欧州医薬品庁,アクトス(一般名;ピオグリタゾン)の添付文書の変更推奨

欧州医薬品庁(EMA)は,7月21日、武田薬品工業の糖尿病治療薬「アクトス(Actos)」(一般名;ピオグリタゾン)について膀胱がんにかかる危険性を高める可能性があるとの警告を表示すべきとしました.
EMAは,アクトス(一般名;ピオグリタゾン)は,特定の2型糖尿病患者にとって,有効な治療選択肢である,患者を適切に選択および排除することにより,リスクを低下させることができる,としました.膀胱がん病歴のある患者,膀胱がんの患者,および未検査の肉眼的血尿のある者に対しては禁忌とし,同剤投与開始時点で膀胱がんのリスクファクターを評価することを求めています.医師は,3か月,6か月およびその後定期的に評価しなければなりません.高齢者には最低用量から投与することも求めています.
European Medicines Agency recommends new contra-indications and warnings for pioglitazone to reduce small increased risk of bladder cancerご参照
武田薬品工業の「欧州医薬品庁によるピオグリタゾンの添付文書の変更推奨について」には,以下のとおり記載されています.
「今回のEMAの措置は、7月18日から21日まで開催されたCHMP月次会議において、『ピオグリタゾンは2型糖尿病患者の治療選択肢として有用であり、膀胱癌の発症リスクにわずかな増加が見られるものの、添付文書に、新たな投与禁忌、使用上の注意、定期的な安全性と有効性の確認を追記し、適切な患者さんを投与対象とすることでそのリスクを軽減できる』との結論に達したことによります。」
アクトス(一般名;ピオグリタゾン)を使い続けるとすれば,使用する患者を適切に選択,排除することが重要になります.
日本の厚生労働省は,仏独のようにアクトスの使用自体を認めないか,それとも,添付文書を改訂し使用する患者を適切に選択,排除して使用し続けるか,よく検討すべきと思います。もし,日本の臨床の実情において患者を適切に選択,排除すること,定期的にリスクを評価点検することが難しいのであれば,前者のように使用中止という選択も当然あると思います.
谷直樹
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