岡山地裁平成23年5月18日判決,左右間違えて開頭手術の事案で330万円の損害賠償を命じる(報道)
◆ 事案
倉敷市の病院で,平成13年11月,左目の視力低下のため「前頭側頭開頭術」を実施しましたが,本来左側頭部を手術しなければならないのに右側頭部を開頭し,ミスに気付いて左側頭部を開頭手術し直し,視力低下が回復した事案です.
◆ 岡山地裁平成23年5月18日判決
岡山地裁は,「必要のない手術を行った注意義務違反があることは否定できず,精神的肉体的苦痛を与えた」と指摘し,330万円の損害賠償を命じました.
なお,手術後に口が開きにくくなったとする原告の主張については「因果関係は認められない」と退けました.
◆ コメント
報道の件は私が担当したものではありません.
本判決は,不要な開頭手術の損害額評価について,参考になります.
大垣市の病院でも,平成20年6月に左右間違えての開頭手術がありました.
この岡山地裁の裁判例からすると,左右の回答を間違えた場合,死亡との因果関係がない事案でも,慰謝料等330万円は支払わねばならない,ということになるでしょう.
日刊スポーツ「開頭手術で左右間違え…病院に賠償命令」ご参照
谷直樹
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