日本医療機能評価機構の「産科医療補償制度運営委員会」,制度見直しに向け議論


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キャリアブレイン「産科補償14年に新制度へ、検討に着手- 運営委、13年2月にも報告書」(2012年2月15日)は次のとおり報じています.
「この日の会合では、原因分析委員会の岡井崇委員長(日本産科婦人科学会副理事長)からヒアリングを行った。岡井委員長は、医学的な観点から重度脳性まひの事例を分析したことで「発生頻度を減少させ得る感触を得た」と述べ、原因分析の意義を強調した。
岡井委員長は、脳性まひの原因分析が進まなかった背景には、医学的に防ぐことが難しいと判断される例でも訴訟に発展するケースがあり、「医療提供者側が自分たちを守るために解析を避けている」ことがあると指摘。「これを制度で打ち破ることができるとすれば、とても良い結果につながるだろう」と述べた。」
医学的な観点から重度脳性まひの事例を分析したことで,その発生頻度を減少させ得る感触を得た,という指摘は,とても重要です.
もっとも,今の原因分析員会の検討は,医師を訴訟から守るために,及び腰の分析になっているところもあるように思います.原因分析をしっかり行うことが,無理なものは無理として訴訟を減らすことにもなるでしょうし,長期的にみれば重度脳性麻痺の発生を減らし医師が訴えられることが減少することになるでしょう.
なお,同じ日の読売新聞「峻くんの命・反響(上)出産事故 募る不信感」には,次の記載がありました.
「「早く申請させ、訴訟を起こさせまいとしているように見えた。責任追及を逃れるための制度と思っているのでは」。両親は、かえって不信感を強めている。
提訴を検討中という父親(33)は「きちんと反省して再び起こらないようにしてくれるなら、病院の対応に傷ついたり訴訟をしたりする人は減ると思う。でも、病院側の様子からは、世間体を気にしているだけで、反省はしていないように見える」と話した。」
患者側は,お金をもらえればそれでよしとしているわけではなく,責任を認め,反省し再発を防止することを求めていることが分かます.
谷直樹
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