JTの子会社JTI,テロ行為への資金供給を行った疑いで捜査
要点は,以下のとおりです.
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◆ 9000万本の紙巻きタバコをラミ・マクルーフのSDFへ出荷
JTの子会社JTIの中東代理人IBCS Tradingは,9000万本の紙巻きタバコを,Syria Duty Free Shops (SDF) Ltd(シリア免税商店株式会社)に出荷したという.
SDFの大株主ラミ・マクルーフは,シリアの独裁者アサド大統領のいとこである.
ラミ・マクルーフは,アサド政権に資金を提供している取り巻きの一人である.
ラミ・マクルーフの警護隊は,6千人の市民を殺害したとみられており,米国から3年間の制裁を受けている.
ラミ・マクルーフは,SDFに関する権益を2011年5月20日に放棄したと主張している.しかし,米国政府は,彼がビジネスから名義上「身を引いた」だけであると見ている.
JTIのスポークスマンは,欧州連合の不正行為監査当局がJTIとラミ・マクルーフとの関係について捜査中であることを認めた.
◆ ブランド信頼性部門長(当時)デビッド・レイノルズ氏がJTIのタバコ密輸を指摘
デビッド・レイノルズ氏は,元CIAエージェントで,JTIのブランド信頼性部門長であった.
デビッド・レイノルズ氏が作成した調査書類によれば,JTIの流通代理人業者が多くの国に紙巻きタバコを密輸し,脱税を図っていたという.イランにも相当のタバコが密輸されたという.
2010年4月にレイノルズ氏は,JTIの下村隆一氏(法務責任者,JT専務執行役員)に電子メールを送り,経営陣が密輸問題に全く対策を講じないと述べた.
ロシアからタバコ税の重い欧州連合にタバコが密輸されている事案に関して,レイノルズ氏は,「取引資格のないバイヤーに対する出荷量は膨大となっており,このままでは会社に対しておよそ3000万ユーロの制裁金が科せられる危険がある.…我々は調査で明らかになったこれらの事実を繰り返し経営陣に報告したが,このような道を誤った状態を正すまともな対策は何一つ講じられなかった.…私の調査チームは,特定のJTI代理業者が密輸を行っておりJTIの社員が密輸業者に協力していると思われる事案に関する調査を中止するようにという命令を受けた.」と電子メールに記している.
レイノルズ氏は,この電子メール発信の3日後に解雇された.
レイノルズ氏は,現在FBIの高官となっている.
JTIのスポークスマンは,レイノルズ氏を「会社に不満を持っていた社員」と呼び,レイノルズ氏と彼の調査チームを「会社の行動規範違反」をおかしたと非難している.法律事務所に真偽を調査させたがそのような事実はないという結論が出たと述べている.
詳細は,「JTIがシリアの独裁支配者にタバコを出荷.「アサドのテロ行為への資金供給」を行った疑い」ご参照
谷直樹
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