寝で無認可保育所に賠償を命じる(報道)

読売新聞「保育所側の過失認定、賠償命じる…うつぶせ寝死」(2015年3月6日)は,次のとおり報じました.

「福島県郡山市の無認可保育所で5年前、当時1歳の女児が死亡したのは、うつぶせで寝かされ毛布で覆われるなどして窒息したためだとして、両親が当時の園長や保育士らに計約6600万円の損害賠償を求める訴訟があり、福島地裁郡山支部は6日、保育所側の過失を認め、約5700万円の賠償を命じる判決を言い渡した。

 亡くなったのは、同県須賀川市の会社員津久井利広さん(44)と妻れいさん(35)の長女りのちゃん。上拂(うえはらい)大作裁判長は「うつぶせ寝の危険性は保育関係者の間では周知されていたが、日常的にうつぶせに寝かせる重大な怠慢があった」と指摘。りのちゃんは毛布などの重さで寝返りが難しい状況にあったとして、死因は窒息死と認定した。

 判決によると、りのちゃんは2010年1月8日昼、泣き始めたため、保育士が布団にうつぶせに寝かせた。バスタオルのほか、全身を覆うように四つ折りの大人用毛布をかけ、背中や腰には円筒形に巻いたタオルケット二つを置いた。約40分後、ぐったりしているところを発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。」


河北新報「郡山・園児うつぶせ寝死亡 施設側に賠償命令」(2015年3月6日)は,次のとおり報じました.

「郡山市の認可外保育施設「東北ラサール幼知園」で2010年1月、園児の津久井りのちゃん=当時(1)=がうつぶせ寝で死亡し、両親が施設側と郡山市などに計約6680万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福島地裁郡山支部は6日、施設側に計約5776万円の支払いを命じた。市と死体検案書を作成した医師への請求は棄却した。
 判決は、当時死因とされた乳幼児突然死症候群(SIDS)の疑いを否定し、うつぶせ寝による窒息死と断定。担当の女性保育士と、日常的なうつぶせ寝を容認した元園長、元副園長の注意義務違反を認定した。元園長と元副園長は自己破産しているが、破産法に定める「重大な過失」があったとして、損害賠償は免責にならないと判断した。
 判決によると、りのちゃんは布団にうつぶせに寝かされ頭から毛布で覆われた状態で約40分間放置されて呼吸困難に陥り死亡した。
 判決後、りのちゃんの母れいさん(35)は記者会見し「本来ならこの春に小学校に入学するはずだった。親の義務は果たせたと思う」と語った。
 両親は当初、元園長らを業務上過失致死容疑で告訴したが、福島地検郡山支部は12年9月に不起訴処分とした。これに対し郡山検察審査会は13年7月に不起訴不当と議決。福島地検は嫌疑不十分で不起訴処分としたため、元園長ら3人を保護責任者遺棄致死の疑いで再び告訴している。」

 うつぶせ寝の児が死亡した場合,窒息か否かが争われますが,保育所の責任を認める判決のほうがが多いようです また,重過失を認定し損害賠償債務は免責にならないと判断した点も,今後の参考になると思います.
 なお,上拂大作判事(支部長)は,修習49期です.49期も各裁判所で重責を負う地位に就くようになったわけです.なお,49期で最も有名な人物は橋下徹大阪市長ですが.

  谷直樹

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# by medical-law | 2015-03-07 19:44 | 司法