日本医療安全調査機構・運営委員会,モデル事業中止を撤回,協働モデルも実施へ
前回の運営委員会で,「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」を中止するとい理事会の決定に反対意見が相次ぎ,検討することになったのは,4月26日のブログ「「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」存亡の危機」に書いたとおりです.
その後,理事会で再検討した結果,継続となったとのことです.
日本医療安全調査機が7月19日開いた運営委員会の模様について,キャリアブレイン「従来の死因究明モデル中止論は撤回- 秋にも新モデル始動へ」が報じています.
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◆ 「調査分析協働モデル」(仮称)を新規実施
前回提案のあった,院内調査委員会と協働する「調査分析協働モデル」(仮称)も実施するとのことです.
「同モデルでは、医療機関に解剖立会医を派遣。院内外の専門家が医学的調査を行う「協働調査委員会」(同)にも外部委員として有識者を派遣し、モデル事業の中央事務局に常設された「中央審査委員会」(同)が協働調査委員会の報告書の内容を検討・審査する。
同モデルについては今後、申請できる医療機関の要件などを詰め、学会への説明などを経て秋にも実施される見通し。事務局は今年度の受け付け事例計画40例のうち、同モデルで20例程度受け付けたい考えだ。」
◆ 日本医療安全調査機構の運営
「同機構の在り方については、運営委員会の樋口範雄座長、日本医師会の高杉敬久常任理事、日本病院会の堺常雄会長の3人が新たに理事に加わるほか、19学会に社員として参加協力を要請する。財政基盤を強化するため、早ければ来年度から学会に対して一定の費用負担を求めたい考えだ。また、前回会合で提案された運営委員会の委員削減も撤回され、19日の会合から新たに患者(遺族)代表の永井裕之委員(患者の視点で医療安全を考える連絡協議会代表)が加わった。」
◆ 意見
日医の基本的提言では,日本医療安全調査機構が第三者的機関として重要な役割を担うことになります.その関係で,次のような意見が述べられました.
● 委員から、第三者機関の法制化の必要性を指摘する意見が複数出た。
● 厚生労働省医政局総務課の渡辺真俊・医療安全推進室長は、モデル事業の来年度予算は今年度と同額を考えていると説明する一方、「法制化について言えることはない」と回答。
● 高久代表理事は、「自分たちで第三者機関をつくり、医師法21条の改正については、第三者機関が国に要請する方が、このままの形でずるずると事業を続けるよりいいのではないか」との認識を示した。
● 協働モデルについては、「解剖立会医が一体何をするかが不明確だ」(居石克夫・国立病院機構福岡東医療センター研究教育部長)、
● 「第三者機関ができた時にも協働・連携的なモデルをすることが見えているならば賛成できるが、(その)前提が全然見えていない。院内事故調だけでいいと利用される恐れがある」(永井委員)
キャリアブレイン「従来の死因究明モデル中止論は撤回- 秋にも新モデル始動へ」ご参照
谷直樹
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