弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

理化学研究所,喫煙によって慢性閉塞性肺気腫(COPD)の発症が早まるメカニズムを解明

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喫煙とCOPD(肺気腫と慢性気管支炎)発症との関連性は,疫学的に証明されています.
喫煙などによりマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)が異常活性化すると,肺胞壁が破壊され,COPDを発症させることも分かっています.
コアフコース糖鎖の減少がCOPD(肺気腫と慢性気管支炎)発症の要因の1つであることも分かっています.

独立行政法人理化学研究所は,2012年4月4日,「喫煙によって慢性閉塞性肺気腫の発症が早まるメカニズム-コアフコース糖鎖の減少による肺胞破壊をマウスを用いて確認-」をそのサイトに掲載しました.
この理化学研究所の発表は,これらの間をつなぐものです.この報告により,喫煙によるCOPD(肺気腫と慢性気管支炎)発症の機序は,次のとおり説明できます.

喫煙→Fut8の合成や酵素活性が低下→コアフコース糖鎖の減少→TGF-βなどの機能が阻害→MMPが過剰に産生・活性化→肺胞構造の破壊→COPD(肺気腫と慢性気管支炎)発症

喫煙によるCOPD(肺気腫と慢性気管支炎)発症の機序が解明されていないから,喫煙とCOPD(肺気腫と慢性気管支炎)発症との関連性は明らかでないなどというJTの主張は,関連性の署名には機序の解明g必要ではないことから明らかに誤りですが,このように機序が解明されたことでその主張の前提自体が崩れたことになります.

谷直樹
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by medical-law | 2012-04-07 16:07 | タバコ