新薬学研究者技術者集団,日本薬学会に,スイッチOTC候補成分の選定業務についての情報公開を求める
国の医療費抑制政策をうけて,受診抑制のため(消費者の利便性が強調されることもありますが),医療用医薬品として使われていた成分が,薬局で店頭販売できる一般用医薬品に次々とスイッチされています.これをスイッチOTC(Over The Counter Drug)」と言います.
スイッチOTCは,効き目が優れた薬として売れ筋商品となる一方,安全な使用には注意が必要なものもありますし,一時的に症状が良くなるため,病院を受診せず,重大な疾患の発見が遅れる危険もあります.
このスイッチOTCについて,新薬学研究者技術者集団は,2012年3月19日,日本薬学会に,「スイッチOTC候補成分の選定にかかわる日本薬学会の業務についての情報公開を求める要望書」をだしました.
「厚生労働省は日本薬学会にスイッチOTC候補成分の選定を委託し、その結果について日本医学会およびその分科会である100有余の医療関係学会の意見を求めています。しかし、これまでに日本薬学会が選定したスイッチOTC候補成分に対しては、これらの医療関係学会から多くの反対意見が寄せられてきたこともあり、このスキームが十分に機能していないとする見方もあります。」
「医薬品のスイッチOTC化の問題は薬剤師・薬学関係者にとってかかわりの深い問題です。そのあり方について、現場の薬剤師などより広い層の人々が議論に参加して行けるような環境を整えるうえからも、スイッチOTC候補成分の選定に関する貴学会の基本的な考え方(理念)、具体的な選考基準と選考方法、選考のための組織的な体制などについて、学会の内外に対して広く情報を発信されることが重要であると考えます。
つきましては、これらの情報について、広く国民に対して積極的に開示されることを要望いたします。」
谷直樹
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