映画「フィラデルフィア」
写真は,四谷です.
ペンシルバニア州フィラデルフィアは,1776年に13州の独立宣言が発せられ,1787年に合衆国憲法が制定された街です.「フィラデルフィア」は,Fraternite博愛(友愛,兄弟愛とも訳されます.人のためなら頑張れる,ということです.)の意味です.つまり,フィラデルフィアは,自由,平等,博愛の近代人権思想の原点なのです.
映画は,フィラデルフィアの街を写して始まります.曲は、ブルース・スプリングスティーンの「ストリーツ・オブ・フィラデルフィア」です.
その街の大法律事務所に勤務する弁護士(トム・ハンクス)が,エイズを発症し,解雇されます.小さな法律事務所の黒人弁護士(デンゼル・ワシントン)に解雇無効の裁判を依頼しますが,エイズに偏見をもっていた黒人弁護士は,その依頼をいったんは断ります.
しかし,結局は代理人になり,裁判闘争が始まります.大法律事務所は容赦なく悪辣な手段で反撃してきます.病気を抱えながら裁判を戦うのは大変なことです.裁判シーンは,当然盛り上がります.
が,この映画の最大の見所は,トム・ハンクスの言葉にマリア・カラスのアリアが重なるシーンです.アリアは「アンドレア・シェニエ」の「亡くなった母を」です.フランス革命ロベスピエールの時代に,伯爵令嬢が,死んだ母のことを語り,詩人への愛を告白するアリアです.1950年代のマリア・カラスは,本当に素晴らしいと思います.
ゲイ,エイズへの差別という角度から見られがちな映画ですが,二人の弁護士の成長物語と見ることもできます.シンプルなストーリーは,自然に気持ちが入り,心地よく感動できます.
15年以上前の映画でDVDがありますので,機会がありましたら是非見てください.
谷
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