弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

日本の女性外科医の65%が将来展望もてず,50%が仕事を辞めるかもしれない

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東京慈恵会医科大学の川瀬和美氏は,第112回日本外科学会定期学術集会で,日本女性外科医会,米国女性外科医会,香港女性外科医会の会員へのインターネットアンケート調査の結果を発表しました.

「自分が10年後現在よりも高い職責にあったり,難しい仕事を行っていると思うか」との質問に,「はい」と回答したのは、日本35%,米国53%,香港87%でした.
それどころか,家事・育児・介護のストレスのための辞職の可能性については,日本50%,米国4%,香港25%が肯定でした.

つまり,日本の女性外科医は,今のままでは,3人に2人が将来に展望をもてず,2人に1人は仕事を辞めるかもしれない,という調査結果です.

アンケート調査には問題を感じている人が回答する,というバイアスがあるかもしれませんが,それにしても,これはゆゆしきことです.女性裁判官で調査をしたら,このような調査結果にはならないはずです.
労働者が性別により差別されることなく,働く女性が母性を尊重されつつ,その能力を十分に発揮できる雇用環境を整備することが求められています.
当然,女性外科医師が働きやすい環境を整え,昇進も平等であるべきです.
医療基本法には,このような両性の平等の観点からの規定も設けるべきでしょう.

3団体骨子案の「2 医療提供体制の充実」は「必要な医療従事者を育成し、診療科や地域による偏在を是正し、医療機関の整備と機能分化・適正配置を進め、十分に連携された切れ目のない医療提供体制を実現する。」というおのですが,その内容の一つに位置づけられると思います.

谷直樹
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by medical-law | 2012-04-18 00:34 | 医療