宮崎大学医学部附属病院,無断無許可で臨床研究
「宮崎大は20日、医学部付属病院の麻酔科に所属する40歳代の男性助教が昨年2月から5月、患者44人の手術の際、同意を得ずに鎮痛剤を投与し、効果を調べる臨床研究を行っていたと発表した。鎮痛剤は承認薬で、健康被害は確認されていないという。
同大によると、助教は20歳代以上の男女44人の手術で脊髄(せきずい)への麻酔を行う際、痛みを和らげるのに使う3種類の鎮痛剤のうち、無作為に選んだ1種類を投与していた。
患者への臨床研究を行う際は、事前に学内の倫理委員会で承認を受け、患者の同意を得る必要があるが、助教はいずれの手続きも行っていなかったという。昨年11月下旬に匿名の投書があり、発覚した。
44人のうち、連絡が取れない5人を除いて電話と文書で説明し、了解を得たという。助教は「通常の医療行為の範囲で行っており、臨床研究という認識が不足していた」と話しているという。
宮崎大は17日付で助教を訓告の懲戒処分にし、麻酔科の教授を文書で厳重注意した。」
「臨床研究に関する倫理指針」は,適用範囲について,次のとおり定めています.
「この指針は、社会の理解と協力を得つつ、医療の進歩のために実施される臨床研究を対象とし、これに携わるすべての関係者に遵守を求めるものである。
ただし、次のいずれかに該当するものは、この指針の対象としない。
① 診断及び治療のみを目的とした医療行為
② 他の法令及び指針の適用範囲に含まれる研究
③ 試料等のうち連結不可能匿名化された診療情報(死者に係るものを含む。)のみを用いる研究」」
承認薬を投与する場合でも,診断及び治療を目的とする場合でも,研究目的があれば,適用されます.通常の医療行為の範囲か否かという基準ではないのです.
単に,教授と助教を処分すればよいというものではなく,事実解明と再発防止策の策定が必要と思います.
谷直樹
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