弁護士谷直樹/医療専門の法律事務所のブログ

医療安全情報[No.73]放射線検査での患者取り違え

公益財団法人日本医療機能評価機構医療事故防止事業部は,2012年12月17日,「医療安全情報[No.73](2012年12月)放射線検査での患者取り違え」を公表しました.

放射線検査での患者氏名の確認が不十分であったため,違う患者が入室したにもかかわらず,そのまま検査が行われた事例がが6件報告されています(集計期間:2008年1月1日~2012年10月31日、第19回報告書「個別のテーマの検討状況」(P131)に一部を掲載)。

1)患者に名乗ってもらう.
2)患者が持参した予約票等と患者氏名を照合する.
という二重のチェックが通常行われていると思いますが,報告例では,行うという取り決めがあっても守られず,とくに2)についてはそもそも行うという取り決めがなかった例すらもあります.

「◆ 事 例 1
レントゲン撮影を行うため、診療放射線技師は患者を名字のみで呼び入れた。その際、患者自身に氏名を名乗ってもらうことになっているが、確認しなかった。そのため、患者Aと患者Bを取り違えて、胸部レントゲンを撮影した。

◆ 事 例 2
PET検査のFDG(PET検査のため人体に投与するフルデオキシグルコース注射液)を投与するため、研修医が患者Aの氏名を呼んだところ、骨シンチ後に廊下で待機していた患者Bが注射室に入室した。注射室に呼び入れた際は、患者が持参する予約票、問診票を確認したうえで、患者に氏名を名乗ってもらうことになっているが、研修医はその手順を踏まずに患者Aの氏名を口頭で呼び、患者Bが肯いたので準備を始めた。指導医は研修医が決められた手順で確認した患者Aだと思い、患者BにFDGを投与した。FDG投与後に患者Bに問診票の提示を求めたところ、違う患者であることがわかった。

◆ 事例が発生した医療機関の取り組み
・必ず患者自身に氏名を名乗ってもらう。
・院内で取り決めた放射線検査時の患者の確認方法を徹底する。

 例)
・患者が持参した予約票や問診票などを確認する。
・検査種別ごとの色分けカードを作成し、患者に渡す。」


確認ミスは確認すれば防止できることなのですが,院内で取り決め(ルール)を作り,それが実際に守られているかしばしば点検することが必要と思います.
患者は,取り違えられないためには,自ら名乗り確認を求めることです.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
# by medical-law | 2012-12-18 19:43 | 医療事故・医療裁判