タバコ訴訟,東京高裁第6回口頭弁論の報告
平成23年7月27日に,東京高裁第1民事部で,タバコ訴訟第6回期日がありました.このタバコ訴訟は,タバコ喫煙により肺がん,肺気腫,タバコ依存症に罹患した患者が,日本たばこ株式会社と国を相手に起こした訴訟です.
私は患者側の代理人の1人です.
今までの経過は,「タバコ病をなくする横浜裁判~タバコ病のない社会をめざして」のサイトをご参照ください.
東京高裁では,控訴人と被控訴人らとの準備書面のやりとりと並行して,争点整理,時系列表の作成が行われています.
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◆ 争点整理
被控訴人日本たばこが作成した争点整理案は,単に双方の意見の異なる箇所を羅列しただけのものでした。
例えば,被控訴人日本たばこは,「タバコとは何か」を争点とします。
控訴人は,タバコは長期間の継続使用を意図し,性質上継続使用される商品だから,肺がん,肺気腫罹患・悪化の危険がある(有害)と主張しています.
これに対し,被控訴人日本たばこは,タバコは嗜好品だから違法ではない,と主張します。
たしかに,双方の意見は異なりますが,「タバコとは何か」というくくりでは,双方の主張は嚙み合いません.
そこで,控訴人は,請求原因事実にそった争点整理案を提出しました,
タバコの継続使用は,肺がん,肺気腫罹患,悪化の危険の前提事実として位置付けました.被控訴人日本たばこの嗜好品論は,違法性減弱事由の主張として位置付けました.
また,①たばこが有害であるという客観的事実と,②その当時の被控訴人日本たばこの認識を分けました.
注意義務違反,違法性,因果関係を区別しました.
このように,控訴人と被控訴人との間で,考え方,争点項目が異なる争点整理案がでましたので,裁判所が積極的にリードして争点整理を進めるために,進行協議期日を明日8月10日にもつことになりました.
◆ 時系列表
タバコをめぐる重要な事実について,控訴人,被控訴人がそれぞれ記入して,時系列表を作成しています.
被控訴人日本たばこは,時系列表を簡単なものにしたいようです。
控訴人は,時系列表の内容を充実したものにしようと考えています.横浜地裁判決は,事実適示の部分で重要な事実を落としていましたので,東京高裁はそのようなことがないように,しっかり事実を把握した上で判決していただきたいと思います.
◆ 主張書面(準備書面)
被控訴人日本たばこから,準備書面が提出されました。
大部なものですが,内容は従前の主張の繰り返しです.
被控訴人日本たばこの主張は論理的でありませんし,科学的根拠・裏付けもありません.シンプルな話を複雑にしています.
控訴人は,これに対する反論の準備書面を9月に提出します.
谷直樹
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