弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

新型コロナウイルスワクチン接種と予防接種健康被害救済制度

河北新報「ワクチン接種後の体調不良 国への救済申請、宮城は30件超す」(2021年12月8日)は次のとおり報じました.
新型コロナウイルスワクチン接種後に生じる体調不良に関し、宮城県内では国の予防接種健康被害救済制度に基づく死亡一時金、医療費などの申請が30件を超えたことが河北新報社の取材で分かった。窓口となる市町村には合計で110件以上の問い合わせがあり、申請はさらに増えそうだ。・・・」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou20/kenkouhigai_kyusai/dl/leaflet_h241119.pdf

ワクチンの接種による健康被害か否かはほとんどの場合不明でしょう.
申請が認められるには高いハードルがあります.

上記記事のなかで坂野智憲弁護士は次のとおりコメントしています.

「救済制度ができた1977年から、2019年まで、さまざまなワクチン問題で死亡一時金が支払われたのはわずか148人にすぎない。医療費や障害年金を支給したのは3419件。今回のコロナワクチンでも見通しは厳しい」
 「(アレルギー反応の)アナフィラキシーのように接種直後の典型的な症状は認めるが、基礎疾患を持つ中高年者が死亡した例などは因果関係を認める可能性が低いだろう」
 「厚生労働省が設置する審査会のメンバーが医療関係者に限定されているのが一因だ。科学的に厳格な証明がなければ因果関係が不明と判断されてしまう」
 「救済されないという決定に不服がある時は、都道府県知事に対して行政不服審査法に基づく審査請求をすることはできる。委嘱された専門家が判断するが、こちらも厳しいかもしれない」
 「審査会に法律や一般人の代表を入れ、メンバーを大幅に増やして多様な意見を反映させるべきだ」
 「現行では死亡一時金として4420万円を給付するなど完全な補償を目指す制度になっている。障害年金などの年額も高額に設定され、多数の人に適用すれば国家財政に多大な影響を与えることも危惧される」
 「別の制度を作る手がある。東日本大震災などによって死亡した人の遺族には、市町村が最大500万円の災害弔慰金を支給する。類似した制度を作ることは考えていいのではないか」
 「災害弔慰金のような制度を作って個々の自治体がより簡易、迅速な認定をする方がスピーディーな救済につながる」

谷直樹

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# by medical-law | 2021-12-08 19:18 | 医療