茨城県の病院,東京高裁で平成23年7月4日和解成立報道(縫合不全,腹膜炎)
◆ 事案水戸地裁土浦支部平成22年9月13日判決による事実認定は,次のとおりです.
平成14年12月26日,胃がん手術を受けた男性患者(当時47歳)は,医師が誤って麻酔針で脊髄を損傷し下半身麻痺となり,また胃と十二指腸の約3.5センチの縫合不全により腹膜炎を発症しました.
患者は,下半身麻痺の治療のため転院した病院で,術後11日目に死亡しました.
司法解剖では,胃と十二指腸の縫合不全による腹膜炎が死因とされました
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◆ 水戸地裁土浦支部平成22年9月13日判決
病院側は,誤嚥性肺炎が死因である,と主張しました.
水戸地裁土浦支部は,縫合不全による腹膜炎を死因と認定し,執刀医の技量が低く,縫合不全を生じ,術後,経過観察を要する所見があったのに、その後の推移を確認せずに縫合不全と腹膜炎を除外診断したのは早計だった,腹膜炎に注意するよう転院先に依頼する義務があるのに怠ったとし,医師の過失と死亡との因果関係を認め,筑波メディカルセンター病院に,約9600万円の支払いを命じました.
◆ 東京高裁(民事11部)平成23年7月4日和解
東京高裁(民事11部)で,平成23年7月4日,病院側が謝罪し,和解金1億円を遺族に支払う内容で和解が成立しました.
日刊スポーツ「病院が謝罪し1億円支払いで和解」ご参照
◆ 感想
本件では,解剖が死因を解明するのに有用でした.
縫合不全は外科医として恥ずべきことと思われますが,縫合不全がすべて注意義務違反になるわけではありません.本件の場合は,腸と十二指腸に約3.5センチの縫合不全があり,腹膜炎を疑わせる症状もあったのに縫合不全と腹膜炎を除外診断し,術後経過に問題なし,と転院先の病院に伝えていたのですから,注意義務違反は免れません,
高裁の和解金額が,地裁の判決より高額になっていますが,遅延利息も考慮すれば,当然です.
谷直樹
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