日本産科婦人科学会の調査,大学病院・専門病院の44%で他の病気のあるがん患者を受け入れ制限
日本産科婦人科学会の調査で,他の病気のある,卵巣がん患者,子宮頸がん患者等について,大学病院,専門病院のうち44%が受け入れを制限していることがわかりました.とくに各地のがんセンターは13施設中11施設が受け入れを制限しているとのことです.
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NHKニュース「合併症のがん患者 受け入れ制限」(2012年1月3日)は次のとおり報じています.
「日本産科婦人科学会は、卵巣がんや子宮けいがんなどの治療で中心的な役割を果たす全国の大学病院やがん専門病院などに診療態勢について尋ね、65%に当たる483施設から回答を得ました。その結果、がん患者に糖尿病や統合失調症といったほかの病気がある場合、44%に当たる209施設が「受け入れを制限している」と答えました。特に各地のがんセンターを中心としたがん専門病院では、13施設のうち11施設が「制限している」としていました。受け入れを制限する病気について複数回答で尋ねたところ、透析が必要な患者で56%に上ったのをはじめ、薬を服用している統合失調症の患者で52%、インスリン治療をしている糖尿病の患者で14%となっていました。調査を担当した東京慈恵会医科大学の高倉聡講師は「合併症のある患者はより体調が悪いにも関わらず、手術可能な病院を求めて遠くに行かざるをえない実態があると考えられる。婦人科に限らず、ほかのがんでも同じような問題が生じているおそれがあるので、患者に合併症がある場合の診療態勢を整備していく必要がある」と指摘しています。」
がん専門病院はともかく,大学病院に,がん以外の疾患を診ることのできるスタッフがいないはずはなく,病院内の各科の協力体制を整えれば,他の疾患を合併するがん患者の治療にあたることは可能と思います.この調査結果を活かし,病院内の体制整備につなげていただきたいと思います.
谷直樹
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