弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

「血栓吸引カテーテル Dio」の先端部破断2件報告,自主回収

「血栓吸引カテーテル Dio」の先端部破断2件報告,自主回収_b0206085_748882.jpg

株式会社グッドマンが製造販売した「血栓吸引カテーテル Dio」(一般的名称:中心循環系塞栓除去用カテーテル)が使用中にインナーカテーテルの先端部(長さ約2センチ、直径1・5ミリ)が破断し,血管内に残る事象が発生しました。
「カテーテル先端部が血管内で破断し遺残した場合、血流閉塞により重篤な健康被害が発生する可能性があります。現在までのところ、先端部破断による体内遺残事例は今回を含めて2 件報告されています。」とのことです.
同社は,当該モデルの全ロットについて,法的な回収手続きに基づき,自主回収を行う,と10月27日,発表しました。

厚労省「医療機器自主回収のお知らせ(血栓吸引カテーテル Dio)」ご参照

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村

カテーテルの破断等による回収は,時々あります.

たとえば,ビー・ブラウンエースクラップ株式会社は,「Tempofilter II カテーテルシステム」の脚折れ事象報告が海外で3件確認されたため,2011年5月,法的な回収手続きに基づき,自主回収を行う,と発表しました.

ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社は,「アトランティス超音波イメージングカテーテル(一般的名称:中心循環系血管内超音波カテーテル)」の先端部が脆くなり離断する事例が国内で7件発生し,2011年5月,法的な回収手続きに基づき,自主回収を行う,と発表しました.

朝日インテック社は,SheathLess 及びSheathLess PV(一般的名称:中心循環系ガイディング用血管内カテーテル,販売名:ガイディングカテーテルHA)の離断事例による先端部遺残が1件報告されため,2011年6月,法的な回収手続きに基づき,自主回収を行う,と発表しました.

今後このような離断事例がないよう製造いただくのはもちろんですが,もし今後同様の離断事例が起きた場合,医療機器製造販売会社は,1例目で回収してほしいと思います.

谷直樹
下記バナーのクリックを御願いいたします.クリックは一日一回有効です.7日間のクリック数合計が順位に反映します.


にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2011-10-28 07:28 | 医療事故・医療裁判