尊厳擁護分科会会合と上田里美氏の名誉回復
これは,北九州八幡東病院の看護師上田里美氏が,平成19年に適正なフットケアを行ったのに,爪切り傷害として不当に起訴され,一審の福岡地裁小倉支部判決(田口直樹裁判長)では有罪とされましたが,福岡高裁平成22年9月16日判決(陶山博生裁判長)で無罪(確定)となったものです.
上田里美氏の名誉回復は,しっかり図られる必要があると思います.
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◆ 感想
このようにして,ようやく,上田氏の名誉回復が図られました.
ほっとする反面,聴取手続きを践まず,一方的に虐待を決めつけた,当時の認定方法の問題は重大だと思います.事件当時の認定を「やむを得なかった」とするのは疑問で,もっときちんと謝るべきだと思います.
また,本件は,法律家の役割について示唆するところがあるように思います.
不当な起訴を行ったのは法律家(検察官)ですが,それと戦い正義と人権を守ったのも法律家(弁護人弁護士)です.
不当な判決を下したのは法律家(裁判官)ですが,曇りのない目でそれを覆し無罪判決を下したのも法律家(裁判官)です.
司法が医療に介入したことが悪い,というのではなく,誤った判断がなされたことが問題だと思います.
医療者も含めて医療にかかわるすべての人の人権が保障されることが,患者の人権を守るために必要なことです.人権を守る法律家の職務の重大性と責任を改めて示す事件だと思います.
谷直樹
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