『第1回医療の質の向上に資する無過失補償制度等のあり方に関する検討会』(続き)
有賀 徹 昭和大学病院 病院長
飯田 修平 練馬総合病院 病院長
岩井 宜子 専修大学法科大学院 教授
印南 一路 慶應義塾大学総合政策学部 教授
遠藤 直幸 山形県山辺町長
岡崎 誠也 高知市長
加藤 良夫 栄法律事務所 弁護士
貝谷 伸 全国健康保険協会 理事
◎里見 進 東北大学病院 病院長
椎名 正樹 健康保険組合連合会 参与
高杉 敬久 日本医師会 常任理事
豊田 郁子 新葛飾病院 セーフティーマネージャー
松月 みどり 日本看護協会 常任理事
宮澤 潤 宮澤潤法律事務所 弁護士
山本 和彦 一橋大学大学院法学研究科 教授
吉川 和夫 東京都 副知事
(五十音順,敬称略,◎座長)
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審議の中で,有賀徹氏,飯田修平氏は,「原因究明・再発防止」はもう十分ではないか,医療はもともと危険なものだ,という趣旨の発言をしていました.(ざっくりしたまとめで,申し訳ないですが.いずれ公開される議事録で確認してください.)
しかし,日本で,現在,医療事故が何件起きているのか,どのような事故が多いのか,など医療事故の実態は調べられていません.また,科学的な原因究明分析もできていません.
事故の原因を究明分析して医療の質を向上させる取り組みは,たしかに部分的には行われてはいますが,決して十分ではありません.
日本の医療事故は,全貌が把握されていない段階であり,いわば氷山の一角が見えている状態です.
医療は危険だからこそ,安全,安心な医療が求められます.
先端的な医療技術の危険に伴う事故もありますが,医療知識不足,医療技術未熟による事故も結構多いように思います.
医療知識,医療技術は,医師によってバラツキが大きく,市民マラソンのようにはるか後方を走っている医師もいて,研鑽研修の必要を強く感じます.大病院の院長は,そのような実感を持ちにくいかもれませんが,これは,医療事故の相談を日常的に受けている弁護士の実感です.
各人の感覚では科学的ではないので,事故事例の収集と原因分析,再発防止が必要と思います.
医療版事故調の法制化が未だ実現していないので,この無過失補償の検討でも,そこが問題になるわけです.
無過失補償制度は,単に紛争化を防止し,医師,病院を守るというものであれば,その経済的負担を担うことになる人たちの合意は得られないでしょう.原因究明分析,再発防止から医療の質の向上がはかられ,患者の安全が確保されるということがあって,はじめて国民的合意がえられると思います.
今後の審議に期待いたします.
谷直樹
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