山形刑務所で昨年投薬ミス注意5件,ただし国家公務員法の懲戒処分ではないとして非公表
「山形刑務所(山形市)で昨年、受刑者らに間違った薬を渡すなどしたとして、職員が注意処分を受けたケースが計5件あったことが29日、わかった。
同刑務所では昨年4月、受刑者らへの誤投薬が続発していた事実が発覚したが、依然として同じミスが繰り返されている。
同刑務所などによると、就寝前の投薬時、薬袋に書かれている呼称番号や居室をよく確認しなかったため、間違って別の受刑者の薬を渡した誤投薬があった。また、受刑者から就寝前の薬服用の申し出を受けた職員が、薬袋の表示を確認しなかったため、間違って朝食後に服用する薬を投与した事例もあった。
同様に確認を怠り、昼食後用の薬を渡すべき受刑者に対して、翌日の朝食後用の薬を投与したケースもあった。
誤飲した受刑者や刑事被告人に目立った健康被害は確認されておらず、誤投薬をした職員は、いずれも注意処分を受けたという。
同刑務所を巡っては、2008年~10年に計9件の誤投薬があったことが、昨年4月に発覚した。
その後、読売新聞が調べたところ、06年と08年に新たに1件ずつの誤投薬があったことも判明した。ほぼ毎年のように確認されているが、いずれも注意処分で、同刑務所は「国家公務員法の懲戒処分ではない」として、公表していない。
同刑務所の斎藤幸治総務部長は取材に対し、誤投薬の事実を認め、「間違った原因を分析して、職員の研修を行い、再発防止に努めていきたい」としている。
法務省は、山口刑務所(山口市)や岩国刑務所(山口県岩国市)で職員による薬の配布ミスが相次いで発覚した04年、全国の矯正施設に対し、投薬ミスの再発防止に努めるように書面で通知。具体的には、「薬を入れる包装紙の色分け」「投薬時に本人確認を徹底する」「受刑者らに異変があれば、速やかに医療関係職員らに報告する」などを指示している。
被収容者の人権問題などに取り組むNPO法人「監獄人権センター」(東京都)の事務局長を務める田鎖麻衣子弁護士は「誤投薬が繰り返されているのは、薬局や病院では考えられず、被収容者に対する意識の低さの表れだ」と厳しく指摘する。」
具体的な健康被害が生じなかったからよいというものではありません.
受刑者に対し適切な医療をしようとしない姿勢が,時折表面化する,刑務所における医療事故と通底するものと思います.
谷直樹
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