弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

北九州市の病院,大動脈解離の見逃し事案,6300万円で裁判上の和解

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読売新聞「北九州市立病院の医療ミス和解へ、遺族に6300万円」(2012年2月17日)は,次のとおり報じています.

「2009年の北九州市立八幡病院の医療ミスが原因で死亡したとして、同市八幡東区の患者(当時31歳)の遺族が市と担当の内科医に約1億円の損害賠償を求めた訴訟で、市は裁判所の和解案を受け入れ、損害賠償金6300万円を払って和解することを決めた。23日開会の市議会に提案する。

 市によると、内科医は09年4月、呼吸困難などを訴える患者に対し、心因性の過呼吸と診断して内服薬を処方。患者は翌日、背中の痛みなどを訴えたが、内科医は再び心因性と診断し、精神科を紹介した。患者は4日後に症状が悪化し、別の病院で大動脈解離の疑いがあると指摘され、死亡した。

 市は10年、「コンピューター断層撮影法(CT)検査などをしていれば、大動脈解離を発見できた可能性がある」とミスを認め、遺族が提訴していた。」


上記報道の件は私が担当したものではありません.
本件は,病院側が医療過誤を認め誠実に対応していたものと思われますが,賠償の金額について開きがあり,訴訟となったようです.
適切な金額で和解が成立したのは,裁判所の説得が奏効したからでしょう.

谷直樹
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by medical-law | 2012-02-17 11:20 | 医療事故・医療裁判