東野圭吾さんの『手紙』
休みに何か読書を…と思い,東野圭吾さんの『手紙』を読みました.
以下,ネタバレあります.
物語は,両親を亡くし,二人だけで助け合って生きてきた兄弟の兄が,弟の学費のために,強盗を行うのですが,その家の主に見つかり,殺害してしまう,というところから始まります.
数十分の間の,たった百万円ほどのお金のために行われた事件で,その後,数十年にわたって,延々と,残された弟に“兄が強盗殺人犯”ということがつきまとうことを描写しています.
学校でも,職場でも,結婚しても,家庭を持っても,子どもにまでも,その犯罪の影響が及び続けます.
最後には,弟は,一切事件のことを話さない,身を潜め,職を変え,転居し,兄とは絶縁をする,という結末を迎えますが,それでも,なお,おそらく,その後の人生の色々の場面で,事件は蒸し返されていくのだと思います。
とても悲しい,考えさせられるお話ですが,作者の描き方が非常に上手く,一気に最後まで読めました.
谷直樹法律事務所
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