山形地裁平成24年3月28日判決,心不全と心筋梗塞との因果関係なし,過失も否定
読売新聞「「医療過誤」訴訟で遺族側請求を棄却」(2012年3月28日)は,次のとおり報じています.
「2004年8月に新庄市の女性患者(当時77歳)が死亡したのは入院先の県立○○病院が適切な検査や治療を怠ったことなどが原因として、同病院を管理・運営する県を相手取り、女性の遺族が、慰謝料など約4400万円の損害賠償を求めた民事訴訟の判決が27日、山形地裁であった。石栗正子裁判長は「診療や治療方針に過失はない」として遺族側の請求を棄却した。
判決によると、原告側が、「医師の判断で心筋梗塞の治療を行わなかったことで症状が悪化し、心不全を引き起こした」と主張した点について、「心不全の原因は多臓器不全によるものであり、心筋梗塞との因果関係はない」とし、遺族側の主張を退けた。
原告側の弁護人は「大変残念。控訴は遺族と相談して決めたい」とした。」
毎日新聞「県立中央病院医療過誤訴訟:「過失認められない」 遺族の訴え棄却 /山形」(2012年3月28日)は,次のとおり報じています.
「県立中央病院に入院していた女性(当時77歳)が心筋梗塞(こうそく)の症状を見落とされて死亡したとして、遺族が県に約4400万円の損害賠償を求めた訴訟で、山形地裁(石栗正子裁判長)は27日、原告の請求を棄却した。
判決によると、女性は04年5月、ぼうこうがんの治療のために入院したが、手術後にリンパ節などに転移が見つかった。6月に再入院して治療を続けたが、8月に死亡した。原告側は、女性が7月から心筋梗塞の症状である背中の痛みを訴えるなどしていたのに、担当医師が心筋梗塞の可能性を認識せずに適切な治療を怠ったと主張していた。県側は、女性の心不全は心筋梗塞に伴うものでなく、多臓器不全によるものだったとしていた。
石栗裁判長は「(女性は)多臓器不全となり心不全を発症したもので医師に過失は認められない」と県側の主張を認め、原告の訴えを退けた。【安藤龍朗】」
【追記】
石栗正子判事は,2012年4月1日付で東京地裁に転任になりました.
後任には,東京高裁から石垣陽介判事が転任しました.
谷直樹
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