日病,「診療行為による死亡・事故の原因究明制度の在り方に関する中間報告」を近日発表
◆ 報道キャリアブレイン「医療事故調は三部構成、日病が近く中間報告」(平成23年9月20日)は次のとおり報じています.
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「日本病院会(日病、堺常雄会長)は9月17日の常任理事会で、医療安全確保推進委員会がまとめた、診療行為による死亡・事故の原因究明制度の在り方に関する中間報告案について議論した。中間報告案では、制度の基本的な考え方を示し、死亡・事故の原因を究明する「医療事故調査委員会」については、院内、外部(地方)、常設委員会の三部構成とした。この日の議論を踏まえ、同委でさらに検討を進めた後、近く中間報告が公表される予定。
中間報告案では、▽医療事故・死等の原因を医学的に究明し、結果を教訓として医療事故防止を追求することは医療者の社会的責務である▽医学的な原因究明と再発防止を制度の趣旨とし、司法の判断、賠償問題の判断は別組織に委ねる―とする制度の基本的な考え方を明示した。
また、医療事故調査委員会については、▽院内医療事故調査委員会(事故の当該医療機関として詳細な報告書を作成する)▽外部(地方)事故調査委員会(事故を外部の医療従事者や専門家が分析・評価する)▽中央事故調査委員会(常設組織。医療関係者以外の意見も加え、最終的に事故を分析・評価する)―の3段階とする方向性を打ち出した。
常任理事会後の記者会見で堺会長は、「これをまとめたのは、無過失補償制度の話が出る前で、それに関しては別途検討する必要がある」との考えを示した。」
◆ 感想
日病(社団法人日本病院会)は,正会員数2,394病院(平成23年8月)で,日本の病院の全ての経営主体が参加する組織です.
その日病が,中間報告案であっても,「医療事故・死等の原因を医学的に究明し、結果を教訓として医療事故防止を追求することは医療者の社会的責務である」と認めたことは,大きな意味があると思います.
目先の訴訟防衛,刑事責任回避を旨として制度設計を行っていたら,医療の質が低下し,患者の安全が損なわれ,さらなる訴訟防衛,刑事責任回避を必要とする悪循環に陥ります.その意味で,「医学的な原因究明と再発防止を制度の趣旨とし、司法の判断、賠償問題の判断は別」というのも正しい方向だと思います.
日病の中間報告に期待いたします.
谷直樹
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