弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

オランダで,禁煙法実施以来,赤ちゃんの肺機能改善

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「ポートフォリオ」は,「禁煙法実施以来、赤ちゃんの肺機能改善」と以下のとおり伝えています.

「ユトレヒト大学病院の調査によれば、公共の場での禁煙法が実施されてから赤ちゃんの肺機能が改善されてきていることがわかった。
妊娠中の女性も公共の場所でタバコの煙を吸わなくなったため子宮内の赤ちゃんにも好影響を与えている。
同病院では2000年から10年間、1700人の生後3ヶ月の乳児を追跡調査してきた。公共の場での禁煙法後4年目の2008年の調査結果では乳児の肺機能は10%上昇している。さらに2年前に飲食店での禁煙法が実施されてから、肺機能はさらに10%上昇という結果が出ている。生まれたばかりの赤ちゃんの肺機能は将来の肺疾患に大きく影響するという。」

ユトレヒト大学病院」ということからおわかりのように,これはオランダの話です.
オランダはEU最大のタバコ製造国で,16歳から喫煙が許され,喫煙率もEU内では高い方です.

EU全体が禁煙に向かうなかで,オランダも2002年から,公共の建物内や職場での禁煙となっていました。そして,2008年7月1日からレストラン,ホテル,劇場,ショッピングセンターなどでの喫煙が全面的に禁止されました.2400ユーロの罰金も定められました.
その結果,このように,健康への良い影響が現れたということです.

◆ 日本では

日本では,健康増進法が2003年5月1日から施行され,25条で施設管理者に受動喫煙防止のための措置を取ることが義務付けられました.

第25条 学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、事務所、官公庁施設、飲食店その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。)を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

ところが,25条は罰則規定がないため,レストランや飲食店などの禁煙はあまりすすんでいないのが実情です.
罰則付きの喫煙規制法が必要でしょう.

◆ タバコ訴訟次回期日

なお,タバコ訴訟次回期日は,3月23日(水)14時,東京高等裁判所822号法廷です.担当だった一宮なほみ判事は1月11日付けで仙台高裁長官に転出しました.

谷直樹
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by medical-law | 2011-01-16 19:21 | タバコ