効かなかった薬の費用は誰が負担するのか~イタリアの例

薬が効くか効かないかは,実際に患者に使ってみなければ分からない,そのような薬があります.
日本では,薬が効かなかった症例でも,普通に健康保険が使われています.
欧州では,保険適用(保険償還)の段階で,費用対効果の評価を行うのが普通になっています.とくに,イタリアは,効かなかった薬の費用リスクを製薬企業に共有させることに積極的です.
イタリアでは,たとえば,アストラゼネカの非小細胞肺がん治療剤ゲフィチニブ(イレッサ)やノバルティスAGの腎がん治療剤エベロリムス(アフィニトール)などは,効かなかった症例では全額企業負担となる(保険償還しない)という契約が結ばれています.
効いたか効かなかったは関係者の重大な関心事となり,必然的に,注意深い患者のモニタリングとフォローアップが求められることになります.
効かなかった薬の費用は誰が負担すべきか,日本でも考えてみたい問題です.
薬害オンブズパースン会議の注目情報「イタリアが欧州の条件付きの保険償還への急進な動きをリードしている」ご参照
谷直樹
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