医療版事故調の法制化を求める院内集会に参加して(その1)
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医療版事故調は,各方面の意見を集大成した第三次試案から大綱案まででき,立法化寸前のところで,自公政権から民主党政権への交替により頓挫した状況でした.
最近は,日本医師会を含め,再び立法化の動きがあります.
患医連は,2万5000人の署名をもって政府に要請しましたが,政府が動かないなら議員立法も辞さない構えです.
患医連らが開いた「医療事故の第三者調査制度の構築と院内事故調査制度の法制化を求める院内集会」での,各議員の発言の要点は,次のとおりです.
◆ 自民党 古川俊治参議院議員
慶應義塾大学医学部・法学部・文学部卒の医師・弁護士で,医療版事故調を積極的に進めてきた方です.現在は,厚生労働委員会を離れていますが,事故調査の立法化に改めて意欲を示しました.
◆ 民主党 宮崎岳志衆議院議員
厚生労働委員会所属.医師の家庭に生まれ,新聞記者だったときから医療問題について積極的に取り組んできた方です.裁判は医師にとっても患者にとっても負担が大きいので,司法の前に第三者機関が判断するというのは絶対必要,と述べました.政権交代後に取り組みが遅れてしまったことは否定できない事実,立法への動きを再起動させたい,と述べました.
◆ 自民党 阿部俊子衆議院議員
厚生労働委員会所属.日本看護協会副会長だった方です.
人はエラーを起こしてしまう,大切なのはその事故が何故起きたのかを究明すること,と述べました.医師の説明不足の問題も強調していました.
◆ 民主党 村越祐民衆議院議員
37歳の若手議員.登壇すると,最初に,民主党への政権交代後事故調査への取り組みが進んでいないことを率直に謝罪しました.民主党政権の真価がが問われている,とまで述べました.また,他の課題で議員立法に取り組んでいる経験から,党内で議論をあげていくことの重要性を述べました.
◆ 民主党 三宅雪子衆議院議員
厚生労働委員会所属.示談で解決した経験があり,医療事故被害者の立場にあることを述べました.明言はしませんでしたが,ブログで書いていた母親が重症骨折をレントゲン撮影で見逃された事故をさすのか,と思いました.これから一緒に勉強していきたい,と述べました.
◆ みんなの党 川田龍平参議院議員
厚生労働委員会所属.東京HIV訴訟原告です.薬害被害者・患者の立場で,医療問題に取り組んでいる数少ない議員の1人です.厚生労働委員会に入れたことで,さらに事故調に取り組んでいきたい,と積極的な意欲を示しました.
◆ 感想
それぞれの議員の経験により,医療版事故調の内容と課題をよく知っている方とこれから勉強という方がいましたが,何れにしても,法制化の必要性は理解いただいているように思いました.
医療版事故調は,医療に責任をもって取り組む医師であれば,事故原因の究明と再発防止のため絶対に必要だと考えている筈です.
事故原因の究明と再発防止は患者の切なる願いでもあります.
大綱案まで出来ているのですから,是非,超党派で取り組み,立法化すべきと思います.
谷直樹
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